
愛知県を南北に貫く地域高規格道路の名豊道路。
三重県の伊勢志摩から静岡県浜松市までを
無料の快走可能な国道でまっすぐ繋ぎ、
特に名古屋市緑区から静岡県浜松市までは
約100kmの信号交差点の無い高速道路のように
駆け抜ける事ができるバイパス国道で、
その最後の未開通区間が先週末の3月8日(土)に
遂に開通を迎えました。
名豊道路は国道23号線の愛知県豊明市の豊明ICから
愛知県豊橋市の豊橋東ICの約72.7kmの地域高規格道路です。

西は国道23号線の名四国道と直接繋がっており、
東は国道1号線の潮見バイパス&浜名バイパスと直接繋がっていて
今回の未開通区間の開通で、全長約100kmの無料高速道路が全線開通となりました。

最後まで未開通だった区間は、蒲郡市のみかん農家が用地買収に反対していた等で
長く建設が遅れていた区間ですが、それもやっと乗り越えて開通となりました。

東海地方、特に愛知県民のドライブ好きさんには
国道23号線が大好きな人がとても多いのですが、
地元民の私もその一人で運転免許を取得した頃からよく利用していました。
当時は最も早く事業化された知立バイパスがまだ暫定2車線共用で、
安城市より南はほとんど繋がっておらず、
豊橋市内は高架化もされていなくて地上で平面交差していた頃ですね。
当然、国道23号線の上を走っている伊勢湾岸自動車道も全く存在していない頃から
国道23号線にはお世話になっていたので、この全線開通は長く夢見たものです。
それがやっと、暫定2車線ではありますが叶いましたね。
それだけに、この最後の開通区間は多くの人から期待されていた事もあって
開通当日の3月8日(土)は、開通前の午前中から開通待ちの人で前後の区間が大渋滞で
15時の開通の後も日が暮れた20時頃まで渋滞が残っていたくらいに
名豊道路史上最大の大渋滞に見舞われました。
私も当日に走りたい気持ちはありましたが、大渋滞は容易に予想できたので
撮影の為にも交通量が確実に少なくなっている夜明け頃の時間帯を狙って走りました。
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祝!全線開通!名豊道路蒲郡バイパスを開通翌朝に走ってみた♪
当日の走行ルートはこんな感じ。

新規開通区間とそのランプ部を一通り走ってみました。
今回の新規開通区間は蒲郡ICと豊川為当ICの間で、
ここを含む蒲郡バイパスは名豊道路で唯一の山間部となる事から、
坂道が多くトンネルも新たに3個所増えます。
先に開通済みの蒲郡バイパス区間と同様に、新規開通区間は
どちらの方向からでも最初が上り勾配で後半が下り勾配となる地形なので、
全線暫定2車線という事も手伝って開通当初は渋滞が多発していました。

しかし意外にも開通から一週間としないうちに
前後区間からの新規開通区間への渋滞は減っていき
翌週末にはほとんど見られないレベルにまで低下していました。
代わりに、元々日常的に渋滞していた西尾市内や豊橋市内の
暫定2車線区間の渋滞は変わらず酷いままで、
豊明市から安城市までの完成4車線化済み区間の慢性的な渋滞も変わらずで、
全線開通の影響による渋滞増加は思ったほど酷くなっていないのが現状です。
名豊道路はその性格上、名古屋~三河の自動車産業の輸送路としての需要が最も大きく、
そのために作られた道路と呼んでも過言では無いものなので
全線が完成4車線化されてやっと本来の意味を成す道路と呼べます。
しかし今現在はその半分以上が暫定2車線共用なので本領を発揮できていません。
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半分以上が“片側1車線”…名古屋-豊橋間を結ぶ『名豊道路』全線開通も各地で渋滞 4車線化はまだまだ先か

開通後最初の週末を迎えたこの土日、3月15~16日の昼頃と夕方の渋滞情報を見ると
やはり新規開通区間の前後は特に目立った混雑がありません。



唯一、15日(土)夕方の豊橋市内、神野新田IC~豊川為当ICが渋滞しています。ここは16日(日)夕方もそれに近い渋滞があり、平日でも朝夕でやや渋滞していて
この区間だけは新規開通の影響が出ていそうな感じですね。
けれど上り線はほとんど目立つ渋滞が無く、開通前は渋滞が常に酷かった
蒲郡ICの渋滞が無くなっているのがポイントですね。
GoogleMapの渋滞情報のみで見ているので正確では無いかもしれませんが、
今のところ懸念された交通集中による大渋滞はそこまで出ていない模様。
今後しばらくはまだ注視が必要かもしれませんが。
特に、三井アウトレットパーク岡崎が開業したら、
国道1号線のアウトレット渋滞を避ける車が名豊道路へ流れてくる可能性もありますので。
今回の新規開通区間には、ひとつだけインターチェンジが新設されています。
御津金野ICという、山間部にぽつんとできた新設のIC。
周りを見ても集落がある程度で、なぜここにICを作ったのか
今の状況を見てもよくわからないのですよね。
実はこの御津金野IC、本当は
"豊川蒲郡線"という都市計画道路の一部で
計画では国道1号線とラグーナ蒲郡のすぐ近くの国道23号線(下道)を繋ぐ道路の一部です。

御津金野ICから南へトンネルを掘って、
みとゴルフ倶楽部の下を抜けて行く都市計画道路で
御津金野ICより南の区間は"大塚金野線"という名前になっています。
山を抜けた先は細い田舎道が既に開通していて、ここを拡幅する事になります。
またこれとは別に、今回の新規開通区間のうち豊川為当ICすぐ近くの
御津あおば高校のそばに未成道の跨道橋が以前からあります。


これは
都市計画道路の"国府赤根線"という計画中の道路で、
名鉄国府駅前から名鉄三河三谷駅近くの国道247号線までを繋ぐ道路ですが
ごく一部が建設されただけで工事が中断し、
以降計画が生きているのかさえ不明なまま放置されています。
この"国府赤根線"の未成道に関しては、CBCテレビの番組"道との遭遇"の
2023年4月12日の番組内でも取り上げられていましたね。
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【愛知】進むと突如山に突き当たる道
残念ながら"国府赤根線"という名前や国府駅まで繋がる件にまでは
触れられていませんでしたが、17年も放置されていると言われていますね。

この2つの都市計画道路が開通すると、
山で隔てられたこの地域の相互アクセス性が大きく向上し
周辺の交通渋滞がそこそこ解消する事が期待できますが
整備に見合うだけの効果があるのか疑問もあり、そのせいで事業が進まないのかも?
国も地方自治体も年々貧乏になっていく今の日本では
この先ちょっと期待が持てないかもしれませんね。
そんな感じで、事業化から半世紀の悲願を成し遂げた
名豊道路蒲郡バイパス最後の開通区間を開通翌朝に走ってみたお話でした。

今後は早期に完成4車線化をお願いしたいところですね。