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quadrifogliospaのブログ一覧

2025年11月17日 イイね!

高市総理の「台湾有事」答弁を整理する

7日の衆院予算委員会での高市首相の台湾有事が存立危機事態になり得るとの答弁に中国側が強く反発し、国内世論も賛成・反対に二分されています。

そもそも高市首相の答弁はこれまでの日本政府の立場を繰り返したに過ぎず、首相が何か解釈を変えたとか言う類のものではありませんでした。

中国側は薛剣駐大阪総領事がX(旧Twitter)で「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」と投稿した事が問題視されましたが、引くに引けない中国は外交部も同調する画像を連投。「粉骨砕身になるぞ」という脅し文句も文革で故事の意味が分からなくなったのかと嘲笑されるに至りました。


中国側発言を見ると1972年に田中角栄首相と周恩来首相で取り交わされた「日中共同宣言」(正確には日中共同声明)で日本は台湾を中国の不可分の領土と認めているとしていますが、日本側の文言、中文の文言、双方の言い分が食い違ったときに参照する英文の文言を見ても「日本は台湾を中国の不可分の領土と認める」とは書かれていません。

「中国が台湾を不可分の領土と言っている事を理解し尊重する」という表現であり、中国の主張を認めるとも否定するとも明言を避けた「お役所」文書になっています。

[文書名] 日中共同声明(日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明)
・日本文抜粋
3 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
・英文抜粋
3. The Government of the People's Republic of China reiterates that Taiwan is an inalienable part of the territory of the People's Republic of China. The Government of Japan fully understands and respects this stand of the Government of the People's Republic of China, and it firmly maintains its stand under Article 8 of the Potsdam Proclamation.
・中文抜粋
(三)中华人民共和国政府重申:台湾是中华人民共和国领土不可分割的一部分。日本国政府充分理解和尊重中国政府的这一立场,并坚持遵循波茨坦公告第八条的立场。


ここで書かれている「ポツダム宣言第八項」は日本の主権は本州、北海道、九州、四国と諸島に制限されることとカイロ宣言を履行する事、そしてこれをもって領土問題を解決とする事についてかかれた宣言です。

カイロ宣言では日清戦争の結果、日本が下関条約で清国から割譲された台湾や澎湖諸島などを中華民国に返還する事が宣言されています。

ここでいう中華民国とは今の中華人民共和国(中国)ではなく中華民国臨時政府、年代的には第二次国共内戦で台湾に追いやられる前の重慶国民政府、つまり後の台湾政府を指します。

そして戦後に日本は台湾の統治権を放棄、GHQの要請を受けて国民党軍が台湾に進駐、しかし国共内戦再開によって中国共産党軍に敗れ中国大陸での実権を失った国民党は台湾に政府を移転し今に至るという事ですから日本は台湾に実権を委譲した訳でもないしましてや中国に台湾を明け渡したこともありません。
(付け加えるなら歴史上、中華人民共和国が台湾を統治した実績もありません)

従って各国の文書で書かれている文言が違うための齟齬ではなく中国が明言を避け曖昧に書かれているのを良い事に意図的に日本側の主張を変えて誤解するように国内外に喧伝しているプロパガンダ戦の延長と思われます。

しかし日本では多くの人が台湾は中国の一部「一つの中国」と認めているのに高市首相が勝手に政府見解を変える裏切りで中国に不義理を働ていると中国側に同調して非難する人も多いようです。

これは無知故なのか、強大な軍事力を有するようになった中国に阿る事大主義なのかイデオロギー優先で「造反有理」「革命無罪」気取りなのか分かりませんが、同じく口でイスラエルを非難しパレスチナを擁護しているのだからもはや「正義」や「正当性」の意味が分かりません。

ただイデオロギーで法解釈すら都合よく曲げてしまおうという事でしょうか。

野党時代、当時の村山首相に「(村山談話で)勝手に謝ってもらっては困る」と国会質疑で詰め寄った高市首相であっても主義主張に合わないから村山談話は撤回しますとは言わず、政府の一体性を維持しようとしています。

それくらい政府の表明は重いものであり、これまで日本やアメリカが台湾問題を明言を避け曖昧にすることで中国とバランスしてきた外交であったのに執拗に台湾有事の基準を総理の口から言わせようとした立憲の岡田克也議員の態度こそ問題があったと言われるべきでしょう。

しかし、国内では高市首相の発言を軽率だと非難する馬英九氏や事実を伝える台湾の新聞の一部分を切り取り「台湾人も迷惑だと言っているぞ。高市ヤメロ」と勝手に台湾のお気持ちを代弁した気になって吹き上がっている人も居ます。

これについて台北駐日経済文化代表処は以下のように発表


知っているのか無知なのか、台湾には中国大陸にルーツを持っていたり商売などの利権で中国寄りの態度を示す人も居ますが原住民族のように台湾独立を訴える人も居ます。
多くは中国とはくっつきも対立もせず現状維持のままでいたいという態度でしたが度重なる中国軍の領空侵犯や台湾を取り囲んで行われた中国の軍事演習に危機感を持ち、台湾の自主性を守るためには日米と連携して中国をけん制しようという人も増えてきました。


そもそも中国に阿るべきと言っている人はモンゴルやチベット、そして香港の人がどのような運命になったのか見ているのでしょうか。

具体的な手段を書くのも憚られるような「民族浄化」「思想改造」が行われていると聞きます。

中国は台湾の政府を維持する「一国二制度」を認めると言っていますが、香港も一国二制度と言っていたのを途中で取り消し、中国共産党に批判的だった民主派を弾圧した事を考えれば台湾が今のまま存続できると考えるのはお花畑が過ぎるか中国共産党の走狗しかいないでしょう。

そして肝心の台湾有事は、これは経済制裁から海上封鎖、軍事侵攻まで烈度は様々想定されますが、台湾海峡は迂回せざるを得ませんし台湾が中国に落ちた後はマラッカ海峡の航行も制限されるでしょう。

インドネシアやフィリピンを迂回すればいいという「中国擁護派」の人も居ますが中東からは3日以上、最大で7日ほど多くかかるようになり原油タンカーはその間延びした分を補うために10隻程度多く必要になると試算されているようです。
直接的な出費は船舶保険などにも及び、海運会社のいくつかは収益が悪化して採算割れになるようです。

たったそれだけ、と思うかもしれませんがこれにより石油製品にコストが上乗せされレギュラーガソリンも1L200円に跳ね上がるかもしれません。

また日本のみならず世界は半導体の生産の多くを台湾の製造請負TSMCに依存しており自動車産業、電化製品などはもとより、軍備にも窮するようになります。

もっともこれは中国側も同じで最先端半導体こそ輸出規制されていますが、完全国産化は道半ばであり、民生品用の半導体の多くを台湾に依存しています。

蛇足ですが中国が台湾の半導体工場を狙って軍事侵攻するという見方もありますがこれは現実的ではありません。

何故なら現代の半導体製造は地球上で一番精密な工芸品と言われるようにナノメートル、原子数個分の幅の精度で加工されているので完璧なコントロールが不可欠となっています。

中国が台湾のTSMC工場群を手に入れたとしてもそこで動くアメリカ、オランダ、日本などの製造装置の定期的なメンテナンスは規制され中国がこれを独力で成り代わるのが難しいために安定した製造は続けられなくなりますし、高純度の日本からの原料や化学薬品も中国は代替不可能なものです。
(一部には遠隔キルスイッチがあると言われていますが装置メーカーは認めていません)

台湾有事は1440兆円が吹っ飛ぶという試算も公開されましたが、このダメージは中国側にも及ぶものなので損得勘定が出来る常識があれば中国が台湾に軍事進攻する愚行を犯すとは考えにくいですが、当初はウクライナに圧力を掛けるため国境付近で大軍事演習を行ってるとみられていたロシア軍が国境を越えて侵攻に踏み切ったように、不合理な理由で中国指導部が開戦を決意するかもしれません。

その為に日本は台湾とアメリカ、さらにオーストラリアなどの環太平洋国と連携して中国を思いとどまらせる必要があり、その正当性もあると言えます。

今回の「騒動」で高市首相が気に入らいないからという理由で中国の肩を持つ人はその責任範囲も考えた方が良いでしょう。

そして今回中国の「超限戦」の一端を垣間見たような気がします。

現実的な落としどころとしては、高市首相批判側が言うような「撤回」「謝罪」「辞任」では何も解決にならないばかりか中国側に強く出れば日本は折れるという成功体験を与え、今後の両国関係では中国が日本に理不尽な要求を連発するようになるでしょう。

過去には韓国がTHAADミサイル配備、コロナパンデミックを巡る豪中対立などで貿易や渡航を制限して圧力を掛けようとした過去があります。

これらの教訓から、日本側が折れる必要はないでしょう。

ただそれでは永遠に平行線ですから、高市首相が「誤解されたことは残念に思う」くらいの事で政府見解に変更がない旨、繰り返すことが肝要でしょう。

もっとも、今の日本は中南海(中国指導部)との水面下のパイプがないとも言われていますのでこの問題を日本だけで乗り切ろうとするのではなく周辺国と協調する必要もあるのかもしれません。
Posted at 2025/11/17 14:17:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月16日 イイね!

テクノ・リバタリアン

アメリカでドナルド・トランプの躍進を支えたMAGAといわれるトランプの掲げた「Make America Grate Again」に共感した反エリート層、キリスト教福音派などについてこれまで取り上げてきましたが、もう一つ見逃せない「テクノ・リバタリアン」と言われる巨大テック企業経営者らについても言及しておきます。

昨今、民主主義ではマスコミの政権批判や経済停滞によって不満が高まり、その制度の信頼性が低下し続けていると言われています。

トランプという人もそういった民衆の不満と自分の理想を結び付け、主にリベラルやそれに類する思想、制度を攻撃する事で支持を集めてきました。

「リベラル」とは人々の理性を最も貴び権威や伝統などは唾棄すべきものとして廃絶しようとし、「保守」は人間一人ひとりの経験や判断には限界があり誤りもあるので先人たちの試行錯誤の積み上げである法律や伝統、あるいは宗教を重んじる考え方と大別できます。

例えば「契約」は手書きの書面を作成して双方が直に持ち寄り交換してその証としていた時代の名残ですが、電信の発達した現代であれば電子メールの送付だけでこれに置き換えてしまえば効率化するのだから変えた事で何か問題が起きたら都度修正すればいいというのがリベラル的解決法ですが、いっぺんに制度を変えてしまうとどんな事がおきるか分からないからまず部分的に導入してみて問題を点検し、少しずつ変えていこうというのが保守的解決法となります。

どちらが良い、悪いは置いておきますが、いっぺんに変えてしまうリベラル的な手法では混乱を来しそうですし、少しずつしか変えられない保守的手法では大胆な変革は望めないでしょう。

世の中は、技術革新を伴って少しずつ(時には一足飛びに)効率化していくものですがリベラルに振ろうが保守を堅持しようが、何かしらの問題に直面することになります。

人類史は自由拡大の歴史ともとらえられ、リベラルは平等という観点から再分配(徴税)を重視し大きな政府を指向するものですがこういった既存の枠組みに限界を感じ、外から仕組みを変えようというのが「リバタリアニズム」です。

思想としては個人の自由を最大化して国家や政府は出来る限り個人に干渉しないというものですが、この「自由」の範囲は個人の権力からの解放を目指す「無政府主義」から経済発展で自由の拡大を目指す「新自由主義」まで広くまたがっていてグラデーションがあるようです。


有名なノーラン・チャートでは権威主義の対極にあるように示されますが、個人の信ずるものの違いでリベラルから保守まで幅広く広がって重複しています。

よく言われるのが政治や経済は自由を求めるが、安全保障はその自由を守るために必要なので安保重視という立場が多いようです。

今の政治システムを補完するものとして捉えられていますが、トランプ政権で脚光を浴びるようになった「テクノ・リバタリアン」は社会の仕組みそのものを変えてしまう必要性を強く感じています。

それは「民主主義」では政治家は選挙という制度上、民衆の人気取りばかりを気にして本当に必要な改革には手を付けないという欠陥があるとして、民主主義を否定的にとらえています。

古代ギリシャの時代に民主主義は政治の毒だとして危険視した時代とは異なりますが愚衆政治の最たるものがアドルフ・ヒトラーでしょう。

ヒトラーは第一次世界大戦の敗戦国だったドイツが周辺国からの抑圧を受けているとして諸外国との敵対関係を声高に叫び、また経済では国内のユダヤ人を諸悪の元凶としてやり玉にあげ、居住の制限や財産の収奪を合法化し、恐ろしい「最終的解決」に着手するまでに至り、第二次世界大戦の惨禍を引き起こしました。

ここまで最悪な事態は今後起きないかもしれませんが、民主主義の要である選挙制度を「ハック」すればここまで出来てしまうという事を歴史に刻みました。

テクノ・リバタリアンは民主主義の欠陥に注目し、制度を変えようとしている点では資本主義解体を目指す「加速主義」にも通じるものがありますが、巨大テクノロジー企業を設立した彼らにとって経済は理想実現のため民衆を統治する「手段」であることから経済発展は重要な課題ととらえています。

時に暴力を用いながらも既存権力を打倒し、それに置き換わる別の政治体制構築の目指す加速主義との最も大きな違いは、テクノ・リバタリアンらはテクノロジーの発達によって既存の国家や政府のような中央集権的な仕組みそのものが不要となる社会を理想としています。

ただ、確固たる政治思想というよりはあくまで方向性を示す程度の結束力しかないため唱える者によってその解釈に揺らぎがあります。

有名なのはピーター・ティール。

トランプ政権誕生に貢献した事で知られるようになりましたが、オンライン決済サービスPaypalを共同で立ち上げ大きな富を得ました。

その後、Paypalに参画していた者やティールのお眼鏡にかなってエンゼル投資を受けた者が次々に新しいサービスを立ち上げ、もっとも有名なTeslaやSpaceX、X(旧Twitter)などを経営しているイーロン・マスクや、YouTubeやLinkedInなど誰もが知っていて利用しているようなサービスを立ち上げた者たちが多くかかわった事からその影響力で「ペイパル・マフィア」と呼ばれていたります。


ベンチャー起業家の間で伝説的存在だったティールは米政府などに高度な情報解析、分析データを提供するパランティア・テクノロジーズもアレックス・カープと共同で立ち上げ、今年になってその企業価値に注目が集まり株価が高騰した事から一般投資家にも広く知られるようになりました。

(自分も購入価格から3倍になった時点で半利確してごっつあんでした)

ティールにしてもマスクにしても、またPaypal共同創業者のマックス・レヴチンにしても高等数学に通じている高IQ者(ギフテッド:神から才能を与えられた者)であるのみならず「移民」としてアメリカに渡り、学生時代の不遇を跳ねのけつつも社会システムの不均等を「パターン シーカー」(月の満ち欠けから地動説を導くような表面現象から本質を見抜く能力:自閉症の副作用とみられる)として経営手腕に適合させ巨万の富を手に入れているという共通点があります。

これは偶々よくできた偶然と考えるより、密集した現代社会の歪みから自閉症が増え、結果一部の才能に特化した人が増えているといった連鎖反応と言えるかもしれませんが、彼らが民主主義の問題点を見出し、人類存続のために次のステップに移行する必要性を感じて集い、社会を駆動する影響力を手に入れている事はなかなかに興味深いです。

『ザ・パターン・シーカー──自閉症がいかに人類の発明を促したか』 if-and-then思考とハイパー・システマイザー
https://honz.jp/articles/-/52667


中央集権的な社会と言うのは小さいコミュニティ(150人程度)では有効に機能するようですが、大きくなるにつれて機能不全を起こしがちになります。

テクノ・リバタリアンはこれをテクノロジーで打破すべきと考えています。

具体的な仕組みの代表としては「暗号資産通貨」があります。これらは誰か、或いはどこかの国や企業が管理しているのではなく、ただ最初に設計されたアルゴリズムを保証するブロックチェーン技術によってその価値が担保されています。

これは現在の貨幣制度が国家の信用に依存するリスクがある事から誰もが検証可能なアルゴリズこそが万人に平等なものである事を保証とする仕組みです。

このようにして国家を超えて全人類が権利を共有出来たら社会の仕組みそのものが変えられるというのが技術革新を信奉するテクノ・リバタリアンらでしょう。

そんな事が上手くいくのかと一般の我々は考えてしまいます。

成功した社会実装例ではコロナパンデミック下の台湾でマスクの販売情報を共有するアプリの例を挙げられるかと思います。

パンデミックでは世界中が混乱しましたが、こと台湾では初期対応に成功した事からある程度政府の対応が信頼されていた上、デジタル担当相のオードリー・タンらが情報開示のシステムを迅速に構築して情報提供しました。

マスクの販売情報は購入者各自が販売実績のある店の在庫数などを登録、リアルタイムで更新されるものであったことから安心感が広がり、台湾でマスクの買い占めのようなパニックはすぐに収束したと言われています。

これをもし従来型で政府が集計し、後日まとめて発表するような形であったあなら人々は不安に駆られ、必要以上にマスクを買い占めようとしていたかもしれません。

このように末端の一人ひとりが自由と責任の下にシステムに組み込まれていることが可視化されて実感できるような分散型社会が理想的かもしれません。

一方で、完全な分散型社会(クリプト・アナキズム)ではなくある程度の中央集権的な管理も必要ではないかと言う考え方もあります。

過去にアメリカのリバタリアンは建国当時の自由の気質が色濃く残るマサチューセッツ州(「自由か、さもなくば死を」で知られる)で「フリーダムステーツ」の立ち上げを目指しましたが、やはり、というか人々の間には軋轢が残りとん挫した過去があります。

過去には急進的なフェミニストが男のいない理想郷建設に集いましたが、やがて女同士で対立して失敗した例もあり、たとえ小さな規模であっても全く新しいコミュニティを作り出すことはイデオロギー如何に関わらずいかに難しいかが伺われます。

一足飛びに国家を解体して中央集権から解放するという事はそうそう起こり得ないだろうし、もし起きたら大混乱になるでしょうから、こういう小さい事象の積み重ねで少しずつ社会が便利に、より高度になっていくのかもしれません。

もっともテクノ・リバタリアンですら、高度に発達したテクノロジー、現在では人知を超えたAIが登場したら、諸悪の元凶は人類であるとして人類を抹殺するように動くというSF定番のディストピアを連想するものは居ますし、単にテクノロジー企業が最初の産業革命時に資本集約的な工場が家内制手工業や単純労働者を駆逐し、富を独占して工場労働者に分配しなかったのと同じように、テクノロジーで手に入れた富を還元せず、権力を独占して国家に成り代わるだけだという未来を予想するものも居ます。

そのため、テクノロジーにより全人類が労働から解放され、その収益を等しく受けとるグローバルなベーシックインカムによって余暇を謳歌したり、才能を研さんするのに費やしたりと人類が次のステージになる事も提唱されています。

いずれの世界になるか未来については分かりませんが、今のままの世界が続くという事もないのかもしれません。
Posted at 2025/11/16 13:40:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月12日 イイね!

片山さつき財務相、走行距離課税を政府として検討せずと断言

今日の参議院予算委員会で国民民主党の榛葉賀津也幹事長の「走行距離課税」に対する質問に片山さつき財務大臣は

「車は走るためにありますからすから、走行距離に課税するとあんまりだという声は本当に伺っておりまして、御指摘のいわゆる走行距離課税については政府として具体的に検討をしておりません!」

と語尾を強調して回答。榛葉幹事長も「ありがとうございます。今日寝れそうです」と応じ議場内に拍手が起きました。

「走行距離課税は検討していません!」片山さつき財務大臣の答弁に、国民・榛葉幹事長も拍手
https://news.livedoor.com/article/detail/29969786/


自動車が生活必需品の地方や運送業など負担増にならずひとまずは良かったですが、財務省としては何かの形でガソリン税の代わりになる財源を探しているものと思われますので油断はできませんが就任当初、元財務官僚という事で財務省の操り人形として振る舞うかと思われた片山大臣ですが、高市総理の掲げる日本成長戦略を受けて経済浮揚を目指姿勢が改めて確認されました。

帰省する度に地方が疲弊している事をひしひしと感じるだけに今後も注視していきたいところです。
Posted at 2025/11/12 20:03:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月06日 イイね!

河野太郎元外相、「フェラーリやポルシェに入れるガソリンを下げる必要はない」で炎上

12月31日に廃止することで与野党6党が合意したガソリンの暫定税率廃止について河野太郎元外相が地上波民放テレビ番組で「フェラーリやポルシェに入れるガソリンを下げる必要はない」との発言が炎上していました。

これについてX(旧Twitter)の自身のアカウントでもガソリン価格が安くなると燃費のよい車やEVへの買い換えや民間の技術開発への投資意欲を損なう事に財政投入は間違っている。真に困っている世帯や企業にピンポイントで支援すべき、との持論を展開しました。
https://x.com/konotarogomame/status/1985914337643675955


しかしこの暫定税率廃止案は物価高騰で苦しむ家計支援という文脈で国民民主党などが訴えてきたものですから地球温暖化だとか金持ちの方が優遇されるからといった理由で反対するのは筋が通らないでしょう。

こういった事を見抜いた国民やフェラーリなどの高級車オーナーからも実態を見ているのかと反対意見が殺到しています。

百歩譲って河野氏の発言趣旨が正しいとしても、それに代わる代案の方こそ強調して打ち出すべきで、暫定税率廃止についての個人の考えは二の次であるべきでしょう。

そもそも物価高で可処分所得が減っている家計でガソリン価格が安くならないから新車に買い替えようというインセンティブにどれくらいなると思っているのか。

日本の自動車平均保有年数は10年前後ですが、十年前の日本車の平均燃費13Km/Lを超えるくらいでしたが近年は20km/Lに近づいています。
しかし低燃費車で元を取るには約20万km以上走らないと損益分岐点を超えられませんし現在のHVやEVではバッテリーの劣化で性能は距離を走る程低下していく事になり、バッテリー交換では数十万円の上乗せ費用が生じます。

ガソリン価格が3倍や5倍ともなればさすがに買い替え圧力になるでしょうが1割、2割高くなったと言ってランニングコストを上回るイニシャルコストを掛けようとは思いませんし、買い替えるための新車一台製造するのと同じ車に乗り続けるのではどちらがトータルでCO2排出量が少なくて済むかを考えればユーザーの使い方は千差万別ですから買い替えれば良いんだ、という安易な話でもないでしょう。

更に日本全体のCO2排出量のうち、家庭部門の占める割合は全体の5%であり2010年頃から横ばいで推移していることを考えると家計部門を締め上げてどれほど二酸化炭素排出削減に寄与すると考えているのか。
フェラーリやポルシェを引き合いに出した話がますます頓珍漢に思われます。



政治家になると権益絡みで大局観を堅持するのは難しくなるのかもしれませんが、反対の為の屁理屈をこねている暇があるのなら自動車が生活必需品となっている地方などをどう支えていくかを考えなくてはならないという自覚を持ってほしいものです。
Posted at 2025/11/06 13:40:32 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月02日 イイね!

JAPAN MOBILITY SHOW 2025

昨日は東京ビッグサイトで開催されているジャパンモビリティショーに行っていました。

会場外、入口ではスーパーカーが並んでいます。


某湾岸暴走漫画モチーフでしょうか「ブラックバード」との事。リアにはRWBのステッカーも張ってありましたがオーバーフェンダーではないのか。


ロータス・ヨーロッパSP


ダラーラ・ストラダーレ。初めて見たかな。


これは何だろうと思ったLEGAVELO(リガヴェロ)。

鈴木亜久里氏が関わったAguri Edition V2Rのようです。
https://forzastyle.com/articles/-/75709

これは何?のカウンタック。

細部も違うし違和感の塊です。
帰ってから調べるとMR-SベースのLP500レプリカなようです。
https://www.automesseweb.jp/2021/06/27/687988

これらは日替わり展示だそうで開催期間中に入れ替わるようです。
日替わり展示
イーストプロムナード石と光の広場

https://www.japan-mobility-show.com/program/mobility_culture_program/daily_zone/

開場時間に到着したので下の階段まで入場待ちの人で溢れていましたが、スーパーカーを眺めているうちに大分空いてきたようです。
開催期間前半と後半に週末がありますが果たしていつが混雑のピークになるか。


■NISSAN
物議をかもしているエルグランド。


前回お披露目したコンセプトをそのまま出してきたようなツラ構え。


JMS2023の時のコンセプト ニッサン ハイパーツアラー。
Aピラーの処理とボンネットの張り出しは安全対策上仕方ない変更でしょう。


JMS2025開催と同時に偽装された開発段階車両を取材していたモータージャーナリストも解禁となったようで試乗動画が出てきましたが異口同音に走りを褒めていました。

ミニバンにそれを求めるのかと、異彩を放つフロントマスクの処理同様に迷走するNISSANを現しているかのように思われました。

こちらは2027頃日本導入が決まった「PATROL」

中東の富裕層がターゲットの車両との事でとにかくデカい。小型トラックくらいの感覚です。

ミラーにアラビア文字の印刷があります。

AI翻訳してみると要領を得ませんでしたが「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」(鏡に映る物体は見た目より近い)のアラビア表記のようです。

RZ34フェアレディーZ
マジョーラ―っぽいですが新色?


■三菱
いつもコンセプトモデルは良いんですけど、実際に出てくると・・・


■BMW
久々?今回展示のノイエ・クラッセ BMW M繋がりでマルニ・ターボが置いてありました。


■ダイハツ
こちらも事前情報多めの「K-OPEN」

縦置き三気筒エンジンのロングノーズで座席位置を低め、スポーティー感を演出。
ただピラーなど細部のツメは甘く、あくまでコンセプトとの事。

もう見かける事もなくなった三輪ミゼット

これをEVにしてシティコミューターとするミゼットXという事のようです。

今回「原点回帰」を打ち出しているメーカーが多かったように思います。
それだけ迷いがあるという事か、と思わされます。

■レクサス
モビリティショーだからというより幅広いライフスタイルを目指しているのか。


LFA後継モデルとの事ですがまだ市販バージョンではない模様。


六輪ミニバン。
後席のタイヤハウス張り出しをなくすために後輪を小径四輪とするアイデアのようです。


■モビリティ展示
ロボット開発で先を行く中国の宇樹科技のロボット思われます。
一体240万円ほどだそうですが現状、ドタドタ走り回って手を振るくらい。
人型であるのは人間の生活している空間構造に組み込めるからで汎用自律型で工場や介護などの現場に入れば社会が変わるか?
少子化の進む日本でも労働力不足問題対策に期待される分野です。


富士通の量子コンピュータ。

従来のシリコン半導体の1000倍以上の計算の計算能力があり実用化されれば計算資源が飛躍的に大きくなり、これまで不可能だった様々な仕組みが実現できると見込まれており日本の経済産業省も開発支援に力を入れている所です。

しかし現状複数のアプローチがありどの手法が本命になるか分かりません。
技術的課題はいくつかありますが量子揺らぎのエラー補正で従来の高性能シリコン半導体が必要となっておりこの計算工程がネックとなりビット数が上げられないでいます。

電動マルチコプターSKYDRIVEは大阪万博でも不発でしたがスペックともかく、日本では騒音と場所でダメでしょう。


商船三井の風力水素生産船「WIND HUNTER」


WIND HUNTER(ウインドハンター)グリーン水素生産・供給船
https://www.mol-service.com/ja/services/low-carbon-decarbonized-business/wind-hunter
風力で航行し、水中の発電タービンを回して電気分解で水素を生産するというコンセプトは面白いですが問題は効率か?

■HONDA
ビジネスジェットに飽き足らずロケットまで打ち上げてしまいました。



本業はともかく多角化を模索するのは経営安定化の手法ですが、手を広げ過ぎると裏目に出る可能性もあります。はたして吉と出るか凶となるか。


SUPER ONE PROTOTYPE

大きめと言う話でしたが、意外と普通。

Micro EV
懐古趣味のマイクロモビリティ。


■メルセデス・ベンツ
CONCEPT AMG GT XX
アストンマーティンみがあるような。


MAYBACH SL
3650万円だと有難みも半減では。ウソでも6000万円とか言って欲しい所です。


■SUBARU
パフォーマンスB STIコンセプト
これはすぐに市販されそうな完成度。


一方のデザインスタディーの方は???


スバルモータースポーツUSAのレオーネ・ツーリングワゴン
グッドウッドフェスティバルで走らせていたのと細部が違っているような。


■BYD
今回一番気になっていた仰望/Yangwang U9


品のないマクラーレンといった趣ですがアルファロメオで156、166、147や8Cコンペティツィオーネのチーフデザイナー、後にランボルギーニやベルト―ネからBYDに抜擢されたヴォルフガング・ヨーゼフ・エッガーの手になると知ると、急に趣深い感じすら漂ってきます。

こちらは「ラッコ」と言われていた日本市場を見越した軽規格のEV。

開発主任は元日産の方だそうで、後席両面スライドドアなどツボは抑えていて完成度も高い。
家電や半導体業界で日本人技術者が中国や韓国企業に好待遇で一本釣りされたものの、ノウハウを吐き出したら用済みという事で解雇されてきた歴史を自動車産業もでも繰り返す象徴になるんだろうな、と言う感じで見てきました。

多分、その開発主任の方が展示の隣にいて質問を受けていたようですが日産の次の安住の地を得たりと思っているのならその程度の人で、自分の方がBYDを踏み台にして世界の有名企業を渡り歩いて名を挙げてやる、くらいの気概でないなら使い捨てられますよ、と思いながら素通り。

DOLPHIN
ボンネットとワイパーガーニッシュの間の隙間は埋めずにそのままとか、本当に細かい部分は気にしていない様子。まぁ日本車がオーバークオリティ気味であるのですが安ければなんでも、という層は必ず居るので脅威です。


■HYUNDAI(ヒョンデ)
日本再参入でこんなコンセプトモデルを持って来るのは元気があってよい。


ぱっとみのデザインはよくまとまっているIONIQ 5ですが殆ど全ての部分でチリが合っておらず、これで600万円超のクオリティと言われると疑問です。
まぁそういった部分に余計なコストを掛けない中国や韓国企業の割り切りの良さがグローバルマーケットで日本企業にとっては脅威なんですが。


■KIA
こちらも韓国企業のKIA。
デザインは野暮ったい中国企業よりはるかにヨーロッパ車のように垢ぬけているのですが安全制とかそこらへんは気にしていないんじゃないかと言う感じを受けます。


■MAZDA
MAZDA VISION X-COUPE

やはり四枚ドアでした。

■YAMAHA
「初音ミク」のコラボ。
今のVTuberコラボの走りみたいなものか。こういうコラボものは本質からそれて安易な印象から批判も多いですが、まぁYAMAHAは楽器関係でも繋がりがあると言えるので分からないでもないですが。


■SUZUKI
修会長亡き後、どうなっているかと思いましたが謎のマルチ・スズキ推し。
インドでのCBG事業(酪農廃棄物の資源化)でウ●コ博士のキャラクターにはドン引きしました。


中国勢や再び戻って来たドイツ車展示、そして日産の経営不振など様々な思いがめぐるJMS2025でした。
Posted at 2025/11/02 16:16:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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「今日車検出してきたけど車検時の法定費用先払い、今は後払いになってた。
一回で済むならそれに越したことはないけど用意してた現金を口座の方に戻しておかないと。」
何シテル?   06/14 22:03
ネコとキャブを愛でるのが趣味の低年式オッサンです。
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