国土交通省のプレスリリースをチェックしていたら「我が国初のLNGバンカリング船が船舶への燃料供給を開始!」の記事が目に留まりました。
今年から船舶の排気ガスによる人の健康や環境への影響を抑止するため、海洋汚
染防止条約(マルポール条約(MARPOL条約))が改正され、使用する燃料油中の硫黄分濃度の規制値が従来の3.5質量%以下から0.5質量%以下に厳しくなりました。
この為、従来の重油(大型船舶の場合、C重油が多い)からLNG(液化天然ガス)を燃料とする動きが進んでいます。
このLNGを供給する(LNGバンカリング)拠点形成に向けた整備が進んでいます。
LNGバンカリングには、大きく3つの方法があります。
1つ目は、Truck to Shipバンカリング
岸壁に駐車したLNGタンクローリーから船舶に燃料を供給する方法
初期投資が少なくて済む反面、1度の供給可能量は、LNGタンクローリーの積載量に依存する為、大型船舶への供給には向かない
2つ目は、Shore to Shipバンカリング
陸上の専用施設から係留中の船舶に対して燃料を供給する方法
大量の燃料を安定して供給できるので、大型船舶への供給も可能となるが、専用施設の建設、維持等、コストの課題が大きい
3つ目は、Ship to Shipバンカリング
専用の燃料供給船を補給対象の船舶に接舷し燃料供給する方法
重油等で既に実用化されて久しい方法で、大型船舶への供給も可能
専用船建造と維持のコストはかかるが、新たな陸上施設を建設するよりは自由度が高い
今回、プレスリリースされているのは、この3つ目のShip to Shipバンカリングです。
専用船は「かぐや」(総トン数:4,044t)、LNGの積載量は3,500立方メートル
LNG燃料を供給した船舶は、就航準備中の日本郵船が運航するトヨタ向け自動車専用船「SAKURA LEADER」(総トン数:約73,500t、自動車最大積載台数約7,000台)です。
この「SAKURA LEADER」は、日本初のLNG燃料の自動車専用船になります。
今後、燃料の転換が進む中、更にインフラが整備され、日本が世界の海運拠点になることを期待しています。
※画像は国土交通省のプレスリリース掲載の写真を使用しております。
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Posted at 2020/10/22 00:57:08 | |
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