
結構あいだが開いてしまったが、作業の方は各週末に行われていまして、2週間での復活には届かなかったが、3週目には走り出す事ができました。
だがしかし、シルバーウィークの旅行に間に合わせる為に急ぎ過ぎてしまった為、色々とマイナートラブルが連発。
致し方ない部分もあるが、後々の改修作業に追われる事となってしまった。。。
このレベルの作業規模になると、どれだけ慎重に作業しても後の経過観察はある程度必要であり、作業ミスの露顕は勿論、交換した新品部品の不良や、周辺補機類の類焼が出る場合が有り、作業の正確さだけでは担保しきれないトラブルを、一定期間は覚悟しなければならないものだ。
・・・という注釈を付け加えないとやってらんない程、面倒な作業ですw
但し、エンジン主機内部に至っては、後で不具合が露顕してもどうにもならないので、一層慎重に慎重を重ね、丁寧に作業していくしかない。
手抜かりがあればオシマイなのであるww
そんなこんなで、未だに使ってる野郎はそうそう居ないであろう、
GC8インプレッサ中期型エンジンEJ20K。
こんなの壊れたからって、メタル組み直してまでまた使おうって輩は全国に片手も居ないと推察する。
普通の人にとっては、F・G型を車体ごと買い直したほうが安いかも知れないからねw
それでも、ヲレのところにある限りは、再び命を吹き込んでやろうと思う。
エンジンでも直す方が安い、という全世界でも稀な特殊環境下に於かれればこその特例中の特例である。

ヘッドはこの間組み直したしたばっかりなので、リムーバーで掃除して、
ガスケット面を軽く研いで均すのみ。
ラジエター不良で水温120度ってのがあったからね・・・
一応歪みも見ておこう。
歪み限度0.05未満ではあるので、OKとしておきます。

あとは、ストックのショートブロックのメタルの組み換えです。
なあに、調整がないんだもの。
バラしてパチパチと組み立てなおすだけですよ。

きれいなクランクメタル。
元々、トラブルがあったエンジンではないので、正直そのまま使っても良さそうではあるんだけど、
やっぱ使い方が使い方だからね・・・
きっと程なくして壊すんで、新品メタルで組み直すのはマストです。

クランク・コンロッドのメタルセット。
バラ売りなしで、両方で約3万円・・・。
高ぇ~よバカヤロウ。。。

先程も書いたけど、種類がないので調整もないスタンダードサイズ。
そうは言っても、一応間違ったものが来てると拙いんで、クリアランスは見ておきたい。
0.025ミリって所でしょうか。
プラスチゲージが古すぎて、潰れたらグズグズになってよく見えないw
基準値幅前半の値なので全くもって問題ない。

肝心のコンロッドメタルも、クリアランスを一回見てから組付け。
こちらも変な値の所はない。
このまま規定トルクでコンロッドを組付けして、シリンダーブロックを組み立ててしまいます。

各パッキンを新品で乗せ、液体ガスケットをしっかり塗布してシリンダーブロックの接合。
水平対向エンジンならではの作業だろうと思う。
2気筒づつのシリンダーブロックが左右からクランクシャフトを挟み、接着剤で留まってるだけのエンジンなんてほかにそうそうない。

シリンダーのクランクシャフト側は、クランクメタルの支持部があるので、
当然ピストンはヘッド側からあと付けとなる。
見ていても違和感を感じるビッグボアエンジン。
とても2000ccのエンジンとは思えない。
ビッグボアは火炎伝播が遅いため、燃焼効率が悪いのだ。
EJの燃費が宜しくないのはこの為である。

ピストンピン組付け用のサービスホールが計4箇所。
これらの盲蓋の締め付けをきちんと確認し、ベルハウジング側は更なるカバーを取り付ける。
小さいカバーはOリング、大きいカバーは液体ガスケットで組み付ける。

当たり前だけど、ちゃんとエンジンスタンドで組み立てると、本当にラクだ。
くるくる回せるので、バルブリフターを落っことす心配もない。
最初はタイヤの上で転がしながら組んだりしてたけど、ヘッドボルトなどはかなりのトルクで締め付けるので、しっかり固定したい。
あとは、オイルポンプのリリーフ圧の調整。
スプリングが入ってるところのシムでプリロード調整をするんだけど、元々は薄いワッシャーが一枚入っている程度なんですが、前回組むときに3枚増やして計4枚。
これでアイドリングで油圧3キロを実現していたんですが、ぶっちゃけ高すぎてフリクションが目立つ気がしていたので、今回2枚減らして計2枚で行ってみます。

狭い玄関で組み立てたエンジンを、離れの駐車場まで運びます。
マンションの駐車場なので、かなり好奇の目に晒されます。
ま、近所では最早有名人なので、「また何かとんでもないことをやってるな」程度に思われているだけでしょう。
目立たず、広げず、迅速に。
この三点を可能な限り守り、あとは愛想よく笑顔で挨拶を励行していれば、管理人のオッサンも「頑張るねぇ」とか言ってうるさいこと言わないし、隣のスペースのフィットのオバちゃんもこの間ちょっとぶつけちゃったんだけど見てもらっていいかしら・・・とか言ってコミュニケーションを図ってくれる。
このあいだ、変形して外れかけたバンパーの一つも軽く引っぱたいてちゃんと留め直してあげたら、ゼリーのお中元が届きましたw
ヲレのようなアウトローでも、地域でちゃんとやっていくためには、結局は周りのひととうまくやっていけるかどうかに掛かっている。
自己主張を通しつつも、理解してもらう、仲良くする。
どんな人だって、笑顔で話しかけられたり親切にされたら、無下にはできないもんだ。

土曜日エンジン組立、日曜日エンジン積み込み。
みたいにやっていたら、積み込みの直前でマッキーが野次馬にやってくる。
マッキーのタイプR久々に見たな。
オールペンしてデカイ羽根装着、ホイールはヲレのと同じOZになってる。
きれいなクルマだな。
「ちょうどいいところに来たな、ちょっと手伝っていきなよ。」
とか言って積み込みを手伝わせる。
なかなかメンドラが決まらなくて小一時間くらい掛かっちゃったな・・・。
サンキュー助かったよで撤収、帰ろうとするマッキーが何かを拾い上げる。
「何すかコレ。」

どう見てもリヤクランクシールのリップスプリングである。。。
ばかなばかな。
降ろしたエンジンはここではバラしてない。
組んだエンジンに最後にシールを打ち込んだのはここである。
新品シールのスプリングであることは火を見るより明らかであった。
袋から取り出して嵌合部をラスペネで潤滑、
手から落としたりすることもなく丁寧に取り付けしたのを憶えている。
袋の中で既に外れていたとしか思えないな・・・。
シールのスプリングが脱落しているとは流石に想像しなかったので、確かに確認はしてない。
こんなことがあるんだな・・・。
一見無駄とも思えるが実は無駄ではない、そんな確認事項がまた増えてしまった・・・。
整備とは・・・
かもしれないと言う、こんな細かい気遣いの積み重ねなのである。
くそ~、この日はタイムリミットだ。
また翌週エンジンの積み直しからやり直さねばならない。

翌週末。
さっさとエンジンを引き摺り降ろして、クランクシールのやり直しからである。

やはり入っていないwwwww
ここのスプリングは目立たないが役割的にはかなり重要で、無しで組んでもオイルがダダ漏れになるだけである。
以前軽自動車のカムスプロケの裏のシールを打ち替えた際に、中で外れてしまっていて、エンジン掛けたらオイルが尋常じゃなくたくってきて焦ったことがあった。
打った先で外れちゃってたら判らないよな・・・なんて理不尽な思いをしましたが、やはり打ち込む際にも強めに打擲することは避け、なるべく静かに強く押し込むよう気をつけるようにはなりました。
余談だけど、「たくる」って言葉みなさん使います?
汁物が漏れて、尾を引いて垂れてくるとか流れてくるときに「たくってきた」と使うんですけど、意味がわからない人もいるみたい。
普通に使ってたけど気づかなかった。
確かに辞書に載ってないし、方言なのかな・・・。

エンジン再搭載。
疲れもない、明るい時間に作業すると早いね~、降ろして積みなおして一時間ちょっとだった。
あとはエンジンハーネス、マスターバックの負圧ホース、燃料ホース、センサーのバキュームホースや、スロットルワイヤー、フロントパイプと、水廻りのホース、あとは、パワステポンプとコンプレッサー等を諸々戻していけば、オイルと水を入れてエンジンが掛けられる。
翌日には旅行で出かけなければならないので、走行チェックまで済ませないといけません。

慣らし&フラッシングがてら、最初はシャバ目の安いオイルでいい。
別体オイルクーラーのお陰で、6L近くが必要になる。

そして緊張の火入れは、クランク一周で掛かったんじゃないか、と言うくらい一発で完爆。
18万5千キロからの再スタートとなりました。
ところが・・・
ヤベエ・・・ちょっとオイルがたくってくる・・・。
痕跡をたどっていくと、インテークのカムスプロケの裏だな・・・

ちょっと心当たりがあった。
実はここだけ、ちょっと斜めに入っちゃって軽く齧ったのを無理矢理押し込んだ記憶がある。
最後はきれいな仕上がりだったんだけど、縁が奥で捲れたままだったんだね・・・
油圧が掛かったら捲れてきた。
ここはストックがあったので即交換。
そうかと思えば、今度は右バンクから煙が・・・(;´Д`)
またカムか・・・勘弁してくれ~と思ったら、今度はタペットカバーパッキンが切れてる・・・。
そんなことある???
組付けミスだろうか・・・こんなのミスると思えないんだが。
それとも流通の過程でダメージを負った不良品を知らずに使ってしまったんだろうか・・・
今となっては詮ないことだが。
どちらにせよ、もっと気を付けないとな・・・
ここは、活きのいいストックパーツを保存してあったので、これで対処しておきますw
(結局中古かよ!)
翌日早朝出発なのにタイベル掛け直しとか、
タペットカバーパッキンの交換とか・・・
面倒な改修が続き、問題なく走れるようになったのは深夜となりました。
ちょっとでも心配を残すとダメだねぇ・・・。
機械は正直です。
今回は仕方ない部分もあるけれど、期限を短時間で区切り過ぎるのも良くないな・・・やっぱり焦ってやると見落とすよ。
エンジンは時間をかけて丁寧にやりたいもんだね。
再び悪魔のEJ20K復活。