気仙沼滞在何日目か分からなくなってきました。
5月4日。
この日はまさに五月晴れという穏やかな一日でした。
朝からどこからか祭囃子のような太鼓と笛の音が聞こえてきます。
自分が気仙沼に購入した中古住宅の近所には高校の同級生の家があるのでずっと気になっていました。
彼の家は神社の境内にほど近い場所だったと記憶しています。
神社の祭りの見物がてら近所の生活圏とは逆の普段行かない側を散策してみることにします。
といってもすぐ裏手は数十秒歩けば山ですし地図で見ると神社が三つもあります。
出掛ける準備をしている間にお囃子も止んでしまいました。
とりあえずスマホの地図アプリを参考に歩いて行きます。
最悪迷っても下れば市街地のどこかには出ます。
高校の頃までは自転車で採掘現場とか火葬場とかあちこち分け入ったものですが、こういう探索は車だと行動範囲こそ広がりましたがしませんね。
すぐ車も通らないような林道のような様相になりとりあえず地図の示す神社に降りてみました。
神社と言うか小さな祠?しかも誰かの家の裏です。
ここじゃないな、と林道に復帰して山奥へ。
地図では既に道はなくなっていますが、海や市役所が木立の間から見えるので方角は分かります。
開けた所に出ると道標が立っていました。
やや、どうもここから安波山に行けるようです。
山と言っても英語で言えばHill、標高239mですが、地元の学校の校歌にも出て来る山で東日本大震災の時、ロケ中だったお笑いコンビ、サンドウィッチマン一行が避難した所です。
どうもこの一帯は鉄道防備林として整備されている他、水道事業所の名前もあるので水源があるのかも。
この開けた場所は公園のようになっています。
ただし車では入って来られませんし人影もありません。
いろいろ見て回るとここは赤岩城跡との事でした。
ただし城と言っても立派な城壁や回廊、天守閣などは無い、天然の地形を利用した土塁で堀や物見櫓があったくらいだと思われます。
気仙沼には他にも新庄城、築館城、陣山館といった現在にも地名を遺す山城が30近くあり今でこそ漁業中心の港町として知られていますが、平安の時代には陸奥の軍事拠点の一つだったと思われます。
そんな事に思いを馳せながら下っていくと気仙沼湾が見えてきました。
ここも整備された道ではなく、誰かの私有地のようで、おもいっきり民家の前を通って降ってもう一つの神社に着きました。
ここも記憶の中の神社とは違います。
山道を引き返すのも億劫になってそのまま市街地に降ります。
ここらへんは港に面した古い商家などがあったあたりですが、津波にさらわれて未だに槌音が響いています。
8年経った今でもこんな感じ。
でも気仙沼は被害を考えたら比較的復興が進んでいる方。
ウチも親から相続した宅地は新しい番地の区画割りの通知が来ました。
こんな感じで湾を堤防で囲ってしまうようです。
ただし一部地域は建設に反対しているため、あの規模の津波が来たら市街地は浸水する事になっています。
ここまで歩いてきたので、そのまま五十鈴神社にお参りします。
この神社は気仙沼湾口に突き出すようにして建っている関係もあって、漁業の安泰を祈願する神社です。
ただし石碑を見ると軍関係も多い。
といっても海軍ではなく、陸軍歩兵第なんちゃら連隊どうこうと陸軍関係ばかり。
しかも大半が昭和五年とか戦前に奉納されたものです。
東北出身の兵隊は粘り強いだろうという事で太平洋戦争中は南方の激戦地に優先的に回されたそうで、その殆どは玉砕したり乗っていた輸送船が撃沈されて大勢が非業の最期を遂げたようで寺に行けばそういった鎮魂碑が見られます。
ちなみに母方の爺さんは中国戦線で砲弾の破片だか銃弾を受けて帰国し除隊して、あれこれあって自分が生まれてくることになりました。
父方の方はもう連絡もつきませんが、旧軍の少佐だか中佐だか士官だったとか言ってたような気がします。
神社から海側に降りると浮橋を伸ばした浮見堂があったのですがここも震災直後に来ていますがその当時からすると漂着物が片付け荒れれている程度で未だに再建されておりません。
いわゆる気仙沼っぽい風景。
この日はGWという事もあって先月開通した大島大橋観光ついいでか観光客らでにぎわっている様子でした。
いつもこうならいいんだけどねぇ。
さて、てくてく歩いて晩のご飯などを買い込んで自宅に戻り、メモを入れていた近所の世話焼きの人の家に行きます。
ここらへん一帯の下水が壊れてるから大雨で斜面が土砂崩れになると思い不安で眠れない、と何度も言ってきてた人です。
神経症を患っているとかで少々大げさではありますが、まぁ放置するわけにもいきませんし留守の間、ウチの敷地の草むしりや側溝の掃除をしてくれているので無下にも出来ません。
で、ウチの排水管が地震で壊れて水が流れてないと言うので、東京から持参したUSBカメラを入れてみましたが言うように管が破断してるとかは見られませんでした。
その代わり、コンクリート桝に穴が開いていてそこから水漏れしているのを発見。
まぁとりあえず状態が分かったので安心した様子でした。
5月5日。
どうも月曜には天気が崩れるという事でしたので、今日東京に戻る事にしました。
その前に、昨日見つけた桝の応急修理をしておきます。
直すつもりでよく見るとU字溝やパイプの下がえぐれてけっこう大きな穴が開いています。
どうも桝を設置した時の下側のコンクリートが水に浸食される事を考えていな粗目のコンクリートで水流で削られたようでした。
ここにモルタルをいれてもすぐに剥がれてしまう事は目に見えています。
完全に止水するのはここを破壊して作り直す事になりますが、そういう時間も無いので水回りの隙間充填パテを買って来て穴を塞いてみました。
台風のような大雨の水流だと持たないかもしれませんが普通の雨位なら大丈夫でしょう。
早めの晩飯を食べて、昼間部屋の掃除がてらやっていた荷造りした荷物を車に積み込みます。
19時出発。
渋滞予想では今日が戻りの渋滞のピークと言っていましたが行楽目的の人出は日没を目途に動いていると踏んで前倒しましたが、これが正解でした。
結局、気仙沼を出発してから東京の自宅に着くまで、全く、ただの一回も渋滞に捉まりませんでした。(ただし追い越し中は随分煽られました)
近年、ここまで順調だった事は記憶はありません。
しかも10連休ですから世間の裏をかく読みは大当たりでした。
自宅には6時間後の深夜1時に到着。
高速燃費は90km/h巡航で22.5km/L(タイヤ補正23.6km/L)
前半は親戚回り、中盤は体調を崩し、やっと天気に恵まれたら近所のクレーム対応ばかりの連休でした。
連休突入前にジョギングの精度向上のために買ったランニングウオッチですが、スマホと連携していろいろ見られます。
気仙沼滞在中、たいした事してないのに体重減少。
そして睡眠崩壊(笑
私は明日、出社できるでしょうか(笑
