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半国営企業になってから久しく元気の無かったALFA ROMEOですが創業１００周年を向かえ、何かと元気が良い昨今、同社と縁が深いコーチビルダー、カロッツェリアZagatoの９０周年コラボレ－ションモデルとして市販されることが決まったTZ3の2号車が日本に輸入され、お披露目になったという事で早速カメラをかついで出かけてきました。

青山にクルマ関係で出かけるのはAudi Forum Tokyoに"ローゼマイヤー"の取材に行ったのに続いて二度目となります。

Welcomes TZ3 Stradale to Japan 「ART & DESIGN」

場所は南青山のCoSTUME NATIONAL青山コンプレックス

そもそも何故デザイナーズブランドとのコラボなのかと思ったら今回、TZ3の内装デザインを担当したからだそうです。

これまでもドゥカティとコラボでアパレル展開したり、限定モデルをデザインしたりと、そちら方面にも縁が深いようです。

今回、快く撮影を勧めてくれたハウスマヌカン（死語？）もこちらもご覧になってください、とドアやテールゲイトなどを開けてくれたので随分堪能する事が出来ました。

TZ3"ストラダーレ"はドイツ人コレクター氏がレースに出場するためにかつての名車TZ2を模して造らせたレーシングカーTZ3"コルサ"の市販バージョンで世界限定9台という本家TZよりも希少な車です。

ほとんどワンオフの世界。

ストラダーレのベースはダッヂ・ヴァイパーACRだそうで、取材前に見ていた写真では確かにヴァイパーの面影が色濃く出ていて心配だったのですが、実物は8Cコンペティツィオーネにも通じるエクステリアがよりロー＆ワイド感を強調し、コルサよりも大きく開いたボンネットのエアアウトレットスクープがただならぬ雰囲気を醸し出しています。

そもそも市販バージョンである"ストラダーレ"なのに本家"コルサ"よりも高出力に設定されているのがなんともおかしいです。

このTZ3、TZ2を知る人には見覚えのあるホイール、車体後部の乱流を断ち切り最高速度の向上に貢献するコーダ・トロンカなど特徴的なエクステリアをうまく現代風にアレンジ、というか造り直したような印象を受けます。

インテリアは華美な装飾が殆ど無く、サイドステップの控えめな銘板も好印象。ステアリングを握る者に無駄な緊張感を与えず、かつクルマの持つスパルタンな一面をうまく演出していると思います。

エンジンに火が入ればまた別の印象を受けるのかもしれませんが、それは世界の選ばれた９人だけの特権でしょう。

近年、各自動車メーカーがかつでの自社の名車に回帰する動きがありましたが、こちらはビジネスなんかまるで考えていない、意地で造ったモデルというのがなんともALFA ROMEOらしく、ことこのTZ3シリーズは生産台数こそ少なく、いずれもショーカーという趣ですが、非常に好感が持てます。

青山という場所柄もそうだけど、ずいぶん浮世離れした話しだなぁ、と思ったのですが、よく考えてみればかつてのレースはクルマ好きやスピード狂が集まり、機械工作のセンスがある者が後のエンジン屋、レーシングカーコンストラクターになったり、速い者はやがて自分のチームを持ったり歴史的な名車にその名を残したり、といったふうにしてきたもの。現代のように企業ベースでビジネスライクにすすんでしまう方が余程浮世離れしてると思いながら帰りの電車に揺られたのでした。

展示は9/17日までだそうです。
今後もどこかのショーでお目にかかれるかもしれませんが、見てみたいという方はこの機会にぜひ。