e-powerの面白さに未だ、わくわくのFLAT6です。今回は、エンジン大好き、タコ足エキゾースト大好き人間が、電動カーなんぞ楽しめるのか??という疑問と心模様を述べてみたいと思います。
「MTとATの違い」のエントリーで述べた「運転時の意識転換」これが、電動車、、というか、「ワンペダル」運転で起こります。後で述べますが、そういう意味ではリーフの方がより強く感じるかもしれません(0.2Gまで、4輪のメカブレーキ制御も加えて、回生のためのワンペダルではなく、車両制御(制動)のワンペダルになる。さらに0.3GぐらいまでAWDで回生ブレーキ装備してもらえると、ほぼワンペダル型の電動スポーツカーになると思います。
この前息子とBレンジのSモードで、多分国産初と言える「電動スポーツカー」を味わいました。そういう心境の変化になるかというと、
変速が無いため、その走り回る峠全体の路面やRに合わせた「右足の踏み込み」が加速と速度維持の対話になる。と同時に、ペダルの戻しが調速制動になる。そのため、車の加速度(車体の姿勢制御込み)での微小な前後Gコントロールを右足一本に集中して可能になる。ま、言ってみれば遊園地の電動カートみたいなもんですが、それは詰まらんだろう、、と思いきや、これが結構面白い。面白いというのは、「追及する深み」がちゃんと感じられるのです。これを味わっていると、これまでの内燃機関車の制御はずいぶんとラフであったなぁとしみじみするのです。
アクセルを踏む。
間髪入れず、加速。(この加速曲線が、うまく作りこまれていて「ガッ」と踏んでもちゃんと角を丸めて最短で直線右肩上がりのカーブになり、離すとこれまた結構なマイナスGが来るのですが、そこもきれいに角を丸めてあるのです。だからバックラッシュ的なスパイクGが微塵も発生しない。これが内燃機関車は、
アクセルと踏む
一瞬、吸気音が高まり加速Gが出てくる(車によるけど二字曲線的に)。そしてアクセル開度の線形性とは少々ずれて(回転域によって癖が出る)なまってくる。そしたら変速のタイミング。マニュアルだとG抜けとつないだGショック、ドライバーはまだしも助手席の人は頭ぐらぐら。ATだとかすかなGスパイク。
そして加速Gと空走Gと、アクセル戻したエンジンブレーキのマイナスGは、これまた回転域で強さが違うし、掛けてる間もGはフリクション変化で変わる。そしてブレーキを踏むと本格的にマイナスG制動。これをうまい人は、一定の減速度になるようにペダルコントロールします。そしてアクセルに戻すときに、いったん空走Gを通って、アクセルペダル踏み合わせて加速G。この時もエンジンの回転域や踏み込み加速度によってふらつく。
こういった様々な「つなぎ目」を感じさせないように滑らかにG制御をすることが、運転者のスキルアップであり、醍醐味の部分もあるのですが、ガンダムに乗ってから、それは楽しいことなのか? と思うときが有ります。911のように、アンダーからオーバーと、スイートスポットが狭く、ミスると手痛いですが、苦労して馴染んでくると、そのスイートスポットにはまった時のリターンが気持ちよくて、苦労の見返りみたいな秘かな自己満足が有ったのですが、出来の悪いのをだましだまし乗って、すごい、、みたいなのは興奮はするけど、意外とすぐ冷める。
ノスタルジックな旧車的、「機械を操っている感」の醍醐味もわかるし、代えがたい快感も、古いほど濃厚に有ります。
しかし現代の車は、以前も書いたように排ガス、エコの重荷で、四苦八苦で回ります。変速シフトのなんと滑らかなことよ、、と感心していた多段ATも、無段変速ではなく、「無変速」だから、トルク感と車速がずれて居るCVTのような違和感もなく、あくまでも右足に忠実にトラクションをミリ単位で伝えてくれる面白さ。
立ち上がりで本当に、タイヤの10%スリップ率みたいなミリミリしたグリップ限界を探れるなんて、、、という感覚。(アンダーとニュートラルの境界線にうまく前輪を乗せて…なんて感覚が(;^_^A)公道レベルの速度域でも味わえて新鮮。
今後、観測気球を上げていたNISSANのリーフベースの試験車両が、実際に「本格的電動スポーツカー」として搭乗し、さらにニスモSバージョンが出た暁には、1台に集約可能だろうと考えています。
<リーフ電動2モータ式AWD試験車>
地味なニュースでネット動画ぐらいしか、取り上げてなかった?、最近雑誌見てないのでよくわかりませんが)
破綻補正のESCではなく、積極的なスタビリティ制御であり、4輪の加重制御の自動補正(イン側ブレーキでヨーを出して、憎いのは戻り側におつり消しの逆ヨーをちょいと入れていて芸が細かい)
控えているAWD版の前後モータスポーツには私は興味津々。
<電動レーシング版>
一年前の動画がですが、当時はなかなかイメージがわきませんでした。
私のガンダムはこんなにはすごくないですけど、やってることのイメージは共有できます。
特にダウンヒルで飛ばしているときは、結構こんな感じ(体感していないと、世界観のイメージわかないでしょうけども)
ここまでくるとドライブ・バイ・ワイヤの世界も、乗せられている感ではなく、ドライバーが狙ったダイナミックなラインに、細やかな姿勢制御を発揮させつつ、スタビリティ抜群に車側に任せつつ、走るのもダイナミックな運転の範疇という気がします。
元GT-R開発にも関わったレーシングドライバーの木下さんが、
電動スポーツカーについて有りなのか、無しなのか?、似たような心模様を書いていました。
テクノロジー的には、電制サスとモータのパワー制御モードを組み合わせれば、買い物車と峠スポーツを1台で両立可能と思いますね、ま、車幅や車高の制約はあるだろうけど。
これらの電動スポーツカーの出来栄え如何では、何か最も生身に近いパワードスーツ感のある「人馬一体」を超えて「人機同体」感のあるドライビングプレジャーが見えてきた気がします。そして結構楽しくて、悪くない。
電動ニスモS、白いガンダムは予想以上に素早くなじんで、右足が前後Gの制御に、後はハンドルで左右の荷重の乗せ方(前後Gは、気が付きにくいが実にうまくニスモの思想が入った制御曲線に乗せてあるため、少々下手でも前後Gが凹凸にならないので陶酔できます)
しかし、左右の制御はドライバーが全てなので、ハンドルとフロントタイヤの伝達感触がとても大事ですが、そこもしっかり手が入っている。ただ、電動パワステのセンタリングの無負荷と負荷の境界が、限界なのだろう、ちょっとべた。
これは多分もう一回りトルク容量の大きいモータで倍率下げて、フリクションとフロントタイヤの直進成分のセンタリングトルクとの倍率の問題だと思う。ジオメトリから来るセンタリング力が強めで、結構古典的なFF特有のくせに加えて、中央から所期の切り始めが有る閾値を超えてからやおら動き出す感じで、センタに不感帯が有るのとは異なる、常にバックラッシュゼロの反力なのに、タイヤ側への意志伝達に引っ掛かりが有る感じ。
高速では特に気になる。ワインディングではあまり中立が無いので気にならないけど。
そんなわけで、電動スポーツカーの楽しみは、色んな要素を排除していって、自動車の運転に必要な最小限の制御要素だけがドライバーに渡された感じ。しかし単純で直接的、リニアな特性ゆえに、没頭できる一体感は有って、何か「シンクロ率」を上げることに没頭してゆくフロー状態があるんですよね。
今手に入るこのニスモSは、おそらく日本で5000台~多くて1万台未満しか存在しないと思われ、結構な希少車でもあると思います。
NISSANには、本格的な電動AWDスポーツを期待したいところですが、いいお値段するでしょうね。Zの後継車あたり、面白い気がしますが。
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2020/04/04 00:16:18