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2022年12月28日 イイね!

みんな大好き陰謀論 内藤陽介(著)

みんな大好き陰謀論 内藤陽介(著)今、まことしやかに言われている「陰謀論」といわれるものの多くはロシア発と言われています。

その中でも「ディープステート」という影の政府が世界を牛耳っていて戦争などを起こして大儲けしている、というものがあります。

ディープステート、影の政府は元々はアメリカの公式な政府の裏で表に出ない政府があって、それがアメリカを支配しているという陰謀論で、軍産複合体とかネオコンとかと絡める事で信ぴょう性を持たせようとしていましたが、いつの間にか世界を支配していると言う話になっているようです。

そして近年はディープステート(悪)と戦うトランプ大統領やロシアのプーチン大統領が「光の軍団」を率いて世界各地で掃討作戦を行っており、ウクライナ侵攻もその一環である、などと真顔で言っている人も増えてきました。

これらはロシアの主張を取り込み、都合よく改変されていったものなので語る人によってニュアンスが違っているので信ぴょう性はありません。

しかし国際金融資本、つまりユダヤマネーの存在を匂わせている部分が共通しています。

本書は繰り返される「ユダヤ陰謀論」が醸成された背景を歴史的事実をベースに紐解います。

まず、世の陰謀論者は歴史の中で何度も重要な役割を果たす「ユダヤ人」の存在に着目します。これがそれっぽい信ぴょう性を持たせているのですが、本当にユダヤ人は世界を裏で支配しているのでしょうか?

ユダヤ人の歴史は迫害と追放の上に成り立っています。それは時に神話と結びついてユダヤ教だけでなくキリスト教やイスラム教にも影を落としています。

周辺の強大な国家に幾度も翻弄されたユダヤ人は国を追われ1800年間世界各地に離散していました。

後にキリスト教やイスラム教の勢力下で宗教的に禁忌されていた職業で働く中に「金貸し」がありました。

金貸しをするユダヤ人の中に成功して富を築く者が現れますが、彼らの資金力を目当てにする王や為政者が庇護したりして権力と結びつくようになります。

こういった事もあって、歴史の中で何度もユダヤ人が影に日向に登場する事になります。

ユダヤ人、と書きましたが定義としては「ユダヤ教を信仰する人」と言う事になります。

地中海付近に居たヘブライ人だけでなく、ヨーロッパ地方に広まったユダヤ教のアシュケナジムの白人系ユダヤ人などの存在も話を混乱させます。

彼らは暫くはキリスト教などと共存していた時期もありましたが、やがてキリスト教でレコンキスタ(再征服)の動きが広まるにつて異教徒であるユダヤ人も「キリスト教徒の子供を生け贄にしている」「子供の生き血を飲んでいる」などの噂が広められ迫害の対象になりました。
(これはディープステイトが子供を誘拐し、その脳髄から若返りの薬成分を抽出している、各国要人やセレブがこの薬に依存しており禁断症状でアザが出来るというおぞましい陰謀論の元ネタとも思えます)

その為、迫害を逃れてユダヤ教を庇護するオランダなどにユダヤ人が集まりますが、そこではキリスト教に改宗しないでユダヤ教を厳格に守る生活をしいて独自のコミュニティを形成していたため、次第にユダヤ人とキリスト教(カトリック)の衝突が起きないようにユダヤ人が住む場所を隔離地区「ゲットー」に限定したりしました。

こういった事がユダヤ人に対する憎悪を正当化してしまったようです。

ユダヤ人迫害というとナチスドイツのホロコーストが有名ですが、東欧や北欧、西欧でもユダヤ人は迫害を受け続けました。

キリスト教プロテスタントのシオニズムはユダヤ教に理解を示したものではなく、あくまでキリスト教の聖書に書いてあるという理由でユダヤ人に「約束の地」を与えるべきと言うものでした。
そしてヨーロッパを追われるようにアメリカ大陸に渡ったユダヤ人はまた宗教的な差別を受けますが、独自のネットワークと金融を武器に、ニューヨーク(オランダ領時代のニューアムステルダム)などで成功し独立戦争や南北戦争に関わっていきます。

アメリカ建国の理念は商業主義の欧州と決別して「偉大な農業国」を目指すものでしたが、商業を打ち立てて欧州に対抗するべきという勢力に、商業的に成功していたユダヤ人が加わり後のアメリカを形作っていきます。

1903年頃、「シオン議定書」という反ユダヤの本が出版されました。
内容に根拠はありませんでしたが、それまで欧州での反ユダヤ思想もあり、各国語版が出版されロシア革命や第一次世界大戦後の世界各国に広まりました。

後にこの本は1864年に発行されていた「マキャベリとモンテスキューの地獄での対話」という創作本で当時のナポレオン三世を批判した部分を「ユダヤ人」の仕業と書き換えた偽書であると「ファクトチェック」されましたが、勤勉な労働者しか評価しなかった自動車王ヘンリー・フォードが反ユダヤ批判を展開する根拠とした他、後のナチスドイツのヒトラーやゲッペルスにも反ユダヤ思想では影響を与えたと言われています。

ナチスドイツのホロコーストを受け、イスラエルが建国されましたが第二次大戦後には東欧などで共産主義が広まり、その中で妬まれ阻害されていたユダヤ人への迫害が再燃しポーランド、ウクライナ、チェコスロバキアなどの東欧から黒海周辺のコーカサス諸国などでユダヤ人が迫害(ポグロム)を受けます。

これらの国では迫害や追放、移民政策などでユダヤ人の人口は第二次大戦前の数%にまで激減した所も珍しくないようです。

このような運目を辿ったユダヤ人が悲願である約束の地「イスラエル」に集結しましたが、元々そこに住んでいたパレスチナ人と対立し、イスラエルに反発したアラブ諸国が幾度もイスラエルと戦争をします。

この為、アラブ諸国を支援していたソビエトも積極的に「ユダヤ陰謀説」を展開します。

基本的にはこういった古代からの宗教対立や民族問題を背景に、時の権力である宗教やイデオロギーが率先してユダヤ人を悪者に仕立て上げ、それまで共存していたような地域でも激しいユダヤ人への憎悪感情が醸成されていきました。

従って現代で仕掛けられている様々なプロパガンダもユダヤ陰謀説が下地になっており親和性が高い物になっています。

今は反米、反民主主義として政府批判などと結びつきユダヤ人が影の世界政府で世界中で戦争を起こしていると強く信じられるようになってしまいました。

歴史的にユダヤとの関りが薄く特別な憎悪感情が無かったはずの日本においても、逆にこう言った歴史的経緯を知らないがゆえに歴史の重要局面で何度も登場するユダヤ人に不信感を抱くようになったというのが著者の主張のようです。

これらはインターネット番組でシリーズ展開されたものを元に再構成されたもので陰謀論本としてもよく纏められていますが、ライトな感覚の装丁からは想像できない程の歴史を下敷きにした読み物としてもとても面白い本でした。

今の世界でウクライナ侵攻に対し「ロシアを追い詰めたアメリカの責任」という部分ばかりを強調し、侵略を禁止している国際法の話がすっ飛んでしまう人が居るのはこういった不信感を醸成した社会現象なのかもと考えさせられるものがあります。

また、イスラエルが頑なにウクライナ支援に乗り出さない背景も、こういった歴史が関与していると思うと世界を少し違った角度から見られるようになるのではないかと思います。
Posted at 2022/12/28 21:00:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年12月23日 イイね!

フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器  一田和樹 (著)

フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器  一田和樹  (著)現在行われているロシアのウクライナ侵攻でも軍隊による戦争と同時に、双方の情報操作合戦が脚光を浴びる事になりました。

2014年のロシアのクリミア併合では軍隊の侵攻以前から用意周到に同地区で行われていた情報戦によって知らぬ間にロシア併合が正当化されており、ロシアのゲラシモフ参謀総長が2013年に発表した論文で「認知領域での戦い」を取り上げており、その効果が証明された格好となりました。

日本も近隣国から「歴史認識」などの情報戦を仕掛けられ、またSNS、時には大手メディアまで偽情報を拡散している有様です。


今、個人的な興味である人物のフェイク情報を追っていて、被害者や有志の検証チームとコンタクトして学生時代からの所業や事のあらましや、裁判などを把握しているのでその人物が極めて恣意的に悪意からフェイクニュースを拡散している様を目の当たりにしていますが、昨日今日知った人にはその人物の背後関係や闇について全く知らずに善意の愛国者のような印象を持っている事と思います。

国益を損ねるだけでなく、実害を被っている業界や政界では「知られた人物」なので全く相手にされませんが、その人物を利用しようと集まって来る元自衛官や元政治家などを調べると「保守ビジネス」といったような醜悪な世界が垣間見え、闇がどこまで広がっているのかと思います。

一方で、「サヨク」と言われるような人たちも政権を倒す為なら嘘や欺瞞、騙しは正当化されるとばかりに偽情報だろうがなんだろうが鵜呑みにして政権を攻撃していますが、公的補助金を食い物にしている実態が度々指摘されているように、決してクリーンな世界ではないでしょう。

これらは日本を良くしたいという人々の無知に付け入る卑劣な行為として唾棄されるべきですが、まずその手口を知らない事には始まりません。

その入り口にと本書を手に取りました。

筆者が取材した世界各国で行われている情報戦、どのようにフェイクニュースが作られ、広められているのかというのを綴った一冊となっています。

ただ先に言っておくと、筆者の立ち位置は日本の政権にも極めて批判的であり、執筆された当時の安倍内閣が歴史捏造、差別を繰り広げており、日本も言論の自由が大きく棄損されているという立ち位置となる為、日本を扱うパートは人によっては拒否反応が出るかもしれません。

またアメリカのトランプ大統領もフェイクニュースを広げてアメリカの民主主義を脅かしているとしています。

ただ、それ以外の欧州やアジアなど世界各国で行われている情報操作や情報戦部隊の存在を明らかにするなど調査の切っ掛けにするに程よい情報量となっているかと思います。

それに比べると、自民党がネットサポーター制度を始めた事が世論操作である、というのはいかにもアンバランスであると思います。

世界の特に権威主義的な国家では各SNSプラットフォームと結びつき、選挙の対立候補を貶めたり、政府批判を封じるように世論誘導して、暗殺や侵略を正当なものであると周知したりして極めて深刻な人権問題が起きています。

巨大SNSプラットフォームは、公共インフラである電信電話会社の電信網が犯罪に利用されたとしても、その犯罪の責任を問われる事が無いのと同様に、SNS上で繰り広げられる無数の世論の責任は問われません。

一方で、自らの「規制基準」によって犯罪などの情報を削除したりしようとしますが、それは権威主義政権の強権的な弾圧、言論封殺、監視網などと親和性が高く、予てよりそういった国の政権と懇意であると噂されてきました。

Twitter社を買収したイーロン・マスク氏が、それ以前の同社の検閲体制や民主党との関係を暴露し始めると、その恩恵にあずかっていたリベラル勢力は一斉にマスク氏や同士がCEOを務めるテスラ社の不買運動を始めるなど、泥沼の様相を示していますが、まだ表面化していないこういった問題がSNS全体にうごめいている事を予見させる出来事です。

また、2ちゃんねるを所有していたひろゆき氏が沖縄の反基地座り込み現場に行くと誰も居ないと発信したところ突如、人格攻撃や2ちゃんねるや現在所有している4chanで犯罪の予告などを取り上げて連日騒ぎになっています。

また共同通信が「防衛省が世論操作する工作機関を設立」といった一報に大勢が飛びつき「戦前回帰だ」「情報統制だ」「言論弾圧を許すな」と騒ぎになりましたが、外国が日本の世論工作をする手法の研究という部分を曲解するように切り取りしたものであると後日発表がありました。

日本の世論操作は今の所、こういったゴシップの域を出ない物が多いですが、中には海外勢力の干渉を疑わせるものがあります。

ロシアは世界有数のフェイクニュース製造国として知られています。

それは反米勢力と結びつき、日本政府や日本人を貶めたり、日米同盟を棄損するものが多く観測されています。

またウクライナ侵攻後は、ロシアが西側から威圧された事で致し方なくウクライナに侵攻せざるを得なくなり、その責任は西側にあると言うロシアの言い分、ロシア軍による虐殺は起きていない、全てはNATO義勇兵(ウクライナ軍は既に壊滅したため存在しないというフェイクニュースとつじつまを合わせる為)が行ったというプロパガンダを鵜呑みにする人達が居ます。

彼らは鵜呑みにするだけではなく、積極的にそのフェイクニュースをSNSなどで拡散しています。

多くは情報機関が「善意の一般人」に成りすまし拡散したり、botという自動投降機能によって自動的に拡散したり、ウィルスで乗っ取ったPCや端末を踏み台にして拡散している事はかねてより多くの研究機関などによって指摘されていましたが今では感化された人が積極的にデマ情報の拡散を行っています。

以前にも書きましたがデマ情報は拡散されやすく、「事実」に基づいた訂正する情報はデマの1/10程度しか広まらないという性質もあり、各人の情報リテラシーが問われる事になります。

しかしどんなに情報戦の権威のような情報リテラシーが鍛えられた人でも全てのフェイクニュースを看破する事は不可能と言われています。

ショッキングなニュースを目にしたら「誰が」「何のために」発信していて「他に報じられているのか」を最低限確認する必要があります。

自戒の念を込めて。
Posted at 2022/12/23 20:06:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年12月17日 イイね!

ファイナンス理論入門 冨島佑允著

ファイナンス理論入門 冨島佑允著株式投資の理解を深めようと思って手に取った一冊。

日本から海外の物品を購入すると驚くほど高くなっている事に気が付かされます。
これは為替相場の円安のせいもありますが、「失われた30年」と言われるような日本の経済の低成長によって諸外国との経済格差が開いている事が原因で為替にも日本円の弱さが出ていると見ています。

日本では株と言うとギャンブルと同一視され銀行預金だけが安全資産と見られていますが、預金は預けた元本が保証される代わりに利息は殆どつきません。

日本は内需が大きいので気付きにくいですが、資産が増えないと言うのは経済成長すれば持っている資産は目減りしていますし外国に対してもかつては関税で高かった輸入品は自由貿易圏の関税が撤廃された今では価格そのものが割高になる状態です。

そういった事から今年は株式投資を始めてみました。

最初は積立てNISAの枠を埋めるために多少は分かるアメリカの米国株の投信ETFから始め、その頃、年初からの落ち込みが底を打ち反転上昇に転じたように見えた事から米国個別銘柄も購入して、現在は新車が買える分くらい投資しています。

まぁ新車と言っても100万円台のコンパクトカーから3億円のブガッティ・シロンのようなハイパフォーマンスカーまで様々ですが、それはともかく米国株を購入し始めた数か月後には米国株市場は下落に転じます。

普通は購入価格よりどれくらい下落したら売って損を抑えるかという「損切ライン」を決めておくのですが、上昇反転するのでは?という期待から下落する度に買い増ししていたものの、気が付くと昨日現在で保有株、ETFはだいたい30~40%の含み損状態になっています。

もっとも保有株を売却しなければ損は確定しないのでこのまま株価上昇を待つことになります。ここは短期売買で利益を狙う「投機」ではなく長期間保有する事で資産価値を上げる「投資」の違いだと思ってはいるのですが、当然長期保有には株価の騰落以外にも発行株価が消滅するような罠は幾つもある為、株取引の認識が甘かったなと思って遅まきながら本格的に投資の勉強を始める事にしました。

丁度、岸田首相のNISA改正案が出ており、これから投資を始めようと言う人にはまずNISAの仕組みや株、債券などの勉強から始める事を強く推奨します。

まず株価を見る時は、
・テクニカル分析
・ファンダメンタルズ分析
・ファイナンス理論

を見ていく事になります。人によって、また取引によってどれを重視するのかは違うのでこれが正解というのは無いと思いますが、知らないよりは知っておくに越したことはありません。

テクニカル分析と言うのは、こんな棒グラフや折れ線グラフで変動する株価のチャートを読み解く手法で、一般的に株取引でイメージされるもので、実際にこのチャートを形成している売買をする「板」の結果がこういったグラフとして日々刻々積み上げられていきます。


でこの棒の状態やその前の状態から売り時、買い時を探っていくもので、平均線など様々なインジケーターが用いられます。

取引の時間軸によって数秒から数分で売買するスキャルピング、1日の内に売買するデイトレード、数日から数週間で売買するスイングトレード、もっと長期のポジショントレードなどの判断に用いられます。


ファンダメンタルズ分析は企業ごとの業績や国が統計として発表する経済指標や失業率、中央銀行の金利政策など経済活動全般から株式市場の今後の値動きを予想するものです。


で、今回紹介する本書が取り扱うファイナンス理論は株式市場で株価がどのように決まっていて、それぞれの株価は割安か割高か、また個人や投資機関の資産状況を分析したりするものです。

グラフを読み解く瞬発力が求められるテクニカル分析や市場全体を俯瞰するファンダメンタルズ分析に比べると統計なので地味なのですが、自分の資産が適切なのかを客観的に知る金融工学そのものと言えます。

本書では
・資産の価値を算定するプライシング理論
・資産配分を導き出すポートフォリオ理論
・リスクを算定するリスク管理
・それぞれを計算する統計分析

という章立てになっています。

プライシング理論では株、債券や不動産、企業などの価値を算定する考え方が紹介されています。

ポートフォリオ理論では理想的な資産配分を導き出す手法が紹介されています。

リスク管理では、リスク(価値が上がったり下がったりする)に対する一般的な捉え方、そして最後にそれらを組み合わせて計算する実践方法が紹介されています。

計算と言ってもパソコンのEXCELを使うやり方なので自分でプログラミングする必要はありませんが、元になる値動きの過去データなどは必要になりますが自分で計算しなくても、最近は利用できる状態で公開されていたりします。


読んでみた感じ、日々株式の勉強をする中で聞いた単語などの裏打ち、と言う感じでまさに「入門」だと思いましたが、これまで株式売買をやった事が無い全くの初心者には異世界の呪文ような感じかもしれません。

なので自分で月々数千円程度でもお試しで半年から1年くらい運用して見て、その中でなんとかく株価と債権は逆の動きをするな、とかこの企業は業績が良いのに株価が低めになっているという事は何かあるな、という勘が養われたあたりで読むとモヤモヤとした部分がクリアになるような気がします。


最後に、本書の事ではありませんが「投資」は若いうちから始めるのが良いと思います。

それは年を取ってからだと投資に割ける時間や資金が限られると言う事があります。

これは投資で失敗してやり直せる時間が限られるのと、あとは福利によって資産価値を増やすチャンスが減ってしまう事、また結婚や住宅購入などで自由になる資産が減少するなどがあります。

だからといって学生の頃や社会人になってから隙間風の吹き込むボロ屋で家賃を抑えて1日中で気を消した部屋で息を殺して給料が出たら全部株購入する、というのはさすがに人生を無駄にしていると思います。

なんか最近は全く消費しない事が美徳みたいな言われ方をしていますが、自己投資というか色々やってみて学ぶ事もあると思います。

それは脳内で分かった気になると、実際に経験した人の話を聞き比べれば圧倒的な差が付いているという事は割とすぐに気付くと思います。

話を投資に戻すと、短期トレードは、はっきり言って明日どころか今日の株価すら分からないのですから、内部情報を知っているインサイダーでもない限りは「買ったら下がる、売ったら上がる」とどこまでいってもある種のギャンブルとなります。

専業でやっているプロのトレーダーを含めても投資家の8割が損をしているという事からも、本業の片手間に個人投資家が市場平均より稼げるなんて事はまぁマグレでしか起きないと思うのが普通でしょう。

10年20年30年などの長期のスパンである「投資」は極論を言ってしまうと買ったらあとは放置で良い訳です。

恐らく多くのETFも自動再投資なので福利になります。

福利と言うのは元本(購入価格)に利益を上乗せするものです。
100円で買った株が年3%の値上がりをしたら2年目は

103円ⅹ3%で106.09円になります。
3年目はこれが元になり、と言う具合に単利に比べると福利は時間が経つほど飛躍的に資産が増えるようになります。

図でわかる複利の凄さ!複利効果を発揮するために必要な2つのこと
https://gfs-official.com/blog/compound-interest


もちろん株価ですから3%上がる年もあれば2%下がる年もあります。
しかし市場と言うのはそういう騰落の動きをしつつ常に右肩上がりで経済成長してきました。(ゼロ金利の預貯金の無リスク資産は100円は来年も100円)

S&P 500 Historical Prices
https://www.multpl.com/s-p-500-historical-prices


「長期の経済成長は日々のランダムな値動きに隠れている」と言われる由縁です。
何十年かに一度、世界恐慌やリーマンショックなどはあっても、その後必ず成長しています。

時代の変遷はありますから100年単位で考えればアメリカがいつまでも経済の中心でいる保証はなく、いずれはどこかの国や経済体制が取って代わるかもしれませんが、いずれにしても来年再来年でアメリカ資産の価値が消し飛ぶとは考えにくいですし、もしそうなったとしたら日本の円資産も無傷でいられるはずがないので、そもそも心配するだけ無駄とも言えます。

一般の平均的な世帯では岸田NISAを毎年満額使い切ってしまう、という心配はなさそうですが、だからといって何も勉強もせずに資産を突っ込むのは無用な心配から株価が下落局面で怖くなって弁部売却する「狼狽売り」で資産を減らすだけになりかねません。

投資信託や銀行も売買手数料目当てに客の無知に付け込むような不利な金融商品を勧めて来る事は知られています。

また株を株価に対して1:1で買う普通の「現物」取引ではなく株購入資金を借り入れたり投下資金の何倍もの取引が出来るレバレッジのような信用取引は株価が上がった場合は現物取引の何十倍も効率よく儲けられる反面、株価が下がった時に求められる「追証」で破産したりそれを苦に命を絶つ例もあると聞きます。

マネーゲームに興じる必要はありませんが、銀行やお上に任せておけばうまいことやってくれる、と言う時代は終わっていますので各自で資産管理やリスクの勘案が出来るようになって賢く立ち回る事が求められる時代が来ているのかもしれません。
Posted at 2022/12/17 13:52:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2022年12月10日 イイね!

3Dプリンタによるレストア事業

YouTubeを流していたら

「レストア新技術 サビから甦る33GT-R」

という動画のサムネイルが目に入りました。
普段は再生数稼ぎに食傷気味なのでスルーするところですがちょっと見てみました。



Motorz Jp Channel / モーターズ チャンネル

というそこそこ登録者数がついているチャンネルでしたが恐らくこれまで見た事がありませんでした。

「現役女子高生が33GT-Rを買う」みたいな企画の延長のような展開ですが、そのD1ドライバーを目指しているという「メロン」さんが高校生の時に買った33GT-Rをレストアしたと言う事です。

元々北海道の車輛で塩害で下回りがボロボロな状態から再生を請け負ったのが「シバタイヤ」さんだそうです。

なぜタイヤ屋?と思ったら板金屋さんが競技車輛を造っているようでタイヤの開発もやるようになったようです。

で、このシバタイヤさんでやっているのが積層造形法(アディティブマニュファクチャリング:AM技術)、要するに3Dプリンターによる部品造形なんだそうです。

いろいろな都合でこの33GT-Rには間に合わなかったそうですが、現車の状態から立体スキャンしたデータからCADデータを起こして、それで部品を製造するそうです。

フレーム周りなどの強度部品も再生できるという事でCADデータ化してあればコンピュータ上で強度計算もできるとの事です。

こういうのは職人さんの職域でしたが、出来る人が限られ高齢化などで減少する中でシバタイヤさんが部品を全国発送する事により全国で均一の修理が受けられるようになるというのはメーカー廃盤になって久しい古いクルマであっても再生の道があると言う事で大きな可能性を感じます。

■シバタイヤさんのブログ
【コラム】AM技術の可能性について
https://ameblo.jp/tencho731/entry-12769344015.html
Posted at 2022/12/10 13:54:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年12月04日 イイね!

近代日本外交史-幕末の開国から太平洋戦争まで 佐々木 雄一 (著)

近代日本外交史-幕末の開国から太平洋戦争まで 佐々木 雄一 (著)学校の授業では受験を控え、または思想掛かった教師が近代日本は悪であるとの前提からほとんど触れられる機会がない近代日本の外交について書かれた本です。

2022年10月25日初版発行と言う事でウクライナ戦争、また安倍元首相暗殺を受けて書かれたのかと思いましたが、それらが起る前に起草されていたとの事。

よく日本はどこで道を誤ったのか、どこが歴史の転換点であったのかという問いは繰り返されますが、歴史に「if」は禁物ともいわれますが、過去を振り返り、そこから学ぶという事は失敗を繰り返さないためにも重要でしょう。

本書は幕末から太平洋戦争終戦までを列挙しているため、一つ一つの事件や登場人物については軽く触れられている程度でWikipediaの方が余程詳しく書かれていたりしますが、そういった事を詳述するのではなく歴史の流れ全体を俯瞰して見るように書かれているという事で200ページ程度に収まっています。

その試みはディテールに立ち入らない事で、それぞれの出来事を連続性を見出せるように書かれているように感じました。

開国から日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、日中戦争から太平洋戦争までのどこが転換点であったかについては軍部の暴走が止められなかった満州事変を挙げる人が多いかと思います。

しかし、突然満州事変が起きた訳ではもちろんなくて、そこに至る遠因や政策などがあったはずです。

開国後の日本外交は交渉の正当性を基調とし、利益最大化を目指す当時の帝国主義的外交で欧米列強に挑んでいくという構図でした。

歴史を俯瞰して見るとどうもこのやり方が崩れた日露戦争の戦後処理に起因する事柄がその流れを決定づけたように思います。

その前の日清戦争では外国の干渉はありましたが清国と日本という形で話が進んでいったのに対し、日露戦争では欧州各国の思惑やロシア帝国の完全敗北ではなく曖昧とも取れる日本の勝利により、日本側は期待していた賠償を勝ち取る事は出来ませんでした。

領地や賠償金は諦める代わりにロシア帝国が満州に持っていた鉄道や石炭鉱山などの権益を手にします。

これが日本が後に「満蒙は日本の生命線」と満州に固執する発端であり、南進したいロシアの圧力や第一次世界大戦後の中華民国の反帝国主義の日本排斥の動きに軋轢を深め、軍事衝突も度々発生します。

特に未曾有の損害を出した第一次世界大戦を経た世界はそれまでの帝国主義や軍拡を良しとせず、異民族支配の禁止や軍縮へと舵を切っていったにも関わらず日本は「日本の正義」を主張し正当性を訴えますが、東アジアの軍事大国となった日本を警戒するようになっていた米英をはじめとした「国際連盟」は日本と利害が一致せず主張を認める事も無く、日本は国連脱退をして孤立を深めていきました。

筆者は、これらの流れは時の首相や外相の個性によるところが大きく、強硬姿勢を貫いた政権時に事態が悪化していったとしています。

これについては有力な政治家が暗殺や病死などで交代したりして政策が引き継がれなかったなどの運の悪さもありました。

このような不運の重なりもあって、日本が採れる選択肢は次第に狭まり、満州事変の拡大から日中戦争で南方資源を求めて、また中華民国への支援を断ち切るために太平洋戦争に突き進んでいく事になりました。

こうしてみるとやはり要人暗殺を容認する時代には良くない事が起きています。

一部には安倍元首相を暗殺した犯人を「神」と称えたり、まだ量刑も決まっていないうちから減刑を求める活動が起きるなどテロを容認する空気が醸成されています。

政府の不正を暴く為なら違法な事も許される。
意見が異なる相手は害して口を塞いでいい。

こういう時代になっていくのだろうと思うと暗澹たる気持ちになります。

この流れに照らして見ると今の日本は中国の脅威に直面し、劣っている軍備の増強にようやく取り掛かり始めたあたり、日清戦争前夜といった風であります。

先日SNSで日本の原子力潜水艦保有について数人と議論したのですが、日本が脅かされているのだから原潜保有は当然の権利で日本が核武装すれば中国や北朝鮮からも攻撃されない、という主張をされました。

国際法上の問題やNPT体制に反すると今度は日本がアメリカと対立して制裁を受ける側になる可能性などを言ってみましたが最終的には元共産党議員秘書でロシア駐日大使と行動を共にしていた人物の主張を引き合いに出したり、戦時中の日本の核爆弾研究の仁科研を引き合いに出して日本はNPT体制前からの核保有国だから制裁されない、といった事を言い始めたので議論を切り上げましたが、これらはとても国際世論に正当性を主張できるものではありませんし国外に反撃が制限されている現行法下ではメリット/デメリットで考えても割に合わない、少なくとも現実性が伴わない空論であるように思えました。

こういう主張がまかり通ってしまうあたりに日本の危うさを感じました。

しかし近代日本が一般に言われているように当初から軍拡侵略を目指していた訳ではないという事の再確認は一縷の希望を見出す事も出来ます。

これから日本がどのような道を歩むのかは一人一人の考えによるのでしょう。
Posted at 2022/12/04 18:10:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「@☆大佐☆ 現行犯ではなく事後に逮捕されるようです。また組織窃盗や執行猶予中であれば重罪になる法案が可決されています。しかし万引き被害が2014prop. 47以降50%増加したという店もあり犯罪者に寛容な姿勢は犯罪抑止にならないという当たり前の結果になっているようですね。」
何シテル?   06/11 13:47
ネコとキャブを愛でるのが趣味の低年式オッサンです。
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カワサキ ZXR400 カワサキ ZXR400
事故により廃車 異形ヘッドライトとタンクに刺さるエアラムチューブが格好良過ぎて購入。 ...
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