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イイね!
2011年11月01日

【試乗五選・第78号】 ターボ化と多段化ATの弊害><

BMW 116iスポーツ 8速AT (318)


 先代1シリーズの最終116iは、直噴エンジンによる確実なパワーアップと、電動PS化によるステアフィールの改善が顕著で、昨年試乗した新車ではNo.1にし、今年8月の初回わたしの五選でも1位に指名した、小型FRスポーツの金字塔でした。

 それが今回FMCされて、基本的なシャーシコンポーネンツは先代をキャリーオーバーし、後席の広さと乗り降り性を向上させるために、ホイールベースを伸ばして後ろドアの開口部を広げる変更がなされたのみです。

 そして、何よりも最大のトピックは、欧州で流行りの小排気量ターボ旋風がついにBMWにまで及び、ラインナップこそ116iと120iとあるものの、いずれも排気量は1.6Lで両方ともターボ付きで、両車の差別化は単純にターボの過給圧に違いによるピークパワーの違いのみとなっております。

 この新たなエンジンと組み合わされるトランスミッションも、先代の6段から8段に更に多段化されたトルコンATで、メーカーなどのアナウンスだと走りと低燃費との両立を、ギアを多段化することできめ細かにするとのことらしいのですが…。


 先代からキャリーオーバーされたシャーシコンポーネンツの素性の高さで、スポーツサス付きでも荒れた路面でもしなやかに吸収するあたりはさすがBMWなのですが、ターボ化多段化されたATにより、その印象を大きく下げる結果となり、それが五選のランク外となった最大の理由です。

 確かにターボ化されて低速域からのトルクが増大して、絶対的な動力性能は確実に進化しているのですが、こうしたトルク型エンジンに変貌させたことで、エンジンを回しきる・使い切る楽しみがスポイルされてしまったことが、ドライバーズカーであるBMWとしては大きな減点要素の1つです。

 そして、そのエンジンと組み合わされる8段化されたATの方がより深刻で、マニュアルモードを駆使して積極的なドライビングを楽しむにもギア数が多すぎて煩雑になり、それならいっそのことDレンジで機械任せにしてしまった方が…とドライバーに思わせてしまうという、BMWらしかぬパワートレインに思えてならなかったのです。

 一歩譲って、アウトバーンなどでの高速域での巡行専用ギアとして7・8速が存在するならともかく、制限速度50km/h程度のスピード域でも7速に入るくらいで、ギアの変速が頻繁に制御されていることになり、もはやドライバー自身で今入っているギアと車速を把握しながらのドライビングは組み立にくい、そんな特性になってしまっているのです。

 それに、トルコンそのものもルーズな印象で、少しアクセルを踏み込んだだけで鋭く加速してしまうため、ドライビングが雑になってしまうことへの懸念を持ちました。


 そんな訳で、期待外れな新型1シリーズとなりましたが、小排気量ターボで低燃費と高出力を両立させる方向で今後進化させるのであるならば、もはや排気量1L前後で3気筒ターボモデルの追加を検討する段階ではないのか、と思えてならないのです。

 その際、8速ATは不要で、現状なら6速以下のATか、まだしもロボタイズドAMTの方がまだマシですから…。
ブログ一覧 | BMW | クルマ
Posted at 2011/11/01 19:29:32

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この記事へのコメント

2011年11月1日 20:09
最近のドイツ車、レクサスで8速のATを採用しているせいか、やたらに多段化してきますね~

そういえば新型ポルシェ911、PDKの方はともかく、MTまで7速を採用したのには驚きました。

かつてY31セドリックでは「世界初5速AT」を謳っていましたが、その頃なんかは今と比べてカワイイものですね(笑)。

コメントへの返答
2011年11月2日 0:00
 正直、最近の多段化ATには歓迎できない状況です。

 ギアの歯数が増えてギア本体が小型化されたのであれば、ミッションオイル容量にしわ寄せが来て、ミッションの耐久性面に不安を抱える要素でもあり、他社との段数競争と燃費競争以外に利点を見出しにくい現状です。

 新型911の7速MTは、おそらく巡行用の7速が付いた仕様でしょう。
2011年11月1日 21:08
こんばんは。

V35スカイラインGT-8の8段CVTも、今なら流行るかもしれないですね。

外車のATって、日本で乗るにはワイドな印象がありましたが、8速にもなるとさすがにクロスみたいですね。
コメントへの返答
2011年11月2日 0:03
 トロイダルCVTのことですね。^^
 
 あれは、現社長のゴーン氏にコストが高すぎることを理由に葬られた技術でしたね。;;

 ただ、ギアのクロス化で歓迎出来る段数を既に超えていて、しかもフラットトルクでトルクバンドの広いエンジンとは、早く走る上ではあまり利点が少ない傾向なだけに、チューンドハチロクのそれとは、大きく事情が異なるように思えるのです。
2011年11月2日 16:42
こんにちは。
個人的には多段化はしなくていいから、押しがけによるエンジン始動が出来るようにして欲しいですね。
そうすれば万一の際には楽ですから。
コメントへの返答
2011年11月3日 18:04
 正に、その通りですね。^^

 昔のメルセデス以外のATは、基本的に押しがけ不可でしたものね。^^;

 更に、最近はプッシュボタン式エンジンスタートになっているので、押しがけは死語に近くなりつつあるようです。;w;
2011年11月2日 23:51
はじめまして。こんばんは。

オートマの多段化が「積極的なドライビングを楽しむ」部分をスポイルしてしまうという観点、大変興味深かったです。

正直なところ、この手の「トルコンATをベースに、マニュアルモードなどと称する変速機能を設けているタイプ」は、日本などのオートマ大国向けの「おまけ」的なものなのかな、と認識しています。

私はMT車に乗っていますが、趣味性も重んじていながらも、基本的にはファーストカーであり突き詰めれば「移動の道具」です。その道具で移動している最中、年がら年中ドライビング重視で走っている訳ではありません(公道なので最も気を配っているのは当たり前ながら周囲への安全です)。従って、MT車の「完全直結」のトラクション性能をもってしても、「今何速だったっけ?」と一瞬分からなくなることは多々あります。

しかしMT車はH型シフトなので、左手でシフトレバーを握ることにより一瞬で、感覚で何速かを認識できます。従って、軽い意識でワインディングを流している最中に「急に」険しい区間が訪れるなどしても、即座に「無意識」に「変速操作に重きを置いた運転」に移行出来ます。こういう切り替えは、ワインディングに限らず街乗りでも何でも、交通状況の変化等で頻繁に訪れます。

ほんの一時期、マニュアルモード付き4ATを所有していた時期がありましたが、この「切り替え」の際に、必ず「今、何速か?」をインジケーターで目視して確認する必要が生じて、その不自然さに全く慣れることなく(それに目をやる間に安全確認が疎かになるため。ちなみに日常的にはMT車でもタコメーターは見ません)、数ヶ月もすれば変速機能は下り坂のエンブレ使用以外、「一切使わなく」なりました。それよりも、アクセルとブレーキに集中して走ったほうが自然である為です。この経験から、基本的にオートマ車の運転は「Dレンジが基本」と今では認識しています。

乗ったことは無いですが、例えばポルシェの2ペダルMTなどは、かなりのトラクション性能を有していると思われ、かつそれに見合った感性のドライバーが運転するでしょうから、インジケーターなど無くても、トラクション感覚だけで現在何速かは分かるのだと想像しますが、一般程度のドライバーがトルコンATに乗っている限りは、どれだけロックアップ機構が発達しても、トラクション感覚だけで何速かが分かるような時代は来ないだろうと思っています。

私程度の感性では4速でもそんな状況だったのに、6速どころか、8速にまで増えたら、急な坂道を下る為に低いギアに落とす以外は、「マニュアルモードは一切使わないだろうな」なんて考えてしまいました。まあ、私の場合は6速でも使わないと思いますが・・・。

まあ、海外の事情は全く疎いので分かりませんが、日本に限れば、みんカラユーザーなどではない、ごく普通のユーザー、すなわち圧倒的多数のユーザーは、クルマがBMWであっても何であっても、オートマを選んでいる時点で、「気分だけの変速操作」が行えたらそれで良い訳で、「積極的に変速して最も道路状況に見合ったトラクションを路面に伝える為に頭を使い汗をかく」などという発想は無いのかも知れません。

積極的にドライビングを楽しみたいけど速さやタイムは特に求めない、という「ごく一般的なクルマ好き」なら、MT車に乗るのが一番手っ取り早い訳なので、MT車のラインナップの充実を切に願う次第です。

初めてにも関わらず、長文にて失礼致しました。
コメントへの返答
2011年11月3日 18:10
 こちらこそ、初めまして。
 
 貴重なコメント、ありがとうございます。

 わたしもAT車は、親の90年式コルサ1.3の3速ATから始め、当初はL2Dのセレクトチェンジしながら走らせてました。^^

 その内にAT車の基本的な制御を把握して、通常Dレンジで減速時や加速時に2やLを使うスタイルに落ち着きました。

 あの時代のAT車は、シフトレバーの傾きでポジションが把握しやすかったのですが、ОDボタン式はオンオフがインジケーターかシフトノブ本体を見て確認する必要があったため、3速のままで巡航したり、4速からいきなり2速に落としたり…がありました。

 ティプトロ方式が一般的になった今、パドルシフトの有無で、減速時加速時の操作性が大きく変わりますね。^^

 ツインクラッチ方式で効率が上がっても、尚且つMTを支持する同士として、今後ともよろしくお願いします。^^

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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