
PMC・S主催の本庄サーキット トライアルR1に参加してきました。
歴史あるクラブですが運営はどうでしょうか。
常連も多くアットホームな雰囲気ですがインフォーメーションが少なく、駐車案内も出ないし参加者でもないような人が昼食のカレーか焼きそばどちらか選ぶのを両持って行ってしまい最後の方は参加者の分が不足していました。一応お金払って来てるんですけどね。
あと主催者のゲストだろうゼッケンを付けていない車が走っているのもどうかと思います。
有名なショップとか有名な人なのかもしれないけど、そのために参加費を払ってあげてる訳でもないんで。
主催者の身内にはいいですけど自分みたいな一匹狼は歓迎されてないのかも。
さて、走行の方は45分の練習走行後、二本のタイム計測、そしてクローズまで練習走行という感じです。
前回参加した時にはかなり本気組の人も多く、練習走行でコースインするのも躊躇われた程ですが、今回は表彰常連の速い人が何人かいるくらいでしょうか。台数も少なかったようです。
前日までは雨で、本庄サーキットに到着しても今にも降り出しそうな曇り空でしたが、走行開始時間までには完全にピーカンで暑い位でした。
車両の方は、前回クロスミッションに換装してギア比が合わなくなって走りにくかったのはそのままですが、4年落ちのRE11をディレッツァII☆に交換しました。それでTC2000では2.4秒短縮しましたが今回はどうでしょうか。
どうしても回転数がドロップしてしまうのでピークパワーのみを追求するのではなくバルブタイミングを変更して低中速トルクの方に振っています。
そして前回のTC2000で投入を見送ったレーシングプラグNGK R7376-8を投入しました。
吹け上りが軽くなったのですが、これにより減速比の大きい1速へもブリッピングがやりやすくなりました。
またブレーキングジャダーの原因追求のため、フロントのバンプラバーを10ミリほどカットしています。
空気圧はピークで2.3kmf/cm2になるように調整しました。
走り始めるとかなり走りやすくCPを狙えます。ただ、本庄を攻略しきれていないので進入が定まりません。
ブレーキングジャダーはまだ出ますがかなり改善しているようで進入自体に集中できました。
タイムは後半練習走行の15ラップにこの日のベスト51秒2が出ました。
ただサーキットのトランスポンダと車載のデータロガーでは0.26秒も違っています。ゴールラインの設定のためにしても誤差が大きすぎます。
とにかくこの周回とこれまでの自己ベスト51秒6のログを比較してみます。
濃いラインが今回、薄い色がこれまでのベストです。
スタートラインから1コーナーまで。
ここは全体で一番車速度が乗る区間でクロスミッション換装前は3速6000rpm、110km/hで今回よりも先行していました。
今回はここれ3速5700rpmでしたがブレーキング開始を遅らせているので112km/hほど出ていました。
しかし前回は1コーナーの旋回を失敗しています。奇跡的にフロントの抜重とステアリングがシンクロしてカックンと旋回しており、ミスは最小限でリカバリーできています。
ただし、最小スピードは今回の方が13km/hほど上回る51km/hでした。
2コーナーから3コーナまで

今回上手くまとめた1コーナーでしたが、2コーナーの立ち上がりから3コーナーまでで前回ベストに逆転されています。
前回は3速にシフトアップするまでが7500rpm近く回っていますが、今回は2速で引っ張って7200rpmまででした。最終速はどちらも103km/h。
ただし4コーナーまでの減速で逆転しています。これはブレーキングジャダーが出なくて制動が上手くいったためでしょうか。
今回はここで1速まで落としております。
LSDと新タイヤの効果でリアが流れそうなを堪えつつバランスが崩れたのを向き変えに利用した格好でいい感じでした。
そのため4コーナーでは殆ど並んでいます。
旋回のボトムスピードは前回ベストの方が数キロ速い39km/hでしたが、立ち上がりは1速で引っ張る今回の方が加速は速く、2速に5000rpmで繋いでいるのでシフトによるロスよりパワーバンドを使えているメリットが際立っています。ひょっとしたらバルタイをトルクに振っている効果が出ているのかもしれません。
0.5台分ほどリードしたままS字から第2(?)ヘアピンを通過します。
差は広がりませんが、今回の方が小回りでクリッピングを取れています。これはタイヤの恩恵でしょう。
第2(?)ヘアピンの立ち上がりからシケインで差が1.5台分ほどに広がっていきます。
エンジン回転も最終速も前回ベストの方が高いのですが、それは今回、ちょっとここの通過方法を変えています。
前回は各コーナーのCPを最短で結ぶようなイメージでしたが、今回はシケイン立ち上がりに無理をするようなライン取りをしています。
この区間でいえば全体的に奥にシフトしたような感じでしょうか。
ただし、ここの立ち上がりはアンダーパワー車であっても加重のテンポが悪いとすっ飛んでノリ面やコースを出る所のバリアに突っ込んでしまうリスクが高いのでアクセルを抜いたりしています。
それは全て最終コーナーへのアプローチをテンポ良くするためのお膳立てで実際、ゴールライン通過時は3km/hほど速く、しかも加速が良くなっています。
これが全体的な印象ですが、とにかくタイヤのインフォメーションが豊富でかっつ破綻しそうな気もしないのでタイヤのグリップに頼った少し無茶な走り方をしています。
ただしブレーキングは安定したのでハンドルをこじったりする曲がり方ではなく、加重変化させつつのLSDを効かせた曲がり方になっています。
今まではこれをやろうとするとお釣りを貰って盛大にタコ踊りになっていたのですが、アクセルオンのままでいけた感じです。
ただやはり車体全体としての限界は低いので現代の車と同じ走りが出来るかと言えば疑問です。
この年代の車は立ち上がりでフロントがインリフトしている写真があります。
参考画像
およそ現代のセオリーからはかけ離れていますが、当事はとにかくパワーを掛けて流れるタイヤをどうにかしてやらなきゃいけない、という命題がありました。
このため、リアのスプリングレートは出来るだけ柔らかく、かつストロークを持たせ、またフロントはキャンバー変化を嫌ってスプリングレートとスタビの剛性を高めています。
結果としてコーナーの立ち上がりでパワーを掛けるとインリフトするのですが、この車の設計思想がそうだから仕方ありません。
実は今回、それを裏付けるかのようなデータが取れました。
前回のTC2000から走行直後のタイヤのトレッド面の表面温度を記録しています。
それによると今回は、
FL FR
外66.7 56.5 45.5内 内49.8 48.7 44.6外
RL RR
外53.1 55.4 45.4内 内41.9 46.9 39.8外
となっており、時計回りのレイアウトで左側のショルダーに一番負荷が掛かっているのですが、右側は前後ともイン側のショルダー(?)が一番加熱しておりました。
これはTC2000では見られないもので、これだけでもツクバと本庄は足回りのセッティングを違えてやる必要があると分かります。
どっちがどうなのか、というのはもう少し分析してみる必要があります。
なんにしても本庄はインフィールドセクションで細かくタイムを積み重ねる事が可能なので、なんとなく本庄のアンダーパワーなりの攻略が垣間見えた気がします。