
今回手に入れたキヤノンのオールドレンズ Canon FL50mmF1.8は、外装がちょっと汚いだけで目立ったカビもなく、分解無しで撮影に投入できました。
絞りリングが先端側にあるレイアウトにやや戸惑いつつ、デジタルのボディなら開放測光も実絞り測光もなにもなく使えるので順調に試し撮りを進めていたのですが、撮影している途中から、一瞬絞りリングの動作に妙な抵抗が出たと思ったら、その後はクリック感の無いスカスカになってしまいました。
絞り自体は動作しているので、緩みや空回りなどではなさそうです。
回した感触の変化からみて、クリックボールの脱落っぽい?

と言うことで、このレンズは分解無しで使うはずでしたが、分解する理由が出来てしまったので”仕方がなく”分解することに。

写真中央のちょい上にある銅色のプレートで押さえられているはずのベアリングボールが行方不明です。
鏡筒の中のどこかにあるかな?と思い浮かべながらこのプレートを外してみると、ボールはこの影に隠れていました。
一旦組み付けて動作確認するも、数回の操作でボールが脱落してしまう状況。
よく見るとボールの転がる相手側に磨耗した溝が出来ていて、接触抵抗に負けてボールがここから飛び出してしまう感じでした。

ボールのサイズφ1.6mmに対して、穴のサイズがφ0.9mm程度では小さ過ぎる気がしたので、穴をφ1.3mmに拡大しボールの収まりをアップ。
その後は何度も動作確認し、ボールの脱落はなくなりました。
せっかく分解したので、前群の間に入っているホコリと曇りの清掃。

残念ながら、間の曇りはコーティング自体が劣化してしまっているようで、拭いてもクリアにはなりません。
でも、曇りはレンズの外周付近だけだし、全体的にはキレイになったので問題は無さそう。
分解は前群側の絞りリングとピントリングだけで、実際にレンズを繰り出しているヘリコイドは抜かずに終わらせたので、完全な分解整備は出来ていませんが、目に見える内側の汚れや劣化したグリスの拭き取りと、新しいシリコングリスの充填で滑らかな動作も取り戻せました。
Posted at 2017/01/23 00:11:17 | |
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