![入梅前の星撮り --- 星雲と銀河。 入梅前の星撮り --- 星雲と銀河。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/038/018/857/38018857/p1m.jpg?ct=8022a12fced5)
前回のブログの続きになります。
火星最接近の2日後の6月2日の夜に星撮りに出かけましたが、
風が強く、途中から曇ってきました。
広角レンズで撮った写真と木星、火星の画像をご紹介しましたが、
もう1枚、固定撮影をした画像が残っていました。
昇ってきた天の川をさそり座を中心として撮った後、佐賀市街の光害の
上に出てきたはくちょう座から下の天の川を撮りました。
はくちょう座のデネブを1つの頂点とする夏の大三角を入れました。
こちらは60枚のインターバル撮影をして合成したものです。
これらの固定撮影をしている最中は、赤道儀とポタ赤が仕事をしていました。
この夜は風が強かったので、反射鏡ではなく細い屈折鏡を持ち出しました。
低空は雲に覆われていたので、しばらくは晴れていそうな北の高いところにある銀河を撮りました。
おなじみの子持ち銀河(M51)です。最近は長い焦点距離で撮っていたので、ちょっと小さく感じますが、その分シャープです。
その後、同じく北の空のM101を。これはM51よりは大きいのですが暗いので露出時間を6分から7分に上げましたが、薄く雲がかかっていて画像が白くなってしまいました。9枚を合成したものです。
ポタ赤の方は、D5200に135mmレンズを付けて天の川周辺の星雲を狙います。
前回は露出時間が足りなかったアンタレスの周辺を。
その後、はくちょう座デネブの近くにある北アメリカ星雲を撮りました。F4で180秒ですが、暗い被写体なので、雲がなければもっと時間をかけたいところです。
最後に、前のブログにあげた雲に隠れる天の川を撮っていた時間帯に、上と同じ機材で天の川のなかの散光星雲を。
前回の出動の時は、D810A+450mm屈折鏡で撮りました。こちらは途中で雲がかかってきて、なんとか使えそうな5枚を合成しました。
ソフトフィルターを使ったように明るい星が滲んでいますね。
梅雨明けにでも綺麗な写真を撮りたいと思います。
この時間帯に望遠鏡では今シーズン初となる星雲を捉えていました。
惑星状星雲の典型例であるリング星雲(M57)です。
恒星はその質量により、進化の道筋が決まっています。(私が高校生の時、地学の時間にHR図というので説明を聞きました。)
太陽の0.8〜8倍の質量を持つ恒星は、その末期に白色矮星になります。(それより重い星は超新星爆発を起こします。)
その前段階で赤色巨星となり周りに電離ガスを放出して、中心に白色矮星が残り、それが放つ紫外線に照らされた電離ガスが可視光を放出しているのが惑星状星雲です。
M57はこと座に属し、ベガが目印になります。下の画像はSkySafariの画面です。
こと座のα星は言うまでもなくベガ(Vega)で、β星はシェリアク(Sheliak)、γ星はスラファト(Sulafat)でこれら2つの星の間に位置しています。
太陽系からの距離は2300光年で、視直径は小さいので、上の銀河と同じ焦点距離でも次の写真のように小さく映ります。雲が広がるまでの5分x4枚を合成したものです。
この写真の上の方に写っている明るい星がシェリアクです。距離は960光年で、等級が約3〜4の間で変わる変光星です。
リング星雲は画像の中央に写っていますが、小さすぎるのでpixel等倍にクロップしてみました。
青い中心部からはヘリウムが出す光、縁の赤い光は窒素が出す光です。オリオン大星雲、上の写真にある干潟星雲(M20)などの赤い光は電離した水素が出す光で、星がまだ生まれていない場所から発せられますが、惑星状星雲は星の末期の姿ですので、星の中で合成された水素より重い元素の光が見られます。
この夜は雲が広がってきたために、リング星雲の写真を最後に、1時過ぎには撤収しました。
次の新月期はまだ梅雨の最中なので、次回は梅雨明けになりそうです。4月以降霞んだ空ばかりでしたので、梅雨明けのクリアな空を期待したいところです。
最後に火星の下のA45を。
ブログ一覧 |
星・月 | 趣味
Posted at
2016/06/07 08:10:33