今年も、残り僅か1ヶ月強になり、年の暮れが迫ってまいりました。
師走の多忙期が来る前に、下半期のカーオブザイヤーを発表してしまいます♪
選考基準は、前回の上半期と変わりないですが、簡単にいえばクルマの動きが真っ当で安心感があって、その中にクルマのポテンシャルを引き出す走りが楽しめるかどうか?です♪
では、早速発表します♪
第1位 VW パサート
(画像)VW パサート ウ゛ァリアント 直4横1.4T TSI Rライン FF 7速DCT
1位に輝いたVWパサートは、ハイブリッドもディーゼルもないけれど、ボディサスペンションの剛性感が圧倒的に高く、どのグレードを選択してもステアリングインフォメーションが高く、且つ脚の動きにしなやかさがあるのが選考理由です。
更に、世界に先駆けてツインクラッチ方式のDSGを市販化させたVWですが、変速速度の速さと変速ショックの少なさのバランスが非常に高くて、完成度の高さが光ります。
昨今、北米でのディーゼル車の排ガス数値申請の不正問題が大きな話題になったVWですが、クルマ作りにおける真摯さに、曇り一つなかったことを、ここに表明したいと思います。
第2位 フィアット 500X
(画像)フィアット 500X 直4横1.4T ポップスター FF 6速DCT
2位のフィアット500Xは、ウィンカーの音一つから始まる内装面での質感でパサートに劣る分だけ順位落ちしたものの、ステアリングインフォメーション自体のダイレクトさや、ツインクラッチの切れ味の鋭さに関しては、VW以上の見どころのあるクルマです♪
イチ押しは脚がしなやかなFFモデルですが、9速トルコンATのAWDモデルの駆動系も素晴らしいです。
今回の500Xは、フィアットとクライスラーグループのジープとの共同開発で生まれたクルマで、ジープブランドではレネゲードがありますが、FFは6速DCTでAWDは9速トルコンATという組み合わせは同様ながら、フィアット製にあるドライビングモードがジープには存在せず、FFモデルのオープニングエディションで比較すると、ダイレクトな走りで見劣りする傾向でした。
レネゲードAWDのトレイルホークだけ、エンジンが直4のタイガーシャークの2.4Lになりますが、現地点で日本上陸していなくて試乗していない為に対象外にしました♪
第3位 スズキ エブリイバン
(画像)スズキ エブリイ バン 直3縦0.66 ハイルーフ PA FR 5速AGS
3位のエブリイバンは、上半期と同様の選考理由。
ただ、後にトラックのキャリィがAGSに2速発進モードが付いて、格段に使いやすくて走りが冴えるようになったのは脅威で、近いうちにバンも2速発進モードが欲しくなる♪
以下、改めて上半期の選考理由を、下記にコピーペーストします。
商用車にもAT車限定免許保持の従業員に配慮して、AT車を導入する企業が増えたけれど、経営者が悩ませる経費の問題で、通常のトルコンAT車の燃費の悪さが問題になっていた。さりとて重量を積むケースが多いハコバンにCVTが組み合わされるケースがほんの稀であることから、信頼性の面で課題を抱えてるのは明らか。
そこでスズキは、インド市場では定評のあったMTベースの自動変速機であるAGSを導入することを決意。エブリイバンでは、あえて従来の3速ATを併売することなく、AGS一本化で勝負した。
これが、MTに乗り慣れたドライバーにとってはご機嫌な乗り味で、2ペダルでありながらエンジンパワーを使い切る楽しさに満ちたもので、思わぬ副産物を得る形に。
全車パワステ付きといえど、ステアリングインフォメーションの高さではピュアスポーツカーのロードスターをも凌ぐもので、最新のクルマなのにプリミティブな走りの楽しさが、そこにあったのだ。(以上)
第4位 ボルボ V60クロスカントリー
(画像)ボルボ V60クロスカントリー 直4横2.0DT D4ーSE FF 8速AT
走りの安心感では、1位のパサートと遜色ないです!
ただ、順位が4位になったのは、イチ押しグレードがFFの直4ディーゼルモデルに限定されるところで、AWDのT5-SEは冴えない走りだったから。
数あるディーゼル車でも、特にボルボを取り上げたいのは、BMWやメルセデス・ベンツのディーゼルで使われている尿素水溶液を使った浄化方法ではなくて、触媒を使った最新技術に依るところで、メンテナンス面で尿素水溶液の交換費用?等の余分な整備費用を必要としないから。
それでV60クロスカントリーですが、走りの安心感安定感ではXC60が圧倒するものの、車重の重さで軽快ではなく、かといってコンパクトなV40ではオーバースペック気味で、脚の柔らかさが際立って相性が良くない。
それに対してV60クロスカントリーは絶妙なバランスで、XC60と遜色ない安心感と、XC60を圧倒する軽快さのコンビネーションが素晴らしいです。
第5位 BMW X1
(画像)BMW X1 直4横2.0T Xドライブ25i Xライン AWD 8速AT
本当に大変な事になった!
徐々に、FF横置きエンジン車が、BMWラインナップに増えて、しかも巨大化の一途を辿るFR勢に迫るドライビングプレジャーを提供している。
このままでは、3シリーズですらFFでコンパクト設計して、駆け抜ける悦びをアピールしかねない。
しかも今度のX1は、スタイリングもアクティブ及びグランツアラー程ずんぐりしてなくて、FRのBMWと並べても違和感ないだけに、販売台数でFRがFFに侵食しかねない。
ボディサスペンションの剛性感が非常に高く、ミニのゴーカートフィーリングは再現してないから、ドライビングプレジャーでもNDロードスター超えてる。
悔しいけれど、今やFFでここまで凄いクルマが作れるのだ!
特別枠 スズキ エスクード
(画像)スズキ エスクード 直4横1.6 AWD 6速AT
日本車で初めて都会派4駆を名乗りながら、オフロードを忘れる事はなかった、歴代のエスクード。
ラダーフレームを持つレイアウトでは車重の増加が避けられず、結果燃費の悪化を招いて維持費に響く現状を打破したい。
そこでエスクードが選んだ手段は、北米市場から撤退して、小型FF乗用車ベースへの転換。
これは、オフロードからの撤退をも意味しかねない、エスクードブランド崩壊のリスクをも伴う。
主要コンポーネンツを共用するSX4-Sクロスとの差別化は、タイヤ外径を大きくしてホイールベースを縮め、CVTを使わないで6速に多段化したATにしたこと。
これが良い面に出て、NAの直4・1.6Lガソリンエンジンのパワー感トルク感に特筆する部分が見当たらないものの、それなりのボディサスペンションの剛性感が高く、ステップATになってギア選択の任意性とダイレクトな駆動力が伝わるようになったのが、非常に嬉しい1台でした。
先代モデルは、今もエスクード2.4として併売されるも、クロカンありきだったら、生産が終わる前に旧型選択でしょうね。