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2025年01月26日

アメリカの大転換

トランプ大統領就任式でビッグテックと言われるアメリカが世界に誇るハイテク企業のCEOが並び、忠誠を誓うように高額の寄付を競い合ったのはなんというご都合主義かと唖然としました。


特に第三世界で人気を誇るSNS、Facebookは以前はトランプ氏のアカウントを制限していたにも関わらず、大統領選でトランプ陣営の優勢が伝えられ、また選出が決まると制限を解除したりファクトチェックを廃止するなど、あきらかに新政権への接近を意識し手のひらを返した格好です。

一体アメリカに何が起こっているのか。

トランプ氏がアメリカ第一主義を掲げ大統領に再登板することになりましたが、過激な物言いなど嫌う層からは、差別主義者の大統領によってアメリカが破壊されると危惧したと伝えられますが、トランプ氏が過去に何度も事業で失敗しているリスクテイカーで滅茶苦茶なのはそうかもしれませんが、それはこれまでアメリカを覆っていた「多様性政策」(Diversity, Equity & Inclusion)への反発が強かったからで、アメリカの様子がおかしくなったのはトランプ氏が原因ではなく、現象であるとする識者も増えてきました。

DEIは多様性、公平性、包括性の英語の頭文字で政府や企業がこれまで金科玉条として掲げてきた価値観でした。

これらの理念自体を否定する人は少ないでしょうが、その在り方が問題でした。

特にアメリカでは人種問題、移民らのおかれた経済格差などとDEIが結びつき、一部の人の利権化していました。

黒人の命も大事だという主張の「ブラックライブズマター」運動ではその中心人物らが不動産取引で財を成し邸宅を何件も所有している事が発覚し、当の黒人陣営からも疑問の声が上がっており、一部はトランプ支持に転向したようでした。

またカリフォルニア州で刑務所の予算削減のため成立した犯罪に対する刑、軽罪罰則、州民発案法案Prop.47では950ドル以下の窃盗は軽犯罪であるとされたことが広がり、店舗での万引きが黒人の人権運動と結びつき、当初は生きるために必要な事だという擁護だったものが、気が付けば黒人を奴隷にした白人から奪い返し復讐する権利があると過激化し、警備員や警察官が現行犯逮捕したとしてもすぐに人権派弁護士が釈放してしまい、逆に取り押さえた警備員や警察官の方が過重暴行などで万引き犯から訴えられるようになると万引きで逮捕されることがなくなった事から街のどこかでデモがあると、示し合わせてその反対側の店舗が集団窃盗団に襲われるようになったため閉店する店舗が続出しました。
(実際には現行犯逮捕はされませんが、後日犯行の様子を捉えた動画などで逮捕、起訴はされていたようです)

また、バイデン政権下で野放図にされていた不法移民も流れ着いた街で問題を起こしたりアメリカの労働者が仕事にありつけなくなるなど住民を困惑させていましたが、これもDEIを出されると成す術がありませんでした。

性的少数者への配慮も度が過ぎました。
ワクチン接種時に記入する問診票の性別の欄は性自認の選択肢しか見当たりません。


「お気持ち」で自分が何者かを宣言するのは勝手ですが、医療やスポーツ競技などは生物学的な性で判断されるべきで、そういう意味ではトランプ氏が言う「アメリカでの性は男と女の二つしかない」は、まぁそうでしょうと賛同する日本人も多かったことでしょう。


このような事からアメリカの有権者の中に不満がたまり、そこにアメリカを偉大にすると言う公約を掲げるトランプ氏が現れたわけです。

有権者には
1)普段政治に興味がないノンポリ
2)政治に熱心なサポーター
3)特別な思想はないが政治に精通し冷静に判断する層

に大別され、普段注目されるのは2)のサポーターですが、社会問題や地政学的リスクが高まると1)のノンポリ層が世論を傾斜させることがあります。

アメリカはかつてもそのように大きく方向性を変えることがありました。

新自由主義は小さな政府で市場経済の合理性によって取捨選択が進み、市場効率化で経済が成長するという政治秩序でした。

しかしそれ以前はケインズ主義のニューディール政策に代表されるような政府やテクノクラートが市場をコントロールし経済を安定化させることが求められていました。

それ以前は自由主義として富める者が世界を動かす市場優先の経済体制で、それぞれの時代に繁栄と混乱がもたらされ、その度に大きく振れた振り子が揺り戻すように政治秩序が書き換えられてきました。

そういう文脈で見れば、今回並み居るビッグテックがこぞってトランプ氏に恭順の意を示し、ビジネスで恩恵を得よう、少なくとも邪魔建てされる事だけは避けようとした事も、時代の大転換を迎えているのだな、と思うのでした。


経済で言えば、トランプ氏は隣国メキシコやカナダがアメリカの産業を奪っているとして2月より25%追加関税を掛ける構えともいわれています。

有利な条件を引き出すためのブラフではなく本当にそうするかもしれませんが、今、アメリカでは追加関税や中国への関税を前に、駆け込み需要やそれを見越した在庫の積み増しが行われて経済はさらに強くなっているようです。

そうするとインフレの再発やFF金利引き下げの先送り観測、また追加関税が実施されれば実体経済への悪影響で今年後半は株価が軟調になると懸念されています。

そうなった時、はけ口としてかつて日米半導体協定で日本に外国産半導体の使用比率を20%以上にすると言う数値目標を飲ませた成功体験を自動車産業でも仕掛けられるかもしれません。


軍事面ではトランプ氏は本気でNATOや韓国、日本や台湾までアメリカの軍事力に「タダ乗り」しているとしてフリーライダーは許さないという考えのようで、海外派遣の米軍の縮小や各国軍事費負担の引き上げを求められるなど、日本も無関係ではいられないでしょう。

ウクライナについても支援の縮小や停止になればもやは欧州だけでロシアに対峙するのは限界点を迎えるのが早まり、国土割譲など屈辱的な「停戦」が現実になれば、アメリカは手を出さないと見て取った国々が世界各地で紛争を起こすようになるかもしれません。

それがアメリカに無関係な土地ならともかく、見過ごせない地域で起きた場合、いったん起こった紛争を手じまいさせるコストがどれだけになるかはウクライナや中東情勢の苦労を見れば一目瞭然であります。

それが日本に降りかからないとも限りませんので防衛関係者もトランプ氏の口から東アジア情勢で確固たる言質がないままではなかなか落ち着けないでしょう。

厄介なことに日本はアメリカと同時に中国、ロシア、北朝鮮といった国も同時に視野に入れておかなければなりません。

全く厄介な時代になったものだとため息をつく毎日です。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2025/01/26 20:35:47

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パパンダさん

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