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2023年04月23日 イイね!

EV推進による地殻変動

何を今更という感じのタイトルですが、EV主戦場と見做される中国市場での覇権争いは地場の中華資本系メーカーの台頭により今年に入ってから明らかにムードが変わったようです。

■アングル:ドイツ車、中国市場で劣勢 EVが変えた業界勢力図(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/germany-auto-china-idJPKBN2WI08V?taid=6444a2bd29be170001669fed&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter


ある中国自動車メーカーの関係者は「もう日本車をベンチマークにはしていない」という発言したそうで上海自動車ショーを視察した日本車メーカー関係者は衝撃を受けたとも聞きます。

それでも

「何を言っている。日本車は世界最高だ。EVシフトなんて仕掛けられたゲームチェンジだからいずれ失敗して日本車が売れるようになる」

と信じたい人も多いと思いますが10年以内の目標が20年以内になったとしてもEVシフトの流れは避けられないでしょう。

そもそも日本人は「最高の技術の物が売れるのは必然」と思って疑いませんが、それは成熟市場での話であり世界市場の6割とも言われる新興国市場では日本製の品質はユーザーが求める商品に対して過剰ともいえる品質になっています。

お腹が空いているけど小銭の持ち合わせしかない人に

「ウチは高級高額フルコースしか提供しません」

と言って客を遠ざけているようなものです。

また新興国市場で二流品が選ばれるのは「安い」からと思われていますが、必ずしもそうとは言い切れません。

Samsungは長らく日本の後追いで二流メーカーと見做されてきましたが、会長の大号令で大きな組織改革を経てリバースエンジニアリングで部品調達先に至るまでの徹底した日本追従を止めてからは今や世界有数企業となったのは粗悪な二流品を薄利多売したのではなく、ユーザーが求める商品開発が出来たからと言われています。

初期不良に対して巡回サービスマンが基板やモーターなどをその場で交換するか新品に交換対応するサービス体制によりユーザー満足度が下がらない事でブランドイメージを築き上げました。

日本などのメーカーであれば修理窓口に連絡したら数日後に引き上げ、それから1~2週間預かりで修理して返送されるのが当たり前であり、「モノ作り」で不良率を下げれば顧客満足度は高いだろうという思想の違いがありますが、「とにかく使いたい」という新興国で支持されるのはどちらか。

自動車も全国津々浦々まで道路網が舗装整備された日本に最適化された自動車を未舗装路だらけの国にもっていっても歓迎されないでしょう。

また日本はながらく海外に工場を建てるのが「グローバル化」だと思って来ましたが、多くは現地の人々と交わる事は無く、あくまで日本で設計したものを現地で組み立てる「日本の輸出」でした。

真のグローバル化では現地で企画設計し、現地でまかなえる部品で構成し、現地で販売する「地産地消型」を徹底する事で過剰品質にはならず、コスト競争力も担保できます。

そういう意味でも日本の技術力は量産設計(産業技術)に特化してはいても開発設計(科学技術)では決して競争力が高いとはいえず、日本の家電や半導体などが凋落した要因として「技術本位」であり、求められる商品展開ができなかった事があるでしょう。

そして技術革新により「二流品」であっても既に実用にして十分な性能を担保している事が多いでしょう。

今後は先進国市場は頭打ちであり、成長余地が大きい新興国や発展途上国の市場へシフトしていくことが予想されます。

「何を造るか」ではなく「何が売れるか」の発想が必要なのだろうと思います。

仮に今後日本車の販売台数が回復したとしても、それは商品力によるというよりは輸出先の経済状況が改善した、などの外需であり、外的要因に依存する業態では危険な状態で橋を渡るようなものです。


■世界の自動車販売台数 国別ランキング・推移
https://www.globalnote.jp/post-11249.html


中国では年間2600万台の新車が販売されていますが、日本は440万台と1/6程度と開きが大きくなっています。自動車産業は(自動車に限らず様々な分野がそうであるように)北米から中国にシフトしています。

「中国なんてデカいだけで二流三流が集まって薄利多売しているに過ぎない。一流の日本企業が合間見える必要はなく、日本のメーカーは日本の市場だけでしっかりやれば良い」

というような考えがあるとしたらそれは危険でしょう。

多くの利益を逃すという以外にも、激戦区で切磋琢磨して商品開発力を高めることなく世界市場で渡り合う力を養うことは困難であると思われます。

そういう意味でも内向きな日本の自動車産業も家電や半導体がたどったように国際競争力を落として縮小、再編されていくのは必定です。

全方位ながら動きが鈍いトヨタ連合か、EVシフトにオールインしたホンダか、欧州アライアンスに賭けたニッサンか、どれが最適解になるかは分かりませんが、「これまでと同じやり方をやっていれば安泰なんだ。海外に合わせていちいち変化する必要はない」というのでは生き残るのは難しい時代が目の前に迫っているように思います。
Posted at 2023/04/23 12:56:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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