2018年03月08日
金属の熱伝導がらみ
20℃での値
純鉄 比重7.87g/cm3 比熱460J/kg℃ 熱伝導率67W/mk
高炭素鋼(鋳鉄なんか) 比重7.75g/cm3 比熱461J/kg℃ 熱伝導率36W/mk
アルミ 比重2.7g/cm3 比熱900J/kg℃ 熱伝導率204W/mk
銅 比重8.9g/cm3 比熱419J/kg℃ 熱伝導率372W/mk
亜鉛 比重7.13g/cm3 比熱383J/kg℃ 熱伝導率113W/mk
放熱用シリコングリスで最高の物でも熱伝導率25W/mkくらいだが、シリコングリスの意味は
隙間を埋めて熱抵抗を下げるのが目的、自体で熱伝導を主として行う物では無い。
んで、比熱は単純に言えば単位重量辺りいくら熱を吸い込めるか。
熱伝導率はどれだけ伝えるか。
になるが、比熱に関して言うと重量辺りなので、体積で考えるとヒートシンクに使われるアルミと銅では
アルミは銅に比べてかなり軽量(比重が2.7に対して8.9)なため、体積辺りの保持熱量は小さい。
対して銅はアルミよりも体積辺りの保持熱量は大きいそして熱伝導率が高い。
アルミのヒートシンクは熱を貯めないためどんどん放射していく、熱伝導率がそれなりのために
吸熱部と放熱部の差がでて熱の運び出しが起きやすい。
対して銅は比熱が大きく伝導率も高いため、熱を放射するまでため込んでしまうのと、吸熱部と放熱部の
温度差が小さくなり熱の運び出し能力が小さい。
・・・という特性がある。
で、大体今は放熱対象の接触する部分は銅で作り、放熱部はアルミにし直接蝋付け接合してる
物が多い。
物によっては吸熱部を銅のヒートパイプにしている(ノーパソの冷却系に多い)
んで、接合のロウだがアルミが660℃付近で溶けるため、アルミロウは580℃当たりが融点。
銀ロウ類は750~850℃当たりが融点なので使えない。
またアルミロウは主成分がアルミなので熱伝導率はアルミ単体とそう変わらないが、低温融解する
アルミハンダの類いは主成分(80%以上)亜鉛のため熱伝導率がアルミの半分程度しか無く
熱的結合には使えない。
・・・といったことを理解出来ないと電子機器の放熱設計は出来ない。
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Posted at
2018/03/08 00:33:40
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