![朝まで星撮り --- 惑星編。 朝まで星撮り --- 惑星編。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/037/524/059/37524059/p1m.jpg?ct=e5893e2ea5a3)
3月16日は上弦の月でした。
新月の時、月は太陽とほぼ同じ時刻に昇り、満月はほぼ半日違いで昇ります
ので、その中間の上弦・下限の月は、それぞれ太陽より1/4日(約6時間)遅く・
早く昇ります。
上弦の月はおおよそ夜半には沈みますが、今月は月の高度が高いために
月の出は早く、没は遅くなります。
昨晩は、日付が変わった17日の2時頃が月没の時刻です。
前回の星撮りのように、雲は無いものの霞んだ天気でしたが、今月は最後の
機会になりそうでしたので、天山登山口まで出かけました。
日中は暖かく、標高850mの場所でも、もう冬の寒さはありませんでした。
それでもダウンジャケットは必要でしたが。
その気温のせいか、この夜は3組、夜景を見に登ってくる車(1組は団体)がいました。
また、珍しく望遠鏡と赤道儀で天体撮影する人が私の後からやってきて、色々と情報交換できました。
冬が過ぎて、夜の観望地も賑やかになった感じがします。
最初に赤道儀を設置し、いつもの屈折鏡を載せて銀河を撮ります。
霞と光害の影響を低減すべく、「光害カットフィルター」を初めてこの鏡筒で使いました。
未だ画像処理が終わっていませんので、銀河の写真は後日ということで、今回はα6300で撮った惑星をご紹介します。
惑星の前に、NEX-7のために買ったSAMYANGの魚眼レンズ(8mm F2.8)がお蔵入りしていて、それをテストするのも
この夜の目的の1つでした。
風景用に、広角ズームとこの魚眼レンズを購入したのですが、魚眼レンズの方はNEX-7では周辺部の赤かぶりが酷く
使い物になりませんでした。
初期のフランジバックの短いミラーレス機では、超広角レンズを出た光はセンサーの1つ1つのセルに垂直ではなく
浅い角度で入るため、画素の境界による光の散乱で赤い光だけが画素に入り、この赤かぶりを生じていました。
最近のセンサーでは改善されているので、久しぶりに魚眼レンズを持ち出しました。
光害が目立たないよう、月が沈んだところで、北極星を端に入れて日周運動を。「タイムラプス」というアプリを使い、
ISO250, F2.8, SS=20sを90枚(約30分)撮りました。
魚眼でぐるぐる_2016.03.17 posted by
(C)koichifun
左の方の明かりは、山に隠れた月で、右の方に佐賀市の光が入っています。
確かに画角は広いのですが、湾曲するものが写っていないので不自然さは感じませんね。
前回木星を撮った時は、D810Aを使いましたが、今回は換算焦点距離が1.5倍となるAPS-Cサイズのカメラですので、1.5xエクステンダーを使わずに、接眼部にはアイピースだけを取り付けます。
カメラを取り付ける前にアイピースを覗くと、像は揺らいでいますが、前回よりシャープに見えます。
最初に、ISO250、SS=0.125sで1秒間隔のインターバル撮影で240枚撮りました。それを合成したものが次の画像です。自分が撮ったものではこれまでで最高の出来です。
Jupiter_2016.03.17 posted by
(C)koichifun
次に4K動画で撮ります。24pで2分ほど撮れば静止画2000枚以上は撮れます。ところが、うちで最強のMac Pro(3GHz 8-core Xeon 32GB RAM)でも2000枚を越す画像の合成はできませんでした。
もっと効率の良いソフトがあればできたのかもしれませんが、1000枚程度に減らして合成します。
画像の解像度は3840x2160ですが、フォト蔵に上げる3:2の画像と同じにするため、ピクセル等倍で2048x1365にクロップしています。
Jupiter_mov_2016.03.17 posted by
(C)koichifun
揺らいでいたので、輪郭がシャープではありませんね。
比較のために、上の静止画を合成した画像をピクセル等倍にして、同じ大きさにクロップしてみます。
Jupiter_2016.03.17_crop posted by
(C)koichifun
こちらの方が衛星も写り込んでいますし、木星らしく見えます。色収差が大きいのはアイピースを使っているためで、もしかしたら光軸が合っていないのかもしれません。
夜中の2時を過ぎる頃には、東の空からさそり座が昇ってきます。
タイトル画像は、佐賀平野の上に横たわる天の川で、その中にさそり座、火星、土星があります。土星が霞の上に出るのを待つことにしました。
夏に見られる天の川が戻ってきました。
上の画像は撤収前の4時頃に撮ったものです。
木星と同様、土星と火星も動画で撮って合成してみました。大きさを比較するために、木星と同様、ピクセル等倍にして画像が同じ大きさになるようクロップしています。
Exifに残っていませんが、どちらも木星より暗いのでISOを上げています。火星は倍率が足りませんね。
Saturn_mov_2016.03.17 posted by
(C)koichifun
Mars_mov_2016.03.17 posted by
(C)koichifun
当初は木星と銀河を2、3撮って1時過ぎには帰るつもりでしたが、観望場所で星撮りをしていた人と話してみて、共通の知人が数人いることが分かったり、天体機材の話で盛り上がって時間が経ってしまい、それならと土星を撮るまで粘ってしまいました。
夜が短くなったと感じていたら、次の週末は春分ですね。
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Posted at
2016/03/17 19:51:37