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ウクライナ情勢が非常に気になる日々です。

NATO諸国を中心にウクライナへの軍事物資の支援が連日到着し、アメリカからもポーランドなどに数千人規模の戦闘部隊を移動させ始めています。
しかし、それらはロシアの侵攻に対応するため、というよりもウクライナから周辺国に侵入するのを阻止するように取り囲んでいるだけにも見えます。

ロシアはウクライナ国境付近に軍隊だけでなく治安警備部隊などの車両も展開し始めている事から、西側の返答次第では見せかけだけでなく実際に侵攻する想定とも取れます。
もしロシアがウクライナに侵攻すれば確実に原油はじめＬＮＧなどエネルギー資源価格が高騰する事は明白です。

それを見越してか先日もアメリカ政府から日本や韓国にＬＮＧを欧州に融通できないか打診があったとの事です。

ＬＮＧ（液化天然ガス）はその性質上、長期貯蔵に不向きであり、常に需要見込み量を調達してきた日本の備蓄は僅かに二週間分であり、コロナ禍の海運物流の混乱を考えると他国に融通する余力は無いでしょう。

これまで散々脱炭素として化石燃料を槍玉にあげておいて、いざエネルギー不足となったら他国の原発由来の電気やＬＮＧをアテにするドイツなどは呆れられてイソップ寓話の「アリとキリギリス」のキリギリスと揶揄されています。

エネルギー資源を巡って国家戦争に発展した事は特に近現代史を見れば何度も繰り返されて来た事です。

国家の命脈の根幹をなすエネルギー資源についてはその時々の流行りで軽々しく扱うこと無くよくよく慎重で有らねばならないという教訓であるでしょう。

原油価格は地域紛争や戦争などで短期的に高騰しますが、直近の原油価格はコロナ禍による石油需要の低下を見越した減産の動きによるところが大きいのですがOPECプラスなどの産油国が「脱炭素」の煽りで新たな油井開発のための融資を受けられなくなっており、増産に応じる能力が低下しているとの見方があります。

またこれまで原油価格のバッファー的な役割を果たしてきたシェールオイルも採掘しやすい場所は開発されつくし、産出量も増えない事からこれまで程は価格高騰を吸収できなくなってきつつあるようです。

一方で世界で使用されるエネルギーは増加する一方であり、内訳としては自動車の保有率に呼応するように輸送（移動）に関わる消費が増大し続けています。

■資源エネルギー庁　エネルギー需給の概要
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2020html/2-2-1.html

この需要は原油を使用しなくなったとしても何れかのエネルギーで補う必要があります。

しかしこれを融通してくれる親切な友人はどこからも現れないでしょう。