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koichifunのブログ一覧

2017年03月18日 イイね!

今朝のサイクリング --- 春の花が咲き始めました。

今朝のサイクリング --- 春の花が咲き始めました。先週末は出勤していたので、2週ぶりのサイクリングになります。

前回よりも気温が高くなり、冬用シューズから夏用シューズ+カバーへ、
ジャケットも薄いものに変えました。

まだまだ花粉は飛んでいるので、7時過ぎにスタートしてお昼前には
帰宅する短めのコースです。

スタートから10kmくらい走ると市街地を抜けて田園地帯を通ります。
二毛作の田んぼでは、麦が成長していて、緑色が濃くなっていました。
この時期の伸びるのが速いですね。

春の麦畑

この頃までは青空が見えていましたが、高いところの雲が広がり空は白くなっていきます。

田んぼの畦に菜の花が咲いていたので、期待して江里山棚田に寄ったのですが、こちらはまだでした。
その代わりというか、別のお目当へ。棚田の先に桜の木が2本並んでいるところがあります。
早咲きの桜-1

1つは早咲きで、上の写真の奥にある木は遅咲きの八重桜です。
その早咲きの方が八分咲きくらいでした。
早咲きの桜-2

桜を見ると「春だなぁ」と感じます。

元の県道に戻って集落を抜けたところに、梅と菜の花のコラボが見られる場所があるのですが、2つの花の咲く時期が
ずれたのか今ひとつでした。梅の樹の下の地面も黄色に染まるのですが。
梅と菜の花

その近くでは、春の野草が足元で咲いていました。シソ科のカキドオシという花です。
カキドオシ

この後は、先っぽが茶色になった杉を横目に林道の坂を登っていきます。
顔に当たる空気は冷んやりしていますが、気温は高めで汗が出てきます。
勾配のある区間を抜けて県道に合流すると、日が差して坂もゆるくなります。その日の当たる路肩でフキノトウが顔を出して
いました。
フキノトウ

天山登山口に到着すると、空はどんより曇っています。
時々、雲の切れ間から光が差すので、その様子を。


天気が良くないこともあり、登山客の車は1台だけでした。
少し休憩した後、ジャケットを着込んで帰路につきます。
いつもの八幡岳が見えるスポットで写真を撮りましたがパッとしません。これが春の気候なのでしょうね。
雲が分厚くて暗いわけでもないけど、低いところには霞が溜まっているといった様子です。


この後、スキー場の前を通って下り坂に入るのですが、まだ営業していました。雪は殆どないのに。

市内に戻ってくると、明日開催されるマラソン大会の準備をされていました。
桜の季節に開催されるのですが、今年はちょっと早いようです。

2週間前よりも、帰ってきてから鼻と目が少し楽に感じます。杉花粉のピークは過ぎたのかもしれません。
まだ私はヒノキにも反応するので、油断は出来ませんね。花粉症の皆さん、もう終わりは見えてきましたよ〜。
Posted at 2017/03/18 15:09:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | サイクリング | 旅行/地域
2017年03月13日 イイね!

Project INDI (4) --- ラズパイの設定と機器接続。

 Project INDI (4) --- ラズパイの設定と機器接続。 先週末も出勤で、最近写真を撮っていない日々が
続いています。
もう少し花粉が収まれば、外出したいと思っていますが、
次の週末あたりからでしょうか。
月も明るいし、天気も悪いので、夜はラズパイで遊んで
います。

前回はノートパソコンで使うINDIのクライアントソフトである
kstarsを紹介しました。今回は、実際にカメラと電動フォーカサー
を接続してみます。

その前に、ここしばらく登場していなかったラズパイの設定について少し書いておきます。

最初の回に書いたように、ご本家からOSをダウンロードし、
micro SDカードにコピーして、それから起動するだけで使える状態に
なります。ラズパイにINDIサーバーをインストールする他に、運用のためにネットワークの設定を
デフォルトから変更しておきます。

デフォルトの状態では、普通のパソコンのように、メニューバーのアイコンからWifiルーターを選択して、
ルーターのパスワードを入れれば使える状態になります。ルータがラズパイにDHCPでアドレスを割り振って
いますが、普通はそんなこと考えずにネットが使えます。
DHCPというのはルータがある範囲のIPアドレスをランダムに割振るので、サーバーとして使うには、それが
固定されていないと不便です。(クライアントから接続先のアドレスを、逐一変えなければなりません。)
そこで、IPアドレスを固定し、ルーターを経由せずにノートパソコンからダイレクトにラズパイに接続するよう、
設定を変更します。
ラズパイの、/etc/network/interfacesというファイルを次のように修正します。
iface wlan0 (Wifiのことです)以下で、addressに固定したいIPアドレスを記入し、essidにはネットワークの名称、
keyにはパスワードを書いておきます。
iface eth0は有線のLANのインターフェイスで、ここは、dhcpを使えるようにしておきます。
(次の画面は、sshでログインした後のキャプチャです。)



運用するときはラズパイにはキーボードやディスプレイを接続しないので、Wifiで接続するパソコンから
シャットダウンできるように、また、ソフトをインストールできるように、sshサーバ(sshd)を有効にし、
認証のための鍵を送って、パソコンからパスワードの入力を省略できるようにします。
一通り設定が終わると、再起動してMacBookから繋ごうとすると、Wifiルーターとは違うところに
RPi3が表れます。



次に、USBで、カメラと電動フォーカサーを接続します。その様子がタイトル画像で、LANケーブルもさしています。
奥にあるのが、最近到着した電動フォーカサーで、望遠鏡からフォーカサーを外し、左側のノブの代わりに
ステッパーモーターを取り付けています。シルバーの円形のものがモーターハウジングのカバーです。
2つの青いボタンで手動でフォーカサーの操作もできます。

これらの機器を接続した後、MacBookからsshでログインして、機器が認識されているか確認します。
「dmesg | grep USB」と入力すると、接続されたUSB機器がリストされます。


ちゃんと認識されています。

前回ご紹介したkstarsをMacBookで起動し、Ekosを立ち上げます。
ProfileでNikon DSLRとUSBFocusV3(今回購入した電動フォーカサー)を登録します。


この後、EkosからINDIサーバーをスタートさせると、INDIコントロールパネルに、接続した機器の設定画面が
表れます。まず、Nikon DSLRから。当たり前ですが、D800Eとして認識して、ISOやSSなど設定できます。


次にフォーカサー。こちらは項目は少ないですが、スピードなど調節できます。


前回、オートフォーカスのシミュレーションをご紹介したEkosのフォーカス・モジュールに入ってみます。
フォーカサーとして、USBFocusとNikonDSLRが選択できますが、後者を選択してもカメラレンズのフォーカスが
一瞬動いただけで、その後続けざまに動きませんでした。一方、USBFocusは"Focus In"と"Focus Out"の2つのボタンで
出したり入れたりができて、Stepで動く量も変えられたので、取り敢えず、これでシミュレーションのように星像を
最小にするようなオートフォーカスができそうです。



実は、この接続テストをするときに気づいたのですが、カメラ用のUSBケーブルの長いのを持っていませんでした!
D800EやD810Aは、カメラ側はUSB3.0のBタイプというやつで、50cmくらいのものはあったのですが、望遠鏡で使う
には、赤道儀で回すことを考えると1.5m以上は欲しいところです。また、D5300の方は、mini USBと思っていたら、
それより一回り小さなものでmicro USBとも違うタイプでした。かなり前に、コンデジで同じ思いをした記憶があります。
こちらも長いものを持たないので、先ほど注文しました。週末までに届けば、実戦テストができそうです。


ここまでで、事前にできることは終わりましたので、後は現場でテストをしたいと思います。
その結果は、続編で。

ーーー(5)に続く。
Posted at 2017/03/13 21:50:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | PCなど | 日記
2017年03月12日 イイね!

Project INDI (3) --- 天文ソフト kstarsとINDI。

Project INDI (3) --- 天文ソフト kstarsとINDI。前回はINDIやラズパイとは直接関係の無い、天体撮影の
一連の作業について書きました。

今回は、INDIで何ができるかをご紹介したいと思います。

最終的にはラズパイに入れたINDIサーバーを、Wifi経由で
ノートパソコン(MacBook Air)から操作しますが、夜空の
下で実際に動かすところまで来ていませんので、INDIが持つ
シミュレーション機能を使って、その画面で説明したいと思います。


実際にはINDIを、ラズパイにサーバー、パソコンにクライアントという構成で運用する予定ですが、サーバーとクライアントの
両方を1つのパソコンに入れて使うことができます。ここでは後者の構成でシミュレーションした様子をご紹介します。

INDIサーバーを操作するには、クライアント側からターミナルでコマンドを送ってもできますが、何と言っても楽なのはGUIが
備わった専用のアプリケーションです。その中で、今回のラズパイ導入に私を後押ししたのは、INDIの全ての機能を使えて、
しかも無料なkstarsと呼ばれる天文ソフトです。(2月末に正式版がリリースされました。)
この種のソフトは「デスクトップ・プラネタリウム」とも呼ばれます。有名どころでは、SkySafari(有料)やStellarium(無料)と
いった、Windows/MacやiPadなどで使えるものがあります。私も、撮影する天体を探したり、その情報(大きさや等級など)を
見るのにiPadに入れたSkySafariを使っています。
これらの中には赤道儀も操作できるものがありますが、kstarsはINDIを操作するEkosというフロント・エンドを持っていて、
これを通して強力なINDIの様々な機能を使うことができます。

kstarsとは、Linuxのデスクトップ環境として有名なKDEが提供する教育用ソフトウェアの1つで、Linux版の他に、Mac、
Windows版とAndroid用軽量版がリリースされています。それぞれ、以下のリンク先から入手できます。

https://edu.kde.org/kstars/

kstarsをインストールした後、設定画面で天体のデータや画像を追加インストールすると、他の天文ソフトのように、
ある観測場所のある時刻における星空をシミュレートしたり、天体の情報を見ることができます。メニューの構成を見ると、
他の天文ソフトと違って、天体観測を意識した作りになっています。
下の画像は、kstarsを起動して、アンドロメダ銀河を検索した後に表示された様子です。



kstarsのToolsメニューからEkosを起動します。
その後、自分の機材やINDIで何をするか、観望場所の位置情報などをProfileに設定します。


上の画像では、MountからFocuserまで、具体的に機種が設定されています。このプルダウンメニューに表示されるものは、
すでにドライバがインストールされています。Auto Connectをチェックすると、INDIをスタートする時に、自動的にサーバーが
起動されます。ModeでLocalを選んでおけば、kstarsが起動しているパソコンからINDIサーバーが起動しますし、Remoteを
選んで、そのIPアドレスを登録しておくと、リモート・ホスト(実際にはラズパイ)にあるINDIサーバーが起動します。


以下では、1台のパソコン(MacBook)に入れたサーバーを、そのMac上のkstarsで使うので、Localを選択し、各種機器は
シミュレーターにしておきます。


Profileを保存して、"Start INDI"ボタンを押すと、サーバーが起動して繋がります。
ここでは4つの機器のシミューレータを接続したので、Telescope、CCD Camera、Focus、Guideという4つのモジュールを使って、
INDIが提供する機能のうち、5つを利用できます。その5つとは、対象の導入、アライメント、撮影、フォーカス、ガイドです。
以下では撮影以外のシミュレーションの様子をお見せします。


・導入とアライメント
望遠鏡はホームポジションにあるとします。その状態で、kstarsの画面で導入したい天体を検索して画面の中央に持ってきます。
下の画像では、ボーデの銀河のM81が中央に来ています。
これをマウスだと右クリック、MacBookだと、Control+クリックすると、プルダウンメニューが現れます。


上の画像のように"Slew"を選択すると、赤道儀が望遠鏡をM81に「向けます」。そして望遠鏡の情報は次の画像のように、
M81の座標を表示します。RA、DECがそれぞれ赤経と赤緯の座標です。


さて、ここで「向けます」と書いたのは、赤道儀はそこを向いていると思っているのですが、現実はそうではありません。
前回のブログでも書いたように、目標の天体を視野の中央に持ってきて「アライメント」という操作が必要です。
そこでも書いたように、最初は明るい既知の星を使ってアライメントしますが、そのときライブビュー画面を見ながら、
赤道儀を端末で操作します。
Ekosのスゴイところは、これを半自動でやってくれます。
カメラから画像をキャプチャーして、Ekosが持つ天体カタログ(そのデータは設定時にパソコンにダウンロードしています)を
参照しながら、望遠鏡を目的の座標に向けてくれます。
下の図は、"Capture & Solve"というボタンを押した後の様子です。"Solve"というのは、天体写真に写っている星などから、
その写真が写している領域の座標(中心と2つのコーナーなど)を「解く」ことです。おおよその位置、カメラの画素ピッチと
望遠鏡の焦点距離を与えると、天体のデータベースと比較して答えを出します。


現在は、撮影対象の近くの明るい星でアライメントをしておいて、その対象を導入し、試し撮りして構図を決める、という
方法を採っていますが、これが簡単に、且つ、正確にできるようになります。(実現できれば、ですが。)


・フォーカス
INDIシステムで最初に実現したいのは、「オートフォーカス」です。
INDIがすることは、電動フォーカサーを動かしながら、星の写真を撮って、星像が最小になる位置を探ることです。
下の図は、EkosのFocuserパネルで、"Framing"というボタンを押したところです。


キャプチャー画面に中で、フォーカスに使う明るい星が見つかったら、Stopして、その星をクリックします。
その直後の様子が次の画像で、下のコンソールに"Focus star is selected"と表示されます。


この後、"Auto Focus"というボタンを押すと、フォーカサーを操作しながら、対象の星の画像を撮ります。
右下のグラフは、横軸がフォカサーの位置(50000がスタート)、縦軸がHFR(=Half-Flux-Radius)です。
星の明るさの拡がりの尺度として、半値幅(FWHM=Full Width at the Half Maximum)を使うこともありますが、Ekosはピークの
明るさの半分になるところの幅ではなく、星の全光量の半分になる半径を使っています。
(こちらの方が、暗い星や気流があって星像が揺らぐ時には良いそうです。)
ピントの精度はStepの値で決められて、小さいほど良いのですが、あまり小さいと収束が悪くなります。


次の画像は、Auto Focusが終了したところです。
16回フォーカサーを操作して、HFR=2.79という最小値が得られたようです。


実戦でも、このように簡単にオートフォーカスできると良いのですね。


・オートガイド
当面は、スタンドアロンのオートガーダーを使う予定ですが、Ekosのオートガイドの様子をチェックしました。
使い方は他のガイダーと同じで、ガイド星(画像中央である必要はありません)を選択し、キャリブレーションします。
これは、オートガイダーから赤道儀に、赤経・赤緯軸の周りを駆動する信号をそれぞれ送って、赤道儀の反応を
確かめる操作です。望遠鏡の方向やガイドスコープの位置により、星の動く量も変わるので、必ずこの操作をします。
キャリブレーションが終わって"Guide"を押すと、ガイド星を監視してズレると補正する信号を送ります。



kstarsをクライアントとするINDIの操作の概要をざっと説明しました。
実際には、それぞれの機器の細かい設定もできますが、作業の流れをお伝えしたかったので、ここでは省略しています。

電動ドームの操作もできるので、個人でドームを持っていて、電源とネットが繋がっていれば、撮影スケジュールを設定して
おいて、全てを機械任せで天体撮影することもできるようです。いやー、夢のような話です。
しかも、必要なソフトウェアは全て無料です。勿論、そのためのハードウェアに手が出ないのが現実なのですが...。

満天の星空を見るのが好きですので、観望場所前行く労は厭わないのですが、INDIシステムで、導入やフォーカスの精度が
楽に向上すればと思います。


ーーー(4)に続く。
Posted at 2017/03/12 16:42:23 | コメント(2) | トラックバック(0) | PCなど | 日記
2017年03月10日 イイね!

Project INDI (2) --- 天体撮影について。

 Project INDI (2) --- 天体撮影について。 前回のブログから、ラズパイを天体撮影に利用する話を
始めました。
最初のブログのタイトルでタイプミスをして「INDI」と書くところを
「INID」としてしまい、「Initial-D」になっていました。すみません。

前回は、ラズパイとはどんなものかをざっとご紹介しました。
それをどのように利用するかを話す前に、まず、天体撮影って
どんなことをしているのかをご紹介したいと思います。
ラズパイとINDIから脱線しますが、どのように使うかの説明には
必要ですので、長い話にお付き合いください。
ご存知の方は、読み飛ばしてください。

当たり前のことですが、夜空に見える星でさえかなり暗いので、
写真に撮るには感度(ISO)を上げ、絞りを開けて、シャッター
スピード(SS)を遅くします。SSは数秒以上となるので、三脚に
固定しなければブレてしまいますが、カメラを固定しても地球の自転のために、
レンズの焦点距離によっては、数秒でも星が流れてしまいます。

星を流さように撮るには、カメラを地球の自転に合わせて撮ればよいわけで、その撮影法を「追尾撮影」といいます。
追尾撮影に必要なのは、地球の自転軸に平行な回転軸を持ち、地球の自転速度と同じ速さで回る「赤道儀」という
機械です。厳密には、回転軸が一致していないことや地球の公転の影響もあるので、単純な回転運動では正確な
追尾にはならないのですが、とりあえず、それは考えないことにします。
(後述するように、リアルタイムで補正ができます。)

最近はデジカメの普及もあって、広角〜標準レンズの画角で天の川などを撮影する時に星が流れないようにする
ポータブル赤道儀(ポタ赤)がいくつか発売されています。これらも極軸(=地球の自転軸)と回転軸を合わせる
ために北極星を見る簡単な望遠鏡(極軸望遠鏡)や覗き穴が備えられています。
私も最初のデジイチを購入した2012年の秋にポタ赤(Vixenのポラリエ)を購入し、天の川や明るい星雲を撮ること
から始めました。その後、少ししっかりしたポタ赤を入手して300mmまでのレンズで撮っていましたが、それに限界を
感じて、三年前の夏に小型の赤道儀を購入し、それからこの趣味にハマっていきました。

暗い星雲や遠くの銀河を撮るには、焦点距離の長い望遠鏡が必要になりますが、カメラレンズほど明るくなくて、
屈折鏡でおおよそF7-8、大口径の反射鏡でF4程度ですので、ISO800や1600でも、SSが10分以上になることもあります。
また、焦点距離が長くなると視野(画角)が狭くなるので、目で見えない天体を視野の中心に持ってくること(「導入」
といいます)が難しくなります。

望遠鏡、赤道儀、カメラという道具が揃えば、「導入」「追尾」「フォーカス」の精度を如何に向上するか天体撮影の
基本かと思います。焦点距離が長くなると、これらの難易度が上がります。

このように書くと敷居が高そうですが、私が始めたときの体験談を少し書いておきます。
上に書いたようにポタ赤からのステップ・アップを考えて赤道儀について調べると、自動導入できる赤道儀が安価で売られ
ていて、小型パッテリでも一晩動かせそうでした。
当時7万円くらいの赤道儀と、口径80mm F7.5 (焦点距離600mm)の屈折鏡とレデューサーレンズ(焦点距離とF値を
0.85倍にするレンズ)から始めました。昼間のうちにマニュアルで予習しておいて、最初の晩に、目に見えない銀河の
写真が撮影できて驚いたものです。それからは、ズブズブと、天体沼にハマっています。

本題に戻って、赤道儀とはどんなものかをご紹介します。
下の画像は、前回の出動時に撮ったものを、明るさを持ち上げて現像したものです。


天体の位置は、地軸を南北の軸とする球面を考えて、そこに地球と同じ経度・緯度を割り当てて位置を指定します。
標準的な赤道儀には2つの軸があり、地球の時点に同期させる方を「赤経軸」、それに直交する軸を「赤緯軸」と言います。
これを使って撮影するまでの手順を以下に書きます。
この写真の状態にする前に、機材を全て装着して2つの軸の周りのバランスを取っておきます。

I. 極軸合わせ
赤経軸には極軸望遠鏡が仕込まれていて、これを覗いて所定の位置に北極星を導入すれば、自転軸と赤経軸を平行に
できます。(ただし、多少の誤差はあります。)

2. アライメント
写真の位置が「ポーム・ポジション」で、この位置で電源を入れます。最初にする作業は「アライメント」(車の足回りでも
使う単語ですね)をします。明るい既知の星を視野の中心に導入し、それを端末に「この星はココだよ」と教えることで、
赤道儀に座標系を教える作業です。極軸とホームポジションの精度がよければ、1度のアライメントでも十分よいのですが、
機種によっては、2スター、3スターと複数のアライメントをすることで、自動導入の精度を向上します。

3. 自動導入
端末に登録された天体を選択すると、2つの軸に仕込まれたモーターが回って赤道儀を望遠鏡をそちらに向けます。
中央にこない場合は、端末で赤道儀を少し動かして中心に置いて、Syncという操作をすると、アライメント情報が更新されます。
暗い天体を導入するときは、近くの明るい星を導入してからSyncをすると、導入精度が上がります。

以上で、赤道儀の準備は終わり、撮りたい天体を視野に入れることができました。次は、いよいよ撮影です。
慣れると、観望地に着いてから15分ほどで、ここまでの作業は終わります。

4. フォーカス
もちろんマニュアルです。ライブビュー画面を見ながら、明るい星を拡大し星像が最小になるように調整します。
バーティノフ・マスクという、切れ込みを入れた板を望遠鏡の前にかざすと、明るい星に3つの光条がでます。これが1点で交わる
ようにすることで、より精密にピントを合わすことができます。(下の画像では、左が少し外れていて、右がジャスピンです。)
写野に明るい星が無いときは同じ高度にある明るい星で合わせてから、対象を導入します。


5. オートガイド
星像が流れないように長時間撮影をするために必要な仕掛けです。極軸がしっかり合っていれば、3分くらいなら無くても
何とか星を流さずに撮影できますが、5分以上だと必須です。
焦点距離の短いレンズに取り付けた小型CCDで対象の近くの星を捉えておいて、星がずっと画像の同じ位置に居続ける
ように、星の動きを赤道儀にフィードバックする仕組みです。
パソコンに専用のソフトを入れて、CCDからの画像を読み込み、補正信号を送る方法が主流ですが、最近は手のひらに
収まるスタンド・アローン型のオートガイダーが販売されていて、私はそれを使っています。
上の赤道儀の写真で、太い望遠鏡の上に乗っている小さなものが焦点距離100mm F2.8のCマウントレンズと、オート
ガイダーのCCDを取り付けたものです。タイトル画像の望遠鏡の右下でオレンジ色に光っているのがそのコントローラ
の画面です。ガイド中は、下の画像のように星の動きを監視していて、許容範囲を越すと戻すように信号が出ます。


6. タイマー撮影
以上の準備が出来たら、後はリモコンタイマーにレリーズ時間(SS)とインターバル、そして撮影枚数を設定してボタンを
押します。
赤道儀やオートガイダーに、このタイマー機能を持つものもあり、私はオートガイダーでレリーズ制御しています。
1時間を越す撮影のときは、カメラにはバッテリではなく、DCカプラを使って外部給電します。


撮影が始まると、天候の急変でも無い限りすることは無いので、サブの赤道儀を設置したり、ブログに上げるような
車と星空の写真を撮ったり、コーヒーブレイクを入れたり、iPadでメールや本を読んだり、仮眠をしたりして過ごします。
偶に、現地で同じ趣味の人がいると、観望地や機材の情報交換をしたりもします。

以上、天体撮影の手順をざっとまとめてみました。


では、INDIで何ができるかというと、1〜6までの全てです。
(極軸合わせだけは、赤道儀を直接さわらねばなりませんが、その補正量を計算してくれます。)

ラズパイを赤道儀か三脚にでも固定して、赤道儀・撮影用カメラ・電動フォーカサー・ガイド用CCDと接続しておけば、
それをWifi経由でパソコンから操作できます。
当面の目標は、オートフォーカスとピントのチェックに使う予定ですが、その後は赤道儀のアライメントと導入に
使えればと考えています。全てをパソコンに任せると、何か1つでも不具合があると台無しになりますし、オートガイド
は今でも一旦始めると放置できるのでパソコンでコントロールするメリットが少ないことも理由です。

拙い文章で、作業の内容をお伝えできたか自信がありませんが、いかがでしたでしょうか?

ーーー(3)に続く。
Posted at 2017/03/10 19:27:50 | コメント(3) | トラックバック(0) | PCなど | 日記
2017年03月08日 イイね!

Project INDI (1)

Project INDI (1)前回のブログの最後に、チラッと写真でお見せした小さな
箱の中身をどのように利用するかを、自分の忘備録も兼ねて
綴っていこうと思います。


ご存知の方も多いかと思いますが、最初にあの箱の中身に
ついて説明を。

名称は「Raspberry Pi 3 Model B」というもので、英国の
教育現場でコンピュータの教育をするために安価に利用できる
ワン・ボードのコンピュータとして開発されたそうです。
日本語では「ラズベリーパイ」(ラズパイ)といいます。

スマートフォン程度の大きさのボードには、micro SDカードスロットの他に、電源用のmicro USB、
画像出力用のHDMI、オーディオ出力(イヤホンジャック)が各1と、USB2.0が4個搭載されています。
この他にボード上にGPIOというインターフェイス(IF)があり、タッチパネルLCDを付けることもできます。
ネットワークは、イーサネット・ジャックとWifi (802.11b/g/n対応)とBluetooth 4.1が備えられており、
CPUはARM 64bit Quad core 1.2GHz、GPUはBroadcomの400MHzが付いています。
メモリは、GPU共用で1GB SDRAM。ストレージとてmicro SDカードを利用します。
また、電源は5V(最大2.5A)なので、USBモバイルバッテリで運用できます。


この写真でわかるように、MacBook Pro 13"のトラックパッドよりも小さな「パソコン」です。


OSはRaspbianと呼ばれるLinux(Debian)で、WindowsやMacのようなGUIのデスクトップ環境が用意されており、
本家からインストーラ一式をダウンロードしてmicro SDHCカードにコピーしスロットに挿して起動するだけで、
パソコンとして使える状態になります。(起動時に機器の設定をします。)
つまり、HDMIで外部ディスプレイ、USBにキーボードとマウスをさせば、いっぱしのパソコンになります。
私が購入したRPi3Bは、ボードだけで5,000円程度、ケースを付けても6,000円に収まります。
後述する私の目的には、他の機器は必要ないので、ハードの構成は本体のボードとプラスチック製のケースだけです。
タイトル画像は、Raspbianのデスクトップ画面です。


本題に入る前に、もう少しラズパイをご紹介しましょう。
ブラウザとターミナルを起動したところです。


私が知っているLinuxとは設定ファイルの位置や設定方法が少し違っていましたが、Linuxのセットアップを
経験された方なら抵抗なしに使えるでしょう。

それと面白いと思ったのは、教育用というだけあって開発環境(プログラミング環境)に力を入れているのか、
左上の「ラズパイ・メニュー」の最初にプログラミング関係のツールがまとめられていました。
また、メニューバーに見慣れたアイコンがあったので驚いたのですが、数式処理ソフトとして有名なMathematica
が入っていました。通常、パッケージ版を買うと通常でも20万円程度、学生版でも6万円ほどしますが、その
簡易版がおまけで付いていました。
試しにガウス積分をさせてみました。正しい答えを返してくれます。(<当たり前!!)
実はMathematicaの最初のバージョンは、この積分ができないくらいおバカさんでしたが、今は研究でも使われる
くらい実用的になっています。



ラズパイを使う目的は、当然(?)天体撮影で、本ブログのタイトルが関係しています。
INDI = Instrument-Neutral-Distributed-Interface
のことで、天体観測や撮影に利用する様々な機器を、INDIが提供するお約束(プロトコル)に従って制御できます。
この趣味の世界では古くからASCOMというWindowsで動くソフトウェアが知られていて、赤道儀などの機器のメーカーは
ASCOM用のドライバを提供してきました。
私はWindows PCを所有したことがなく、パソコンはMacしか持っていませんし、ASCOMは古くRS232CのようなシリアルIF
が多用されています。そのため、これまでASCOMには関心が無かったのですが、同様の機能を持ちフリーでMacにも
対応しているINDIにずっと注目していました。

INDIは、デバイスのドライバさえ対応してれば、赤道儀・カメラ・オートガイダーのコントロールは勿論、電動式ドームの
制御もできます。
所有する赤道儀やカメラが対応していることは確認しておりましたが、導入のトリガーは、先月末にMacで動くINDIの
フリーのクライアント・ソフトが正式に公開されたことでした。
それぞれのソフトの詳しい話は後にして、まずラズパイで何ができるか? からお話しします。

INDIは1台のパソコンに必要なソフトを入れて上記の機器を操作することも可能ですが、サーバー・クライアント・モデル
を提供しています。ざっくり言うと、ラズパイにINDIサーバーを入れておいて、それをWifi経由でMac上のクライアントから
使う、ということです。
ラズパイを赤道儀か三脚にでも固定して、赤道儀、カメラ、電動フォーカサーとUSBで繋ぎます。
それを離れた車内から、監視・制御したいと思っています。

当面は、このINDIシステムを使って、車内から撮影前や途中でフォーカスのチェックとオートフォーカスを実現するのが
目標です。
ここ一年ほど1つの対象に1時間以上(最近は2時間ほど)の時間をかけて撮るのが当たり前になってきました。
高度によっては、撮影の最初と最後で星の光が通ってくる大気の層の厚さが違うためにフォーカスが少しずれて
しまいます。いつもは撮影前に、対象とほぼ同じ高度の明るい星でバーティノフマスクというのを使って
フォーカスを合わせるのですが、撮影の途中でこれをすると、構図がずれることもあります。
INDIのfocusモジュールには、撮影しているカメラの画像(の一部)を取り込んで、接続された電動フォーカサーを
動かして、星の明るさの半値幅が最小になるようにフォーカスを調整します。
ライブビューの画面で星像が最小になるようにすることを、背面液晶の30倍のピクセル数のデータを使ってデジタル
処理で行うわけです。

天体撮影をされる方の殆どは、赤道儀やオートガイダーのためにパソコンを使います。オートガイダーは撮影の最中
ずっとソフトが動作しているので、バッテリも用意しなければなりません。これまではパソコンを一切使わないよう、
赤道儀は専用のハンドコントローラー、オートガイダーはスタンドアロン型のものを使ってきましたが、上記のように
消費電力が小さく5V USBバッテリで運用できるラズパイは、設置場所もとらず赤道儀の電源にしているバッテリの
余ったUSB端子から電源を取れます。

「オートガイダー」というのは聞きなれない言葉かと思いますし、私も天体撮影を始める前は知りませんでした。
普段、どのように天体撮影をしているかも交えながら、それについては追々、INDIシステムといっしょに説明できれ
ばと思います。

ーーー(2)に続く。
Posted at 2017/03/08 20:42:25 | コメント(3) | トラックバック(0) | PCなど | 日記

プロフィール

ここ数年、年間走行距離が、自転車>オートバイ>自動車(>>徒歩)、となっています。 高齢になって、少しずつ割合が変わりつつありますが、健康にバイクや車に乗れる...
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