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ひでエリのブログ一覧

2022年01月19日 イイね!

コスパ抜群!Highland Queen

コスパ抜群!Highland Queen早速セル焼き切れ...@ひでエリです。

せっかくエンジンがかかって、さあ面白くなるぞーと思ったTRX改ですが、セル不良でお不動さんになってしまいました。
まあこの手の話は中華エンジンにはありがちなので致し方ないです。そもそも15kのエンジンですから、何が起きても文句はいえません。
まあそれより一応エンジンかかって走ったのですから、いろいろ間違ってはいないということで、また互換セル探しと現物合わせの旅に出ます...。

そんなことより今日は新しい外人の先発を見つけたのでご紹介したいと思います。
ハイランドスコッチのHighland Queenさんです!

トラバさせていただいております、FDの大先輩、銀鬼パイセンのご紹介により、さっそく買って吞んでみました。

う、うめえ!
そしてなんとAmazonで1380円しかしないのです!
なんというコスパ。
仕方なくサントリー角で我慢していた私ですが、これは凄い!
一時期のノンブランド宮城峡に匹敵するレベルかと思います。
詳しくはこちらのブログに詳しいようなので、興味のある方はどうぞ。

実はハイランドのウイスキーはマッカランのシェリー樽不足からこっち、ちょっと敬遠してきたきらいがありました、個人的に。
13年前に初めて呑んだマッカラン12年は本当に美味しかった。シェリーの香りが素晴らしく、ハイランドの代名詞として君臨したマッカランを尊敬していました。
が、このシェリー樽フィニッシュが全世界的に流行り始めて、良質なシェリー樽が世界中で枯渇します。
結果、本家マッカランは似ても似つかぬ味わいと成り果て、最後に呑んだのはもう7~8年前でしょうか...。悲しい思い出です。

そんなトラウマがあったため、ハイランドは進んで掘りに行かなかったのですが、銀鬼パイセンの推し、かつ格安、とくれば飲まない理由がありません。

少しトロみのある飲み口で、じゃっかん甘さが目立ちますが、香りが1380円ではありません。これは先発としては必要充分なスペックと断言できます。
あまり日本では有名ではないらしいですね。
たしかに渋谷信濃屋でも見た記憶がありません。もし在庫があれば値段がこんなに安いので絶対に試していたはずです。

ウイスキー好き、かつ香り高いのが好き、で、安価で気楽に飲める先発ウイスキーを探している、という方に是非おすすめしたいと思います。

この記事は、今日のお酒 HIGHLAND QEENについて書いています。
Posted at 2022/01/19 19:13:22 | コメント(1) | トラックバック(0) | | 日記
2022年01月18日 イイね!

Be Blues最高!

Be Blues最高!Aimer、活舌悪い!@ひでエリです。

Vaundyとの共作の時(地球儀)にはとっても良い発音だったのに、何故か今回のキメツ遊郭編「残響散歌」では、何言ってるか分からないAimerですね。なんであんなアレンジにしたのか理解に苦しみます。
全世界的にBillie Eilishをはじめとして「ささやき系」が増えているとはいえ、そうことじゃないんじゃないのとか思う今日この頃です。
ちなみに最近の音楽で一番衝撃を受けたのはNight Tempoの「Wonderland」です。ボニピンがボーカルやってるのですが、これ森高がカバーしたら最高なんじゃないかとおもうんですよね。個人的にはボニピンも大好きなんですが、この音程と曲調は絶対、森高にハマると思うんです。
え?
「何を言っているのか、わからねーと思うが、おれも何を聞かされたのかわからなかった… 耳がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超名曲だとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。もっと素晴らしいものの片鱗を味わったぜ」
という感じですか?
皆さん多分そうでしょうねw

さて今回のお題はドはまりしたBe Blues!(作:田中トモユキ氏)です。

すでに大量の既刊がある人気作品です。作者の田中トモユキ氏は既に大ベテランですごく良いマンガを描くのですが、何故か余り有名ではありません。いや、充分有名なのですが、スポーツマンガ界でいえばキャプ翼の高橋氏とまでは言わないまでも、スポーツマンガ界限定でいうあだち充くらいの実力はある人だと思います。マジで。
このマンガはサッカー漫画なのですが、この作品の前は「あおい坂~」という野球漫画を描いており、これまた名作なのです。
なぜこのマンガがアニメ化もされないのか、頭をかしげます。
と、かくいう私もマンガアプリをタダ読み数巻でコミックスの購入まで踏み切ったのは今回が初めてです。

大きく既刊は少年編、リハビリ編、中学生編、高校生編に別れます(自己基準)。
①少年編
サッカーの才能の塊である龍は日本代表になることを夢見る小学生。
幼馴染で双子の優人と優希と一緒に地元サッカークラブで頑張っている。そんな中、FWの立彦と一緒に優人の替え玉で出場した優希との試合で、エゴイストな敵チームの桜庭を撃破、これを見ていた「外人のジイサン」が龍と桜庭の才能を見抜く!という話。

②リハビリ編
才能にあふれた龍は、直ぐにでも埼玉Redsユースに加入する勢いだったが、優人がクルマに轢かれそうになったのを庇ったため、階段から落ち再起不能の大けがに。
サッカーどころか、もう一度走ることが出来るかどうかまで追いつめられるが、持ち前の強メンタルでこれを乗り越え、同世代リハビリ仲間のアンナ(フィギュアスケート選手)と双子の献身的な応援もあって復活する!

③中学生編
復活したとはいえ、やっと走って球が蹴れるようになったというレベル。
全盛期の「一条龍」には全く及ばなかった。
しかし龍はひとつひとつ努力を重ね、サッカーの基本からクリアし、一歩ずつ、本当に一歩ずつサッカーの才能を咲かせていく。
しかし家族がインドネシア海外転勤の危機。
龍の母は事故のこともあり、どうしても一緒に来て欲しいと龍に懇願。
「高校を卒業したら自由にしていい、でも今は中学卒業までは心配なの。どうしても一緒に来て欲しい!」
日本より格段に劣るであろうサッカー環境では、龍の目標の「Be Blues」は遠のいてしまう。日本に残るために、サッカー環境の良い高校に入学できるためには、龍がどう思っていようと、重賞を勝ち抜き、龍の価値を世に知らしめした上で、家族の負担なく、日本残留がベストと考えたチームメイト宮崎の声掛けにより、どこまでもこのチームで勝ち抜く!と頑張る姿が愛おしすぎる...。枕が乾く暇がありません。

④高校生編
チームメイトの協力もあり、日本に残って優希と優人の家に居候できるようになった龍。高校も3人一緒に県下でもサッカー強豪の武蒼に入学。
武蒼ではA~Dまでの4チーム制で主力のAチームには全日本のアンダー代表もいるような状態。そして小学生の時の因縁の相手、桜庭も同じ部に入学。優希はサッカー部マネに。
入部直後から先輩たち、サッカー強豪としてのアゲインストに立ち向かう龍と優人。ちょっとしたことで桜庭と喧嘩になり、危うく部活動停止の危機を招いてしまい更にアゲインストは強くなる。
しかし持ち前の前向きさで、1年生にして部内を引っ張っていく龍。
そんな中、龍たちを引っ張ってきてくれた監督が介護を理由に退任。後任はなんと「外人のジイサン」ミルコ・コヴァッチ。龍、桜庭、優人を小さい時から見守ってきた爺さんはなんとユーゴ元代表監督だった!
ミルコの通訳は今まで孫のアンナがやっていたが、高校からは自らを変えたいと願う龍たちのクラスメートであるアイコ(タイトル写真)が担当に。
ここから一気に全日本クラスの強豪に伸びていく武蒼。
小学生の時のチームメイト立彦は今やレッズユースのエース。高校生Jリーガーとして華々しい活躍を見せる立彦に焦る龍。
そして再起不能かと思われた5年前の大事故から、復活する龍...。

=====

とここまでが、45冊の内容です。

まあ2011年9月からの連載ということで、既に10年以上を経過しており、更に続刊で内容は尻上がりに良くなっているという稀有なマンガです。
見どころはもちろん、天才サッカー少年龍の成功、怪我による絶望、復活がコアストーリーなのですが、サブキャラが強い!
ともかくヒロイン枠が可愛すぎる!!
元祖ヒロイン幼馴染の優希、リハビリ時の同僚ツンデレでミルコの孫アンナ、高校生通訳クーデレのアイコ。いずれも描写が可愛すぎて悶絶してしまいます。どれも正ヒロインの資格を残したまま連載中。アイコが一歩リードか?気が抜けません。

他のサブキャラは余りに立ち過ぎて、もはや説明するのも無理なのでWikiを読んでくださいというのが正しいと思うのですが、敢えて言うと
優人、桜庭、宮崎、レノン、立彦、ナナミちゃん辺りのキャラ立ちが凄い。

サッカー漫画は自チームだけでも11人もいることから、描き分けやらキャラ立てやらが凄く難しいと思います。ある意味「捨てキャラ」を作らないと画面が引き立ちません。
しかしこのマンガでは長期連載ということもあってか、非常に無駄なく、無理なく丁寧に描きこまれており、某「クラマー」のような混乱は一切おきません。読んでいけば自然に全キャラへの愛着が湧いてきます。
一時の勢いが消えてしまったジャイキリやフットボールネイションとは違って、こちらはサッカー漫画として更に燃え上がっている感じです。
45巻を超えて、過去より更に今後が楽しみな名作漫画というのは中々出会えません。
集英社ジャンプではなく小学館サンデーなのですが、「友情、成長、バトル(サッカーの試合)」というジャンプ王道がばっちりハマっているマンガです。これだけテンプレ感があるのに、読むと全くそんな気がしない。何故だ!

さすがに全部一気読みしてください、今すぐ!とまでは既刊が多すぎて言えないのですが、ネカフェなどに行く機会があれば、是非このマンガをお読みください。スポーツマンガ好きの方であれば絶対に後悔はさせません!
是非!
Posted at 2022/01/17 23:00:13 | コメント(2) | トラックバック(0) | サブカル | 日記
2022年01月17日 イイね!

ついに完成、TRX125改!

ついに完成、TRX125改!BE BLUESオモロ!@ひでエリです。

ちょっと漫画とアニメはまたまとめてスレにしますが、サンデーうぇぶりで読み始めたら止まらなかったサッカー漫画、BE BLUES間違いないです。明日最新刊発売楽しみだな〜。

さて昨年の3月ごろからいろんな乗り物と並行して進めてきましたどろんこ1号、TRX70ですが、紆余曲折を経まして、本日完成致しました!
結局、エンジンを換装し中華ノンブランドエンジン125ccを載せて大幅にパワーアップしました。

1.バラし洗浄、塗装期

約20年ほど放置されていた個体。タイヤはぼろぼろであちこち錆びまくり。


レストアにはありがちですが、まずはバラして洗浄するのが基本です。


タイヤは苦労しました…合わせホイールのチューブレスタイヤなど完全絶滅種でタイヤの調達だけで2万円。さらにホイールの分解には相当苦労しました…。



タンクももちろん錆びまくり。サンポール攻撃で錆を落として、シーリング剤で錆止め。地味に面倒くさかったです。

2.純正エンジン組み直し期

エンジンばらしは初めてでしたので、楽しみながらやりました。
元々4速ギアなのですが、3速までしか上がらないということでバラして完全稼働させようという目論み。


件のギアを開けてみますが、特に異常は見られないものの、確かにギアが上がりません。


ま、いっか、とバラして組み上げている途中で、あんだ〜野良整備王が登場。パパッと組み上げN〜4速まで稼働する様になったのですが
全部組み上げ、エンジンかけるとギアが全く入らないという状態に。
もはやこれまでと、バイク屋にギアの整備を頼むも全く上がって来ず…。

3.中華エンジン125cc換装期
オーナーのヤマちゃんと相談して、いっそ中華エンジンに載せ替え、パワーアップしちまおうということに。

元々、キックする余地のないリコイル仕様なので、上部セル付き4速を買うことに。
15kくらいで落札するものの、やすおきフルスクラッチ王から
「Amazonとかには完動品が出てて40k、ヤフオクには不動エンジンが流れて安いのだ」
と脅されます。
とりあえず保証は1週間しかないので、バッテリー直結でセルは稼働して、クランキングするところまでは確認して、圧縮もちゃんとあるのであとは何とかなるだろうと楽観モードに。

バッテリーなど載る場所が無いので悩んでいると、あんだ〜野良整備王から
「競技車とかみたいにバッテリーを外付けにすれば良い」
とアイデアもらって、始動時のみバッテリーを接続し、アイドリングからは自家発電のジェネレーターで稼働という変則仕様に決めました。

純正の電装系はそもそも6Vでしたが、XLRでCDIは散々やったので大体の理屈は分かります。カブのハーネスを買おうというヤマちゃんを抑えて純正のハーネスを再利用することに。

中華エンジン付属の交流CDIエンジンの交流+をつなぐも火が飛ばず…。

ここでやすおきフルスクラッチ王の言葉が蘇ります。
が、XLRのレストア時に購入失敗した手持ちの中華直流CDIを流用して火を飛ばしました。
(写真は動かなかった交流中華CDI)

中華エンジンにはシフトインジケータ端子が出ていたので、ニュートラ視認のためインジケータを購入。後付けインジケータの説明書に書いてあるピンアサインは全く役に立たなかったので、ギアを変えつつ、導通を確認して設定。

(0がニュートラです)
純正はエンジン脇にニュートラインジケータが物理で付いていましたが、

マジックテープでハンドル中央に設置。視認性が上がりました。

最後はエンジン幅が増えたため、ステップとシフターが干渉。

どうにもしょうがないので、物理不可逆造作を敢行。

グラインダーでステップの鉄の棒!を抉りまくって現物合わせ。

なんとか嵌められる様に。
が、最後はチェーンケースの仕様がカブと全く合わずw
とりあえずカバーがかけられるようにするため、またもグラインダーでカバー下部をぶった斬り。とりあえずコレで良しということに。

心配していた、交流CDIダメの理由はもしかしたら中華ジェネレーターにあるのでは…という杞憂を払拭。
セル稼働後にバッテリー端子を外してもアイドリングは継続。やっと一安心して畑コースで試走。

純正よりも約倍のパワーとトルクになったため、かなりの暴れん坊に。
基本カブエンジンということで、ローギアードに振ってあることを鑑み、ドライブスプロケを純正よりも1丁上げにしてハイギアード化をしておいたが、これでも1速で充分な伸び。
下手すると横転しそうな勢いです。

とても面白いオモチャが出来ました。
尻振りまくって畑コースで遊ぼうと思います。

問題はこれでレストアが全部終わってしまったことです…オモチャがもうない…。
やはり2スト250ccのジャンクを買う運命なのか…。
Posted at 2022/01/17 16:58:21 | コメント(5) | トラックバック(0) | バイク整備 | 日記
2022年01月01日 イイね!

長崎3部作@高浜寛センセ

長崎3部作@高浜寛センセジャガーは壊れるんだって@ひでエリです。

あけましておめでとうございます、みんカラ界のみなさま。
今年も皆様と同じ世界線で生きていきたいと思っております。リアルはさすがに真面目に仕事し始めないとまるっと2年夏休みだったんでね~、とは思っています。えーと仕事はしてはいるんですが、完全省エネモードで全くまじめにやってないので、渋谷時代の1/2くらいの力は出したいと思っています、今年は。
はい、思っているだけですけど。

ところでジャガーが壊れるのは知ってるわ。
英国車で壊れないクルマとかあるんなら知りたいわ。
母は四六時中Youtubeをみてソロキャンパーのヒロシが昔ジャガーに乗っていたことを聞き、そういう話をしています。
黒メルを買うときに実は白ジャガーを買うつもりだったんです、ええ、嫁さんが唯一割と好きな外車ということで。
そしたら蓮仲間の人たちから「全力で背中を押された」ので止めました。
ええ、間違いなくネタを欲してた顔だったんで。
そして、亡き父が小金を持った時に最初に買った高級車?がX30型2600ccグランデのジャガーオマージュのマークⅡでした。彼にとっては初めてのATオーナーでした。そして駅前交差点でクラッチ踏むつもりでブレーキ全踏みかまして急停止。人口が少ない町で良かったです、後続車はいなかったため追突事故には至りませんでしたが、まったく思っていなかった場所での急ブレーキはシートベルト着用義務がない時代に後席に乗っていた従妹がしこたま顔を前席に打ち付けるくらいのアクシデントはありました。父は真っ青な顔をしていましたが、良い薬になったのかもしれません。

さてそんな話はおいておいて、一部の読者の方からマンガやってくださいというありがたいリクエストがありまして、毎日の2時間近くをマンガに突っ込んでいて、もはやマンガをブログに起こしている暇すらない状態の私が厳選した100%個人の好みで選んだ珠玉のマンガをご紹介します。

熊本県天草出身筑波大学芸術専攻、高浜寛(たかはまかん:女性)センセの長崎3部作です。
1.ニュクスの角灯(1-6巻完結)
2.蝶のみちゆき(1巻完結)
3.扇島歳時記(1-3巻続刊、たぶん4巻で完結)

です。

まずもって九州出身で母の郷里である天草出身(要は私の祖母は天草本渡の人で今でも本渡にはたくさんの親戚がいます、そして私は熊大出身です)の方が、長崎の話を描くという点だけで既に2割増しな親近感を勝手に覚えます。
が、2割の上を行くレベルでマンガの完成度が高いです。

出版順は2→1→3の順で、「長崎三部作」と勝手に私が評したように、すべては長崎出島と丸山遊郭まわりに関係した話になっています。
話の主人公は全て異なるのですが、登場人物が絶妙な関係で重なり合っており、世代の人には分かる強敵のときにゾフィーが助けに来てくれたり、ライダー1号がさっそうと現れたりする感じで身もだえします。
と書いたところで違うなコレと思いました、酔って書いたらいかんな、忘れてください。

1.ニュクスの角灯(ランタン)


長崎で身寄りを無くした美世が主人公です。
美世はフランス人ハーフ百年(ももとし)に思いを寄せ、彼の輸入雑貨屋「蛮」の手伝いをするようになりますが、今の時代のハーフとは違い、場所柄遊女や「先進的な女性」が結果としてハーフの子供を産んでしまう時代。
百年にはヴィクトールというフランス領事館の息子の友達がおり、彼と一緒に輸入雑貨屋を長崎とパリの双方で始めます。
百年の母は歴史上の人物である「大浦慶(おおうらけい)」です。
彼女は日本茶の貿易で一財産を築いた長崎の女傑です。そして彼女を支える百年の継父親役の岩爺がいい味を出しつつ話を支えます。
美世は主人公ではあるのですが、気持ちが弱く、親と死に別れて叔父に引き取られているためか、自己主張が上手くできません。
そんな彼女が世の中にもまれて百年にフラれ、しかし百年のフランス人遊女の彼女に光を与える「角灯」のような存在になる、という話です。

と書いておいて、うーん、そういい切っていいのか悩みます。
百年がフランス人の恋人ジュディットに思い悩む尺がたいそう長いのです。
もしかしたら百年が主人公、といってもいいのかもしれません。
SWにおけるアナキンとか、ガンダムにおけるシャア的な立ち位置です。

主人公である美世の成長を描いた話であるはずなのですが、読了感としては脇役のキャラが立ち過ぎていて、もはや主人公だけではこの話の世界観を表現することは無理になっています。まあ作者は分かっていたでしょうし、リイド社もお分かりだったのか、次作をだすことになります。

2.蝶のみちゆき


長崎の丸山遊郭の話です。東京の吉原と並んで有名だった長崎の丸山遊郭でのお話。
主人公は几帳(きちょう)。彼女は一度、身請けをされながら、丸山に戻ってきたという過去を持ちます。
彼女の禿(太夫衆(たゆし)の付き人の水揚げ前の娘)に「たまを」。
この几蝶と漢方医の息子健蔵、出島の蘭方医トーン先生を中心に話は回っていきます。
何故、身請けしてもらったのに、また丸山遊郭に戻ってきたのか、という点が今作のポイントなので、そこは外して書くことにします。
で、いきますと、ともかく几帳が美しい。
白黒なのに匂い立つ色香というか、純粋な几帳のエロスの表現が素晴らしい。
遊郭なのでもちろんそういう場なのですが、直接的な表現はなくても間であったり、やり取りの中で表現される微妙なやり取りが大人な雰囲気です。
エロ漫画万歳な厨二のやつらには分からない、美しい表現なのです。
女丈夫の大浦慶も欧州に密航し、痛い思い出を作って帰ってきます。
トーン先生は几帳の紹介で健蔵の父を懸命に看病しますが、たぶん症状的にリアルマイ父と同じ良性の脳腫瘍だったのでしょう。
ゆるゆると進行し、令和の現代でも手の打ちようがない病気では大正?では無理です。健蔵の父の死を起点にトーン先生と几帳の関係は壊滅的に瓦解し、すべてを知った健蔵は几帳に戻って欲しいと懇願しますが、几帳はすべてを知ったうえで...

3.扇島歳時記


一転して前述の禿「たまを」が主人公です。
少し時代が1部からさかのぼっており時まさに明治維新、1部のニュクスの登場人物、百年やヴィクトールが10代の子供です。たまをの大きさから時代としては2部と同じだったのだというのがわかります。が少し過ぎたところか。几蝶はでてきません...。
明るくはつらつとしている「たまを」は丸山遊郭や出島の人々におたまと呼ばれ、いろいろな人に慕われています。ヴィクトールはおたまに淡い恋心を抱いています。ニュクス最終盤でヴィクトールが日本に帰るシーンがありますが、それはおたまに会うためです。
おたまは下働きも一生懸命にやり、14歳で水揚げどころか「赤いおしっこ」もまだな年頃です。
しかし彼女は丸山遊郭の遊女が母であり、帰るところすらないのです。
この強い伏線すら充分に使わずに話をもっていく作者の力が凄い!
私だったらこの伏線だけで1冊かけそうな気がします。

とまあ、私の話はおいておいて、ここでは百年の母である大浦慶もまだ40代の女ざかり。百年に対しては自分が母であることを伏せて、元使用人である岩爺に父親代わりの里親をやらせています。
たまをが主人公なのですが、ここでも作者のサブキャラ無双趣味が出てしまい、このシリーズでは1部で活躍した彼、「岩爺」が強キャラとして出てきます。
キリシタンである彼は幕末から明治初期において隠れキリシタンとして捕まっていく同胞たちに対し、自責の念を持ちつつ息子代わりである百年を育てなければならないという理由で信仰を隠していいという理屈そのものに矛盾を感じ、すべてを洗いざらい吐き出したうえで同胞と同じように捕らえられ処罰されることを望んでいました。
牢獄につかまっている彼の友人、流刑になることを聞いていてもたってもいられなくなりますが、前作の蘭方医トーン先生の弟の宣教師に諭され、明治維新後も邪宗扱いのキリスト教に帰依したまま隠れて生活を重ねることになります。
時は戊申、西南戦争直前の明治。
長崎鎮守からも政府側の義勇兵として岩爺の知り合いが出兵していきます。

というところで最終巻(予定)の4巻に続く、です。
====
全編通して、独特の上手いマンガといっていい絵柄でまとめてきます。
ニュクスから扇島まで10年近く経過していると思いますが、もちろん絵は上手くなっているのですが、なんだか芯の部分が変わらないので全く時間的な違和感がなく読み込めます。
むしろ2部の「蝶のみちゆき」がいまのところ一番絵が美しく、この辺に作者の懐を感じる次第です。
絵も必要充分なのですが、このマンガのコアはこの「ザ・日本の夜明け」的な時期の長崎をリアルに切り取って表現するという手腕ではないでしょうか。
ともかくネームが素晴らしい。
単行本では話の間にコラムが載るのですが、それもたいそう勉強している背景が垣間見え、非常に好感度が高いです。
キメツのように主人公をドンと据えて、サブキャラを描きこむという手法ではなく、むしろ主人公はやんわり決めておいて、好きなキャラを好きなだけ描きこんだらこうなった的な印象を受けます。
現熊本県天草地方は地政的に長崎(藩)だったことがあったようで、熊本よりも長崎に気持ちが近いのか、高浜さんの長崎への思い入れが伝わります。
大分県はそのほとんどが「豊後藩」なのですが、北の中津市(私の居住地)は「豊前藩」なんですよね。文化圏、言語圏的にも大分よりも北九州を強く感じる土地柄です。気持ちは個人的にすごく良く分かります。
大分は豊後豊後言われると「は?」的な心境になります。
ああ、こういうところで「県庁所在地コンプレックス」とか「メジャーなどタヒねばいい」的なニッチ志向が培われたのかもしれないと今思いました。

新年早々、こんなブログでよかったのか良く分かりませんが、ザわたしな感じのスレとなりました。
2022年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
Posted at 2022/01/01 08:12:49 | コメント(4) | トラックバック(0) | サブカル | 日記

プロフィール

「洗車なんかするもんじゃねぇな〜4本のうち2本も折れとるぜ…どーしよーかなー」
何シテル?   04/28 09:45
ひでエリ です。よろしくお願いします。 エリーゼを愛し、ナナちゃんを愛し、ロッテを愛し、酒、マンガを愛しています。 サーキットも走っていましたw 袖ヶ浦フ...
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