’84or85 トヨタ カローラレビン 3ドア GTV 5速MT



今回乗ったのは、前期レビン3ドアのGTVでエアコンは付いてるもののパワステ・チルト・PWなし。エンジンノーマルで、排気系は触媒後のマフラー交換のみ。脚はダウンサスといった仕様でした。
確かに、見た目は傷凹みが多くてお世辞にも綺麗とは言えず、80年代車だから仕方ないかもしれないけど、エアコンの効きが弱く、エンジンパワーもさほどではない様子でした。
ただ、機械式LSDが入ってるので、即ドリにはいいかもしれないですね。
乗ってみた印象として、ノンパワステでの切り返しはやはり重いし(Fタイヤの磨耗も考慮する必要あり)、スピードメーター・オドメーターの反応が良くないし、で実際に愛車にするにはそれなりの覚悟が必要な気もしましたね。
確かに中古車市場では、シルビアQ’sよりもハチロクの方が強いけど、クルマの出来はさすがに年月の差を感じないわけにはいかなかった、です。
私の場合、シルビア乗りだからと思われるほど硬派ではないんでしょう。
ドリフト目的だとしても、高価なハチロクよりは激安のクラウン・セドグロ中古を選ぶ人なので…。
ということで、ハチロクファンにはがっかりなインプレになってしまいましたけど、これが今の私の正直な気持ちなんですね。
ということで、判定です。
:失恋の予感。
これがパワステ付でエンジンチューンされた仕様なら、好転するかもしれないですけどね。
でも、ハチロクに乗らずに死なないで済んだから、良しとしてます。
2008-09-14 加筆訂正あり
’84 トヨタ スプリンタートレノ 2ドア GTアペックス 5速MT 92前期エンジン・キャブ仕様


① 成り立ち
言わば、ハチロクの定番チューンド仕様。
走りに徹したタイムアタック仕様らしく、2人乗り公認で、信頼性に欠けるエアコンを撤去し、パワステもなし。
以前ノーマルエンジンのハチロクに乗って、全体的に線の細いイメージを持ってしまったのだが、チューンド仕様はいかに…。
② 運転環境
ベースがGTアペックスなので、チルトステアリングが付きます。
サンルーフが付いていることで、風の抜けが出来て、快適な居住空間に貢献していることを、新たに発見しましたね。
こんなことは、普通のチューニングカー雑誌では書かれないですが…。
③ パッケージング
内装カッパギ仕様で、おそらく車重900kgを切っているのでは…と言われるほどの軽量仕様です。
ので、他の大排気量スポーツカーにも、速さの面で劣ることは滅多にはないことを、改めて発見ですね。
④ パワートレイン
キャブ仕様と聞いて想像するような使いにくさはなく、街乗りでも十分に対応できるだけのフレキシビリティを確保していながら、高回転まで回した時の加速の伸び・パンチ力はさすがだなと。
これも、前オーナーが手塩に掛けて、こまめにメンテナンスしたお陰で、チューンドエンジンの本領を発揮できた結果なのですが…。
少なくとも、中途半端なスポーツカーでハチロクと比較しないで欲しい、と訴える土屋圭市さんの言葉に、重みが増した感ですね。
⑤ ハンドリング
ワイドリムのホイールに185幅のタイヤを履いて、パワステがないので、ステアリングは相当重いです。(ジムニーどころではないほどです。)
これも全て走りのため、軽量化のため、エンジンレスポンス向上のためとなると、俄然気合が入るというもの。
今時の下手なスーパースポーツカーが忘れた、サムライ魂がそこにある…。
⑥ 判定
:ベンチマーク
ノーマルのハチロクなら、単に軟弱なトヨタスポーティークーペかもしれない…。
そこに、走りに徹したチューニングが施された瞬間、ピュアスポーツへと変貌する姿が、そこにはあった…。
現在ハチロクの現代版を復活させようと、スバルとコラボを組んでFT-86の開発が進んでいる最中だ。
だが、購買年齢層が高いからという理由で、高級化を推進する勢力が高まっているだけに、当初のコンセプトから逸脱しないか、とても心配だ。
実の所、わたしが本当に期待しているのは、ガズーレーシングでプロトタイプとして製作されている、アイゴをベースに、ラッシュの縦置き1.5Lを積んでFR化したモデルの方な気がしてならない…。
低価格で適度なパワーでクルマを操る楽しさを持っていることが、何よりも大切だから…。
2010年05月31日(月) 加筆訂正あり
過去2台に渡り、試乗経験を持つハチロクを紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
1台はエンジンノーマルで、全域でパワフルさも高回転での加速の伸びも低中速域でのトルクも大したことなかったため、当時の愛車だったPS13シルビアのQ’sとは単純に時代の差を感じたのみでした…。
対して、2台目のトレノはエンジンに手が入った仕様で、これのポテンシャルを引き出すには、相当に走り屋の心得が必要な、頭文字Dでイメージされるハチロクそのものだ、と思ったもので、こちらだとシルビアのターボチューン仕様でも、決して手抜きは出来ないと思った程でした…。
いずれの2台もパワステが未装着でそれなりに立派なタイヤが装着されていたため、相当な重ステ仕様でした。
最近試乗したTE47トレノも同じような傾向だったため、カローラのボディに軽量なK型を積んだ1.2Lに12インチならば軽いステアリングも、一クラス上でエンジンが重いT型やA型のスポーツエンジンを積んで、185幅の13又は14インチタイヤが装着されると、途端に重くなる傾向でした…。
そこで、先日のトヨタ車五選では、人とクルマのプリミティブな面白さをテーマにしたため、相対的にノーマルでのポテンシャルの低さとステアリングが重い件で、80年代ではハチロクを選出しないで、あえて高級路線のセンチュリーを選択したわけです。ただ、同じスポーツクーペとして初代ソアラも検討し、ハチロク以上の資質の高さはあったのですが、族車風な改造があったため、選出を割愛させていただきました。
今度は、ハチゴーの標準の13インチタイヤ仕様で、試乗して執筆出来たら…と思います。^^