２リッターのフェラーリ

かつて、フェラーリ社がユーザーの税金対策のため、イタリア市場向けに２リッターターボの車種をラインナップしていたことはご存知でしょうか。

このカタログの車種は、ＧＴＢ/ＧＴＳターボといって、世界的にも珍しいＶ８・２リッターターボを搭載しています。
年式は１９８６年頃と思われます。ひょんなことからカタログを入手できたので、紹介します。

かつて日本市場向けにフェアレディＺやスープラに２リッターの設定があったのと同様で、何か身近に感じられます。
あのフェラーリがユーザーのニーズにあわせて、わざわざ小排気量の車種を出していたというのが意外です。

外観の識別点は、ドアとリアタイヤの間にバルジ(通気口）が上下に２つあり、ピニンファリーナのエンブレムがリアフェンダーに移設されていることです。通常の328の場合はバルジは上にしかありません。


以下はferrari.com 過去の車種より引用

タイプ ミドシップ縦置き・90度V型8気筒
ボア・ストローク 66.8 x 71 mm
1気筒あたり排気量 248.83 cc
総排気量 1990.64 cc
圧縮比 7.5 : 1
最高出力 187 kW (254 hp) at 6500 rpm
リッターあたり出力 128 hp/ℓ
最大トルク 328 Nm (33.5 kgm) at 4100 rpm
バルブ作動システム DOHC1気筒あたり2バルブ
燃料供給 ボッシュKジェトロニック・インジェクション＋シングルターボ
点火装置 マレリ点火システム
潤滑システム ウェットサンプ
クラッチ シングルプレート

タイプ 2座クーペ
全長 4255 mm
全幅 1730 mm
全高 1128 mm
ホイールベース 2350 mm
トレッド 前 1485 mm
トレッド 後 1465 mm
車重 1265 kg（乾燥重量）



現代のフェラーリに比べサイズもコンパクトで好感が持てます。格子グリルの328は歴代フェラーリで最も好きな車種の１つです。
このような”地域限定フェラーリ”が今後販売されることはおそらくないでしょうね。