こんにちは、スタッフSSです。
昨今ニュースを賑わせている
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故。ドライバーなら、尚更、気になるニュースですよね。
ペダルの踏み間違いに起因する事故は、平成22年から平成27年を通して、約37,800件も発生。
年間平均にすると6,000件超の事故が発生しているわけですね。
しかも、ペダルの踏み間違いと聞くと、どうしてもお年寄りが起こしやすい事故と思いがちで、実は事故件数としては29歳以下が約1万件と最も多く、次いで70代以上が9,600件、60代の5,800件と続き、30代~50代でもそれぞれ約4,000件と、まさに人ごとではなく、
すべてのドライバーに起こりえる、自分事として捉えるべき事故と言えるでしょう。
最近では、新車への「誤発進抑制装置」の標準装備は増えてきているとは言うものの、まだまだオプションだったりして、その場合は2桁万円のコストがかかる場合も。
そんな状況を解決したい!と起ち上がったのが、本日ご紹介する、山梨県は富士河口湖町に本拠を構える、
T.M.WORKSさんの『誤発進抑制装置』です!
オフィスからは、
雄大な富士山がどーんと。当日はちょっと雲が多く残念でしたが、やっぱり都内から見るのとは大きさが違いますね。
さて、T.M.WORKSさんと聞いて、ピンときた方も多いと思いますが、そう、
ブーストアップモジュールの定番製品、『RaceChip』の輸入発売元の“T.M.WORKS”さんですね。
RaceChip Ultimateは、みんカラの「パーツ・オブ・ザ・イヤー2017」の「サブコントローラー(燃調・カム)部門」で見事、
殿堂入りを果たしています。
さて、そんなT.M.WORKSさんが、なぜ、誤発進抑制装置を手がけようとしたかというと、そこは河口湖という環境が大きく影響しているそうです。
河口湖からの富士山の景色を求めて、国内はじめ海外からの観光客の皆さんが増え、店舗や自宅の駐車場から発進する際に、アクセルとブレーキを間違えて、誤発進して、街中を散策している観光客の方と事故を起こす危険性が高まってきているという話しを、T.M.WORKSの社長さんが、地域の会合で住民の方から直接聞いていたそうです。
ちなみに、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故の特徴としては、道路上ではなく、
駐車場などでの「発進時」の事故割合が高いのが特徴です。中でも特に70代以上のお年寄りの場合は「後退時」の事故割合が高いそうで、誤った操作に対して、パニックを起こしてそのままリカバリーできずに、被害が大きくなってしまう傾向があるようです。
これは何とかしなければ!と思いたった社長さんが、一年間かけて開発したのが、
こちらの
「誤発進抑制装置」なんです!
こちらの特徴としては、
0km/h~15km/hにおいて、ブレーキをアクセルを踏み間違え、アクセルを強く踏み込んだ状態でも車が急発進しない、というもの。
つまり、踏み間違えが最も起こりやすい、停車時から低速時において、ブレーキを踏む際の動作=強く踏む動作をした際に、アクセルが反応しなくなるわけです。
対応車種としては、非常に幅広く、基本的には電子制御スロットル搭載車に取り付けることができ、国産メーカーであればほとんどのメーカーに対応しており、海外メーカーでも一部を除いて、BMW、ミニ、フォルクスワーゲン、アウディ、フィアット、アルファロメオなどに対応しています。
ハーネスの適合表は、T.M.WORKSさんのサイトに掲載されているので、チェックしてみてくださいね。
⇒
[メーカー別ハーネス適合表はこちら](外部サイト)
電装系に詳しいみんカラユーザーさんなら、大体見ただけでおわかりになると思いますが、まずはこちらのケーブルでスロットルから信号を取得します。
そして、こちらのOBDII経由でスピード信号などを取得する、というわけです(トヨタ車の場合は、OBDII経由ではなく、カーナビなどスピード線から取得)。
ただし、取り付けとしては、基本的にショップさん経由での取り付けを推奨しており、ショップさんでの取り付けの場合、製品に付帯する1年間の傷害保険に加入できるようになっています。
最近では、お年寄りの免許返納という流れも話題に上がりますが、車以外の交通機関の充実している都会ではいいとしても、地方だと、車がないと買い物にも行けないという、やむにやまれる状況もあるわけで、そういった場合、
都会に住むお子さんが田舎に住む親御さんにプレゼントする、というケースも増えてきているそうです。
というわけで、実際に効果を体験しよう!というわけで、誤発進抑制装置を装着したデモカーのBMW 116iで試させてもらいました。
デモカーということで、わかりやすくアクセルペダルの裏から、スロットル信号を取得するハーネス線が見えてます。
OBDIIにもつないでありますね。
スロットルの開度など設定用に数値モニターが付いていますが、基本的には取り付けの際に設定すれば、あとは基本的に変更しないのでモニターも特に見えるところに設置する必要はないそうです。
では早速、Dレンジに入れまして、
アクセルをブレーキを踏むように、グッと強く踏み込んでみます!
すると、
“ピーーーッ”という警告音が鳴り、車は急発進しません!
次にリバース(後退)に入れて、同じようにアクセルをグッと強く踏み込みます!
同じように、警告音が鳴るだけで、急発進しません!
正直、アクセルを思い切り踏み込むのは、ちょっと怖いですが、あっけないくらい何も(警告音以外)起こりません。しかも、そのままアクセルを踏みっぱなしでも、誤発進抑止装置が作用し続けるため、
アクセルペダルから足を外して、ブレーキを踏む余裕も生まれます。
尚、この時、AT車のクリープ現象は発生していますので、完全に動かないわけではありませんが、留めを越えるような推進力は発生しないわけで、様々なケースの考えられるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故をゼロにはできないでしょうが、停止状態から低速状態において、抑止できる誤発進事故は少なくないのではないか?そう体験して思った次第です。
尚、この1月から正式発売となったT.M.WORKSさんの誤発進抑制装置は、本体が27,000円(税別)で、車種別専用ハーネスが3,000円~(税別)と、求めやすい価格帯となっており、それにショップさんの取付工賃を加えても、新車のオプション料金よりは
グッとコストを抑えられるのではと思います。
また、新車だけでなく、
今乗っている車にもハーネスが適合すれば取り付けられるというメリットもあり、安全装置の普及を促進するという観点からも、公共機関をはじめ、各地のショップさんから引き合いが続々寄せられているそうです。
興味を持たれた方は、T.M.WORKSさんのサイトの製品ページで詳細をご確認くださいね。取り付けショップさんなどのご紹介もしていただけるそうですよ。
⇒[誤発進抑制装置の製品ページはこちら](外部サイト)
T.M.WORKSさんのYOU TUBE動画もチェックしてみてくださいね。
T.M.WORKSさんみんカラブログはこちらです。
⇒[ブログを見る]
あ、最後にT.M.WORKSさんのオフィスで見つけた試作品をご紹介しますね。
それがこちら、「鹿ソニック」です!!
近年、河口湖周辺では鹿が増えてきて、車との接触事故も増えているんだとか。オス鹿だと全損、メス鹿でも半損レベルになるケースが非常に多いそうで、相手が鹿だけに、車両保険に入っていないと、全額自己負担になる可能性も。
そこで、この人間には聞こえない高周波を発生する鹿ソニックをフロントバンパー内に設置し、車の接近を知らせるというわけ。
現在は細かなチューニングや、本体の小型化を模索しているそうで、こちらは近日発売となるそうです。
この製品も先日の東京オートサロンに出展したところ、他の同じような悩みを抱えている地方自治体からの引き合いが、すでに寄せられているそうですよ。
地方発信でユニークな製品を生み出すT.M.WORKSさん。これからは、“チューニング”に加えて、“制御・安全”も提供していきたいとのことで、期待してウォッチしていきたいですね。
では、また。