ウクライナ戦況

２４日、ロシアがウクライナに軍事侵攻してから二日ほど経ちました。

国連安保理ではロシアの非難決議が常任理事国であるロシアの拒否権行使、中国の棄権で否決され、有事を「話し合い」で解決する事は不可能であることが虚しく再確認されました。

ロシア側メディアがウクライナ政権は国外脱出したと報じれば、ウクライナのゼレンスキー大統領ら閣僚がキエフに留まっていると映像配信するなど情報戦、心理戦が繰り広げられています。
一説にはアメリカがキエフ脱出を提案した際｢今必要なのは乗り物ではなく弾薬だ｣と拒否したとか。

双方から、あるいは便乗して無関係の過去の軍事活動や爆発事故の映像が流されて真偽を確かめるのが難しくなってきていますが、ウクライナ軍は各地で善戦しているようで、破壊されたり鹵獲されたロシアの戦闘車両や戦闘ヘリの映像なども確認されています。

動画を纏めているサイトによるとロシア側で確認された損失は５２。ウクライナ側は６１が失われているとの事ですがロシア占領地域からどれくらい報告が上がって来ているのか不明ですが上がって来ている動画数ではウクライナ側にもっと損害が出ている印象を受けます。

■【独占】欧州への攻撃：ロシアのウクライナ侵攻で両軍が喪失した兵器類（一覧）
https://spioenkopjp.blogspot.com/2022/02/blog-post_25.html

これらを総合するとロシア軍はドンバス地方、クリミア、ベラルーシ、ロシア国境から侵入したものの、国境から僅かに進出した程度で停滞しているようです。

■RUSSIA-UKRAINE WARNING UPDATE: RUSSIAN OFFENSIVE CAMPAIGN ASSESSMENT, FEBRUARY 25, 2022
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russia-ukraine-warning-update-russian-offensive-campaign-assessment-february-25-2022

ただし、国境に近い首都キエフには手前１０キロまで迫り激戦が繰り広げられています。

ベラルーシのウクライナ国境付近には戦闘ヘリや輸送ヘリ１５０機程度の進出が新たに報告された事からキエフへの大規模侵攻が近い可能性が高まって来ました。


ウクライナは非常事態宣言の元、１８～６０歳までの男性の国外脱出を禁じ、志願兵の募集を始めました。

主要な橋が落とされ、急造のバリケード設置が急がれています。


ロシア側の当面の目標はウクライナ現政権の排除であろうと思われますので停戦交渉は難航しているようです。


チェルノブイリ原子力発電所では守備隊と交戦の末、ロシア軍が制圧したとの報道で、その後、周辺の放射線量増加が観測されたようです。
ただし現在報告されている線量は2μSv/hでこれは一か月滞在してもＣＴ検査２回分程度との事です。

従ってロシア軍が施設を破壊したという事ではないようで、戦闘の際に損傷した程度なのかもしれません。
ただしロシア軍が撤退する事になれば何をするのかは不明です。


その他に日本の海運会社が保有するパナマ船籍のばら積み船を含む二隻が攻撃を受け損傷したようです。攻撃をしたのはロシア側と見られています。
■日本の海運会社所有の貨物船にロシア軍のミサイル 1人けが
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220226/k10013502331000.html


ロシア兵に詰め寄るウクライナ人女性。


当初はウクライナの国花であるヒマワリの種を手渡そうとしたと伝えられていましたが

「あんたたちは何をしてるんだ！」
「ここで言い争っても状況は変わりません」
「何の状況だ。このひまわりの種を持って行け。あんたが死んだらウクライナの花が咲くんだ」
「状況を悪化させるのは避けましょう。立ち去ってください」
「これ以上どう悪化するんだ。出て行け」

といったやり取りだったそうです。


ロシア軍の識別標「Z」の文字が書かれたトラックからウクライナの病院に負傷兵を運び込む白い腕章をしたロシア兵と思われる映像。


医療従事者の博愛精神には感嘆します。
（ナイチンゲールが従軍したのはクリミア戦争）