先日、感じの好い220Sクーペを見付けましたのでご紹介させて頂きます~。
その車両はコチラ。
何がそう思わせるのか、私にも良く判りませんが、
とても好い印象を受ける220Sクーペです。
生産台数は220SEbクーペと比べれば桁違いにずっと少ないものの、
それなりの数が市場に出回ってはいるので、
少なくともネット上ではそれほど珍しいとは思わない車で、
何か珍しい特別な装備が付いている訳でも無いのですけれども、
凛とした感じで私的に一寸惹きつけられるものがあったのでご紹介するに至りました。
リア。
一寸リアのポジティブキャンバーが付き過ぎかな?という感じもしますし、
フロントに比べてリアの車高が高いですけれども、
300Sなんかでも結構後ろ上がりの傾向がみられるような気がするので
これが正解なのかもなァという気がしないでもないです。
私の220君でもそうですが、燃料の残量による姿勢変化が結構顕著なので、
空に近いとこんな具合になるのかもしれませんね。
最近気になるグリルバッチ(笑)。
このタイプは文字が細いですね。
文字や月桂樹の色が無くなってしまっていますが、
それが汚くない自然な磨滅的なものなので、経て来た時代を感じて好い感じですよね。
旗棒
111ならフェンダーの外側に付けそうなものですが、
面白い位置に付いていますよね。
クーペに社旗を掲げて走らせる事はなさそうですから、
ひょっとしたら、どこかの大使が使っていた車だったりするのでしょうかね?
サンルーフからのダッシュボード画像。
ワタクシ、最近思うのが、ポントンクーペはサンルーフ装着率が高いな、、、という事なんですよね。
私の感覚的な物なのであまり当てにならないかも知れませんけれども、
7割位は付いているような気がします。
因みにクラブのミーティングに出て来るポントンクーペは現在3台あるのですが、
3台中2台がサンルーフ付きなんですよね。
有償オプションだったのは間違いのない所だろうと思うのですけれども、
この装着率の高さは一体何なのだろうと思います。
しっかし、好い眺めだこと…。
今度はサイドウインドウ側からのダッシュボード。
シート生地はオリジナルなのかどうかが判りかねる所ですが、
なかなか味がある感じになっていますよね。
ウッドパネルの使用量では他のMBにもそれが多い車種がありますけれども、
ダッシュボードのウッドの造形に関してはポントン2ドアが一番凝っているんじゃないか、
という気がします。
メーターのケース単体では220SEb/250SEのそれも手が込んでいるとは思うのですけれども、
これのはメーターを収める部分はそれより単純な造形になっているとは言え、
それが単品部品ではなくて、ダッシュボードの上側の全幅に渡る
ウッドパネルの一部であるという事が凄すぎると思うんですよね。
220SEb/250SEのダッシュ正面も灰皿の所からステアリング側の端までは一体で
その板の正面が段付き構成になったままの状態で端の方で後方に曲がって行くという
複雑な造形の上に突板を張っている(しかもオリジナルの突板だと継ぎ目が判らない)のが凄いけど、
これも正面が手前に膨らんだ形状でやはり端の方で後方に曲がって行く造形になって、
且つそれが上面と連続性を持っているわけですからねぇ。
クワ~ッ、この部分のエッジが絶妙で素晴らしいですよねぇ。
ウッドが綺麗なので、恐らくやり直していると思うのですが、
クリアを厚く掛け過ぎず、且つ平滑に綺麗に仕上げられていると思います。
これって、、、
アシストグリップなんだろうなって思うんですけど、
こんなものをウッドパネルの一部で造ってしまうのも面白いですよね。
突板に使用されている木材はウォールナットなのだろうと思うのですが、
いかにも、というような派手な木目を使用していない所に好感が持てますよね。
この辺りの小部品も芸術品のような出来ですよね。
ドアのオープナーハンドルがこのタイプなので1958年以降のモデルだという事が判ります。
リアシート。
リアシートには折り畳み式の+2的なシートと
この通常シートの2タイプがありますが、個人的にはこちらの方が好きなんですよね。
後に座った事が無いのでどの程度の居住性があるか判りませんが(笑)。
リアウインドウ下のハットシェルフから立ち上がっている部分は
ヘッドライナーと同じ素材なんですね~。
見えていませんが、恐らくこの感じだとハットシェルフ自体も同じ素材を使っていると思うのですが、
W111クーペではここは革張りで更に220時代の2トーン革の場合は
ダッシュボードやサイドウインドウの下縁と同じ色の革が使用されています。
因みに2つ上の画像のように、
ポントンクーペ/カブリオレだとサイドウインドウ下縁がウッドパネルになっていたのが、
W111クーペ/カブリオレでは恐らく安全設計の見地から
それがパッド入りの革張りになるわけですが、
私的に、220SEbクーペ/カブリオレの初期型で2トーン革が使用されるに至ったのは、
『単なる』コストカットと見られるのを嫌ったのではなかろうか?と思ったりしています。
尤もダッシュボードのデザインからの連続性から考えれば、
サイドウインドウ下縁をウッドパネルにする事はあり得ない話だと思うんですけどね。
このポントンクーペでも6つ上の画像を見てもらうと判りますが、
ダッシュボードからのデザインの流れでサイドウインドウ下縁も
ウッドパネルになっているわけですからね。
エンジンルーム
エンジンは2007年にフルオーバーホール済みで、
キャブレターもその当時、新品に交換されているそうです。
全体的に仕上げられた車のようなのですが、
部分仕上げのオリジナルコンディションのような匂いのする、
私的に好ましい仕上げの一台だと思います。
お値段は79900ユーロで、今のレートで980万円弱だそうです。
2ドアポントンは上述の通り220SEbと比べるとかなり数は少なくて、
220Sクーペ 1251台
220Sカブリオレ 2178台、
220SEクーペ 830台
220SEカブリオレ 1112台
という感じですし、造り込みもとても良い車なので、
300S系があれだけ高価になってしまった事を考えると、
無論、そこまでは期待出来ないでしょうけれども、
もう少し評価が上がる事は期待しても良いのではないかなァと思ったりしています。
そうそう、一寸話は変わって、
先日ご紹介したグレイメタのお高い220SEbクーペですけど、
流石に高過ぎたと思ったのか、123000ユーロから99000ユーロに
一気に値下げされていました。
私としてはもう一寸頑張ってみて欲しかったですけど(笑)。
しかしねぇ、いきなり24000ユーロも値下げされちゃうと、
本当に車の値段なんか、あってないようなものだということになってしまいますよね。
尤も値下げ後の値段も日本円で軽く1200万円は超えているわけですから、
同じ車のオーナーとしてはこの値段で売れてくれる事を期待するばかりで御座います(笑)。