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2022年05月29日 イイね!

戦争とは何か

ロシアのウクライナ侵攻を機に、日本でも防衛費についての議論が理念と言うよりは現実的な問題として取り上げられるようになりました。

「戦争」とは何でしょうか。

軍隊と軍隊が戦場で交戦する、こんな事がイメージされるかと思いますが、ウクライナ侵攻のような主権国家間の戦闘行為に留まらず戦争の形態は多様な物になります。

近年は核戦力による「恐怖の均衡」により全面戦争や国家総力戦の危機は遠ざかっていましたが、逆に戦争と言う程の規模にはならない「低強度紛争」ばかりが問題視されてきましたのでロシアのウクライナ侵攻は「軍縮」が進められ、戦争の脅威が遠ざかっていたと思われていたヨーロッパに激震が走り、中立政策を取っていた北欧諸国もNATO加盟を申請する事態になりました。

「戦争論」を著したカール・フォン・クラウゼヴィッツに言わせると、戦争と言うのは国家と国家の暴力のぶつかり合い、といった定義になり「低強度紛争」などは戦争とは呼ばれません。

クラウゼヴィッツは18世紀、プロイセン王国やロシア帝国でナポレオンと戦った軍人で同時代の軍略などを体系付け、近代戦争の概念を確立した一人として「孫子」と並び称される傑物です。

プーチンの軍略もクラウゼヴィッツの体系の範疇から出るものではありません。

クラウゼヴィッツは戦争を政治現象の観点から分析しましたが、戦争を構成するのは「国家」「政治」「国民」であると規定しました。

この視点で見ると反戦運動もこの範疇で行われている事が分かります。

そもそもクラウゼヴィッツ以前の戦争は限定的なチェスのゲームのようなものでした。
いかにして戦費の範囲で相手の領地を切り取るか、或いは捕らえた敵の王族や有力な騎士の身代金請求などが行われていました。

これらは騎士道精神などの規範の範疇ではありましたが、戦争を起こすのは王だけに認められた権利であり、市民が武器を取る事はそもおそも御法度で厳しく処罰されました。

従って戦場で騎士に付き従って世話をする従者は戦闘行為の対象とは見做されませんでした。(武器を取った場合、直ちに処刑)

中世、或いは古代において国の大小の違いはありましたが、概ね戦争はこんな感覚で見られていました。

ところがフランスで起きた革命では王族の私兵や傭兵を市民革命軍が打ち破った事は画期的であり、国家や戦争の在り方を変えてしまいました。

それまで王の権威の象徴であった「国」は市民の代表によって運営されるようになり、国家の名の下に徴兵制が敷かれ、国民が国家のために武器を取るという近代国家である国民国家が出現したのです。

従って「戦争」は国家が政治の下に国民の協力で行うものになりました。

またこの時期において、手持ち武器からもっと威力のある投射武器に進化した事や(弓兵は長く卑怯者と見做されていた)市民にまで戦争行為が及ぶようになったため、ハーグ交戦規定や国際人道条約などの戦争についての規定が多く策定されました。

それは戦争の当事者である国民が攻撃の目標にされた事と関係しており、また国王の意志で開戦、終戦が決められてきたものに代わる新たな制度が必要となってきた事に依るようです。

もっとも、これらの人道に関わる規定は現代の戦争においても多くが破られています。

このように戦争というものは「国家」と共に世界中に普及しました。

大きな敗戦を経験した日本では特に「国家」や「戦争」について拒絶する動きが見られますが、個人の権利を守っているのは国家という枠組みになります。

「俺は国家に縛られないぜ。好きなように自由にやるぜ」といってみた所で外国に行く事すらできず、もっぱらその国内で強がっているに過ぎません。

外国では「独立国」を宣言する変わり者もいますが、もし真面目にやるなら全ての国と新しい取り決めをして、取引に関わる条約のような約束事を策定し、自分で自分の安全を確保する必要がありますが、それがいかに非現実的な事であるかは分かるかと思います。

それだけに国家の主権は尊重されるものであり、それを担保する実力である軍隊は必要であり、平和を維持する努力は絶え間なく続けられるべきものであるかと思います。
Posted at 2022/05/29 14:29:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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