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2020年04月11日 イイね!

MONSTER

MONSTERヘッドの載せ替えやタービン交換で直らなかったマフラーの白煙とオイル過大消費。

全く想像していなかった訳ではないけれど・・・
オイル上がりって事で間違いないようです。

腰下のオーバーホールが不可避となったアルトワークス。


まぁ・・エンヂン全バラ面倒なんでね、疑わしくても決定打が無ければ一番最後に持ってくるよねw


症状の出始めならね・・・
始動時のみ白煙が出るのは初期のオイル下がりだとか、
長いアクセルオフの後のアクセルオンでの白煙もオイル下がりとか、
ガツンとアクセル全開での白煙がタービンかオイル上がりだとか、

個別の症状で判断できることもある。

でも、ある程度症状が進行してくると常に白煙が出るようになるので、もう判断が難しくなってくる。

ヘッドでも腰下でもなく、ガスケットが抜けてるだけの場合もある。
取り敢えずヘッドの交換を実施すれば、ヘッドかガスケット抜けかという二通りが一気に潰せる。

タービンか否かという判断はそれほど難しくないのでね、要するに三通りはクリアになる訳だ。


そして今回、残念ながらそれらのどれもがシロであった。



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今回の腰下オーバーホールでは、ピストンは純正新品で交換します。
KSRと同じART製の高品質ピストンですね。


分解時の計測では、ピストン自体もそれ程摩耗はしていませんでしたが、純正部品もいつまで購入出来るか判りませんからね。

オイル上がりの修理ですから、圧縮に係わる部分は完璧にしておきます。

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そもそも補修用のオーバーサイズが存在しないF6Aですが・・・
新品ピストンも、ノギスでざっくり寸法を測っておきます。


ピン穴脇の肉厚な部分で64.40㎜
90度回してスカートの真ん中辺りの最も肉薄な箇所で64.95㎜

縦横で0.5ミリ以上も違う卵型ですね。
熱が入ると真円になる形状なんですよ。


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古いピストン。
冷間時に寸法の大きい所にみな傷が入ってしまっています。
まだ磨いたりして再使用できるレベルですけどね。


暖機なしの高負荷運転や、ドライスタート、粘度の低いエンジンオイルの使用など、理由はいくつか考えられますが、やはり日頃の扱い方がこういった結果の大小に影響します。

F6Aはみなここに傷が入ってしまうので、このエンジンはきれいな方。



慣らし運転や暖機運転は大事なんだよ。


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オイルエキスパンダリングの底にある穴が詰まっている。
ていうか、ここが詰まってないエンジンを見たことがないって位大体詰まっている。
石のように硬くなったスラッジが穴を塞いでいて、爪楊枝くらいでは押し出せません。

この穴はピストン下降時に掻き取ったオイルを、滞留させないでピストンピンに吹き付ける役割が有りますが、大体死んでいますね。


ピストンを再使用する際には細いキリなどでほじくって貫通させる必要があります。

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ピストンリングをシリンダーに押し込んで、合口の計測をしておきます。

#1 トップリング           旧 0.35
                        新 0.20
   セカンドリング         旧 0.20
                        新 0.20
   オイルリングレール  旧 0.55
                      新 0.55

#2 トップリング          旧 0.45
                      新 0.15
   セカンドリング         旧 0.25
                      新 0.15
   オイルリングレール   旧 0.60
                     新 0.55

#3 トップリング         旧 0.60
                     新 0.15
   セカンドリング        旧 0.35
                     新 0.15
   オイルリングレール   旧 0.60
                     新 0.55     (ミリ)


一番肝心のトップリングの合口限度が0.7ミリとかなので、古いリングもぎりぎり限度値に収まってはいますが、やはり新品リングはいいですね。
トップリングもセカンドリングも極小値の0.15前後できれいに揃います。

狭すぎたら削ったりしないといけないですが、流石は純正品、流石の精度といいますか、3セット分どれを入れても値は変わりません。
バラツキがないんですね。

シリンダーの異常摩耗などが無いかの確認にもなりますね。


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ピストンリングの組み付け。

どうせクルクル回ってしまうので最初だけのものですが、セオリーに則ってトップリングが50分ならセカンドリングが20分オイルリングレールが上が40分の・・・と各合口をずらして組んでいきます。
ピンが打ってあって合口が動かないように決まってるようなピストンもあります。

波型のオイルリングが、縮まっていないと外周が大きくはみ出してしまうので、合口で重ねたくなりますが、ダメです。
きちんと合口は向かい合わせて、2枚のオイルリングレールでしっかり挟むと、パチンとカタチが安定します。


しかし・・・ピストンと言う部品は数あるクルマの部品の中でもダントツに可愛い部品ですね、、そして綺麗だ

見惚れてしまいます。

殆どの場合ユーザーにはまず見られる事すらないのに、こんなにも美しく強く、けなげに仕事をしている。


何だかドキドキしてしまうではないか。


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洗ってからの放置期間が長かったので、若干錆が浮いてきたコンロッドですが・・・大丈夫、全く気にしませんw

ピストンとコンロッドの向きを確認し、ピストンピンで繋ぎます。
サークリップは特に傷んでもいないので再使用。

ピストンの矢印を上に向けて置いた側のコンロッドに、ピンポンチの打刻を気筒数で打っておきました。
コンロッドの向きもどちらでもいいような気もしますが、メタルが再使用なので、リードトレードが逆になってしまうのは気持ちが悪い。

やはり完全に元位置で組むのがベストでしょうね。


alt 挿入時にシリンダーを傷にしないように、ボルトにマスキングテープをぐるぐる巻いたり、ホースなどを挿しておきます。


alt さて、シリンダーブロックへの取り付けに掛かります。
内壁に組み付け油をたっぷり付けておきましょう。


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ピストンリングが溝からずれていない事を充分に確認したら、安物コンプレッサーでグイグイ締め付けます。
傷になる事を恐れて締め付けが甘いと、リングがきちんと引っ込まず途中で引っかかってしまいます。

ピストンの矢印の向きを確認し、スカートから丁寧に挿入し、ハンマーの柄などでコンコン叩きながら少しづつ入れていきましょう。
キャップボルトをホースで養生しましたが、コンロッドの大端が大きめなので、こっちが先に内壁に接触しますね・・・

そうっとやさしく挿れましょう。。

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ピストンが入りました。

全て矢印がクランクプーリー側へ向いてるか確認しましたら、あとはひっくり返してクランクシャフトの組み付けです。


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クランクメタルやコンロッドメタルは摺動面にのみルブを塗付し、スラストメタルは落下を防止するために裏側にも付けました。

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コンロッドキャップから取り付けていきました。
多少ピストンを押し上げたりしてクランクジャーナルとの位置関係を合わせてやる必要があります。

クランクの3番キャップを取り付ける前に、スラストメタルがずれていないか、裏表は合っているか最後の確認をしてください。

間違っていればエンジン全損に繋がります。


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オイルストレーナーや純正オイルクーラーのOリングを新品交換します。
純正オイルクーラー、スバルで使ってる物と同じだね。

水を引き込んでオイルを冷やすサンドイッチタイプのものです。

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クランクシャフトのエンドカバーとオイルポンプ。
新品オイルシールを打ち込んで装着します。

あとはオイルパンを付けるだけ、締め忘れが無いように何度も確認しておきましょう。

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フランジの歪みがないか定盤に乗せて確認してから、液体ガスケットを両面に塗付。
数分放置してから接合します。

以前、オイルパンの歪みを若干残したまま、液体ガスケットを塗ったくるから大丈夫だろうと組み付けたらしっかり漏れてきた事が有りましたw

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腰下が完成! 


この作業を・・・載せ替えの前日に、しかもクネGDBのラック交換の後にやってるっていう・・・

全然寝られねえ・・・。


しかし頑張らねえと土日で終わらない。



結構ハードです。


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朝早くからやりたかったけどなかなか起きられず・・・

午前中はオイルパンの取り付けや細かい残りの組み付けなど、腰下の準備。
昼過ぎからクレーンだ何だと現場(マンション駐車場ですけどねw)の設営に30分。


それでも15時前にはエンジンが降りましたねw
割れ乍ら手馴れています。

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この日、妻は会社ですが、コロナの影響で土曜の保育園の預けが難しくなり、私が出勤せずの自宅保育に切り替えました。
定期的にチビ達の様子を見に行っている事もあり中断が多いです。


気合入れてこれだけ出来れば、
この一日だけで全部終わるかも知れませんが、そうもいきません。


朝ご飯を食わせて、エンジン組み立て、
お昼の準備をしてから、エンジンを降ろして、
おやつの準備をしに戻ってから、エンジンスタンドにセットして。。

・・・見たいな感じで実質半分くらいしか出来ませんね。


初めから二日間かけてゆっくりやる(ヲレは全然ゆっくりじゃないけど)予定です。

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そんな訳で、初日はエンジン降ろして新しいエンジンが出来ればいいや位の感じです。

昨晩丁寧に組んだ腰下を台車でゴロゴロ押してきて、降ろしたエンジンから小部品を移し替えていきます。
最初に一気にバラしてしまうと、意外と組む時に憶えていなくて角度がこうだっけ?、とかボルトはコレだっけ?とかいちいち悩んでしまって時間が掛かります。

外してそのまま取り付ける分には何も悩む事はない。

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ヘッドまで丸ごとおっ外して大分エンジンが軽くなったら、今度は使う方の腰下をスタンドにセットしてヘッドの取り付けの準備。

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インマニもエキマニも、タービンもデストリビューターも、全部そのままヘッドは外れます。

色々バラすのは無駄無駄無駄無駄あぁぁぁぁぁ!!!!


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純正の油圧プレッシャーSWを廃して社外の油圧・油温計を取っているので、ジュランのアタッチメントをそのまま移植します。

テーパーネジなんで結構締めないと滲んできますよ。

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オイルの燃え方が半端じゃなかったので、ヘッドを作り直してから僅かひと月くらいで結構なカーボン付着でした。

細いスクレーパーでこそげ落とし、スコッチで擦ったりして漸く固形物を全て落としました。
このエンジンはこれからですからね。

ガスケットのカスもきれいに掃除して、オイルストーンなどで軽く撫でておきます。


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シリンダー側のガスケット面もきれいに掃除し完璧に脱脂をしたら、位置決めのピンを打ち込んでヘッド接合の準備。

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汚い軍手などで触るのは厳禁です。
ガスケットの密着性に問題が出るので、合わせ面の脱脂にはかなり気を使います。


今回のシリンダーは元々このクルマに積まれていたもので、18万キロ使用で降ろしたエンジンですが、ほぼ摩耗も無いきれいな状態。
新車時のクロスハッチも殆ど残っている位で、そのままでもいい位でしたが、軽くブレーキシリンダーホーンでさらうだけはしておきました。


このクルマも購入してもう10年になりますが、購入時から私の監修の下、きちんとしたオイル交換の励行で使っていたので、こうしてバラす機会があるとコンディションの良さが判り、ちゃんとやってきた甲斐があるなぁと実感します。

機械は裏切らんな!


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新品ガスケット。
表裏、向きを間違わないように。

1番と2番の間にあるカッパーパッキンの小穴が、カムシャフトを潤滑する唯一の油路ですので、間違えて組むと油圧が掛かりません。

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対角締めなど、セオリーに則って最終的に68Nmで締め付けます。


関係ないけど、もはやマスクの装着は公共のマナーとなってしまいましたね。
しないで出歩くと、何この人と思われるような世界になってしまった。

こんな駐車場の端っこで誰とも会う事はありませんが、息苦しくてもマスク着用で頑張っていますw(まぁ、そうは言っても大体一日に何人かは、今日やってたんすねとか言って、通りがかりに管を巻いていくが)

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まだ使用2年弱のタイミングベルトセットも当然再使用。(2回目)
可変バルタイも無いし、単純で可愛らしいエンジンだねぇ。

何でもかんでも外したら交換、という風潮は自分にはない。

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さて・・エンジンが完成したら、
今回新たに準備しておいたLSD入りミッションの登場。

HA21Sに搭載されていた機械式LSD装着品というものである。


FFでの機械式LSD装着というものは、クルマの性格が180度変わってしまうので人によっては受け入れがたいほど乗りづらくなることもある。
だが・・・多少の普段の使い勝手を犠牲にしてでもLSDの恩恵は捨てがたく、クルマを意のままに操るには必要不可欠なパーツであると私は断言する。

FFは、FRなどに比べると、フロントアクスル上に常にエンジンと言う重量物が有り、トラクションは抜けにくいと言える。
それでもアルトのような軽2BOXの腰高パッケージだと、交差点の右折ですらイン側の接地感が無くなり、デファレンシャルの空転によってバタバタと足踏みをしてしまい加速できなくなる。

ロールが収まり、ハンドルが真っすぐになるまでアクセルが踏めないのである。


充分な性能を持った差動制限装置(リミテッドスリップデファレンシャル)の装着によって、これは完全に解決できる。

それが機械式LSDである。


FFのこれは、1WAY式(アクセルオンの時のみプレッシャーリングが開き、差動制限を行う)の物が殆どであるが、構造上イニシャルトルク(発動レスポンスの為に常に弱く締結している)というものを与えないといけないので、車庫入れやトロトロ走っている時でも旋回抵抗があり、ハンドルが重く感じる。

キックバックも大きく、アクセルオンの時にはセルフステアは皆無になります。
切るのも戻すのも、正確に自分でやらねばならないという事。


それらと引き換えに空転ゼロの鬼のトラクションを獲得する。


何もそこまでして・・・と思う人には、一生垣間見ることが出来ない別世界へ連れて行ってくれるのが機械式LSD。

LSD無しのFRと、LSD有りのFFしか選べないと言われたら、
私は確実にLSD付きのFFしか選ばないですね。

それくらいクルマの楽しさを決めるファクターになるのがLSDだ。



・・・と、何時だったか熱弁したら、オーナーが買って準備してましたww

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レリーズベアリングに、シフトリンケージブッシュ、ミッションマウント。
カプラーがギボシに替わってたバックランプスイッチも入れ替えよう。

使ってた方が新しい物は全部移植。

11と21でどれだけ違うかよく判っていませんでしたが、全く一緒でしたね。

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ミッションの準備が出来たら、あとはエンジンとドッキングするだけですので、エンジンを吊るしてスタンドから外し、クラッチ周りの組み付けをします。


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クラッチのオーバーホールも数年前となりますが、ディスクの残量もまだまだあるので全然再使用です。

でもパイロットベアリング位換えても良かったかな?
少しゴロゴロ感があった。

ま、次のクラッチは3~4年後くらいでしょうし、その時までは充分持つでしょう。

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クレーンでエンジンを地表近くまで下げて、ミッションを抱えて接合します。
グリグリと回すように大袈裟に揺するとスプラインが合う所でスコンと入ります。

パイロットベアリングが極小で合う治具がない為、目方でセンター出しをしただけですが、大体合ってれば入りますよ。

最後にエンジンをぐるっと回してチェックし、間違いや忘れ物がないか確認しましょう・・・今なら全てがラクです。


このクルマほど積んだ後に作業するのが面倒なクルマは、なかなかない。

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降ろしたのと逆の手順で積み戻し、
ドライブシャフトを挿して足回りを戻し、
ガスが抜けないように外してどけてあったコンプレッサーを取り付けします。


・・・て、後で思い出したんだけど、
昨年の事故でコンデンサー交換した時にガスを入れ直してないから、そもそも配管を外さないように作業する必要ないんだった・・・^^;

冬だし、どうせエンジンやる時までエアコン要らないだろってそのままだったの忘れてたな。

次のオイル交換位でガスチャージだな。



それにしても疲れた・・・

オイル入れて水入れてバンパー付ければ終わりなんだけど、今致命的なミスが発覚したら明日へのモチベーションが維持できなくなる。。

もう一日預かって、明日会社から帰ってからゆっくりチェックしよう。


てな具合に土日の作業は終了。

まぁ、翌日は大雨なんだけどね・・・(汗



予報通りの大雨も、夕方にはすっかり止みました。
定時終わりの会社から帰ってから、オイルやクーラントの充填。

エンジンは問題なく一発始動だった。
ただ、再使用のヘッドカバーパッキンの馴染みが良くなかったのか、若干カバーからエンジンオイルが漏れてきた。

締め込みが甘いのかなぁ~なんてちょっと強めに締め込んだのが悪かったようで、高々5ミリのヘッドカバーのボルトがねじ切れてしまいました。。


マジか・・・


特殊な長いボルトでしたが、エンジン部品のストック群のなかにもう一式あった筈なので、問題はヘッドの折れ残ったネジが取れるかどうか。。

ヘッドカバーを外すと、折れたボルトが5ミリ程の高さで残って見えている。
バイスグリップで咥えて回そうとしてみましたが、硬くて舐めてしまうばっかりで肉まんのてっぺんみたいになるばかり。

こういう時のネジザウルスだったか・・・買っとけば良かった。


こうなったら、やれることは一つしかない。

ボルトの真芯にドリルで穴を開け、エキストラクターで撤去する。


それで駄目なら、そのままドリルでさらってネジ山を立て直すしかありません。
M5のリコイルなど持っていないので、色々考えないといけなくなる。

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ヘッドカバー内ですので、切子をまき散らす訳にはいかない。
折れたボルトの周辺だけ残して、周りにウエスをぎゅうぎゅうに押し込んで養生し、ロッカーアームやカムシャフトを守ります。
永沢君ヘッドではポンチもまともに打てないので、細いベルトサンダーで潰れた頭をすっ飛ばし、平らになった断面のど真ん中にポンチで打刻。

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4ミリのドリルで真芯を貫いたら、スタッドエキストラクター(逆ネジ方向に食いついていく超硬のキリみたいな奴です)の細い奴をタップホルダーにセット。



南無三!




無事弛んでくれました。。。



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アルトの作業は無事全て終わりました。


取り敢えず締め過ぎて変形したシールワッシャーと折れたカバーボルトはストックの部品と交換しておいて、後日新品と交換する事にします。

初回のオイル交換1000キロまではなるべくブーストを掛けず、回転数もある程度縛って慣らし運転を励行してもらい、オイル交換と同時にプロフェックを装着して、ブーストが掛かり過ぎないように制御します。

慣らしが終わってガツガツ踏むようになっても壊さないように、ブーストアップが目的ではなく、目標値で安定させるのが目的です。




最後に、密室がやや抵抗ではありますが、LSDの装着でかなり乗り方が変わってしまった為、少し同乗走行してレクチャーしながら、作動原理の理屈と、メリットデメリットとの説明。


これをしないとさっさと事故る可能性があるw




ただ、自分が試運転した時にも思いましたが・・・

ちょっとこのクルマ速すぎる。


回転で引っ張れば直ぐレッドゾーン。
低回転でシフトアップしても、ブーストが一気に跳ね上がって直ぐにブーストカット領域に入ってしまいます。

ブーストが上がり過ぎないように、常にハーフスロットルで押さえるような運転が必要になってしまった。

一体何馬力出ているんだろう・・・。

肌感覚ではありますが、100馬力近く行ってる感じはします。


機械式LSDのドラッグの分、パワーが食われて小旋回時などエンストし易くなるのでは・・・などと思っていましたが、とんでもない。

ラフに扱うとパワースライドになってしまうだけですね。



スズキアルトワークス。

改めてとんでもないクルマだなと再認識しましたね。



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altオイル上がりも直り今度こそ完全復活ですね。

Posted at 2020/04/20 02:38:45 | コメント(2) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2020年04月10日 イイね!

コア返却の督促

コア返却の督促久々に触るクネGDB。

前々からラックのオイル漏れを相談されていましたが、忙しかったので長いこと放置少女でした。

ポンさんのGCはやること多すぎて終わらねえ、アルトワークスのエンジンはOHしなきゃいけねえ、どっかのクラウンは板金しなきゃいけねえ、ヲレのGCもあちこち直さなきゃまともに走れねえ・・・

などなど予定が鬼のてんこ盛りだったので、ラックのオイル滲みごときでクネを呼んでる場合じゃなかったのだが・・・


GDBのラック&ピニオン。
リンク品の在庫がなくてヤバイって話だったので、あるうちに頼んでおくかと取り寄せておいたのだが、まだ2週間位なのにコアを返せと督促が来た。(まぁ、1週間以内に返却しろと添え書きが入ってるんだけどね)

うるせーな・・・
忙しんだからよ、そんなに直ぐには出来ないんだよ。


現物修理で預けると2週間も3週間も待たせるくせによ、こっち作業は少しも待たねぇってのはどういう了見なんだよ・・・リビルト屋!

在庫のコアが無いのに次の注文が来て焦ったか?


コロナコロナであちこち大変なんだからよ、今はあんまり細かい事言うもんじゃないよ。。

・・・とか言いながら、今週やらないならもう今月やらないみたいなスケジュールなので・・・仕方が無いので「土日埋まってるから金夜に来い」とクネに連絡。


平日夜とか、絶対疲れるから嫌なんだけど・・もうやるしかないな。


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大した漏れじゃないんだけどね。

大体漏れるのは、ピニオンギヤのステアリングシャフトへのアウトプット部。
タービンが近いからね・・・
タービン下面の装着が面倒くさい遮熱板を取っ払ったせいでもある。

あんな遮熱板事あるごとに付けたり外したりしてらんないよ。
取付の小ネジが一本ブチ切れた時点で捨てました。


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超苦労しましたが、何とか交換出来ました。
1時間のつもりが3時間掛かりましたw

この日は寒の戻りというか、急に夜間の気温がひと桁台まで落ち込んだのでマジで辛かったなぁ・・・

もしクネガレでの作業だったら途中で面倒になって帰ってる所ですw



脱着そのものはサスペンションメンバーの下側からなんですが、ステアリングシャフトとの接続や油圧配管がメンバーの穴を上に抜けて、タービンの裏側で繋がってるので、寝板で寝転がって、真下からメンバーの上側をまさぐるような作業となります。

直接目で見えないような高圧配管のフレアナットの脱着が鬼です。
配管のアプローチの角度が少しでもずれていると、いくらナットを回しても入っていかないので泣きそうになりますね。


急ぎでないなら、何かの折にエンジンを降ろした時に一緒にやってしまいたい作業ですね。


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奇跡的に最初のひと山が入る感触が有ればしめたものですが、
下側の配管のフレアナットは、メンバー上側スペースからのアクセスが困難で、下からわずかに見える穴の隙間からスパナなどで回すしかありません。

自分は面倒くさがって外しませんでしたが、スタビライザーを外してやれば幾分か楽だったかもしれません。
ラック本体を固定するキャップを完全に固定せず、グラグラと動かせる状態のまま作業して、スパナのストロークの余裕をつくり乍ら作業しました。


何か特別な工具が必要かと言われれば、14と17の首振りのフレアナットレンチとそれぞれのサイズのショートの片口スパナがあれば何とかなる感じかな。
緩めと本締めはフレアナットレンチ。
早回しはスパナ。
あとは手探りでの作業の器用さですかね。


根性が無い人は途中で諦めるかも知れませんw


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全部抜けてしまったパワステフルード(ATFでもよい)。
タンクに新油をいっぱい入れてエンジンを掛けます。

直ぐにポンプに吸われて行って足りなくなり、ギュルギュル音が出始めるので、音が出なくなるまで補充します。

クネにステアリングを握らせ、ロックトゥロックを繰り返させて管路内のエア抜きをします。
再びタンク内でギュルギュルと細かい気泡が出てきて油面が下がりますが、2~3往復もすると泡も出なくなって安定してきます。


気分的にはHIまで目一杯入れてしまいたくなりますが、温間時には結構油面が上がるので、実際は冷間時でLOWレベルとHIレベルの間くらいでいいと思います。

入れ過ぎても噴きやすくなりますので。



あとは、何だかんだステアリングセンターが結構ズレるので、しっかりトーイン調整をしてやります。

走っては合わせ、走っては合わせを二度三度繰り返し、ステアリングドセンターの合わせ、プラマイゼロトー辺りからややトーイン辺りを狙っていきます。

本当のプラマイゼロからタイロッド半周分くらい前を絞る感覚ですかね。


これだけで超高速域での直進安定性とステアリングの安定感がびたっとキマります。(車検でのサイドスリップ検査に合格できるギリギリ位のトーインです)

コーナー勝負の人だと、プラマイゼロかややトーアウトに振る人もいますが、ターンインのアプローチは楽になりますが、超高速域のバックストレートや、レインコンディションでクルマが落ち着かなくなり、本域で踏めません。

フルコースで損益通算したらマイナスだと思いますw


腕がある人なら、この程度のトーインはターンインの障害にはなりませんので、やはり私的には弱トーインがお勧めであります。


altずっと適当に誤魔化してたけど、久々にちゃんと合わせてやったな。
Posted at 2020/04/17 22:41:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2020年03月28日 イイね!

久々のオールペイント

久々のオールペイントポンさんのGC8のオールペイントもいよいよ大詰め。

左側面を先に塗ってある分だけ大分楽ではあるけれど、それでもね・・・大変です。
細かい凹みやえくぼ、飛び石などは極力板金してきれいにしますし、ミラーやルーフの蓋など子部品はバラして別で塗らないといけない。
アウターハンドル外すのにドア内バラしてマスキングして・・・

とにかくやることが多くて時間が掛かります。

ひとつでもいい加減だと上手くいかないのに、ちゃんとやったって幾つかは上手くいかなくてやり直し。
何度かやり直して、修正したりを繰り返して完成に近づけていくものなのです。


割ときれいな個体でも、きちんとやるとこれだけ板金箇所が出てきます。

やっぱりドアというのは、ぶつけたりぶつけられたりが多いので、細かい凹みが無数にありますね。
ペーパーを当ててポリパテを薄付けで仕上げてサフェーサーで仕上げます。

パテ粉だらけになって必死でサンダーを当てたりするので、殆ど写真を撮っていませんね。



この日はポンさん所有となっていたヴィヴィオが、
再びノリさんの元へ帰っていく段取りとなっていまして、長い事走られていなかったエンジンに慎重に火を入れ、ブレーキなどを整備して引き取られていきました。

通勤&峠・雪山用に仕上げるんだと。



そしていつものレンガレで塗装。

この間の、最初の左側面塗装の時は久々で舐めてたので、
マスキング2時間の、塗装2時間位だろうなどと高を括っていたら・・・

ほぼ一日掛かってしまい、ブースのレンタル料が目一杯になってしまうという失態。

マスキングが複雑すぎて思ったよりかなり時間が掛かった事や、サンディング時に、新たな傷や下処理をしなきゃいけない箇所が多く出てきたので余計に2~3時間掛かってしまったのが原因だ。


なので、サンディングなどの下地処理や、走るのに支障のない範囲での細かいマスキングは既に済ませておいて、スモールとウインカー、ミラーなど仮付けの部品を迅速に外し、未養生の箇所を大きく囲ったら即塗装!

みたいな、塗るばっかりの状態で持ち込みました。


この状態で走ってきた訳w

それでも白バイは他のミニバンみたいなのを捕まえてましたねww
ぎりぎり保安基準には適合している。



仮留めのバンパーを外し塗装台に乗せたら、残りのマスキングを済ませてペンキの準備です。

色々と済ませては来ましたが、
それでもここまでで2時間ほど掛かってしまいました。

メタリックカラーは2コートなので、塗装ガンは2丁準備します。

1丁はメタリックやパールカラー用の霧の細かいΦ1.2のもの、
もう一丁は吐出の大きいクリヤー用Φ1.4のものを準備しています。


パナロックデータカラー74F

1液全盛のこの時代。
いま2液のパナロックで吹く人居ないだろうな・・・

自動車用の塗料の話なんかしても、普通の人には馴染みが無いし何の参考にもならないと思うんだけど、
業務用の自動車用塗料というものは、その辺のオートバックスとかで売ってる様な缶スプレーのラッカー塗料とは全く違うもので、主剤と硬化剤を混ぜてシンナーで割って吹く塗料が一般的です。

エポキシとかアクリルウレタンとか主成分は色々あるんだけど、要するに樹脂塗料ですね。

化学反応によって新たな材質に変化して安定するので、あとからシンナーなどで拭いても溶けることはありません。
非常に強靭な樹脂被膜となり母材を保護します。

ただ、この硬化剤というものが環境や人体に非常に有害で、業界的に使用を制限していく傾向にあるのが現状です。

そこに現れたのが1液塗料というもの。
1液塗料そのものは自動車用塗料に限らず以前から存在はしていますが、改良に改良を重ねて材料がとても良くなっています。
染まりが良く、ムラになりにくく、バサバサにならず馴染みのいいものが出てきたので、見直されるようになりました。

とにかくメタリックで失敗しないのが1液塗料の特徴。

ただ、メタリックでもソリッドカラーでも最後は2液のウレタンクリヤーで仕上げるので、色によっては工程が増えてしまう欠点も。

1液自体に対候性がないので、ソリッドでも2液クリヤを入れないといけないんですね・・ここが面倒。

理想は・・ソリッドカラーは2液、メタリックやパールカラーは1液で使い分けるのがいいんでしょうけど、通常の補修現場で双方のシステムを準備するのは大変なコストが掛かるので、大概はどちらかになってしまうのが現状。


私はロックペイントの2液で育ったので、これがパナロックというシステムなだけで、1液系はプロタッチというシリーズになります。

この他、日本ペイントならアドミラやレアル、関西ペイントならレタンGPなど色々あります。
どれを使っても若干の違いはありますが、きちんと技術がある人が使う分には匙加減なのでどれがいいというものでもありません。

しかも今となっては、更なる環境負荷の低減への取り組みとして、自動車用水性塗料というものが主流になりつつもあります。
ベースコートの溶剤が水なんですね・・・案外普通に吹けるので驚きましたが、一度固まってしまうと溶かせないので扱いがとても難しかったですね。。

塗料も色々ありますが、

車体に合わせて細かい調色が必要になるという事は、作りたい色の原色が揃っているかどうかと言う事なので、日ペのアドミラシリーズである程度揃えてしまった人は、アドミラを使い続けるでしょう。

自分はパナロックであらかた揃えてしまったので、パナロックが都合がいいという事だけです。

素人がネットで買ったり工場で塗料を分けてもらって塗装する場合は、殆ど調色と言う概念が無いと思いますので、その度ごとに好きな塗料を買えばいいと思います。
多少の色違いを覚悟して部分補修するか丸ごと塗ってしまうしかないと思いますのでね。

2液系の塗料であれば、ソリッドカラーでは1コートで完成。
1液系であれば、ソリッドカラーでも2液クリヤーが必要。
メタリックやパールカラーでは、色が1液でも2液でも2液クリヤーコートが必要。

と覚えておけばいいでしょう。


難しい話になりましたがご参考までに。



3回ほど回った所。
青系はとにかく染まらない。
青の顔料は基本的に隠蔽がとても悪いんですね。

他の色だと3回も回れば大体染まるんですけど、青は5回も6回も回らないと染まり切らないですね。

気を抜くとそれでもまだ下地が見えている

もっと染まりの悪い色であれば、もう何回乗せてもキャンディーカラーの様にいつまでも透けて見えるので、近いソリッドカラーで一回全部染めてからメタリックカラーを吹き付ける必要があります。


バンパーなどは装着して帰らないといけないので、ボディーより先に仕上げます。
クリヤーまで吹いてしまえば、気温にも寄りますが・・1時間位でそうっと触れるくらいにはなりますね。

これらの乾燥時間の間にボディーを仕上げていくという感じです。



1.5回で決まるクリヤーですが、2.5回廻りました。

メタリックカラーは、クリヤーを掛けるまで仕上がりが見えてこない(メタリックのみでは艶引けしてメタが光らない)ので、ドキドキしてしまいます。
まぁ・・この時点で、シクっててもメタリックからやり直してる時間はもうないので、そのまま行くしかないんですが・・・

これだけの大面積ですと、何か所かは補修と言うか手直ししないといけない
箇所は絶対幾つかは出てくるので、後で直す感じですね。


写真に写っていませんが、既に塗り終わっている左側面のクォーターパネルのトランク寄りにえくぼを残してしまっていた為、同時にぼかそうと思ったんですが、失敗しちゃいましたね・・・

近接パネルをフルシェードで塗らないといけない時点でぼかしは少し無理がある。(リヤバンパーやトランクをしっかり塗らないといけないのにクォーターだけぼかしとか・・・)
ぎりぎりまでマスキングして上手くやろうと思ったんですが、色が思いの外染まらないので短時間で掛け過ぎて流れちゃいましたねw

クォーターパネルはやり直し確定です。


まぁグリルやミラーなど、子部品も準備はしていたものの時間的に塗りには行けなかったので、どちらにせよ塗装でもう一日取らないといけません。


トランクの垂直面も、WRXのデカルを剥がせなかった(ステッカー剥がし専用の道具を忘れた)関係でマスキングして後日塗装へ。

色々あるので一発で決まらないですね~。



後日、組み付けやら残り物の塗装、あと塗装の手直し諸々の作業です。





ルーフベンチレーターやボンネットグリル、
フロントグリルにドアミラー、あとはウインカー下のちっちゃいオレンジのグリルも塗り直し。

オレンジの色は、パナロック原色のサニーエローにフェリックレッドを混ぜて適当に作りました。




古いクルマのリフレッシュ効果としてはかなりレベルの高い、ウェザストリップ類の交換。

ドアの気密が一気に高まり、高速での風切り音などが無くなります。

ある程度馴染むまでは、しっかりドアを閉めないと半ドアになってしまう程の反力ですよ。


水切りモールも、低年式車では交換したい部品のひとつ。

見た目もさることながら、水切りモールが硬くなるとウィンドウの上げ下げが重くなってきてゆっくりになってきてしまいます。
このまま使い続けると、レギュレターモーターへの負担が大きくなりモーターの焼き付き破損などに繋がったりします。

古いクルマのウィンドウレギュレターの破損が多いのは、まず水切りモールが経年劣化で硬くなることが原因です。
モーターだけ換えてもまた近い将来壊れます。

こういったエクステリアの部品は少し高い(ドア4枚のストリップと水切りモールで8マソ!)ですが、転ばぬ先の杖。
10年以上経ってる様なら交換をお勧めしますね。



カウルパネルや、グリルの黒なども塗り直し。
こういったPPやウレタン素地の部品なども、しっかり塗装し直すとクルマがきれいに見えますね。


あとはトランクの垂直面と若干流れたクウォーターの塗り直し。
マスキングが大変です。

ペーパーを当てて脱脂も済ませ、塗装一歩手前の状態です。



また垂らしたら目も当てられないので、慎重に重ねていきます。
風が強くて吹きにくい・・・。



最後にしっかりクリヤーを掛けて塗装完了。


あとは後日しっかり磨いてやれば完成ですが、その間乗れないと不便でしょうから、部品の組み付けは全て済ませてきちんとクルマのカタチに戻しておきます。

・・・取り敢えず、またアルトのエンジンを仕上げないとだな。
もう2、3台決めたらGC磨こう。

alt初の緊急事態宣言下…こんなに静かになるとは。。
Posted at 2020/04/13 00:34:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2020年03月14日 イイね!

裏取り

裏取り結構いろいろやってオイル消費の件が直らないアルトワークス。
実際の所殆どのケースがオイル下がりか、タービンなのが実情なので、そのどちらでもないというケースは稀である。

まぁ、そもそものキャロルのF6Aが、プチOHで済まないほどの過走行エンジンだったという結論なのだが、ピストンクリアランスの計測やせめてリングの合口くらい見ておけば良かったなという感じである。(まぁ、そのまま載せ替えるよりはマシだろうという程度の構えでしたけどね。)

若干の二度手間感は拭えないが、長い不動期間が取れないクルマなのでどちらにせよストックエンジン制にする予定でしたのでね・・当たりでも外れでもエンジンは一機買わなければいけなかったのは変わらない。

ので、今回が本番って事にしておきましょう。


オイル上がりと言う事は、腰下の作り直しなので結構手間である。
シリンダーブロック自体は元々積んであったエンジンのものがあるので、そいつを組み直して付け替えればいいんですが・・・

流石にエンジンを降ろさないといけないので、ヘッドやタービンのように半日仕事という訳にはいかなくなります。
そして、予め作っておいたシリンダーブロックにヘッドや補機類を付け替えて積み戻しという按配ですね。


また降ろすのか・・・(汗

LSD入りのミッションを買ったと言うのでね、どっちみちエンジンごと降ろした方が交換ラクだし、ついでに腰下も替えよっか!みたいなw

とにかくやるしかないんですが、腰下くらい大事になるなら裏を取りたい。
ヘッドでもタービンでもないなら、腰下しかないんですが、見落としがないか充分にチェックしておきたい。

先ずはこの間作ったヘッドの再確認。
ヘッドを取り換えて症状が変わらないんだからそもそも関係無いだろ!っていうツッコミを自分でしつつ、少し使うとタペットも広がるんで再調整ついでにロッカーシャフトがそれぞれ逆向きになってないか確認したかった。

ロッカーシャフトはロッカーアームへのオイル供給パイプでもあります。
2本が同じものですが、インテーク側とエキゾースト側とで向きが逆に取付する事で、それぞれのロッカーアームとオイル穴が合うようになっています。



シャフトの末端に切り掻きが有る方と無い方とがあるので、片方が逆向きに入っていればOKなんですが、両方逆だったらどうしようという不安もあり、一本引っこ抜いて確認してみました。

どうやら大丈夫そう。


向きはこの向きで間違いなさそうです。

シャフトを抜くのに、デスビを取らなければなりませんでしたが、致し方ありません。
少し不安だったので確認したかったんだ。


あとはタペットクリアランスの再調整。

これらも、問題ないレベルではありましたが、総じて0.01~0.02ミリ程広がっていましたので詰めておきました。
やっぱり当たりが付くと少し広がるね。

これをやるだけでもタペット音が随分静かになりました。



やはりヘッドは大丈夫だな・・・。

あとはタービン周りからのオイル漏れがないかの再確認。
取り換えたタービンも中古なんでね、絶対とは言えない。

オイルは確実に燃焼室で燃えてるので、エキゾーストハウジング側ではなく、コンプレッサー側で漏れてるかどうか。

ただ、タービンからインタークーラー、スロットルに至るまでの配管がそれほど汚れてはいない。
タービンが原因なら、中はそうとうベタベタでもいい筈だが、そういう雰囲気はない。

寧ろエアクリーナーからタービンまでの配管がけっこうオイリーな感じがある。
ブローバイガスが多いという事は吹き抜けが多いという事なので、更にオイル上がりを裏付ける内容ともいえる。

更に、ターボチャージャー、インタークーラー間のパイピングを外したただのNA状態で走行して白煙が出るかどうかのチェック。
これも、この状態で結構な距離を走ってみたが、白煙は依然として出ている。

この時点で、ターボチャージャーもシロと判定。


ほぼほぼ腰下確定で良さそうである。

最後にダメ押しでコンプレッション計測をしてみる。


1番 11.5㎏/㎠


2番 11.5㎏/㎠


3番 11.5㎏/㎠
特に問題のない値で恐ろしく揃っている。

面研によって若干圧縮は上がっていますし、
オーバーオイルクリアランスでも圧縮自体は出るので、確認方法としては確実ではありませんが、ピストンリングの破損などの個別のトラブルが無いかの確認は出来ました。


ストックエンジンの腰下をバラシてメタルクリーンのお風呂で洗浄。
ピストンやシリンダーの計測をして、スタンダードサイズのままであることを確認。
ま、補修用のオーバーサイズの設定無いんですけどね。


元のエンジンはオイル管理が良かったのか、ピストンやシリンダーもきれいでしたが、今回はピストンも交換します。

alt暇見て組まないと・・・
Posted at 2020/03/23 02:09:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2020年02月22日 イイね!

加工ヘッド換装

加工ヘッド換装取り急ぎ製作したF6Aヘッド。
SOHC2バルブというアナクロなヘッドである。

ていうか、一昨年作り直したばかりなのに何でだよって話なんですが、症状的に真っ先に疑うべきタービンはここ数年で二度ほど交換している。
載せ替えたキャロルのエンジンも走行不明の走り屋マシンから引きずり降ろしたヤツを、軽く手直ししただけなので、バルブガイドだのピストンクリアランスだのとお金が掛かりそうなところはそもそもちゃんと見ていない。

その辺だよと言われてしまえば「なんだよマジかよ」って話です。


ただ、一般的に・・

オイル下がりならバルブシール交換、
オイル上がりならピストンリング交換、

で何とかなる筈。
どちらも施術済なので、一体何なの!?と思いながらの作業ではあります。

余程極端なバルブガイドのガタ、シリンダーの損傷などがないと説明がつかない・・・あとはガスケット抜けくらいか。
しかし、オイルにも水にもお互いのリークの痕跡は無し。
ブースト計を見る限りだけでは、圧縮の気筒間差も感じられない。

オイル下がりにしても、オイル上がりにしても、極端なノーメンテナンス過走行の末に起こる症状。


どちらにしても、ヘッドを開ければ判る筈。
エンジンでなければタービンなのだ。
あれだけオイルを食ってれば(1L/300㎞)燃焼室も汚れてしまっているだろうし、ヘッドはどの道やり直しで間違いないだろう。

alt
コッターをすっ飛ばして作業がずれ込んだので、その間にヘッド作業には念を入れておこうと思ってインテークバルブだけ新品を注文。
ガイドかバルブかと言ったらバルブの方が減ると言うんでね、こっちのヘッドはガタらしいガタは感じられないけど、一応新品交換。
煤が付きにくくなるようにボール盤にセットして磨いちゃいます。

エキゾーストからはオイルなんて殆ど下がらないから、磨くだけでいいでしょ。

alt
alt
バルブの擦り合わせをしっかりしたら、コッターを飛ばさないように丁寧に組み付けw

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ポート加工済み、0.08ミリ面研ヘッド完成~。

吸排気効率アップと若干のハイコンプレッション化で、結構パンチが出そうな雰囲気です。


よしよし、交換だ~。


alt
ヘッドだけなのでね、車上で交換出来ます。

先ずは水を抜き、ヘッドにくっついてるインテークとエキゾースト周り、補機類ベルトやタイミングベルトを取って、デスビを撤去すれば、ヘッドは単体で取り外せます。

まぁ、言うのは簡単だけど、インマニが狭くてちょっと大変かな。
たかだかM6のボルトナット6個だけだけど、バルクヘッドとの隙間が狭くてね。

alt
まぁ、こんな感じ。
ていうか、水が漏れてた形跡があるな・・・。

インマニアダプターとヘッドとの隙間のガスケットか・・・
結構ちゃんと掃除した筈だけどな・・・まぁどちらも取り換えちゃうので。

alt
ヘッドに取り付いている物は全て撤去したので、いよいよヘッドボルトです。

3気筒とは言えアルミニウム製のヘッドですので、適当に緩めるとヘッドが歪んだりします。
多段階対角緩め、対角締めを励行します。

緩める時は外側から対角線上に、45度づつ二度に分けて緩めてやれば、あとは普通に緩めて大丈夫だと思います。

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組み直してから2年足らずで結構汚れてしまったバルブ周り。
2番3番が特に酷い感じがしますね。
プラグも磨いてどうにかなる感じではなさそう。

燃焼室でかなりオイルが燃えていた証拠です。

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1番ピストンとシリンダー。
それ程気になる傷も無くきれいです。

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2番ピストンとシリンダー。
上面付近にやや傷が多いですかね、

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3番ピストンとシリンダー。
こちらも1番と比べると少し傷が気になります。

総じて、致命的と思われる程の瑕疵は見られませんが、ピストンとシリンダーとのクリアランスが目視でも不均一な感じが気になりはします。


alt
オーバーホールだ何だと色々とやることはありますが、
一番面倒で時間が掛かるのが、ガスケットのカスをきれいに掃除するとか、そういう地味な事でしょうね。

傷にしないようにスクレーパーでこそぎ取って、最後はオイルストーンで均します。
ウォータージャケットやオイルラインにカスを落とさないように。


綺麗な部品をただ組み上げるだけなんてのは、至極簡単な事ですよ。

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1番2番の間にあるカムへの唯一のオイルラインを塞がないようにガスケットの銅パッキンを合わせます。
塞ぐ向きでも組めるので注意!

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20年間愛用のカノンのトルクレンチでヘッドボルト締結。

規定締付トルク68Nm(約7キロ)のヘッドボルト。
センターの4本からスタートする対角締めで2段階に分けて60Nm程度で締め付けし、逆の順序で一度緩めます。(この際にも45度づつ2段階に分けて緩めます)
そして2回から3回に分けて段階的に68Nmまで持っていき、フィニッシュ。

alt
ヘッドが取り付け出来ました。

後付けですが、
タイベル取付の段階で、カムスプロケを回して圧縮上死点か排気上死点に合わせる際、バルブがピストンと衝突するのを避けるために全てのピストンが中間にあるような位置でクランクシャフトを止めておき、先にカムスプロケを大体いい位置に合わせてから、クランク側を上死点に合わせます。
ヘッドを取り付ける前に適当にピストンを下げておきましょう。

このF6AはSOHCですので、バルブ同士が干渉する事はありません。
ピストンとの衝突を気にしていればいいでしょう。

alt
ベアリングのレースを繋げて作った治具でカムのオイルシールを打ち込みます。

以前、いい治具が手元になく、外側からコンコン叩いて何とか打ち込んだものの、中でリップスプリングが外れててオイルが駄々洩れ事件と言うのがありました。

そんな惨事を生まない為にも、
ローションで良く濡らしてやさしくインサートしてあげてくださいw

alt
タイベル再利用(まだ2年しか使ってない)なので、外す前に付けたマーキングで組み戻しちゃいます。
FFはクランク側の合いマークの切り欠きが見づらいのでね・・・マーキング戻した方がラクですね。

自分はよく背板をつけ忘れます。
タイミングベルトをきちっと合わせて組んで、張りの調整まで終わったのに、何かスースーするなと思ったら背板が付いてないw
またバラシて背板からやり直し。

EJ組んでる時は鬼でしたね・・・。

スプロケとベルトの印だけで組めちゃうからね。

前回のタイベル交換の際、ウオポン新品なのにややLLC滲みの痕跡有り。
ガスケット部からのようなので、少し増し締めしておきました。


alt
あとはサービスデータに則ってタペットクリアランス調整。
カムスプロケを回しながら、ロッカーアームがカム山の影響を受けていない物を見ながら調整し、終わったら印をしていきます。

インテーク側冷間時0.15ミリ

alt
エキゾースト側0.17ミリで調整。
数値云々よりも、シクネスゲージを引く抜くときの重さを合わせることが重要だと思う。

alt
最後に面倒でも、もう一度全部のクリアランスを確認して調整終了。
あ~、なんて調整が楽なんだロッカーアーム式!

alt
あとは一通り組み戻して、水入れてオイル量確認してエンヂン始動!
LLCが暖まり切るくらいまでアイドリングで回し、水やオイル漏れがないか確認してからバンパーなどを取り付けします。

alt
取り敢えず大丈夫そう!
初めはもわもわ出ていた白煙も消えてきたのでオイル食いも直ったかな?

・・と期待。

組み付けのオイルが燃えきるまで結構時間が掛かるので、少し走ってみないと判らないな。

alt
バンパーなどを取り付けし、試運転。
近所を少し走り回ってみます。

アイドリングでは白煙は殆ど消えているが、走り出しの加速時にまだやや出るな。

ただ、恐ろしく全域のトルクが増えている・・・。
660㏄ターボでのポート研磨でここまで変わるか・・・と暫し閉口。

まぁ、以前エキマニの受け口側のバリを少し取っただけであれだけ変わったんだから、インテークとエキゾーストのポートを限界まで削ればそりゃ変わるか。

感覚的には800㏄くらいになったような雰囲気。

低速のトルクが抜群に増えました。
ブーストを掛けなくてもぐんぐん前に出るので、踏み込みが浅くても速いな。
0コンマ5くらいの過給でも以前のフルブーストくらいのトルク感です。

コンピューター大丈夫かなw


だがしかし!

白煙はまだ少し出る。。
一回これで帰して様子見だな・・・。

数日乗ってまだオイルが減るようなら別の段階だ。
取り敢えずヘッドのリフレッシュと、ファインチューンは終了だな。



そして後日!
やはり白煙現象とオイル消費が止まらないとの事!!

これは参ったな・・・

確か、キャロルからバラしたストックのタービンがあった筈なので、試しにそれに換えてみるか・・・


alt
タービンの型番を見てみると、RHB31とある。
調べてみると、カプチーノの純正タービンのようだ。

アクチュエーターにも大リーグボール養成ギプスが付いていて強引なブーストアップが図られているww
そして、元々付いているRHF3と比較してみても明らかにコンプレッサーのフィンがでかい。

あのキャロルが走ってた頃も、やけにパンチがある加速をするなとは思っていましたが、意外と掘り出し物だったな。


取り敢えずこのまま付けてみよう。


そして試運転!
なんだこのタービンは~ブーストが1キロ掛かってしまいます。

只でさえポート加工でかなりのトルクアップが実現したのに、更に上乗せでバキューンと加速していきます。

感覚的にですが、80~90馬力程度出ていそうです。

そろそろノーマルECUとインジェクターでは限界かな~。
ガスケットも大丈夫かな・・・
ブーコン付けてコンマ9で押さえれば大丈夫かな・・・。


ていう感じで、全くの別人になってしまいました。



が!

まだまだオイルは減少・・。

ヘッドとタービン違ったらもう腰下じゃねーかよ・・・。参ったな。
ピストンリング新品にしてもオイルが減っちゃうなんて・・・
あのキャロルそんなに過走行だったのかよ。

そうは言ってもF6Aはピストンのオーバーサイズの設定ナシ!
怪しい社外品か、10万円くらいのモンスターの在庫品しかOSがなぁ~い。

ストックで持ってる元のエンジンの腰下使うしかないな・・・。
オイル食いもこのエンジン程酷くなかったし、
スタンダードピストン新品でどこまで良くなるか。

LSD入りミッションを買ったようなので、またエンジン降ろして一緒に組み換えちまうか。
alt
altもうこの勢いで一気にやり切るしかないな!

Posted at 2020/03/05 05:12:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ

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何シテル?   06/30 04:17
だ い です。空白が二つですw 板金塗装と整備をちょこっとかじってマス。
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2009/09/13 00:37:18
 

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