画像はSR20のNAブロック。
ターボにはオイルジェットが付くけど、
NAには付いてないので、
ブロックにオイルジェットが
取り付けられるように加工をしましたよ。
画像の赤丸で囲んだところね。
んで、オイルジェットって何?
簡単に言えば、ピストンの裏側にオイルを噴射して、
ピストンを冷やそうというもの。
ピストンはね、冷やさなければいけない。
ピストンが溶けないようにってのももちろんだけど、
ピストンリング周辺を冷やすことがとにかく大事なんです。
たとえばピストンのトップリングやセカンドリングにも、
潤滑のためのオイルは回ってるんだけど、
ここの温度が220℃くらいになると、オイルは焦げてスラッジになり始める。
ひどくなればリングは固着して、オイルが供給されなくなり、
焼き付きが発生することになるわけです。
それを防ぐためにピストン下から100℃程度のオイルを噴きつけて、
ピストン温度を下げてあげようということなんですよ。
これをさらに積極的にやってやろうというのが、
ピストンのクーリングチャンネルってやつなんですね。
リング溝の裏あたりに空洞を作って、
オイルジェットからそこに向けてオイルを噴射して
ピストン側面を冷やすようになってるんです。
RB26やSR20でもヘッドカバーが黒くなってからは、
純正ピストンでもこのクーリングチャンネルが付いてる
ピストンが採用されてますよ。
でもね・・・
エンジニアの方と話したことがあるんだけど、
RB26は実際に走行中には、このクーリングチャンネルには、
ほとんどオイルが回らないんだそうな。(笑)
大丈夫なの?それでいいの?って思うかもしれないけど、
ピストンリング付近はガソリン冷却をおこなっているせいで、
それほど熱的な負担がかかってないんだって。
それよりも、一番高熱になるピストントップを裏側から冷やす方が
冷却としては大切って考え方らしいよ。
クーリングチャンネルが必ずしも正しい答えなのかは、
不明なところもあるんだってさ。
社外の鍛造ピストンで、クーリングチャンネル付きなんていうと、
突然おそろしく値段が高くなるじゃない?
残念ながらそれは当然のことで、
鍛造製法ではクーリングチャンネルは作ることことが出来ない。
たぶんクーリングチャンネル用の溝が刻まれたピストンを作り、
それをレーザー溶接かなんかで塞ぐようにして
クーリングチャンネルを作っているはずなんだ。
手間がかかるね。高くもなるね。(笑)
有効ではあるけど、絶対じゃないみたいだから、
わざわざ高いクーリングチャンネル付きピストンを
選ばなくても良いかもねwww
ちなみにこんなオイルジェットがシリンダーの下端に装着されていると、
ピストンのスカートは下死点ではこのオイルジェットと干渉するんです。
そこで干渉しないようにスカート部には逃げが作られてます。
ピストンにはフロントマークってのがあって、
前後方向の向き指定があるんだけど、
この前後方向の指定を合わせないと、
オイルジェットの逃げ位置が合わなくて、
ガチャーンってぶつかっちゃうことになっちゃう。
だから前後方向の指定があるんだね・・・って思った人。
30点でつ。
それじゃ、オイルジェットを持たない(干渉物のない)エンジンだったら
ピストンの前後方向の指定は無意味なの?ってことになるよね?
そんなことはないわけですよ。
前後方向の指定には、もっと別のちゃんとした理由があるんです。
ま、
その理由なんか知らなくても、
指定どおりに組んでれば、何の問題も無いわけなんだけど、
あたしはさ、
理由があるものはそれがなんでなのか、わかってたいの。
つくづく、損な性格だよねwww
Posted at 2010/07/30 11:46:49 | |
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