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2015年05月31日

自己矛盾を抱える車選び

自己矛盾を抱える車選び

今のスバルに乗って、車の評価軸が大きく変わったことを以前述べていますが、改めて私が評価しているスバルのハンドリングとは何か考えてみた。そもそもエンジンの良さは気に入っている根幹だけれど、車としての他との根本的な違いは「フルタイムAWD」が生む独特のスタビリティに有る。

しかし、スポーツドライビングを考えた時、絶対速度が公道レベルでは「○○使い」と呼べるような領域に、そもそも踏み込めない。すなわち、一旦破たんした挙動を職人的な腕で何気に制御下に置くような・・・・。つまり、どこまで行っても「乗せられている感」が付きまとうのではないか?、と。

ところが、そーはならない不思議。

スタビリティが生む快感
リニアリティが生む快感

高いトレース性が生む快感
思い通りになる快感
etc

これらは、しっかり体感できる美点である。以前に、

ドライビングプレジャーを考える(その1)
ドライビングプレジャーを考える(その2)
ドライビングプレジャーを考える(その3)
ドライビングプレジャーを考える(その4)

といった、ドライビングプレジャーの考察を展開したことが有りますが、受け取り手の感情からの切り口でしたが、今回はちょっとまた、違う切り口で。



車の運転において、コントロールが容易で操作に忠実なズレの無い動きをしている時、人は安心して運転できる、また車と言う機械に対して、信頼を置くことが出来る。そこから車が限界に近づくにつれ、最初にリニアリティが失われ、制御の正確さが要求されて来る。入力と結果にズレが生じ、補正が必要になる。しかし最初の段階は自分が知り尽くした車なら、ここは「習熟」という経験値で乗り切れる。むしろそれが要求され、的確に対応できることで満足感さえ得られるだろう。

さらに限界に近づくと、非常に経験値の少ない領域になる。感や経験の延長線をイメージして、それでうまく対応できるか怪しくなる。こうなると恐怖心が首をもたげ、アドレナリンの分泌も同じ興奮とは言えないものに変わって来る。 通常、ここに踏み込むことはペナルティであろう。だがそこまで行かなければ、その境界もまた見えてこないが。

その境界ゾーンが幅広ければ、引き返しやすく「楽しい」と言えるドライバビリティを持っていると言える。けれどもここがヒリヒリするような狭い車は、危険である。そして困ったことに、その手ごわさに取り憑かれることにもなってしまう。

ここが人間、人生の岐路だと言う気がする(大げさ(^_^;)。

安全マージンを可能な限り取って、その上でその先を覗き見つつも引き返せる走り方。

一方、その先を超えてみたい欲求の強い人は、際どい制御をものにし、征服感にも似たカタルシスを欲するのだろう。


尊敬するドライバーにガンさんこと黒沢さんがWRX(ひとつ前の)とランエボ試乗評を語ったyoutubeがある。ここで彼がフォーミュラー的な方向を求めている生粋の追求型だとわかる。
スバルが「・・・雨の日でも、安全に速く走れる・・・」という点を強調すると、ガンさんは
「そんなコンディションが悪い時には、速度を落とせばいいんで、・・・・ドライの路面で、究極のハンドリングを追求するような、そんな車を作ってほしいなぁ」と言うくだりが有る。
 (最後の1分あたり)


実はその違いが、私自身の欲求の中にも矛盾として内在している。

操舵輪にトルクの掛からない後輪駆動車で、ステアリングインフォメーションに神経を研ぎ澄まし、限界を探りながら限られたトラクションを如何に有効に引き出すか・・・。という感覚。



一方、仕事を抱えてリスクも高い公道で上記で述べたような、コントロールの上限を探るような走りをする場合、アクセルを踏む心理の駆け引きが「ここまで踏める!」という気持ちにおいて、安心感を持って「踏ませる」車と、限界をちらつかせて「踏めない」車のどちらが好きか、と言う好みの問題。

絶対速度は論じない。この場合結局違いは、料理でいう素材の違いではなく味の演出みたいなものだと思う。 頭で描く限界線、五感に感じる信頼感「リニアリティと制御下にあるとわかるインフォメーション」一方で、もっと行けるだろうと思わせておいて、2次曲線的に手ごわくなる特性の車。これは普段乗りではどちらも安心感ある乗りやすい車である。

ところが飛ばすと変わる。あるいは環境がシビアになると変わる。

そう言う変化率の違いが、大きな個性と言うか、差なんだろう。

私の車歴の中では、前車は今のB4であり後者は空冷911である。そしてどちらも実は毒が有る。911の毒はわかりやすい。その感度を持った人ならば一瞬でやられる。強烈な落差のある本性は、簡単に破たんするドライバビリティと、通常到達しえないドライバビリティの2面性。

一方のB4は、ひたすら安定。怒涛の直進安定性を発揮しつつ、意外と峠では身軽にひらひら走る。速度を上げて行っても一向に基本特性が変わらない。段々シビアにはなるけれど、予測が反転しない。そうすると、道路側が一定の場合はドライバー側のインプットとの対話で済む
ため両者ともに楽しいのだが、道路側が変化する状況では、途端に911は気が許せなくなる。バイク乗りなので、全くバイクと同じ注意力が要求される。

その際立つ個性は、実は両者ともに、通常の車が持ちえない「トラクション」つまりタイヤを生かす独特のエンジニアリングの産物だと言う所に帰結する。

スバルは「さすが、車は楽だよな」と4輪の恩恵をたっぷり味わえる。911もまた「さすがにこの横っ飛び(瞬間移動)は911だよな」という驚異の機動性がある(跳ねてすっ飛ぶと言う意味ではありませんよ(^^ゞ)。

つまり、私自身がバイク好きなように、非常にシビアな領域を探ることも好きなら、スバルのように絶大なるリニアリティを持った制御性を与えてくれる乗り物もまた好きなのだ。

日常生活からちょとした非日常の世界まで、趣味の領域までをカバーする人生の伴侶としての「自動車」を考えた時、常にこの両者が私の中に居るのです。



そういうわけで、スタビリティの高さは退屈さにつながらず、ヒリヒリするようなスイートスポットの狭さだけが、運転の醍醐味を伝えてくれるわけでも有りません。今の私にわかっていることは、バイクと車の二股趣味生活では、今のBLEが極めてフィットしていると言うことに改めて気づいたのでした。故にAWDを味わうには上質なエンジンがほしくなる。刺激側のエンジンであれば、もう片方の車の個性がよりマッチすると思うからです。
(バイクに乗らない人ならば、964カレラ2と新型レガシィのコンビは結構強力な補完関係になると思われます。私には甲斐性が無いですが(;^_^A

おわり
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Posted at 2015/05/31 10:01:36

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