2024年12月29日
来年の投資戦略
「戦略」というと大げさですが、新NISAが始まった2024年に一年間の運用成績などをもって軌道修正するというように決めて新NISAで資産運用をし始めました。
一年間という「枠」の縛りがあるため、年間の運用単位が意識されるためです。
新NISAは「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円が一年で投資可能な「枠」になっており、枠を超えての投資はその年は出来ません。
これが各自に5年分、トータルで1800万円の非課税枠があります。
(売却した分の枠は5年後以降に復活します)
長期投資であれば約七割の勝率で年初に一括投資した方が成績が良いという事が過去の統計から分かっています。
このため、2024年の成長投資枠は半分の120万円を年初一括で購入し、その後暴落があれば残りの120万円を追加投入する予定でしたが2024年はいわゆる「ブル相場」という強気サイクルであったため3月に残り120万円も投入しました。
つみたて投資枠は仕組み上、毎月の購入額を設定するもので月に10万円の買い付け設定が可能ですが取り扱う信託会社によっては月々の購入額を最小単位の100円で設定し、ボーナス月購入で120万円近く設定する事で一括購入もできますが、こちらは米国株投信を中心に月々10万円設定で12か月分の120万円の購入が完了しました。
成長投資枠、2244(US Top Tech20 ETF)240万円
つみたて投資枠、NASDAQ100,月7万円
S&P500、月2万円
全世界株式、月1万円
2024年の運用成績はまだ大納会も残っていますが新NISAは含み益46%、166万円増となっています。
今年は8月に大きめの暴落、そして日本での石破政権成立やアメリカ次期大統領にドナルド・トランプ氏が選出されるなどの波乱で株価は乱高下しましたがそれでも終わってみれば異例の強さを発揮した一年でした。
そのあおりで日本や欧州の高配当、REIT(不動産)などに分散していた分は壊滅的に成績が悪化して復活の予兆も無いため撤退する事にしました。
債券市場は度重なるアメリカの政策金利引き下げ実行にも関わらず下落したままでありアメリカが利下げに転じれば債券価格が上昇するという目論見は外れています。
以前であれば株価と債券価格は逆相関、つまり株が上がれば債権が下がる、株が下がれば債権が上がると言う図式が成り立っていましたが、株も債権も下がる「株安債券安」が起きてからそれまでのセオリーが崩れてしまったように思われます。
このため市場の資金流出入にも変化が起きました。
金価格が上昇を続けているのはロシアのウクライナ侵攻や中東情勢といった地域不安定化を嫌った資金流入と見られていましたが、どうもアメリカが金融を「武器化」する事を警戒した各国がゴールドの現物購入を加速させているという観測が流れています。
このため金価格の上昇は地域紛争が決着したとしても上昇を続けると見られています。
紛争を嫌うトランプ氏が大統領に選出されて今は上昇はひと段落していますがゴールドの産出量が急増するという事は無く、また各国が備蓄しているゴールドを大量に放出するような事態でもなければ金価格上昇基調は変わらないと見られます。
これらを勘案し、来年のNISAはより積極的にリスクを取るように銘柄を組み替え、来年度分の一部は既に約定しています。
そしてゴールドによるリスクヘッジを取り入れるため「ゴルプラ」の買い付けを始めました。
これはNISA対象外なため、売却益に税金が掛かる特定口座での買い付けで、これまでアメリカのNASDAQ100の2倍レバレッジを積み立てていたものと入れ替える形になります。
所謂「レバナス」は自分が投資を始めた時から毎月1万円分の積み立てで75%の含み益が出ていますが上記で挙げたような地政学的要因の変化で米国株式一辺倒のリスクを回避したいと言う思いがあります。
「ゴルプラ」は米国株のS&P500に金の先物取引を加えてS&P500、1とゴールド1になるようにするレバレッジ商品でこれまで米国株式が強かったことと金価格の上昇で直近一年で71%のリターンとなっていますが、本来の趣旨としては米国株と金価格が逆相関になれば株式暴落のような時にもある程度資産価値の目減りを防げるというものです。
もっともどちらも国際情勢に左右されるため、例えば米国株暴落と金価格暴落が同時に来て二倍以上資産が減る可能性もあります。
レバレジ商品は先物で価格調整するその性質上、元の価格に戻るためには下落した以上に上昇しなければ目減りしてしまう「逓減」という現象が知られています。
このため上昇が続く強気相場では先物手数料負担は問題になりませんが弱気相場や長期の調整(レンジ相場)に入ると元指数より減価してしまいます。
特に「ゴールド」はそれ自体が分配金を生む訳ではない為、放っておけば逓減に弱いとされてきましたが、今後も金価格が上昇すると見ています。
金価格の上昇とドル覇権の終焉についてはまた書きたいと思いますが、世間で心配されるようなアメリカ終了という事態にはならないとの見方が大半です。
これは米国にとって代わる覇権国が当分は登場しないし今後10年はアメリカ一強体制が続き、その後どこかの国が金融やテクノロジーでアメリカを凌駕するかもしれませんが、それも10年、20年と言う単位で入れ替わっていくと見られます。
もちろんアメリカ一国だけが滅亡するような戦争や局地災害が起きないとも言い切れませんが、現状ではアメリカ経済が崩壊したら世界経済も無事では済まないため、たとえば株式という金融アセットにオールインしているのであればどの国の株式であれリスクはそう変わらないであろうと思われます。
つまりリスクヘッジには資産をアセット分散させておく必要が今後は強まります。その時、債券が良いのか不動産などの現物が良いのか、コモディティが良いのかはなかなか予想が尽きません。
このため、債券も株式と逆相関になる事を期待して追加購入するかもしれません。現在は米国長期債などを資産の1割ほど保有していますが金利分はインフレ負け(といっても日本のインフレ率には優越)ですが、分配金が出る分が保有し続けるモチベーションになっています。
現在は資産の過半数を米国株式で運用しており、こちらは円安効果もあって増え続けています。
これまで何があっても売却しない「ガチホ戦略」で大きな暴落でも感情的な売り買いはしませんでしたが、特に8月の暴落では、後から考えれば格安買い付けチャンスでしたがそれを見送ってしまい、またトランプ相場も乗り遅れたため、アメリカの個別銘柄で有望と思っていたものがことごとく暴騰してしまった反省から2025年の個別株は積極的に売買をていくつもりです。
年後半慌てて売り買いした実現損益は190万円のプラス収支で終わりそうです。
ただしこういった売買では「下がったから売る、上がったから買う」という感情的な取引は損ばかり増えるため、自分の中での規律が必要になります。
例えば今年7月までポートフォリオの中で優勢だった半導体関連株も株価が購入価格の4倍に迫っていました。
このため4倍になったらさすがに高すぎる水準なので半分は売却しようと思っていましたが、その後8月に下落が始まり、結局終わってみれば年初の価格を下回っての締めになりそうです。
これでも購入価格の1.5倍ほどではあるので今後下がると思うなら売ってしまってもいいのですが3倍、または2倍の時に決断できていなかったため、今から動けばたいして得もなく、ただ持っていた数年間が機会損失だったというだけで終わってしまいますので、もう少し戦略的に規律を持つべきという反省が残ります。
恐らく今年が最高に近いくらいの出来過ぎた良い一年で来年や今後は波乱の始まりになりそうな気もしますのでアクティブディフェンスの必要を感じています。
来年の感想がどんなものになっていいるかは分かりませんが、長期投資家の最大のリスクは自分の寿命と言われていますので健康を第一に投資も続けていきたいと思います。
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2024/12/29 21:27:51
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