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FLAT6のブログ一覧

2022年03月14日 イイね!

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.4

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.4ようやく雪解け?の春の陽気が来たチャンスをとらえて、実車を取りに行ってきました。
ほとんど淡路島という結構な距離ですが、車で娘も帰りの妻との交代要員につれて行って、ノートに予備部品一式を車に引き取って、バイクは私が自走で帰るという算段。





カウルがノーマル一式と、予備が0.5台分。スイングアーム除くフレームが1体。
ほとんどレース用にストックしていた補用品類。ノートの後席倒してやっとギリ積めました。

バイクはというと、これが予想以上の保管状態できれいなまま。逆シフトとクラッチ、クイックシフトの要点、ヘッドライトOFFスイッチなど改造箇所を一通り確認。現地滞在約40分程度でUターンとなりました。

スタートして最初は、
①何という快音(インラインフォーの超絶レスポンス)
→そうそう、この頃はキャブ的なダイレクト感がインジェクションに有って、開け始めがややドン付きで気を遣う。

②前後オーリンズのおかげで路面のショックが角なくまろやかながら、しっかり反力出て、快適。腰にやさしい(ポジションはきついがw)

③オーリンズのステアリングダンパーに変更してあり最弱と、当方の思い通りにやはりセットされてたとおり、セルフステアの軽さと安定感の両立が素晴らしい。

と言った感想を持ちつつ、一旦コンビニでクラッチのつながり位置を自分に合わせる。全握りで切れて、ちょっと離すとつながるようになっており、アクセルワークと合わずに、ガオン!と信号で5千回転ぐらいに上がって(;^_^A。
奥さんと以後の隊列決めてすぐに、高速へ上がる。

んで、最初の1時間ぐらいは。。。

「こりゃーすごい。レスポンス半端無い、トライオーバルの音がすごくいい。これは実家の油冷のチタンカーボンもほんといい音で、今でもほれぼれなんですが、これ以上で、これは4in2in1のエキパイのせいか、共鳴するようになっておりある回転域と次の回転域というように、何か所かで倍音で共鳴するような感じでホントに気持ちいい。しかしほんとにマフラーはグラスウールもヘタってるだろうけど、すごい直管w」

サスはアスファルトの継ぎ目や、ちょっとしたひび割れなどでも固い衝撃は一切なくしっとりトン、トンという感じでいやー、やっぱさすがと感心。

んで、3か所の厄介なJCT超えて、後は北陸道に合流するだけ、となってから昼食休憩。この時は、もう首と手が振動でしびれてきた。80km/h~100km/hだと4千過ぎから、5千回転弱と言ったところですが、これが結構な爆音。降りてからも耳がおかしい。

でここから北陸道までの100kmが辛かった。車と一緒に走ると中々、都合のいい回転や、速度変化させて体をほぐす、、なんて出来ないのでひたすら淡々と走る。やがて曲げた膝がきつくて足の親指が攣る!。1H後休憩でコーヒーをゆっくり飲んで暖を取る。高速で15℃ぐらいだとやっぱ寒い。

ここで、北陸道に入ったら、後は妻と娘だけでも帰れるので、各々好きなペースで帰ることにする。この頃には耳が痛くて、快音より音圧で苦痛に(;^_^A
たまに田舎で1時間だけ、、ならちょうどいいのかもしれませんが、4時間近くも乗っていると苦痛で仕方ない。大声出してないとトンネルでは耳がおかしくなる。

思った通り直4の750ccは、ちょうどよくてこれが隼や1000ccクラスだと6速のままでも「ドン!」と加速してウオンと言ったかと思うと即その速度に。これが750ccだと6速のままではウオーホォーン~と結構長い間粘るように加速するので、趣味で走るにはちょうどいい。

そして、ちょいその気を出したければ、7000回転以上に落とせば、十分過激に引っ張ってくれるので(ただし、音がすごくてこれまでならトンネルで試そう、、なんて感じでしたが、これはトンネルでやろうもんなら耳が持たん。。という感じで(;^_^A

車検では、間違いなくノーマル戻しで、ひょっとしたらそのまま純正マフラーかもw。
前オーナさんのダイノセッティングデータではノーマル122PS、マフラー交換後+A/F合わせ込みで133PSというデータが残っていましたので、一般的な修正1.1ぐらい掛けると大体134→146PSというところでカタログの148PSは良い線かな、という感じです。

翌実、日曜も天気持てば試走に行こうと企んでいましたが、疲労困憊でひとまず塩カル洗い流すだけで精いっぱい。部品も車に積んだままで当日はダウン。

翌日、車庫での部品置き場の確保整理と、正式洗車。それで体力使い果たして、
「乗りたい」よりも、「家で横になりたい」が勝ってしまいました(;^_^A


というわけで、車体のカスタム度合いについては今後また述べたいと思います。

やはり、この頃は排ガス、騒音での電子制御はミニマムで、ライディング用にライダーの技量任せな感じがイイです。

これで老後の趣味の盆栽がそろいました。
「独製パラツインの900cc と 日本製インライン4の750cc」



続く
Posted at 2022/03/14 22:40:42 | コメント(3) | トラックバック(0) | GSXR750 | 趣味
2022年02月26日 イイね!

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.3

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.3もうじきクラッシックの仲間入り?。でもこの時代のスタイルが好きでした。

というわけで、1999年に分岐したバイク路をもう一度、SS側で行ったなら、、、というifを62歳(39年巻き戻して)で、体感しておいて、ついでにいじるにも適当な負荷だし、内燃機関の傑作時期としてもこの頃の遺産を手元に持っておくのも一興ということで、カミさんを口説き落としました。
まぁ、大変でしたが(;^_^A。


決めた理由は、いくつかありますが、

①私がGSXでやってみたかったカスタムが既に全部乗せ
だったので、ぽちった次第(;^_^A。
②売り手の方の情報公開が緻密で記録が信用できたこと。
年式のわりに非常に少ない走行という出物もあるには有りますが、むしろレースも使いつつのメンテナンスがしっかりしていれば問題ない。サーキット使いも有りでの、7万キロ時にエンジンはOH済み。オーリンズのショックも前後共に今から1万キロ前に実施済み。(この先自分が乗る距離は知れているし)

ならばまぁ、エンジンは最悪自分でOHやり直しても良いし、スペアエンジン買ってきていじるのもいい老後の道楽と思っているので、とにかく整備状態のよさ(オーナの資質)を見て決めました。(3000km/oil交換:モチュール300V、夏と冬で10w40と5w40を使用、というぐらいキチンと整備されていたようです)

また、全体のカスタムセンスがなかなかのものとビビっときましたので(;^_^A それもまた750ccにこだわった方向性と重なるもので、つるしでは到達できない部分があったので。
この話はなぜ750ccにこだわっているか、の回で明らかにしたいと思います。

産業遺産のエポックとしてならGSX-R1000のK5が、実績的にも、技術的にもヒストリーの価値ある一品という感じですけどね。「球数少ない希少な原型」としての個人的な感想では「レースを目指した最後の末裔750cc」というこれも悪くない。何より、公道での制御性はやはりジャイロ効果の少ない、ロール軸モーメントも小さい750ccは格別のものが有り、だからこそスズキ自身が無くさない車種でもあると思います。

活字で見ることはほとんどないけれど、GSXR750とスケールアップの1000ccの乾燥重量の違いは1kg程度。静的重量は同じだが、動的質量は相当違う。強度UPの上に13mmのストロークUPがもたらすクランクの回転質量は相当重い。またその分、動的ロール軸が上に来る。それは、長所としては安定成分になり、高速域ではプラスになるかもしれない。けれども公道の峠レベルでは、トルクの細さと引き換えの、操縦性的な「重さ」が貴重な長所となる。筋肉への力の入れ加減程度で向き変えの調整が出来る最適解が、この辺りの体重の3倍と、直4のマスバランスに黄金比が有るのだと感じる。

<整備マニュアルから分かった1000ccと750ccの違い>

同じエンジン形状、構成に見えてもさすがに多くの部品が異なります。750と600はほぼ共通ですが、1000ccはさすがにストローク13mmも伸びると、シリンダーブロック、クランクケースが別物です。その中でちょっと興味深かったのがクランクジャーナルとコンロッドのボルトサイズ(どちらも塑性域締め)。
写真のように、クランクジャーナルは両者とも規格外のM9サイズを使用。(さすがレース用ベース車)

そして車ではまず見ない「コンロッドボルト>クランクジャーナルボルト」というサイズで、700/600はM10なのに、同じコンロッド厚みでも1000はM12。

<上600/750はM10、下1000はM12(2000年から塑性域締め)>




クランクジャーナルは両側のM9ボルト4本で爆発圧を受け止めますが、コンロッドボルトは遠心力で上死点時にピストン+ピストンピン+コンロッドの慣性力をこの2本のコンロッドボルトで受けますからね。それにしても普通クランクジャーナル側より大きいのは車では見ないですね。それだけ超高回転仕様で遠心力が厳しい領域のエンジンだとわかります。加えてこのクラスでは異例のロングストロークとなった1000のエンジンは倍近い軸力のM12。750ccとボアサイズはほとんど変わらないのだから、いかに小端部のピストンピン回りの質量と遠心力の相乗で慣性力が増大したのか、想像出来ます。

個人的には750ccのK5エンジンは、純粋にレースで勝てる技術とライダーが競って対話した最後のエンジンという風に思っています。(バランサーが追加されたK6と比べると、より高回転部分での快適性は劣ると思いますが、クランクの2倍で回るバランサーはレッド付近では28000回転ですから、ここでのレスポンスは以前のエンジンの方が切れがいい。

<クランク前方にバランサ軸受けが見える1000ccのK5>


ただしそれが乗りやすいかは別ですがアドレナリンが沸くのは多分原始的な方でしょう(;^_^A  
このように、車両質量で750と1000はカタログ諸元上同一の163kgですが、実際に乗ると、全く違う動質が有ります。私的には「公道」での直4ベストはやはり750ccだと思うのです(スズキもそう思っているから残しているハズ)。


ともかく、手元に置いておきたい内燃機関として、日本が世界に誇れるバイク用エンジンなら迷わず直4であり、これを手に入れられて、とてもうれしい。
もう一度、油冷から進化した水冷時代のGSX-R750に乗って、「プレイヤー側」としてもう一度心を混ぜ混ぜしてみたいと思った次第です。最終的に「よくわからんけど最後に残したい刺激?」と感じたような気がする。

陸運で名義変更も済んで、新ナンバー取得もできましたが、車両が手元に来るのは3月末ごろかなぁ。ちゃんと乗って来れたら紹介UPしたいと考えていますが。

続く
Posted at 2022/02/26 17:33:27 | コメント(1) | トラックバック(0) | GSXR750 | 趣味
2022年02月17日 イイね!

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.2

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.2
で、それでどうした?の続きですが、私の興味は2車種に絞られています。

レーサーベースとして開発され続けたGSX-Rの系譜は750ccをベースとして1996年に本格的水冷化時代に突入し、それはレギュレーション上4気筒車の最大排気量が750ccまでだった2003年まで続きます。そしてこの①シリンダーヘッド②シリンダーブロック③アッパークランクケース④アンダークランクケース⑤ミッションケース⑥オイルパンという贅沢な6分割エンジンは2000年に②と③が一体化され、完成形に。レギュレーション変更後1000cc上限となったGSX-R1000となって2001年から登場します。(クランクベアリングを割らずに、ミッション交換ができるメリットは継続。あのスズキがですよ(;^_^A コストかかってますね)

<BIKERS'STATION Vol153より引用>

(スズキ独自のクランク軸とミッション軸を別割とした構造)

従ってそれまでは、ボアピッチは750cc最適で作られ、このアンダーサイズとして600ccが作られ、そして1000ccレギュレーションに間に合わせるための「メーカチューンドとして開発」されてたのが世に名機として、近年もGSX-S1000や刀のエンジンとしてリバイバルしている2005年の「K5」モデルです。ボアが広げられない(750ccベストサイズのシリンダーブロックであり、ツインスパーフレーム幅いっぱいで広げられない)制約から、ストロークを13mmも延長し、最終的にボアを72mm→74.3mmで998ccとしたつじつま合わせエンジン。ところがこれが名機となった。中低速トルクの豊かさで、最大トルク12kgmを10000rpmで出した性能は、未だ破られていない充填効率の高さを示しています。軸平均有効圧換算で、ポルシェの最新GT3と同等です(ボアストローク比も同等)。

ポルシェもFLAT6は最初の2.0Lを最大2.7Lまで拡大し、次の3Lは3.6Lまで拡大してますからね、749を998ccとしてパワーも148PS→178PS(最終的に185ps)ですから。GSXの1996年に登場した2代目水冷エンジンは優秀だったと思います。

その後、750ccはレギュレーション上600ccがメインとなり、開発エンジンは2006年から600cc最適で作られ、「750ccは公道用としてチューン」されたバリエーションとして続きます。(つまり750cc最適は2005年迄で、2007年からフルモデルチェンジされた(750のみバランサ付)公道エンジンとなります)同時に、600cc最適のレース用のベースエンジンとして先行開発され、この構成を踏襲した完成形として、1000cc版が開発される流れに変わります。



「勝つためのGSX-R」としての頂点は1000ccに移り、750ccベースをやめて1000cc最適化エンジンが2009年に登場します。それは2006年の600ccの開発思想を反映した1000cc版です。これはヤマハやホンダと同じくエンジン前後長を詰めて、スイングアームを伸ばし、ホイルベース間でのスイングアーム比を大きくする狙いのためでした。

その実現のために、クラッチがミッション上部に担がれる形となり、各社定型パターンとなったレイアウトです。(しかしながら750ccベースのK5エンジンは、ストローク伸ばしで誕生した苦肉のメーカーチューン的エンジンだったものの、名機と言われる特性の良さで、その後GSX-S1000や刀、最新のGSX-STなど実はメインストリームを支えるエンジンとして仕様は異なるものの、いまだ第1線級の名機です。そして750ccもまたこのK4ベースで今もGSXS750として存続しています(2022は?)。※補足:750ccのバランサー付きは2007以降のGSXRで、GSXS750にはバランサーは有りませんでした。1000ccは登場した時からずっとバランサー付きだったが、2017年登場の可変バルタイ車からショートストローク化によりバランサレスとなったが、とうとう1000ccで750ccのK4を上回る高回転化を果たした:202ps/13200rpmとなw)


<鈴鹿8耐 2007 優勝車 GSX-R1000:K7/K8ベース>

(写真はResponseより)

しかしこの辺り以降から「古い公道用のライテク」である私の場合、前荷重を積極的に使う、いわゆる「前の乗り型」のディメンションに進化して行った頃から(鶏-卵ですが)、路面変化の激しい公道では、前輪のマージンは常に確保したいので、余り追い込みたくない。滑ったときの回復操作が難しい、だからABSやトラコン含めた6軸センサー搭載型に発展、、という感じで見ていて、ライダーがやるべき(磨くべき対話の感性)を必要としないのか、磨いても無駄なのか、、という「技術断絶」を感じており、車もそうですが、徐々に違う嗜好のズレが生じており、さらに電スロ以後の車は余り好きではないのです。

かような時代の流れの中で、手元でもう一度乗りたい時代のGSX-Rを探すと、2003~2008迄かなぁ、、となりヒストリーとパフォーマンス両面から名声は1000ccだけど「公道で乗って楽しい制御感」というと750ccとなる。1000ccは売れに売れたこともあり中古は玉石混合。750ccはそもそも玉が少なく1000ccが登場した後はよほどのモノ好きしか買わないニッチ車であり、中古車自体が少ないものの、マニアが乗っていたせいか、案外程度はいいモノ有り。そうは言ってもこの時代のSSはもう売れない時代に入っており、程度の言い中古は少なく(K4/K5は300台程度と思われ、現存1/2と見て150台ほどでしょう)いずれにしてもが距離がすごい走ってて4万キロ以上が普通という感じ。

そんな時に、ピンときた1台を見つけたところ、運よくゲットできたのです。

で、750ccのK5の時代は正規逆輸入時代で、乾燥163kg/8.8kgm=トルクウエイトレシオは18.5という感じで、まあNUDAより瞬発ダッシュ力は無いが、伸びは105PS→148PSなのですごいでしょう。隼が215kg/175ps=1.23、R750が163kg/148ps=1.1と似た感じ(装備質量比だとライダー含め、ハヤブサが上ですが、どちらも一応、300km/h出るらしいですが(;^_^A) それにしても2005年モデルですから、私が手足としていた'88式から17年後のマシンであり、現在からも17年前w。これも巡り合わせかな。もうご老体もいいところですが、自分にはピッタリかな。

バイクの劣化は部品が知れているし、性能はどのみち使い切れないほどあるわけで、ポジションに腰が耐えられるかが心配(;^_^Aという感じ。でダメなら盆栽として、最後まで付き合いましょう。

続く
Posted at 2022/02/17 22:42:10 | コメント(2) | トラックバック(0) | GSXR750 | 趣味
2022年02月10日 イイね!

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.1

未来で楽しむ過去の遺産(手元にとっておきたい内燃機関)vol.1手元にとっておきたい内燃機関として、老後の盆栽を考えておりましたが、ようやく全てを満足させる座標が見つかった気がします。
(この連載?は私的備忘録として)

<タイトル画像は2010年頃のAMAの拾い物>




何をとち狂ったのか?、という感じですがバイクをポチリました。
今年は62歳になるので、バイクはそもそも卒業時、、、ってなる感じですが、だからなのか何だか流れに逆らうかのごとき欲求も沸いてきてw、、、とか考えていたら健康年齢はあと10年程度、乗れるのは逆に今のうち、、、ということから何か、やり残したことは無いのか??と考えていることがぼんやり有りました。

潜在意識の源流は、①内燃機関の消滅、、②体力的活動範囲の縮小、③近代車両の魅力に限界を感じる、、などが有り最後の車だのあれこれ妄想していましたが、やはり新型Zの
ニスモを買って乗る!、、の上がりを考えていたけどなんだか違う。やはり「物(価値)の所有ではなく、カスタムの結果、思考過程の面白さ、最後まで簡単な整備を通じた機械との対話、、などは道楽として続けたい、、ということで、「世間的に高価で資産価値あるもの、ではなく自分にとってのみ価値ある「状態」「事消費」に軸足置いて考えると、最後まで濃厚な対話ができるのはバイクだなぁ、という思いが有って、私のバイク人生の継続の形を模索しておりました。

そんな想いを持つ中で、毎年帰省する実家の兄が、私のGSX-R750('88年油冷の逆輸入車)を継続保有してくれていて、自分が乗っていた当時のままタイミングが合えば阿蘇周辺を乗せてもらうことがあります。その時よみがえるのがあれやこれやライディングを考えながら峠に没頭していた頃。今乗ると油冷は空冷ポルシェみたいに、絶対の速さではなく、乗り手との気持ちの一体感が味わえる(メッチャ乗れてる気にさせてくれる(笑))。



振り返ると、この油冷GSX-Rが私の中ではライディングの完成した時期で、頂点だったと言ってもいいかと思います。自分で怖い(アンコントロール)になる、といった思いをしたことが無く、自分なりの法則を確立した感がありました。28歳~39歳までの間ですが、実際濃厚に乗れたのは子供が生まれた31歳頃までかなぁ。

んで結婚後のライフステージ変化でこれを降りて1999年に隼に。ワープ感覚の加速と、結構これまで走っていた日本の峠も十分走れた万能車。そして転勤やらあれこれ過ぎて、2013年に「引っ張り出して、乗るのが億劫」になった体力と相談して、今のNUDA900Rに乗り換えたのでした。

 
(息子のだけど)

乾燥重量での隼のトルクウエイトレシオは217kg/14.1kg=15.4、NUDAは175kg/10.2=17.2とスタートからの加速感は似たようなもん。ただし隼でアクセルドンと開けれるのは1回のツーリングでは数回あるかどうか。NUDAは結構ちょいちょいw。

そしてこのNUDAも次の車検では10年越えとなり、ボチボチ労わる車齢です。面白さという点では日本の峠を跨いだツーリングでは最高ですが、いかんせん細く高いシートでケツが持つのは約1時間。なかなかつらいが、しかしビジョンを繋ぐ後継車は出ない。

で、自分のライディングテクニックを振り返ると、やっぱり'88を降りた1999年がピークだったわけで、「スーパースポーツでやり残したことが有るよーな気がして、、」という気の迷いがあって「これは、一回乗ってみればスッキリするだろう」ということから物色開始。選択肢はGSXR一択。理由は色々ですが、私の中では「スズキのGSXRは「計測機」的な思想で作り続けているバイクだから。」ということ。

スズキはバイクの世界では勿体ないぐらい「技術」は有ります。しかしドカティなどのような「パーツクオリティ」を、見た目も含めた「車両全体の価値」を高めて利幅拡大、、といったマーケティングは社是に無く(;^_^A、ひたすら「必要機能を最安で達成」を基本原則としております。加えてハンドリングもGSXRは全くニュートラルで、ヤマハの安心感、ホンダの切れ、といったキャラが有りません。(個人的感想)これらはメーカポリシーで「味付け」された補正が入っています。それをどう評価するかは個人の考えで、現実乗ればどれも「イイ!」んですが、好みというか、指向性ですかね。

スズキの、特にGSX-Rシリーズには、デザインやユーザの好みと言った評価軸は無く、ひたすら物理合理的な技術追求のみなので、全く色が無い「計測器」のような道具感が有って、そこにポルシェと同一な気配も感じるものの「性能のためには原価は惜しまず、、」なんて方針は全く無くて、ただひたすら「同じ機能ならコストダウン、コストダウンできればひとランク上の材料が使える、、」というある意味、人間のいやらしい見栄やエゴという餌には一切コストを掛けない社風なんでしょうね。(過去に書きましたが、もう30年くらい前だろうか、当時の鈴木修社長が購入のため生産設備機械の立ち合い時に、「(デザインのための)カバー類をすべて外せ、いくら安くなるか?」と言われたことが社内で評判になったことが有るw。どんだけケチなんだ、という点が流布したが、私には実際『配管類のぼろ隠しであって、逆に配管のみでの美しいレイアウトがおろそかになり、オイル漏れなどの発見も遅れるし、整備の手間も増えるといういいことは一つもない』という指導の方に感心した。まさに正論。これは生産設備機械だからねw(私も鈴菌に感染したw)。

そういう気質だから、床の間に飾る最新GSX-R1000Rの200PSのモンスターをば、、なんて方向には行かなくて、、というのはそちらの最新電子制御補正型車両は、もう私の時代と感性と対話して乗る乗り物ではないし、サーキットにはあまり興味もなく。コレクターアイテム的な嗜好をしても、上述したようにスズキにはそんな価値は、刀やGSなどの旧車には有っても、レーサ指向のGSX-Rは、スペック史上主義で変遷するので、旧車にはあまり価値が付きません。ただ、系譜としてはGSX-Rはポルシェの911シリーズのように、1985年から2022年の今も引き継がれる「レースが出来る市販バイク」、これは日本のバイク界でもオンリーワンであり、伝統の柱です。勝つこと、はもちろんなのでしょうが、「精度が狂
わない高精度な計測器を最廉価に出す」という感じなんですよね(;^_^A。

漠然とですが、「レーサのように走りたい」との欲求が有ると踏んで「私たち(メーカー)がレーサーのように走らせてあげましょう」と半ばAI的な制御をしてくれる「やりたいこと=速く走らせること」に操作入力を換算して車両が自己センサーフィードバックのルーチン回して走らせてくれる、、、そんな感じ。 

昭和ジジイは、技術的に未熟だけど「馬力だけは出してやろう」的な車両を求めて、乗り手が繊細な操作、制御を習得する、、という過程で、「乗りこなし感、マシンと対話が成り立つ感覚を育ててから、やっと対話が成り立つ感」を楽しんでいたので、このベクトルの違う「速さ」というサーキットライクなタイムを削るスポーツ的な性能とはだいぶ違う。ロードスター的な、「自分の技量と車両との対話を楽しむ」道楽の範疇なのであり、リソースを許される方向性が、役員会議で決められなかった??の時代の産物、、だったのかなぁw。

怒られるけど「排ガスや燃費」(純粋に人類愛ではなく、偽装的な故意に技術を古くして、新しいものを買わせる商業的な圧力)を感じだした2010年以降という気がするが、1992年のアジェンダ21あたりから気候変動対応の目的と手段がゆっくりと浸透してゆき、今やアジェンダ2030に向けて、狂ったようにせっかく築いた技術財産を投げ捨てて、短絡的に夢ばかりの愚鈍な再生可能エネルギーに向かい、制御の調味料がふんだんに掛けられた車が出始めて、うんざり。ってまた脱線(;^_^A

で、2004年当時、リッター換算で198PSに到達していたNAエンジンを搭載していたバイクにしましたw。普通の量産市販車でこの到達点は十分、工業遺産になると思う。

続く
Posted at 2022/02/10 22:56:15 | コメント(3) | トラックバック(0) | GSXR750 | 趣味

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