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銀河遼のブログ一覧

2023年12月23日 イイね!

絵心と機械設計、3D・CADの関係と人面モデリングの秘密。


私の仕事であった機械設計も、その後使い始めた3D・CADも、私自身としては絵を描くという作業の延長線上にあったのです。

機械設計と言う仕事は、絵を描くこととは無関係なものと皆さんはお考えになるかもしれませんが、私の中では極めて似通ったものであったのです。

そんな私ですが、小学生の頃から高校までの間では美術は常に高い評価を得ていたことがあり、特に正確に描写するという事と、現実に写生する事ではない創作絵画に於いてのレイアウトや描写角度などでは空間の使い方も得意な分野でした。

機械設計について特に誰かに教わったことは無く、自分の持つ絵画的空間認識を3面での2次元図に起こすだけでしたし、三角法による図面の書き方は中学校の授業で習ったもので完全に通用しました。(構造的な強度は計算式に当てはめれば出来るし、応力解析ソフトも利用できるので、そこは大きな問題は起きませんでした)

つまり機械の設計は製図力では無く、目的を具現化する装置の構成を生み出す事に在るので、その仕組みを頭の中で生み出すことが主体となって、方法を考え出して工夫する思考力は求められたのですが、それを形にする際の纏め方としては絵を描くようなバランス感覚が必要だったと感じましたし、特に全体的強度などは感覚的に描いた絵(図)であっても、計算結果と乖離する事も殆ど無く、強度不足と言った失敗は起きませんでした。

そんなことからも、私は畑違いと思われる機械工学の分野でも苦労する事も少なく、絵を描くがごとく自由に機械装置の設計をやれたのでした。(先ず「絵」有りきであり、「先ず強度計算」という事は在り得なかったという事です。)

其の後1995年~98年の頃3D・CADに出会って使う事になった時も、自動車用のアルミホイールのデザインを3Dで行う仕事が最初であったので、そこでも正に絵心が試されるような環境となり、自分の適性が大きくものを言う事になって、それまでその造形を粘土で行って来た会社の経営者が、最初に私の作ったアルミホイールの3Dモデルを見て、その破綻していないデザイン形状を見て驚かれていたのを思い出します。

これまで、多くの自分の部下たちに粘土でホイールを造形させてきたが、形になることは全く無く、「不格好に見える物しか作れない」という経験しか無かったのだそうだが、私が初めてホイールのデザインを3D・CADでモデリングした1作目を見て、その「バランスと形の良さに驚かれた」という事が有ったのです。

私は絵を描くように形状のバランスを取りながら美しく見える様にモデリングして寸法の中に収めたのですが、その時に必要だったのはCADの知識などは殆ど無関係でデッサン力そのものだと感じていましたから、私は「御絵描きが上手い」と褒められた様に感じたのでした・・・・。



上に挙げた3Dモデリングされた人面のキャプチャー画像にはモデル(手本)はありません。(写真などを見ながらモデリングしたわけでは無いのです。)
私が想像する脳内イメージを3D・CADでの2次元輪郭と2次元ガイドカーブを使ってロフトというコマンドで立体化したものなのですかが、輪郭は頭部の縦スライス断面形状に近い形をしていて、完全に自分の想像で起こした線であり、ガイドカーブもそれと直交する断面ラインに近いですが、それも想像で引いた線から成っていて、モデル生成後の顔の面を直接押し引きして調節出来るサーフェースCADとは大きく異なるものです。

つまりこの人面にはモデル(手本)が無いばかりか、実際の形を直接造形するようなラインが無い所から、多数の面に割り振られた数十本のスプライン曲線によって企画された、3D化されて初めて人面と解るような間接的で抽象的とも言えるスプラインガイドカーブから成っているという事なのです。

その手法のアイディアや描画指導はマニュアル(教本)に記載は無く、それ故、Solidworksで同じことが出来る人を見た事は無く、その作業を考案しつつ、思考力によって完成時の姿を想像出来た人しか同様なモデルを作り得ないことになり、それだけでなく、このような人体の頭部を絵に描けるような絵心が必要不可欠と断言できるのです。

上の3D図のような人面のデッサンを、頭の中で想像しながら鉛筆で描けない場合、ソリッドモデラー系の3D・CADで人の顔をモデリングする、はるか手前で挫折する事になるのは決定的です。
Posted at 2023/12/23 22:00:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 3D・CAD | 日記
2022年09月15日 イイね!

昨日のモデリング、キャプチャ画像について・・・・。


昨日アップした人体モデリングの画像について感じていることを書いてみたい・・・・。

私は、殆ど絵を描いている方々と同じ感覚になっていると感じていて、これらの人体モデルをモデリングしている時も、ブラシュアップしている時も絵を描く感覚にそっくりだと思う。

そして各部品を組み立てて評価し、又修正して、又組み立てる。そんな作業、を何度となく繰り返しているうちに、人体のバランスや顔つき、立ち方、手の位置や姿勢そのもの、といった具合に、自分の感覚で感じている理想の人間の姿を追い求めていることに気付く。



上のアングルで見た女性体CADモデルが私の最も気に入っているキャプチャ・ショットです。膝や足首の関節の部分を見れば組み立て玩具の様ですが、実際の人間の持つボリューム感や柔らかさも感じられると思うのですが・・・如何でしょうか?このヒップの丸みは大腿部上端をボールジョイントとして使うアイディアから生じましたが、違和感の少ない股関節として機能していて、我ながら、予想を超えて上手く繋がっていると感じています。(肩の関節も同様な思想によって造形しました。)

特に女性体のモデルを扱う時間は男性のそれに比べて倍以上の時間をかけているように思うし、段々と思い入れが加わって、この人体モデルに恋心に似た感情を持ってしまったように感じる事さえある。

もしかしたら絵を描く画家よりも、人形師のやっていることに近いかもしれない・・・、と思ったりもします。

それは、この3D人体モデルには写真などの実在するモデルが居ない事があり、手足の長さやバランスも、最初に自分の肉体を採寸して得た数値情報しか無く、そこからの創作ですから、言わば想像の産物なのです。

これらのパーツの膨らみ加減も、ボディーの筋肉の浮き上がりや骨格などの表現を含め自分としてやれると思う範囲で言えば半分以下しか達成できていません。

つまりこのモデリングの完成度は50%に満たないのです。

どんな創作物も、そうした意味では未完成なものと言えるかもしれませんが、私のこの3Dモデリングの3D・CADの可能性を思う時、それはミクロンオーダーで変更ができる奥深さを持つツールであるところから言えば、絵画や彫刻とは比較にならない程の詳細さが表現できてしまう事からも、この先のブラッシュアップ作業自体はほぼ無限の奥深さを持っていると言える訳です。

このモデリングされた顔についても最初の頃からのことを思えば相当進歩して来たのですが、それを見てください。(以下参照)

↓ 人体モデルを供給し始めの頃約10年以上前か?



↓ 体を一新してから作った埴輪風の頭部は6~7年前か?



↓ ここからは、2021年以降、顔をリアルにモデリングするチャレンジの成果。









↓ 2022年になって、面の滑らかさも少し良くなった。





↓ 最近の物で光の当て方も工夫している。



この様な具合ですが、まだまだと言う訳です・・・・。

そうは言っても、3D・CADのソリッドモデリングでここまで描いているオペレーターは業界を見回しても殆ど見かけませんから、もしかしたら地球世界的にもこうしたソリッドモデリングが可能な人は非常に少数の人だけかもしれないと思います・・・。

あと数年、私が元気なうちにどこまでやれるか・・・、解りませんね・・・・。
Posted at 2022/09/15 16:13:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 3D・CAD | 日記
2022年09月14日 イイね!

3D・CAD用人体多関節モデルの無償配布


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10年以上前から、私がSolidworksと言う3D・CADを使ってモデリングした人体の多関節モデルを、無償で差し上げますという内容で他のBlogでアップロードしていたのですが、今回、多少顔や耳などをアップグレードしたので、そのことをお知らせして、希望者に配布することにしました。

此の「みんカラ」の中では、多分希望者は居ないかもしれませんが、3D・CADをお使いの方でしたら、持っていても邪魔になるわけでも無いと思いますので、希望者がもしいらっしゃいましたら、コメントではなく、なるべくメール機能を使ってお知らせください。

JPGキャプチャで撮った画像をサンプルとして貼っておきます。 ↓

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以上ですが、ソリッドモデラーと言う3D・CADで人体を描くことはなかなか困難でありますので、使いやすさを含めれば意味は有ると思っています・・・・。

6年ほど前のモデルは以下の様なものでした。 ↓

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Posted at 2022/09/14 20:32:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 3D・CAD | 日記

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