フランスのオセナートという会社の3月28日に行われるオークションで
こんな車を見付けました。
シトロエンのビジョウという車だそうです。
なんとなく名前を聞いたことがあるような気もするのですが、
少なくとも売り物を見掛けたのはこれが初めてだと思います。
それもその筈、この車は英国にあったシトロエンのスラウ工場で
英国向けに製造された小型クーペで、
生憎不成功に終わったため?に1959年の11月から1964年の8月までに
たったの209台しか生産されなかった車なのだそうです。
英国向け車両の為全て右ハンドルだそうです。
斜め後ろから。
この角度から見ると、ボディラインが一寸ベレットっぽいなぁって思いました(笑)。
2CVをベースにして作られている小さな車な為、横から見ると一寸チョロQっぽい感じです。
ボディはグラスファイバー製なのだそうで、車重はなんと、490kg位しかないそうです。
と言っても、調べてみたら、同時期の2CVの車重もその位らしいですが…(汗)。
エンジンは2CVと共通の425ccなのだそうですが、その空力的なボディ形状から、
巡航速度は2CVを上回っていたのだそうです。
説明文によると、1957年型のロータスエリートのデザインをした、
ピーター・カーワン=テイラーさんという方がこの車のデザインを手がけたのだそうです。
後ろ姿。
なんとなくDSを彷彿させるものがありますよね。
且つ、凄く可愛らしいと思います♪
しかし、私の目の錯覚なのか、写真の写り方なのか、
リアウインドウがやや左に傾いているように見える
(というより屋根全体がそう見える)のは気のせいなのかしらん(笑)?
トランクルーム。
このサイズの車としてはそこそこの広さがありそうですよね。
画像上方にロッドような物の端が見えていますが、
トランクリッドを開けた時にこれで支えるようになっているのでしょうね。
中央近くでしかもヒンジ側で支えるようになっているのが
面白いなと思いました。
エンジンルーム。
この景色はかなり2CVっぽいですね。
ヘッドライトがボンネットに付いていかずに残っていますし、インナーフェンダーも居るので
この状態で中央のみを覆うフードがあれば、そのまま2CVになりそうな感じですよね(笑)。
フロント正面から。
上記の通り、ヘッドライトがボンネットに付いていかない構造になっている為に、
ヘッドライト周りにはそこそこ空間が空いていますよね。
フロントグリルがかなり平板的な仕上げになっていますが、
これってオリジナルなんでしょうかねぇ?
なんとなく、ここでバランスが崩れている感じがするのですが…。
それを除けば前廻りも可愛いなって思える車ですよね。
室内の様子。
シンプルだけどなかなかスポーティに見える仕上がりですよね。
目についたのは嵌め殺しと思われるリアクウォーターウインドウの
ドアウインドウと接する部分にシールが何にも付いていない事ですね。
多分、それはドアウインドウ側に付いているという事なのでしょうが、
コチラ側に付いていないのはあまり見た事がない気がするので、
気になってしまいました。
しかし、ドアウインドウが下がった時にここにシールが見えない方が
スッキリして見えるでしょうから、
特にこちらが嵌め殺しであるなら尚更、このようにするのが正解なのでしょうね。
ダッシュボード。
プッシュプル式のシフトレバーやかまぼこ型のメーター、1本スポークのステアリングからして
アミ6に近い印象がありますよね。
右ハンドル車のみの筈なのに
シフトレバーの左側にあるサイドブレーキレバーが面白いですね(笑)。
ひょっとしてベースの2CVもこうだったのでしょうかね?
メーター。
最初見た時には、えっ、フルスケール80km/h?と思っちゃいましたが、
そういや、英国専用モデルだから80マイルですよね(笑)。
アミの本を見たらアメリカ仕様用のそれがやはり80マイルまでだったので、
多分アミ6と同じ物でそれからの流用なのでしょうね。
私の本には同じ14馬力の2CVは最高速度78km/hとありましたが、
上述の通り、説明文には空力的なボディ形状で
巡航速度は2CVを上回っていたと書いてあったので、
果たしてそれでどの程度最高速が上がったのかという所に興味がありますね(笑)。
いやぁ、ホント、可愛くて好いですよねぇ。
希少車故にボディパーツでなにかあるとマズそうですが、
走る機能に関する部分は2CVの部品でイケるのでしょうから、
そういう点でも好いなぁと思います。
その点、数が作られたアミ6はもっと好いと思いますが、
結構錆びやすくてその数を減らしたとの話で、
逆にその面ではグラスファイバー製のボディを持つこの車はそういう事もないわけですから、
本当に一長一短って感じですよね。
まぁ、でも私はアミ6の方がイイかな(笑)。
んで、気になるESTIMATEですが、15000~20000ユーロとの事で、
今のレートで行くと200万弱~260万強という感じでしょうか。
海外で程度の良いアミ6ベルリーヌがそこそこ良い値段がしていたりしますので、
そんな中、希少なこの車がこの値段ならば、案外お安いのかなぁという気もしますね。
この車、一台位は日本に入っていたりするのですかねぇ?
機会があれば是非とも見てみたいです。