今月は19日が新月でした。
その前後1週間が星雲や銀河などの暗い天体を撮影する好機です。
今年は梅雨明けから湿度が高い日が続いていて、夕方は晴れていても上空の
気温が下がる夜半過ぎには雲が広がるという天気が続いています。
今月13日はペルセウス座流星群の極大日でしたが、当日は北東の方が
雲って出動せず。タイトル画像は新月の19日の夜に出動した時に撮った
画像の一部に流星が写っていました。
流星群とは無関係に、広角で撮っていると流星は映り込むものなので、
特に珍しくもないのですが、流星群に関わる画像ということで。
この期間に、星雲を2つと銀河を1つ撮影しました。
星雲の方は、上述のように一晩中の撮影ができなかったので二晩かけて撮影しました。
まずは、高度が低く地平線の上に出ている時間も短い「らせん星雲」という惑星状星雲です。
亜鈴状星雲やリング星雲などのように、太陽くらいの質量の星がその終焉で表面のガスを吹き出す様子です。
太陽程度の質量の星というのは数が非常に多いので、惑星状星雲は沢山見られますが、らせん星雲はかなり近い
700光年の距離にあります。前出の2つの惑星状星雲よりも視直径が大きく、長焦点で撮ると迫力があります。
今回は最近出番が多い焦点距離2,000mm、口径254mm (F8)の反射鏡にフルサイズの冷却CMOSカメラで撮りました。
SONYのα7RIVと基本的に同じセンサーを使っていて6200万画素になります。
センサーを-5℃まで冷やし、SS=420sで58枚撮りました。
去年初めてこの星雲を撮った時は焦点距離900mmにAPS-Cサイズセンサーでしたので、より迫力を感じます。
赤い部分がらせん状になっているのでこの名が付いたのでしょうが、私にはThe Lord of the Ringsのサウロンにしか
見えません。
この後も自宅ドームでの撮影が続きますが、その結果をご披露する前に、8月25日が「伝統的七夕」(旧暦の七夕)
ということで、新月の晩に出動した時に撮った天の川をご紹介します。
この夜は非常に蒸し暑く、夕涼みも兼ねて天山登山口へと行きました。
その時の様子です。
南の方から雲が広がっていたのでポタ赤だけを設置して、やや狭目の画角の35mmレンズを使いました。
D810AにSigma Art 35mmで、ISO800、F3.2、SS=180sという設定です。
1時間半もすると夜露が降りてきて、セットした30枚中、使えたのは19枚を合成しました。
右側にある一際明るい星が織姫星(ベガ)で、天の川を挟んで中央下の方にある星が彦星(アルタイル)です。
この夜は途中まで晴れていましたが、旧暦の七夕は台風の影響で曇りそうです。
さて、次の星雲は上の写真に写っているちょっと暗い星雲です。
その部分を拡大して切り出すと...
デネブははくちょう座で最も明るい星、サドルははくちょう座の中心にあり、ここから両側に「白鳥の羽」が伸びています。
デネブの左にある明るく赤い星雲は北アメリカ星雲です。
羽(写真では左側)に近いところにマゼンタの楕円で囲んだのが、今回のターゲット、網状星雲です。
1500光年の距離にある超新星爆発の残骸で、現在は秒速100kmほどで広がっています。
上のらせん星雲のような惑星状星雲は数が多いのですが、超新星爆発自体が1つの銀河で数十年に1度程度ですから、
レア・イベントです。
こちらも二晩かけて72枚を撮りました。
さて、最後は新月の夜の前夜、18日に撮った銀河です。
銀河と言えば、よく知られたアンドロメダ銀河です。
まだ正中する時刻が3時くらいと遅いので、9月か10月くらいが良いのですが、空がパッとせず、偶々、この銀河の
方向が良さそうだったので今シーズン初のM31を撮りました。
屈折鏡にレデューサを入れて、焦点距離635mm、F5.3になります。
SS=360sで70枚ほど撮りましたが、最初と最後の方はコントラストが低く60枚程度を合成。
毎年撮っていますが、中々納得のいく画像になりません。
機会があれば来月か再来月にしっかり撮りたいと思います。
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Posted at
2020/08/25 20:03:38