ポンさんのGC8のオールペイントもいよいよ大詰め。
左側面を先に塗ってある分だけ大分楽ではあるけれど、それでもね・・・大変です。
細かい凹みやえくぼ、飛び石などは極力板金してきれいにしますし、ミラーやルーフの蓋など子部品はバラして別で塗らないといけない。
アウターハンドル外すのにドア内バラしてマスキングして・・・
とにかくやることが多くて時間が掛かります。
ひとつでもいい加減だと上手くいかないのに、ちゃんとやったって幾つかは上手くいかなくてやり直し。
何度かやり直して、修正したりを繰り返して完成に近づけていくものなのです。
割ときれいな個体でも、きちんとやるとこれだけ板金箇所が出てきます。
やっぱりドアというのは、ぶつけたりぶつけられたりが多いので、細かい凹みが無数にありますね。
ペーパーを当ててポリパテを薄付けで仕上げてサフェーサーで仕上げます。
パテ粉だらけになって必死でサンダーを当てたりするので、殆ど写真を撮っていませんね。
この日はポンさん所有となっていたヴィヴィオが、
再びノリさんの元へ帰っていく段取りとなっていまして、長い事走られていなかったエンジンに慎重に火を入れ、ブレーキなどを整備して引き取られていきました。
通勤&峠・雪山用に仕上げるんだと。
そしていつものレンガレで塗装。
この間の、最初の左側面塗装の時は久々で舐めてたので、
マスキング2時間の、塗装2時間位だろうなどと高を括っていたら・・・
ほぼ一日掛かってしまい、ブースのレンタル料が目一杯になってしまうという失態。
マスキングが複雑すぎて思ったよりかなり時間が掛かった事や、サンディング時に、新たな傷や下処理をしなきゃいけない箇所が多く出てきたので余計に2~3時間掛かってしまったのが原因だ。
なので、サンディングなどの下地処理や、走るのに支障のない範囲での細かいマスキングは既に済ませておいて、スモールとウインカー、ミラーなど仮付けの部品を迅速に外し、未養生の箇所を大きく囲ったら即塗装!
みたいな、塗るばっかりの状態で持ち込みました。
この状態で走ってきた訳w
それでも白バイは他のミニバンみたいなのを捕まえてましたねww
ぎりぎり保安基準には適合している。
仮留めのバンパーを外し塗装台に乗せたら、残りのマスキングを済ませてペンキの準備です。
色々と済ませては来ましたが、
それでもここまでで2時間ほど掛かってしまいました。
メタリックカラーは2コートなので、塗装ガンは2丁準備します。
1丁はメタリックやパールカラー用の霧の細かいΦ1.2のもの、
もう一丁は吐出の大きいクリヤー用Φ1.4のものを準備しています。
パナロックデータカラー74F
1液全盛のこの時代。
いま2液のパナロックで吹く人居ないだろうな・・・
自動車用の塗料の話なんかしても、普通の人には馴染みが無いし何の参考にもならないと思うんだけど、
業務用の自動車用塗料というものは、その辺のオートバックスとかで売ってる様な缶スプレーのラッカー塗料とは全く違うもので、主剤と硬化剤を混ぜてシンナーで割って吹く塗料が一般的です。
エポキシとかアクリルウレタンとか主成分は色々あるんだけど、要するに樹脂塗料ですね。
化学反応によって新たな材質に変化して安定するので、あとからシンナーなどで拭いても溶けることはありません。
非常に強靭な樹脂被膜となり母材を保護します。
ただ、この硬化剤というものが環境や人体に非常に有害で、業界的に使用を制限していく傾向にあるのが現状です。
そこに現れたのが1液塗料というもの。
1液塗料そのものは自動車用塗料に限らず以前から存在はしていますが、改良に改良を重ねて材料がとても良くなっています。
染まりが良く、ムラになりにくく、バサバサにならず馴染みのいいものが出てきたので、見直されるようになりました。
とにかくメタリックで失敗しないのが1液塗料の特徴。
ただ、メタリックでもソリッドカラーでも最後は2液のウレタンクリヤーで仕上げるので、色によっては工程が増えてしまう欠点も。
1液自体に対候性がないので、ソリッドでも2液クリヤを入れないといけないんですね・・ここが面倒。
理想は・・ソリッドカラーは2液、メタリックやパールカラーは1液で使い分けるのがいいんでしょうけど、通常の補修現場で双方のシステムを準備するのは大変なコストが掛かるので、大概はどちらかになってしまうのが現状。
私はロックペイントの2液で育ったので、これがパナロックというシステムなだけで、1液系はプロタッチというシリーズになります。
この他、日本ペイントならアドミラやレアル、関西ペイントならレタンGPなど色々あります。
どれを使っても若干の違いはありますが、きちんと技術がある人が使う分には匙加減なのでどれがいいというものでもありません。
しかも今となっては、更なる環境負荷の低減への取り組みとして、自動車用水性塗料というものが主流になりつつもあります。
ベースコートの溶剤が水なんですね・・・案外普通に吹けるので驚きましたが、一度固まってしまうと溶かせないので扱いがとても難しかったですね。。
塗料も色々ありますが、
車体に合わせて細かい調色が必要になるという事は、作りたい色の原色が揃っているかどうかと言う事なので、日ペのアドミラシリーズである程度揃えてしまった人は、アドミラを使い続けるでしょう。
自分はパナロックであらかた揃えてしまったので、パナロックが都合がいいという事だけです。
素人がネットで買ったり工場で塗料を分けてもらって塗装する場合は、殆ど調色と言う概念が無いと思いますので、その度ごとに好きな塗料を買えばいいと思います。
多少の色違いを覚悟して部分補修するか丸ごと塗ってしまうしかないと思いますのでね。
2液系の塗料であれば、ソリッドカラーでは1コートで完成。
1液系であれば、ソリッドカラーでも2液クリヤーが必要。
メタリックやパールカラーでは、色が1液でも2液でも2液クリヤーコートが必要。
と覚えておけばいいでしょう。
難しい話になりましたがご参考までに。
3回ほど回った所。
青系はとにかく染まらない。
青の顔料は基本的に隠蔽がとても悪いんですね。
他の色だと3回も回れば大体染まるんですけど、青は5回も6回も回らないと染まり切らないですね。
気を抜くとそれでもまだ下地が見えている
もっと染まりの悪い色であれば、もう何回乗せてもキャンディーカラーの様にいつまでも透けて見えるので、近いソリッドカラーで一回全部染めてからメタリックカラーを吹き付ける必要があります。
バンパーなどは装着して帰らないといけないので、ボディーより先に仕上げます。
クリヤーまで吹いてしまえば、気温にも寄りますが・・1時間位でそうっと触れるくらいにはなりますね。
これらの乾燥時間の間にボディーを仕上げていくという感じです。
1.5回で決まるクリヤーですが、2.5回廻りました。
メタリックカラーは、クリヤーを掛けるまで仕上がりが見えてこない(メタリックのみでは艶引けしてメタが光らない)ので、ドキドキしてしまいます。
まぁ・・この時点で、シクっててもメタリックからやり直してる時間はもうないので、そのまま行くしかないんですが・・・
これだけの大面積ですと、何か所かは補修と言うか手直ししないといけない
箇所は絶対幾つかは出てくるので、後で直す感じですね。
写真に写っていませんが、既に塗り終わっている左側面のクォーターパネルのトランク寄りにえくぼを残してしまっていた為、同時にぼかそうと思ったんですが、失敗しちゃいましたね・・・
近接パネルをフルシェードで塗らないといけない時点でぼかしは少し無理がある。(リヤバンパーやトランクをしっかり塗らないといけないのにクォーターだけぼかしとか・・・)
ぎりぎりまでマスキングして上手くやろうと思ったんですが、色が思いの外染まらないので短時間で掛け過ぎて流れちゃいましたねw
クォーターパネルはやり直し確定です。
まぁグリルやミラーなど、子部品も準備はしていたものの時間的に塗りには行けなかったので、どちらにせよ塗装でもう一日取らないといけません。
トランクの垂直面も、WRXのデカルを剥がせなかった(ステッカー剥がし専用の道具を忘れた)関係でマスキングして後日塗装へ。
色々あるので一発で決まらないですね~。
後日、組み付けやら残り物の塗装、あと塗装の手直し諸々の作業です。
ルーフベンチレーターやボンネットグリル、
フロントグリルにドアミラー、あとはウインカー下のちっちゃいオレンジのグリルも塗り直し。
オレンジの色は、パナロック原色のサニーエローにフェリックレッドを混ぜて適当に作りました。
古いクルマのリフレッシュ効果としてはかなりレベルの高い、ウェザストリップ類の交換。
ドアの気密が一気に高まり、高速での風切り音などが無くなります。
ある程度馴染むまでは、しっかりドアを閉めないと半ドアになってしまう程の反力ですよ。
水切りモールも、低年式車では交換したい部品のひとつ。
見た目もさることながら、水切りモールが硬くなるとウィンドウの上げ下げが重くなってきてゆっくりになってきてしまいます。
このまま使い続けると、レギュレターモーターへの負担が大きくなりモーターの焼き付き破損などに繋がったりします。
古いクルマのウィンドウレギュレターの破損が多いのは、まず水切りモールが経年劣化で硬くなることが原因です。
モーターだけ換えてもまた近い将来壊れます。
こういったエクステリアの部品は少し高い(ドア4枚のストリップと水切りモールで8マソ!)ですが、転ばぬ先の杖。
10年以上経ってる様なら交換をお勧めしますね。
カウルパネルや、グリルの黒なども塗り直し。
こういったPPやウレタン素地の部品なども、しっかり塗装し直すとクルマがきれいに見えますね。
あとはトランクの垂直面と若干流れたクウォーターの塗り直し。
マスキングが大変です。
ペーパーを当てて脱脂も済ませ、塗装一歩手前の状態です。
また垂らしたら目も当てられないので、慎重に重ねていきます。
風が強くて吹きにくい・・・。
最後にしっかりクリヤーを掛けて塗装完了。
あとは後日しっかり磨いてやれば完成ですが、その間乗れないと不便でしょうから、部品の組み付けは全て済ませてきちんとクルマのカタチに戻しておきます。
・・・取り敢えず、またアルトのエンジンを仕上げないとだな。
もう2、3台決めたらGC磨こう。
初の緊急事態宣言下…こんなに静かになるとは。。