
今日はRB26のお話。
先日、大学時代の同級生が来てくれて
『ほれ』ってGT-Rマガジンをくれました。
まぁ、名だたる有名SHOPさまたちが
オススメRB26チューンを紹介してましたが、
カム交換を薦めるとこの多いこと・・・・
わかってんのかね?
カム交換の抱える見えない問題点を。
たしかにね、カム交換ってすごく体感できる。
仕事を依頼されて、それなりの代金を支払ってもらって、
オーナーに『クルマが変わった、速くなった』と思ってもらうのに、
ハイカムへの交換はうってつけなんだよ。
でもね・・・・
ノーマルタービンにハイカムはいらねーだろ?
これはあたしの持論だが、
タービンが元気よく回るなら、カムは交換しなくて良いんだ。
RB26はカムのノーズがバルブリフターを直接押す直打式。
そしてタペットクリアランスはインナーシム式のソリッドリフターだ。
でも日産は、そんなRB26のヘッドでちょいとしたミスをしてる。
画像の部分がそれだ。
上に3つ並んでいるのが、バルブリフターが納まる穴なんだが、
その穴の側壁に楕円に貫通穴があるのがわかるだろうか?
これはオイルラインなんでつ。
でも、直打式ソリッドリフターのRB26には、
こんな大きなオイル供給穴は要らない。
絶対に要らない。
むしろ無くて良い。←
このバルブリフターの納まる穴と穴に挟まれた部分は、
カムシャフトが取り付けられる部分になるのだが、
ここにはカムを潤滑するためのオイル供給穴がある。
でも均一な幅があるわけじゃなく、中央部でいったん狭くなってるでしょ?
丸いバルブリフターを納める穴加工がされてるんだから当たり前だよね?
この狭くなったところで、必ずオイルはそぎ落とされるんだ。
そのそぎ落とされたオイルだけで、リフターの潤滑は絶対まかなえる。
まぁ愚痴っぽい話になっちゃったな。
あたしがRB26を改良するならそうするって話だwww
話を戻そう。
このリフターの納まる穴の側壁に開けられたオイル供給穴が問題だ。
カムが回転しリフターが上下する時には、
このリフターの納まる穴の側壁は、ガイドの役目をするんだが、
その一部に大穴が開いてしまってるってことになるんだ。
リフターはカムに押され、左右に暴れようとするのに、
それを受ける側壁の面積がオイル供給穴のために狭められ、
面圧的にかなりキツクなってるんですよ。
面圧がキツければ、当然磨耗と変形の危険性は高まる。
それをアタマに置いてカムのリフト量を中心に話をしてみようか。
RB26のノーマルカムのリフト量は、IN:8.07mm、EX:7.78mmです。
細かな理屈は省きますが、カムのリフト量の基本的な考え方は、
ポートの燃焼室側出口(=スロート)径の1/4になるようにすること。
RB26のスロート径は、IN:30mm、EX:25mmなのですが、
ここでもまた一般的なバルブリフト量の常識で、
スロート径の1/4の、IN:25%増、EX:35%増にするので、
実際はRB26の適正カムリフトは、IN:9.4mm、EX:8.4mmなのです。
たしかに純正じゃ絶対的にリフト量が足りないね。
ただ前半で話したリフターが納まる穴に、
カムのリフト量が9.25mmを超えるとノーズが接触してしまうので、
逃げ加工をしなければならないのです。
ただでさえオイル供給穴のせいで面圧が高いって言ってるのに、
さらにカムノーズの逃げ加工で狭くすることになるんですよ。
耐久性が落ちるのは当たり前なんです。
しかも不具合が出た時には、
そのシリンダーヘッドは修理不可能=ゴミです。
そのリスクを犯してまで、ハイカムってのは欲しいものなんかね?
GT-Rマガジンに紹介されてるお店で作られた
RB26のノーマルタービン×ハイカム仕様・・・
何台か運転したことあるけど、どれも別にハイカムなんてイラねって感じwww
ハイカム入れるなら・・・
パイピング入れな。
エアフロ取りな。
あたしに任せな。←
って感じwwwww
そんなわけで、これからRB26にハイカム組もうと思ってる人。
IN:9.4mm、EX:8.4mm以上のリフト量のカムは、組む必要ないじぇw
できればさらにIN:9.25mm未満のヘッド無加工タイプにしときな。
ベースサークルを小径にして、シム調整でリフト量稼ぐタイプのカムは、
さらにもっと内部の機械的な部分はツライことになるよ。
バルブスプリングはハイレートなのが必要になるし、
バルブの強度もマージンが無くなるし、バルブガイドも強化だ。
そしてそのうえで、修理不能なヘッドになってしまうことも覚えておいてくれ。
どうだい?
案外おもしれーだろ?(笑)
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Posted at
2010/10/12 13:51:07