2018年10月08日
F-35戦闘機用エンジンパワーアップ
ロッキードマーティン社製F-35ライトニングⅡのエンジンはPW製(プラット&ホイットニー)F-135エンジンシリーズです。
このシリーズとはF-35は「A」型、「B」型、「C」型の3タイプ有り、F-35AはF135-PW-100型、F-35BはF135-PW-600型、F-35CはF135-PW-400型です。
共にミリタリーパワーにアフターバーナーとも共通はしていますが、何が違うかと言うと、F-35BはSTOVL式でリフトファンがあるのでエンジン単体重量が重いこと。F-35Cは海軍型と言う事もあり、燃料が異なり空母での運用を考え海からの塩害腐食対策を実施していることくらいでしょうか。
パワーはミリタリーパワーで111KN、アフターバーナーで178KNと言われています。バイバス比は0.57、F-22ラプターのF119エンジンのバイパス比は0.45に比べれば大きい方ですね。だが、現代の戦闘機用エンジンのバイパス比としては低い方です。
確かにこのエンジンは革新的なテクノロジー満載ではありますが、なにぶん全長が約5600mm、直径が約1200mmなので物理的にエンジン単体重量が重くなると言う事になります。それにタービン入口温度が約2000度と記憶してます。そうなると確かに熱効率が良くなりますが、新素材を採用したにも関わらずエンジン火災になったこともあります。
そのF135エンジンをパワーアップする背景には、F-35B運用する事で、パワー不足と認識されたかもしれません。因みにF-35Bがホバリング時のパワーは80KNに制限されているので、もし10%のアドバンテージがあれば88KNは魅力有りますね。それに低燃費も高評価に値すると思います。
もう、これはプラット&ホイットニー社の意地ですね。世界一の戦闘機用エンジンは同社だと言わしめたエンジンだと思います。ただし、旅客機用エンジンは「ク○」ですがね(笑) PW4000シリーズの悪評は酷いモノですよ。今度、ボーイングKC-46Aペガサスのエンジンは、このPW4000シリーズのPW4062型エンジンなんだそうで、航空自衛隊が採用するKC-46Aも多分、このエンジンになると思います。このエンジンは苦労するぞ~覚悟した方がいいぞ~
とまあ、話は逸れましたが、確かにF135エンジンは世界最高パワーを誇るエンジンではありますが、戦闘機用エンジンとしては、今のステルス性を考えるとエンジン直径が1200mmは大きすぎる、と言う事は胴体が太くなり、空気抵抗が増えRCS(レーダー反射断面積)も大きくなる事になります。実際にF-35を見た人は胴体の太さに驚いた人も居るんじゃないかと思いますが。
そこで日本も黙ってはいなかったのです。それがIHI製のXF9-1エンジンですね。既にエンジンの核となるコアはテストベンチにて試験されフルスケールモデルも時間の問題かと思いますが、「ハイパワースリム」というマイルストーンを設け、F-22のF119エンジンパワーをも上回るとの予定です。
これはかなり驚きましたね。XF9-1エンジンは全長約4800mm、直径が1000mmなので、上記のF-135エンジンに比べ一回り小さい。そのエンジン寸法でF119エンジンパワーを凌駕するとの発表はIHIの意地と底力を感じた次第です。ただ、試験中でもあり、採用するとまでは話は進んでいませんが。
これに関しては米国も驚いたと聞いてますよ。エンジン寸法が小さくなれば、胴体がスリム化され、RCSも小さくなり、ステルス性は飛躍的に向上出来る可能性が高いですからね。さらにエンジンが小さいので、胴体容積確保が容易となり、より燃料タンクが大きくなることと、ウェポンベイ容積も大きくなりますからね。大きくなった分、ミサイル等の寸法制限が緩和され、将来的に、新しいミサイルも搭載出来る柔軟性を持つことになります。
話はかなりそれましたがF-35用エンジンのパワーアップは必要不可欠な課題だったようです。
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Posted at
2018/10/08 20:58:51
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