【安いだけじゃダメだった】アメリカ車が送った日本への刺客の悲しい結末
…という記事を見付けました。
アメリカの自動車メーカーといえばいわゆる「ビッグスリー」ではありますが、それぞれが放ったコンパクトカーたちがどういう運命を辿ったのかというと…
・GM…サターンとキャバリエを投入
・サターン

1997年登場、「礼を尽くすクルマ」のキャッチコピーで有名に。
コンパクトカーの「S」シリーズをセダン、ワゴン、クーペ(クーペだけは全幅の関係で3ナンバー)、1.9リッターDOHCエンジン搭載(5MT&4AT)。
モデルライフ途中で左側ドアが観音開きになる「3ドアクーペ」を導入する。
また、導入前のマーケティングリサーチにより、「誠実さに欠ける」「信頼できない」「女性のみでは入りにくい雰囲気」などの評価が多数を占めたGM各ブランドのディーラーに対する悪評を払拭すべく、新規契約を希望する販売店(サターンでは「ディーラー」でなく「リテーラー」と呼んだ)に対して審査し、新規リテーラーのセールスマンには接客マニュアルを徹底した。
そして値引き販売を行わない価格設定を取り入れ、販売時の価格交渉に伴う不公平感を払拭させた。
2001年日本から撤退。
・キャバリエ

1996年登場、日本導入モデルはセダン、クーペ、2.4リッターDOHCエンジン搭載(4AT)。
このクルマを導入した目的は、当時日本とアメリカの間で課題とされていた自動車の輸出過多による貿易摩擦の緩和を図るというもので、すでにアメリカ国内では1995年に販売されていたシボレー・キャバリエをベースに、ハンドルやウインカーレバーの右側移設化といった仕様変更を施した。
販売がある程度見込めるトヨタのブランドにてトヨタマークを付けて「トヨタ・キャバリエ」として販売。
それから、輸入車としては異例の低価格戦略、当時同車のCMキャラクターを務めていた所ジョージプロデュースによる特別仕様車の設定などで一時話題となった。
2000年、日本から撤退。
・クライスラー
・ネオン

1996年初代モデル登場、アメリカ同様にセダンのみの設定、2リッターDOHCエンジン搭載(5MT&3AT)。
「日本車キラー」としてデビュー当時は話題に。
このクルマは廉価車として割り切って足回りやトランクルーム内側の塗装を省略したり、後席のパワーウインドウも設定しないなどのコストダウンを徹底。

1999年2代目登場、セダンのみの設定で2リッターDOHCエンジン搭載(3AT)。
但し、初代とは大幅にキャラチェンジした本革シート装備の高価なモデルのみとされる。
2001年日本から撤退
…という3車が存在していました。
そんな中、フォードだけはアプローチ方法が異なり、この3車種が日本に登場する前の1994年にヨーロッパフォードにて生産のミドルクラスの「モンデオ」を投入していました。
モンデオはセダン、ワゴンを設定、直4・1.8&2リッターDOHCエンジン、V6・2.5リッターエンジン、直4・1.8リッターディーゼルターボ搭載(1.8には5MT設定あり、他は4AT)という幅広いバリエーションで、特に最廉価モデルの1.8リッターMT車は198万円という、それまでのミドルクラスのヨーロッパ製セダンよりも大幅に安い値段でした。
そして2代目も続けて日本に投入されたものの、初代同様に販売不振のままで終わった感じがします。
これらの安価なアメリカ車を日本で販売するきっかけとなったのは、日本経済の柱となる自動車産業の対米輸出を大幅に規制させるなど、日本に対してアメリカ大統領としては異例といえる保護貿易主義を取ったブッシュ大統領が1992年、日本に来日した際にアメリカの自動車を買う様に圧力をかけたという事が背景にあったのです。
しかし日本は他国とは違って特異な市場で、アメ車といえば「ジープ」ブランドが一番好調だったりします。これは昨今のSUVブームがそれに対する追い風となっているのでしょう。
フォードが2016年に日本から撤退したといった事を考えると、かつての様な販売方法は採らないでしょうが、輸入車の中でドイツ車が一番売れているという日本において、当時のブッシュ大統領に近い考えを持つトランプ大統領が果たしてどの様な交渉をしていくのか?…でしょうね。何しろ当時の様に政治家・メーカー間の「忖度」はユーザーには通用しないし、それを学習してるから…
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アメリカ車 | 日記
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2019/04/28 10:55:26