モータージャーナリスト　町山絢香のブログ一覧

ＶＳ

　マツダ　ベリーサ　直４・１．５　Ｌ　クルージングパッケージ　４速ＡＴ　ＦＦ　（１９４．９）　９．７３（１１００ｋｇ／１１３馬力）


　皮肉にも、大小で革シート装着車同士となった、今回の対決です！

　今や、スカイアクティブ技術の導入に力を入れる余りに、内装のコストダウンが目立つ最近のマツダ車において、最も高級感溢れる新車が５ナンバー１．５Ｌのコンパクトカーであるベリーサだ、と言うのは皮肉でしょうか？

　その中でもＬグレードはフルレザーシートで、小型高級車として期待していたのですが・・・。

　結論から言えば、革シートであることの有り難味が薄く、ドライビングを楽しむにおいて座面が滑りやすいという、かつての革シートの弱点を引きずったもので、かつ冬場でひんやりしやすい革シートにおいて、あると非常に便利なシートヒーター未装着、という部分で高級車になりきれてないのが残念なところでした・・・。

　パワートレインとしては、２代目旧型デミオの１．５Ｌ・ＡＴそのもの・・・と言ってしまえばそれまでですが、トルコンのルーズさ・エンジンパワー・トルクを持て余している感はするけれど、そこそこの剛性感で走りの質感をまとめている感でした。

　という訳で、ベリーサにするなら布のＣグレード推奨！


　レクサス　ＧＳ４５０ｈ　V６・３．５Ｍ　バージョンＬ　電気式無段変速　ＦＲ　（７９０．０）　４．７１（１８６０ｋｇ／３９５馬力）


　これまで新型ＧＳに対してあまり好印象ではなかったのですが、今回乗った３５０ｈのバージョンＬこそが、現地点でのベストＧＳではないか？と思う程バランスが取れた１台に感じました。

　と言うのも、Ｆスポーツでスポーツ＋モードに入れると、ブッシュ類の柔らかさに対してバネ・ショックの硬さがミスマッチで乗り味に粗さが目立つ傾向にあった、と言うのが一番印象を落とした部分であるのですが、バージョンＬの脚だとスポーツ＋に入れても脚の硬さ・粗さが出ず、ブッシュ類とのマッチングがより優れているのでは？と思った程でした。

　それでも、ドライバーの意のままに操れるパワートレインか？と言われると疑問なところで、このＧＳ４５０ｈのそれも最近の日本車の例外ではなく、クルマ側が勝手に制御している感は付きまとうところはありますが・・・。

　バージョンＬの革シートはセミアニリンで風合をも大切にしたものですが、スポーツドライビングでも滑りにくい素材で、スポーツするから革シートを外す必要がないくらいです。

　価格的に、ＬＳ４６０をも射程距離内に置くところではあるのですが、基本的なクルマの作りとしてドライバーズカーのＧＳにショーファーのＬＳと違いが５と７、若しくはＥとＳ以上に明確で、存在感を失いがちな中間セグメントの最高額グレードの存在感をアピールできている、というのはＧＳの大きな財産ではないか、と思うのです。

　今年中には、Ｖ８・５ＬのＧＳ－Ｆと直４ＨＶのＧＳ３００ｈが追加されるようですが、ジェントルなハイパワー・ハイトルクを求めるなら、この４５０ｈではないか？と言う意味で推奨したいと思います。


　という訳で、弱いものいじめみたいで恐縮ですが、革シートの贅沢さをより表現している、と言う部分でＧＳ４５０ｈ支持とします！