
台風が日本の南海上を通過したおかげで、梅雨前線がそれに
引きずられるように南下して、今の時期として珍しく晴れた天気が
続いています。
風が強く雲も少しあったのですが、この時期の貴重な晴れ間を
逃すまいと、火曜の夜に出動しました。
いつもの天山登山口に行ってみると、思ったよりも風が吹いて
いなかったので、赤道儀を設置して鏡筒を載せてINDI関係の
機材を取り付け配線します。先月末にバージョンアップされた
INDIのクライアントのテストも兼ねていました。
準備が終わって東の空に昇ってきたベガで大まかにフォーカスを
合わせて、望遠鏡を初期位置に戻してからスタートします。
天の川の中の星雲を撮る予定でしたが、そこに雲がかかってたのでずっと東寄りのベガの下の方にある星雲を導入しました。
今年初となる亜鈴状星雲(M27)という惑星状星雲です。太陽系から1400光年の距離にあり、太陽程度の質量の星がその末期に
ガスを放出している様子です。
この星雲を撮影し始めて1枚目が終わる前から風が強くなり、オートガイドが安定しなくなりました。
D5300にフィルタをつけてISO1600、SS=420sで30枚ほど撮りましたが、ブレブレの画像を捨てて20枚を合成しました。
22時頃からは大変寒くなり、念のために持ってきていたダウンジャケットを着込みますが、風のために体感温度はかなり
低く、INDI関係は正常に動作していることを確認した後はずっと車内にいました。
強い北風のために山の稜線にかぶさるような雲が出てきて、それが広がらないように祈りながら、小型赤道儀を設置して
D810改に200mmレンズをつけて載せます。こちらは雲の上に出てきたさそり座の一部を撮っていました。
アンタレス周辺の色とりどりの星雲が賑やかな領域で、前に望遠鏡(350mm)で撮っていたので、それよりも広い画角で
星雲の東に伸びる暗黒帯を入れてみました。
小型赤道儀に重いカメラだったので、強風の影響がモロに出てブレまくりのボツ画像です。
このブログに載せるくらいに縮小すれば何とか見られます。
22時過ぎには東の空の雲が減って天の川が昇ってきました。
ポタ赤に35mmレンズを付けたD810Aを載せて、夏の大三角を導入します。以前、25mmレンズで撮っていたのですが、その時
より天の川が立ってきています。ISO400、F3.5、SS=300sで35枚をインターバル撮影。D810AのM*モードでは1分以上のSSが
使えるので外付けのタイマー要らずで楽です。22:45頃から始めて終わったのは1:30過ぎでした。
最後の1枚は、レンズが結露していたので捨てて、最後から2枚目を切り出したのがタイトル画像です。
34枚を合成して画像処理すると次のようになります。
最初の10枚くらいは、天の川より下の部分が佐賀市の光害の影響を受けて白っぽくなっていましたが、処理で目立たなく
しています。夏の大三角メインなら35mmの画角が丁度良いですね。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ♪」という歌が聞こえてきそうです。(マイナーでした?)
上の画像の撮影の後、レンズを25mmに替えて立ち上がってきた天の川とA45を撮りました。
ポタ赤の追尾速度の設定を恒星の1/2にしてISO800、F2.5、SS=30sで撮った1枚ものです。
後ろの木が風で揺れているのが写っていますね。車内が明るいのはINDIで撮影させているPCのモニタの灯りです。
ともかくこの夜は今の時期としては異常に寒くて、撮影の設定をした後はずっと車内で過ごしたので、各機材で
1つずつの画像しか撮影しませんでした。そのため、1つの対象に20枚以上使えて、合成後はノイズが殆ど無く
画像処理が楽でした。
上の画像の天の川の中、中央にある「バンビの横顔」の左下に見える明るい星が土星で、この画像には写っていませんが、
左の方に火星が見えていました。前回見たときよりも火星が明るくなっていて、近づいているのが感じられます。
風が強くなければ火星と土星を撮りたかったのですが、この夜は上の写真を撮った後、機材を片付けて2時過ぎには
撤収しました。
寒さには参りましたが、梅雨のさなか、これだけの写真が撮れたのは幸運でした。
Posted at 2018/06/14 17:41:30 | |
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