アビガンが承認されない理由

先日、アビガンの使用特許を中国人民解放軍が取得したという話を書きましたが、そういえばアビガンはどうなってんだろうと思ったら未だに承認されていないようです。

アビガン錠（ファビピラビル）は新型コロナ感染の初期段階で９割の改善効果、重症化してからでも６割の効果があるとされた国産の治療薬として期待されていました。

当時はトランプ大統領に投与されて劇的な改善が見られたレムデシビル承認を優先する為など言われていましたが年末に厚労省の専門家部会で「現時点で得られたデータから有効性を明確に判断するのは困難」として承認が見送られました。

富士フイルム富山化学は先月、重症化リスク因子を持つ発症早期の患者を対象とした新たなP3試験を開始し臨床試験結果を再提出したいと言っていました。

有効な治療薬を承認するとワクチンを特例承認で使用できなくなるから、なども言われていますが厚労省からは既にレムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブなどが人工呼吸器を付けた重症患者への使用が承認されていますので、やはり催奇形性が確認されているアビガンは過去の薬害訴訟のトラウマからワクチン普及まで塩漬けにしておきたいというのが本音なのかもしれません。

新型コロナウィルスの解析が進み、重症化する仕組みやワクチンによる有害事象の起きる仕組みなども科学的に解明されつつありますが、まだ有効な武器を手にしていないような心許ない感じがあり、政府対応への不信感に繋がっているのではないでしょうか。

ワクチン接種の普及と有効で安全な治療薬の投入が何より待ち望まれている事で、だらだらと終わりの見えない緊急事態宣言をとっとと終わらせてほしいと思います。