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■＜燃料電池車＞トヨタ流で主導権…特許無償提供
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150106-00000093-mai-bus_all

トヨタ自動車が燃料電池車普及のために保有する燃料電池関連の特許５０００件以上を無償で提供すると発表がありました。

もちろん商売ですから裏がある訳で、立ち遅れている燃料電池車環境に各社を呼び込んで活性化したいという思惑があります。

また、その際はトヨタ主導という形になりますのでアドバンテージを見込める訳です。

ライバルメーカーにしても特許回避の自社研究をせずにキャッチアップして立ち上げからトヨタの独占をけん制する事が出来ます。

ユーザーにとってもトヨタのＭＩＲＡＩ以外の選択肢が出現する可能性が高まり、量産効果と競争原理により燃料電池車がよりいっそう現実的なものになります。

資源輸入国である日本としても国際情勢に左右される原油価格に影響されない燃料を普及させる事は悲願でもあるはずです。

しかし、現時点でネックになるのはやはり価格でしょう。
トヨタのＭＩＲＡＩは７２０万円、政府の補助金を入れでも５２０万円以上します。

「燃料」である水素を補充する水素ステーションが全国に数えるほどしかなく、実質的な航続距離が日帰り圏内に制限されてしまうことを考えると、水素ステーションを「独占」できるとしても今慌てて買う理由はありません。

そして、肝心の水素が思ったよりも高いのです。

トヨタのＭＩＲＡＩの場合、水素タンクに約１２２．４Ｌの液体水素が充填できるそうですが、水素供給元の日石が１ｋｇ１０００円、イワタニが１１００円をい予定しているとの発表がありましたので、満充填には８０００円以上かかる計算であり、航続距離は６５０ｋｍといわれていますので１ｋｍにつき１２円掛かります。

リッター２０ｋｍ走るＨＶを想定するとレギュラーガソリン１Ｌ１４０円であれば１ｋｍあたり７円です。

これは水素がボッたくってるのではなく、元々工業用の水素は安くは無いので１ｋｇ１０００円という価格設定も実は赤字価格だそうです。
（赤字だが出る量が少ないので将来の普及のための投資だという事です）

ガソリンスタンド一軒１億円掛かると言われているところ、水素ステーションの建設には５億円掛かるというのも一気に普及しない要因となっており、今のところ燃料電池車は生活にゆとりがあり環境意識が高い人にしか売れませんがトヨタとしてもライバル他社が参入してくれることで普及に弾みをつけたいようです。

しかし、こういうのは民間企業だけではいかんともしがたいものがありますので、例えば国が将来埋蔵量が減少し価格が反比例で上昇して行く事が確実な石油資源から脱却する柱の一つに掲げ２０２０年の東京五輪までの燃料電池普及率を具体的な数値で掲げて補助金などの優遇政策で誘導するような事があってもよいのではないでしょうか。