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quadrifogliospaのブログ一覧

2022年03月30日 イイね!

世界は脆弱になっているのか

アカデミー賞の授賞式でウィル・スミス氏が司会のクリス・ロック氏を平手打ちした件が報じられ様々な方面に波紋が広がっています。

ロック氏は同席していたスミス氏の妻ジェイダ・ピンケット・スミスさんの髪形を揶揄した「ジョーク」を発したとされ、以前から病気のため短髪にしていたジェイダさんをバカにされた事が許せなかったようです。

この件が報じられると「スミスは家族の名誉の為に立ち上がった」と擁護する声もあれば「逮捕して罰するべき」という批判の声も上がりました。

中には「プロレス(やらせ)」という見方や「スミスが殴った事でロックだけが悪いいのではなくどっちもどっちという喧嘩両成敗に持ち込んだアドリブ力はさすが名優」といった声も見られました。

そしてやはり今後は「これは有色人種全体の差別問題」「スミスは古い男らしさに囚われている」というジェンダーなんとかのような広がりを見せ始めています。

アカデミー賞側はスミス氏の受賞を取り消すようですが、適切とは言えないジョークを飛ばした司会のロック氏に関しての声明は無いようです。

公人と言える立場で公式の場での暴力ですから批判されてしかるべきですが、平手で大怪我をさせた訳でもないし、家族を侮辱されたと感じての行動ですからある程度理解されても良いように感じました。

昭和の時代には殴り合いの大喧嘩をした後で親友になったりといった話もあったように思いますが平成、そして令和の時代ではいかなる理由があっても暴力は絶対に悪である、という風潮になるようです。


Twitterで長文を連投する癖がある某コメンテーター氏は、最近徹底抗戦をうったえる在日ウクライナの著名人らに絡みにいってその姿勢を批判しています。

「紛争は政治(話し合い)で解決すべきで侵攻を受けたウクライナが交戦を続けているから市民の被害が出続けている。侵攻を受け入れ、難民になってプーチンが死んだら国を取り戻せばいい。安全な日本から交戦を煽るのは無責任」というお花畑丸出し論を展開し、ゼレンスキー氏が停戦の交渉について中立化やドンバス地方の扱いに言及したと報じられると「そらみたことか」と市民や兵士らの犠牲が無駄であったと強調しています。

どこから突っ込んでいいやらツッコミどころ満載ですが、まず在日ウクライナ人は連日のように母国の家族などウクライナ人や政府機関とも話をしているのですから「ウクライナ人の声」を代弁している者で、彼らに完全に安全な日本人がご高説を垂れる時点で笑止なのですが、ソビエト時代から指導者が交代した事によって奪われた領地が返ってきた事があったでしょうか?
彼らも北方領土の一島も取り返せていない戦後の日本人に言われたくないでしょう。

また難民になってしまうと権利や生活の基盤が奪われて国を取り返すどころではなく生活に窮する事になります。
ウクライナという国があるからこそ各国が支援の動きがあるのですから大国に隣接する地図から消えた国の為に動く国があるとは思えませんので完全に絵空事と言えるでしょう。

国を失えばもうオブザーバー(傍聴者)としてくらいしか国連にも関与できず、国際社会から切り離されれば過激思想に流れテロに走る者が存在感を増すので国を明け渡し難民化することが何らの解決策にもならないどころか永遠に終わらない紛争の火種を巻く事にしかならないのは歴史が証明しています。

そして停戦交渉に持ち込んだのはウクライナが必死の抵抗をしてロシアの思惑通りにならなくなったからに他ならず、最初から降伏していたら条件闘争にすらならなず、ロシア軍占領地を見れば分かるように住民が連行されたり市長が拉致されている事を「お話合い」でどうやって立ち向かえると言うのでしょうか。

恐らくコメンテーター氏は有事に際して日本人が「日本国」の下に一致団結して立ち向かう意気地を挫きたい、或いは「国家」こそが諸悪の元凶であり、自分の信じるイデオロギーこそ至高であるなど他に意図がある為にウクライナ批判を展開しているではないかと邪推しますが、権利と言うのは実力を伴わなければ維持できないという現実から目を逸らしたいのが本音でしょう。

ところがこのお花畑論も一定数の支持を得ています。

これらの事からとにかくどんな種類の暴力も正当性があろうとも行使すれば絶対悪、という論調が増えて来たように感じます。

一部は左翼活動に通底した動きではありますが、世の中がそのように変質したのかもしれません。

かつて、いくつかのインカやケルトなど古代文明では天災や飢饉の責任を王に負わせて神への捧げものとして生贄にして退位させる風習があったようです。

現代的な感覚では到底受け入れなられない非科学的なものですが、当時を生きていた人たちにとってはそれが世の中の習わしであった訳ですが、もはやその価値観に後戻りすることは出来ないでしょう。

それと同じようにいかなる暴力も否定され、やられ損であっても反撃を許されないというように変質した社会に適応していくしかないのかもしれません。
Posted at 2022/03/30 13:57:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年03月28日 イイね!

日本の軍事力の実力は?

ロシアのウクライナ侵攻から一か月余。

当初は一週間程度で主要都市の大部分が陥落し、ゼレンスキー政権が海外亡命して親ロシアの傀儡政権が打ち建てられ、摩擦を恐れた西側もそれで手打ちとなると見られていましたが、ウクライナ側の善戦によりロシアの目論見はお預けとなっております。

これは西側からの対戦車ミサイルや対空ミサイル供与によってロシア軍が計画していた進軍を阻まれているためと見られます。

このため部隊への補給などが滞り停滞していたロシア軍ですが、進駐した場所に防御陣地を構築するなど長期戦を視野に入れているようです。

一方でロシアの対ドイツ戦勝記念日である5月9日までに成果を出す必要があり、強硬手段に出るかもしれないと言う危惧が持ち上がっています。

ゼレンスキー政権は停戦交渉で親ロシア系住民の多い東部ドンバス地方の扱いやNATOへ距離を置く中立化など譲歩を検討しているとも伝えられています。

これはかつてフィンランドがソビエトの侵攻を受けて一定の譲歩をする事で独立を保った「冬戦争」「継続戦争」と似たような推移となり、極めて現実的な落としどころであろうと思います。

一方、日本でもロシアの暴挙で現実を突きつけられた格好で憲法9条の戦争抑止の効果や核武装論が言われるようになりました。

恐らく日本の防衛費も増額となるでしょう。

そうなるとよく「軍国主義復活」とか「侵略の野望が露に」とか言うどこかの国言い分を代弁する新聞もあるでしょうけど、その度に笑ってしまいます。

自衛隊の正面装備は「ミニアメリカ」とも呼べるほどで対潜能力では太平洋と大西洋で二分割されるアメリカを凌ぎ太平洋地域随一とまで言われていますが、基本的には海外侵略する程の実力はありません。

何故なら、外国に軍隊を送り込む能力が無いからです。

敵基地攻撃能力云々も敵基地を攻撃したところで外国から領地を切り取る事は出来ないでしょう。

更に日本の戦争をする実力でもある継戦能力について見れば、弾薬や燃料の備蓄から算出すると陸上自衛隊で二週間、航空自衛隊は100ソーティ(出撃できる回数)、海上自衛隊も7海戦程度の能力しかありません。

更に基地を設営したり進軍を支える施設科の能力からも海外に大規模な前線基地を構築する能力が低い事が伺われます。

これは日本の防衛力と言うのは基本的にはアメリカが加勢に来るまで1週間から2週間程度持ち堪える最低限の専守防衛の為の実力しか持っていないと言う事に他なりません。

これが日本が攻撃を受けた場合、兵器や基地の破壊とともに各基地間を結ぶ道路や空港が破壊される事を考えるとその能力は更に低下することが予想されます。

補給の重要性はロシアがウクライナで燃料切れになった無傷の戦闘車両を多数放棄し、ウクライナ軍によって捕獲され再利用されている事からも、どんなに性能の高い兵器を揃えても燃料か弾薬の一方でも尽きれば用をなさないと言う事が分かります。
(余談ですがウクライナ側は70輌程の主力戦車を失いながらもロシア側の放棄した戦車100輌以上を捕獲してかえって増強されたと言われています)

また「日本が再び変な気を起こしても戦争を始めないように軍事力を持たなければいい」という論調も、ソ連邦崩壊後に独立したウクライナがロシアと友好関係なら戦力を放棄して構わないと軽武装への道を歩んでいた事で結果的にロシアからの侵攻を阻止できず、結局は戦争を避ける事が出来なかったように戦争には常に「相手方」がある事が不確定要素であると言う点を見落としています。

現に日本は周囲を専制独裁国家に囲まれた状況と言えます。

この状況で仮に日本が鉄砲の一つも持たなければ侵略する実力は無いという理屈でしょうが、力の空白は外から侵攻を呼び込み、さらにそこに新たな紛争が生まれる事になります。

いずれにしても「平和」は当たり前の状態ではなく、極めて脆く犠牲を払って維持しなくてはならないと言う現実に、日本がどうするべきなのかを問われていると言えるでしょう。
Posted at 2022/03/28 20:01:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年03月22日 イイね!

今回の東日本電力危機

一難去ってまた一難。
地震の次は電力危機。脱化石燃料依存だの再エネ推進などと言っていられる余裕がない事が明らかになりました。

一応、自分はリモート勤務なので早めに仕事を切り上げて電気を消して布団にくるまって11年前の東日本大震災直後にも同じことをしたものだと思い出しておりました。
前回の教訓からノートPCやスマホ、タブレットを強化して情報通信手段を強化しておりましたのでこのように筆を執った次第。

今回の東日本電力危機は、やはり11年前の東日本大震災時に構造が似ているとの事。

震災では関東近隣の大型電源が損傷したため、相次いで停止して電力がひっ迫したものでしたが、今回は夏の本格需要前の定期点検で停止していた発電所が多く、季節外れの寒波による首都圏の電力需要が急増して危機になったとの事。

今回は夜間などの電力需要の少ない時間帯に水力発電用水を汲み上げておく「揚水発電」を切り崩して需要増に対応してなんとかしのいでいるようです。

ただ、この揚水発電も一晩では100%の満水にすることは出来ず(一説には一晩で20%程度)明日以降も寒波は続く見込みですので全く予断を許さない状況が続くようです。

今回の電力危機を原発再稼働の世論を作るための「ヤラセ」といううがった見方をする人も相変わらずいるようですが、あらゆる方法で停電を回避しようとしている電力マンに対して可也失礼ではないかと思います。(陰謀論は本当に何をするにも邪魔にしかならない)

当面の危機をしのぐのには現在停止している原発を再稼働させるのは有効です。

原発はその性質上、発電を停止していようが原子炉の燃料棒の管理はしなければならず、停止中はリスクが減る訳でもないし運転している方がかえって適切に管理できるという話もあります。

しかし根本的な原因は電源構成比というよりも日本のぜい弱な電力網そのものにあるといえると思います。

よく知られている話として西日本と東日本で電気の周波数が違っているため、電力危機に際して東西間で電力の融通が出来ないという話があり、途中の変電所は発電所新設よりも安くできるのに未だに増強できていません。

一方で、分かれているからどちらかがダウンしても日本全体に停電被害が拡大しないで済んでいるという見方もあります。

さて、どちらが正しいのか。
おそらくどちらも真実を含んでいるでしょう。

何気に自然災害が多く度々電力危機に見舞われているアメリカでは「マイクログリッド」が推進されています。

これはいざという時にはバックアップ電源などを活用し全国電力網から切り離して独立して運用すると言う考え方です。

昨年の大寒波ではテキサス州だけが電力ダウンしましたが、州を支えるバックアップ電源が常備されていれば回避できたかもしれません。

またアメリカ軍は海外進出した前哨基地などは地元の事情に左右される事を嫌って、現地に依存しない基地独自の「マイクログリッド」を構築して独立性を担保しています。

こういった事を鑑みれば、
・喫緊の電力不足に対応する発電量の増加
・全国電力網の強化
・マイクログリッドのような地域電力網の強靭化

などが緊急で検討されるべきではないかと思います。

首都圏の電力危機は国家安全保障に直結する重要度の高い問題ですが果たして「事なかれ内閣」岸田君に今回の危機を乗り切って国を切り盛りするだけの胆力があるのか、それとも何もしなければ少なくとも「やったことの責任」は逃れることが出来き、不作為は「想定外」で済ませようと言う腹積もりなのか。

国のトップはその行動で国民を束ねもすれば不安に陥れもします。

国民への節電のお願いでお茶を濁す会見を経産大臣に任せているようでは何らの方策もたいした危機感も持っていないように思いますが、こういう頼りないのをトップに頂いている時に今以上の危機に見舞われない事を祈るばかりです。
Posted at 2022/03/22 22:50:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年03月21日 イイね!

気仙沼行 春のお彼岸

コロナ禍やウクライナ戦争というだけで充分なのに、東北でまた強い地震がありましたので様子を見に気仙沼に行っていました。

前回帰省したのが11月で年末年始にはコロナ禍の感染拡大のため、今年初の帰省となります。

今回は三回目のワクチン接種した後、ずっと調子が悪かった事もあって帰らないつもりだったのですが、急きょの帰省の必要性でPCR検査を受けようと思ったのですが、地震の翌日は定休日だったり結果が出るのに数日かかるところばかりで、あとは有料のものなどを利用かとなりますが、今回は間に合いそうもないので現地での行動を最小にすると言う事でとりあえず出発します。

地震の被害を受けた東北道は前倒しで仮復旧したのでそちらで行くしかありません。

ところが福島に入る辺りで出ていた冬タイヤ規制は念のために出ていたのではなく、本当に圧接凍結路面になっていました。


しかも出発した後に降っている雪の影響で規制区間が岩手県花巻のあたりまで伸びています。

冬前にスタッドレスタイヤに履き替えてからそのままだったので走れましたが、まぁ滑る事、他の車の電子制御が優れているのか50km/h以上になると安全に走れる気がしなかったので泉PAに入り地震の翌日気仙沼から仙台に行った友人に電話して道路を確認、太平洋沿いの三陸道にスイッチしました。

昨年開通してからよやく都内から気仙沼市内に直接乗り入れられました。


因みに高速燃費は0~4℃の雪道、冬タイヤで18.7km/Lでした。


到着は2時15分と予定より1時間遅れ。
被害状況の確認は翌朝にして寝ます。

翌土曜日。
仙台の親戚はタンスが倒れたとかで大変だったようでウチもどうなっているか心配しましたが、気仙沼は震度5弱だったこともあり一冬放置していた割に水道も電気も無事。

懸念されていた食器や仏壇も無事で東京の方が箱の落下などあり。


午後に風が弱まったのでお墓もチェックがてらお参り。


こちらは別の寺の伯父。


そして本家。


普段はコロナ禍もあってそのまま帰るところですが、さすがにコロナ禍から顔を出していないので本家にお線香だけあげて帰って来ました。

風が強く帰宅。

日中は日差しも暖かいのですが、夜間はやはり霜が降りてとても寒い。
東北はまだまだ冬です。



翌日曜。
昨日で用事は済んでしまっていたので、ゆっくりします。
外も昨日からの強風のままで屋外作業もできず。

道中でも余震とみられる強い地震がありましたが、テレビでは戦争だなんだと言っていても、寒い暑いと言ったところで暖かい布団で爆弾の心配もなく眠れるのは本当に幸せな事であると思います。


翌月曜。
東京に戻ります。

火の元、水回りを見て戸締りして出発。

来る度に空き地が増えているのが気になります。
高齢者世帯が施設に入る為、家財を処分しているのでしょう。

まぁウチも母から相続した土地は共有部分を買い取って合筆した以外は何もしていません。
今年から被災地で免除されていた税金も掛かって来るようです。


来る時ほどではありませんが福島のあたりはやはり天気が悪くなるようです。


途中、東北新幹線の高架と交差する辺りで先日の地震で脱線してい止まっている新幹線の緑と赤の編成が見えました。

こんなに近くだと思わなかったのでノーチェック。
ドラレコの解像度では視認できませんが座標は37.9814 140.6087。


東京で渋滞が始まる前に戻れるように出発しましたが、またこの先の事故で大きな渋滞が発生したようなのでPAに入って遅めの昼食。

スティルビオと2ショット。


PAを出た所からもう渋滞。


結局この渋滞が浦和料金所の前まで連なって予定より大幅に帰宅が遅くなりました。

高速燃費は外気温4~9℃で強風の中22.4km/L。


高速を降りた所のGSで給油&洗車して帰宅します。

なんとなく普段より疲れた感じで「平和」について考えさせられた三連休が終わってしまいました。

次はいつ帰省できるでしょうか。
Posted at 2022/03/21 22:33:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2022年03月15日 イイね!

新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛(並木書房)

新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛(並木書房)ウクライナーロシア戦争を機に日本でも核武装論が叫ばれるようになり、知識不足を補うべく購入した本。

以前は神田の古本屋街でこういった本も集めたのですが、もっぱら米ソ冷戦下の軍拡競争時代までで、最新のミサイル技術に関しては一般で出回っている程度しか知らない事に気が付きました。

シンクタンクの研究員が読むような一冊数万円もするような専門書では、恐らくその殆どを理解することが出来ない宝の持ち腐れになると思って指をくわえてみていました。

で、専ら情報を集めているSNSでウクライナ危機で情報を分析、発信していたハドソン研究所の村野将氏が目に留まりフォローしてきたのですが、氏をはじめ元防衛大臣森本敏氏や「丸の内OL」として知られる小泉悠氏らの共著として紹介されていたので手に取ってみました。

自分の知識量に丁度良かったようで、断片的に知っている知識や条約の交渉や決裂といったニュースくらいでしか知らなかった情勢の舞台裏で行われていた軍拡の駆け引きが語られており、それらがパズルのピースが嵌るように知識を補う度に、その現実に寒気がする本になっています。

INF条約というのは1987年に米ソで合意された中距離核戦力条約で米ソ(のちに米ロ)の核戦力の運搬手段の内の射程500km(300マイル)から5,500km(3,400マイル)までの地上発射型ミサイルの削減の取り決めでした。

空中発射型や潜水艦発射型は含まれないため不完全なものでしたが、ミサイル本体だけでなく発射施設なども含まれ、相互査察が義務付けられるなど核大国どうしの核戦力削減条約として大きな役割を果たしました。

ところが、これは米ソ二国間の条約である事から、当然他の核保有国は対象外であり、中国やインドがこれらの類のミサイルを開発、配備するに至り、ソビエトから条約を継承したロシアが不満を示し、またロシアが秘密裏に開発を進めていたことがアメリカの指摘で暴露され条約は破棄されました。

ただし、これも全てロシアが悪いのかと言えば当のアメリカもイージス・アショアの発射機がこれらの役割を兼ねる機能があったというロシアの指摘を認めませんでしたし一種の巡回型UAVもこの条約に含まれているにも関わらず、これも認めていません。

つまりロシアから見れば他の国もアメリカに対しても不信感が増大していったと見られます。

同様に、日本に配備計画が持ち上がったイージス・アショアももし日本が用地提供、建設で運用がアメリカなどのような形であれば「核シェアリング」の問題もはらんでおり、中国や極東ロシアをけん制する役割を兼ねていたかもしれません。

またアメリカ海兵隊が諸島部に敵艦隊迎撃の為上陸して拠点を築くという運用が提言されていますが、これも純粋に対艦ミサイルを運用するのみに留まらず、核攻撃能力を有する部隊である可能性も本書では触れられています。

元防衛大臣の森本氏がこれらをいつから知っていたのか詮索するのはやめておきます。

一方、足をの引っ張り合いをしている米ロを尻目にこれらの中距離ミサイル開発で一歩抜きんでたのが中国でした。

昨今耳にするようになった極超音速ミサイルは、これまでの巡航ミサイルや弾道ミサイルと比べると迎撃が極めて難しいものであるようです。

これは使う側からすると「使える」という事になります。

日本からの素材や技術が大学経由で開発に使われたとも言われていますが、中国とロシアがこの分野でリードしており北朝鮮とアメリカが後を追うような形になっています。

それでもこれまではもし核兵器を使用したら世界中から制裁を食らうのだから非核保有国に使用されることは無いという暗黙の了解のようなものがあったかと思いますが、ロシアのウクライナ侵攻を見るにつけ、世界中からの制裁による抑止効果は限定的となるケースがあると分かります。

つまり反撃されないのなら「使える」閾値が下がることになります。

北朝鮮もここのところ頻繁にミサイル発射を繰り返しておりすっかり慣れてしまっていますが、北朝鮮が発射実験をする毎に完成度や新たな機能を獲得しているはずで、それを止められないのは本来は問題です。
我々が「打ち上げ花火」と馬鹿にする度に北の指導者は目論み通りとニンマリしているのかも知れません。

これらの有効打の差が開くほど、やはり使用の確率は上がり、これはかつてミサイルの飛距離が競われた「ミサイルギャップ」がいかに「実際に使えるか」というギャップに置き換わっているように思います。

中国は内陸で在日米軍基地などを模したターゲットを標的にしたミサイル演習をしています。これは秘密裏に行われていたことから脅しではなく実際に使用する事を想定しているものと考えるべきで、その意味ではプーチンの核使用準備指令も実際に使用する想定だから指示を出したとも考えられます。

アメリカはトランプ政権時代にこの極めて危険な状態にアメリカとその同盟国が置かれていることに気が付き対中国制裁を科し、まず開発能力を削ぎつつ時間稼ぎをしている間にアメリカも開発を進める政策を進めていましたが政権交代により今後どうなるか分かりません。

民主党政権の過去を見れば中性子爆弾の開発中止など自ら優位性や対称性を削ぐ事をやってきているだけに、相手が核を使いやすい現状のリスクを低く見積もっているかもしれず、それは同盟国が戦争に巻き込まれるリスクを高めている事になります。

ウクライナはNATO加盟国でもないしアメリカの同盟国でもない、むしろ旧ソ連邦の国家なので日本や台湾、韓国にそのまま置き換えることは出来ませんが、それでもアメリカがどう反応するのかを西側も含め固唾を飲んで見見守っているでしょう。

日本に居るとウクライナの戦争の影響もエネルギーや物価についての懸念が多いですが、実はミサイル技術の発達で後方という認識は過去のものとなりアメリカと中ロの対立の最前線に日本も含まれていた事に多くの日本人は気が付いていないように思います。

もちろんこれらの懸念が杞憂に終わって欲しいですが、日本が三度目の被爆国にならないために何が出来るのかを考える時はとっくに過ぎているのかもしれません。
Posted at 2022/03/15 01:19:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「@☆大佐☆ 現行犯ではなく事後に逮捕されるようです。また組織窃盗や執行猶予中であれば重罪になる法案が可決されています。しかし万引き被害が2014prop. 47以降50%増加したという店もあり犯罪者に寛容な姿勢は犯罪抑止にならないという当たり前の結果になっているようですね。」
何シテル?   06/11 13:47
ネコとキャブを愛でるのが趣味の低年式オッサンです。
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