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FLAT6のブログ一覧

2006年01月24日 イイね!

9、楽しめるチューニング (エンジン編5-1)

 次はクランクシャフトですが、これはホントに心臓だと言う気がします。エンジンの部品の中で一番金がかかってるかな、と思わせる単体物質です。軸受け部のラッピングがお約束でしょうか?。TYPE-Rのエンジンはスーパーフィニッシュというラッピングをしているようですね(仕上げ記号の△がひとつ多い?)。ホンダ車は全般に他社エンジンよりローフリクションに金をかけていると言われています(最近のホンダエンジンは開けてみていないのでホントか不明)。これもヘタにクラウニング加工になるぐらいならやめた方が良いですが、細かいコンパウンドでじっくり鏡面にすることで、対焼き着き回転数が上昇する、というよりは全般にフリクションが減る恩恵が得られると思います。
それでメタルは分解時のあたりを見て異常ないようならこれで気持ちクリアランスも大きく取れるので十分でしょう。通常はウォータポンプやオイルポンプ側の1番が片当たり傾向ですが、ひどくなければOKでしょう。一方、最後のフライホイール側も片当たり傾向なら、こちらは再バランス取りをした方が良いかもしれません。あとMT車で強化クラッチを組むならサイドスラストのメタルの状態をみて、既にへたりがあるようなら、ノーマルメタルでは次回のOH時期を検討しておかなければならないでしょうね。

さて、これら部品が揃って組む時に、最も大事なのがメインベアリングの組立です。直列エンジンの基本はブロックに合わせて(倣う)ひずみを閉じ込めます。最新エンジンはどれもディープスカート化し、ベアリングビームで挟みあげて剛性をあげています。しかし、アルミブロックではあくまで「最適化」の範疇でしょうね。ブースト2倍とかは想定していないでしょう(笑)。水平対向では正となるブロックが左右に分かれており、ある気筒側が歪んでいたりすると規定通り組上げてもクランクが重い場合があります。ポルシェの空冷では初期のマグネシュームケースではねじれていないものが珍しいようです。「組み」には諸説あり「組んだ時重くても熱でバランスする」とか「手で軽く回るように締めなおす」など様々なようです。空冷水平対向は、キャップのナットを締めるのとケース外周を締める関係で、ある程度ひずみを閉じ込めることはできるように思います。ロータリーに似ていて、ネジだらけのエンジンですから、相当「組み」で差が出ることは予想出来、ゆえに面白いともいえます。私の場合はケースそのものがまだ生きていたので基本どおりの締め方で軽く回りましたが、一般的なエンジンのピストンとクランクの関係から行くと、ピストン系のほうが相対的には重く感じられるほど回転系は低慣性なつくりでした。(つづく)
Posted at 2006/01/24 00:10:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | 日記
2005年12月30日 イイね!

9、楽しめるチューニング (エンジン編4)

年末の忙しさで見る人はいないかも。ですがヒマな人向けの時間つぶしにどうぞ。

エンジン設計の最初の強度設定はどこから始まるか?。これは力を受ける駆動系の最初の部品=コンロッドの小端部となります。ピストンとピストンピンをいかに軽く高強度にするかで、エンジンの出力キャパシティは決まってしまいます。そういう目でこの部品をじっと見ると実におもしろいんですよ。どれだけ手をかけて設計されたかでエンジン全体の出来が見えるように思います。EZ30Rも見てみたいモンです。

 さて、見たからといって容易にこの部品は変えられません。ピストンは社外品で海外メーカから入手できる機種も有りますが、有名エンジンに限られます。NAではまず、ノーマルで十分でしょう。私見ですが攻めどころはピストンピンだと思います。小端部は一体軸なので、その負荷の割に壊れるのはまれだと思います(ベアリング部でなくコンロッドの首が折れることは有る)大端部は大きいですが、割軸のせいか、やはりこちらがアキレス腱となる場合が多いと感じます。
 ポルシェの930エンジンもメタルはこちらがヘタってました。振動系を考えるとグラム単位で軽量化したいのは高い加減速を繰り返す部分、そこで重たいものは高強度な鉄の調質材であるピンです。ぎりぎりまで短く、テーパ逃げもあり、内径も極薄・・なんてものはもういじれませんが1970年代のPエンジンは既にそうなっていました・・・
ハァ(-_-);さすが)

 そうでないものはそのように加工して軽量化すればチタンコンロッドより効果的かもです(ただ追加工は焼きが入ってるのでまず困難、上位グレードの部品で代用できればそれに変えるのがベターです)。
 コンロッドは有名なH断面やドラッグではアルミ、ものによりチタンなんてのがありますね。定番の鏡面磨きをありますが、最近のものは表面処理がされているものもあり、逆効果もありえます。
チタンコンロッドを最初に量産車で使ったのはたしかホンダNSXだったと思います。クリアランスとメタルの親和性に苦労があったようです。ぜひ入れてみたいものです(終わりかよッ)
Posted at 2005/12/30 14:14:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | 日記
2005年12月30日 イイね!

9、楽しめるチューニング (エンジン編3)

今回は、雑学か、ヨタ話かカテゴリーは分かりませんが私が思うところの「ファインチューン」の塩コショウを勝手にほざいてみたいと思います。

 エンジンの組み立てでは、基本はマニュアル通りとなりますが、ヘタなマニュアルは全て環境と道具が調ったところの話が書いてあったりしますから、自分にあった、臨機応変な解釈も必要です。さて、新品を組むのと違って一度は回ったエンジンですから、バラス前の調子の把握は大事です。生きた情報が詰っています。エンジンの気筒別圧縮圧力などはぜひ取っておきたいデータです。一般にはコンプレッションテスターでプラグの代わりにこれを取り付け、セルでモータリングして計測します。しかし、この方法は一般的ではありますがオイルの状態、バッテリーの状態でのバラツキが相当あります。
ベンチでテストする場合は外部動力計で一定回転にモータリングが可能であり、結構信頼性もあるのですが、車載状態ではなかなか大変です。しかしケルン石塚氏という頭の良い方がいて「オールドタイマー」誌に紹介していた圧縮漏れ計測法が極めて正確だと思います。
 
 簡単に紹介すると、コンプレッサから引いた圧縮空気を正確に調圧後圧縮上死点にしたシリンダーに入れる。この時、レギュレータまでに1個、プラグ前に1個圧力計をつけて、この間に小さな絞りを入れておくと、要はこの差圧によってシリンダーの漏れが判読できるわけです。ヘッドを開ける前に調子の悪い気筒を特定できるし、リング系か、バルブ系かも分かる優れもの。自分もいつか作ろうと、思いつつもう3年過ぎましたが(笑)

 さて、組みの基本チューンの目的はずばり①ローフリクション化②高圧縮化です。吸排気効率アップもありますが、そのエンジンのレベルにより、段差修正程度が良い場合もあります。特に現代のエンジンは流体シミュレーションが発達し、トルク特性、排ガスなどのコントロールも加味してあるので、流れが良くなるとの考えだけで形を変えるとスイートスポットは狭くなるのが普通です。エンジンの性格を好みに変えたいなら、カムを変えるのが最も近道です(こちらは後ほど)。

Posted at 2005/12/30 13:46:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | 日記
2005年12月17日 イイね!

9、楽しめるチューニング (エンジン編2)

チューンではエンジンの寿命を何時までに使い切るか、と言うことも大事であります。3万キロ程度でのOHは覚悟で中をやるのか、普通に10万キロまではイージーさを望むのか。機材的な使い方は所有して楽しむという観点からはそうそう、人情的に(機情的?)出来ないものです。痛めないように大事に扱うと言うことも喜びにつながりますし、そういう意味ではパワーアップのチューニングは相反するものです。私の場合は本来有るべき姿にする、設計上の上限値に持ってゆく、と言うことになるでしょうか。
 
 あと買い替え時期に来た時に、愛着があってまだまだ乗っていたいと思った時が、本当はエンジンチューンの一番いいタイミングだと私は思っています。だから高くて手の出ない車でも、しっかりしたボディの玉を見つけて、エンジンは少し乗って調子を見てから「OHがてら開けていじる」というのも経済的だと思います(但し、新車価格の高い車は部品代も相応だと言う点をお忘れなく:某P車のときはピストンリング1気筒分で国産6気筒1台分と言うあんばいで絶句した記憶があります)。

 自分でやるか、ショップなどに頼むかという点から行くと「開けない」範疇のチューンなら、全部自分でやってみることが「楽しい」と思います。それが「嫌」ということならメーカーや、準メーカー製のコンプリートカーを買い換えて行くのが安上がりで楽しめると思います。

 何だか、今日は(今日も(汗))地味な内容で面白くない話しでしたね(反省)
結局、油脂管理、いつも音を聞いて会話しておく、たまに全開(ホントに全開してやることも大事なことだと思います。チューンする前にアクセル床まで踏んだのか?ということも言いたいですね。大体十分だよな、と思うはずです。思えないならいじる前にトルクウエイトレシオが50を切る車に買い換えた方が早いです。その上でそれをファインチューンする方がきっと豊かに楽しめると思います。小排気量高ブーストの世界も「それ」が発揮できる状況を考えると「楽しめる」環境を求めるのは難しい時代ではないでしょうか。
 
 あくまで楽しみながら、チマチマと変わったのか、変わらないのか確かめながら、過ごすのが楽しい付き合い方だと思います。昨今の恐ろしく複雑で高度化した、それでいて遥かに信頼性も高くなった現代の車だからこそ、「信頼性一杯の状態で、安心してドライブを楽しむ」という状態に常に保っておくことの方が一番重要なことだと思うようになりました。吹雪の中で車を出し入れしていると、本当に「信頼性」の大切さを痛感します。
Posted at 2005/12/17 23:43:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | 日記
2005年12月09日 イイね!

9、楽しめるチューニング (エンジン編1)

無謀にも始めてしまったこのプログでの独り言ですが、チューニングの醍醐味と言ったらやっぱりドカンとハイパワー。。ってのが本流かと思いますが、ここはひとまずじっくり行きましょう。

まず、楽しめる範疇としての制限をつけようと思います。ひとつは元に戻せる、中を開けないという範囲。もうひとつは全バラまでですね。後者については昨今の場合,もはやあまり意味が無いと思っています。と言うのもノーマルのままで相当パワーが出ていますし、メーカーの開発ツールも発達し、排ガスやら燃費やらでコンピュータシミュレートして開発されたエンジンのキャパはあまり大きくありません。最適化が相当進んでいます。昔はいい意味でアンバランス(ブロックがやたら頑丈だが、ヘッドはデリケートとか)でもあり、余裕が有ったのでターボも対ノーマル比でのドーピング度が大きく、感激もひとしお(ノーマル比2倍以上とか)でしたが、現代のアルミエンジンでしかも日常を快適に、となると対費用効果で考えてもあまりメリットは無くなっていると感じています(旧車をいじるなら別ですが)

 リミッターを解放する程度で十分なパフォーマンスがありますし、はじめからそういった車をチョイスしておくことも現代では大事でしょう。昔は同じ系列のハイパワーエンジンにスワップして、狼を仕立てる、といったチューンもありましたが、トータルバランス良く仕上げる手間と費用を考えるとDIYの楽しみ以外、メリットはそう多くないと思います。というわけで、現代では「現代の車」に見合ったいじり方があると思います。触媒などの排ガス関係は守った上で、合法的に乗る方が精神的にも楽しめるでしょう。完全車検対応の範疇でのファインチューンに留めて置いた方が長く楽しめて、リスクも少ないと思います。

車という機械の集合体が、ここまでの信頼性を勝ち得る為に隙間無く積上げられた舞台を思うと、安易に手を出すことのリスクをじっくりと自身で消化し、飲み込む覚悟が必要です。特にエンジンは。
また、必要とする特性が何なのかを知ることも、まず大事ですよね。
 エンジンに求められる特性の前に、その車が持っている素性が重要ですね。トルクウエイトレシオは世間ではあまり語られませんが、パワーウエイトレシオよりもその車の性質を表す重要な指標です。人間が感じる車のパワー感のほとんどは「これ」で決まっていると思います。そしてわずかでも良いですが、加速度の増加時間が長いほど、気持ちよい加速感(いわゆる伸び)があります。ターボの加速度はその絶対値がすごく、急角度の加速度を得ますが、加速度自体の増加時間は短く吹け切るために、速度出ても加速度が+に振れている時間はさらに短くなります。従ってその強い麻薬感を大量に得ようとすると、さらに強い加速感でなければなりません。感性的に言えば、気持ち良い状態から外れて「刺激的興奮」と言えるように思います。ゆえに自分的にはターボ感覚はあまり好きになれません。 

 このように加速度の大小ではなく、加速度の増加率が長い時間、滑らかに出ることのほうが気持ち良い・・と私は思っています。これは同じエネルギー(燃費でも良い)なら質量と加速度の関係を考えると容易に「これ」の意味がわかると思います。ポルシェはこのことを良く理解しており、NAの911は初期のものこそトルクウエイトレシオが50を切らないものがありましたが、歴代45あたりを中心に車重が増えるたび、排気量を拡大してレシオを守ってきました。
(実は国産車のNAエンジンでトルクウエイトレシオが50を切る車はそう多くありません。また一番小さな排気量でこの枠に入っているのがB4の3.0Rです)

 心地よい加速度とその持続時間は丁度「3速の領域」が一番現実的に楽しいと私は思っているので、ここにスポットを当ててエンジンを考えるようにしています。
Posted at 2005/12/09 23:13:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | 日記

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