久しぶりに220SEbクーペで『これは!』と思える物件に出会いました~。
距離は128000キロほど走っていますが、ほぼフルオリジナルと言える
綺麗で丁寧に扱われてきた事が伝わってくる一台で御座います。
車屋さんの店内画像。
これ、メッチャ好い色ですねぇ。
メルセデスブルーという車名が入っている色だけにホントにイイ色です(笑)。
多分、2007年にドイツに行った時に、クラシックセンターの2番目の倉庫の入り口に鎮座していた
同型車の下側のカラー(カバーをここまで↓しかめくって貰えなかったけどその車は2トーンだった)
が恐らくこの色だったのですよね。
お外だとまた印象が変わります。
やはり屋内の方が色の深みが増すので好い色に見えますが、
外で見る色も清々しい印象で非常に好感が持てますよね。
小さいサイドマーカーが付いているのと
テールランプのウインカーがアンバーになっている事から
こりゃ、イタリア仕様だなと思いましたが、
説明文にもそのように書いてありました。
何時も書いていますが、本当にイタリア仕様は良い車が多いと思います。
コンディション、オリジナル度共に好い車が多い印象なので
イタリアの方はその車の出荷されたままの状態を好み、
且つ大事に扱う傾向にあるのかなァと思わされるものがあります。
画像上で唯一外見で気になる部分はアウトサイドミラーの位置が
メーカー取り付けの位置ではない所ですね。
私のがそうだったように、取り付けられていない左ミラーが添えられた状態で出荷され、
輸入元で取り付けされたか、オーナーが好みの位置に取り付けたのかもしれませんね。
と、思ったので過去にアップしたイタリア仕様の車両をチェックしてみましたが、
これと同じ位置に取り付けられたものもあれば、
メーカー指定位置のものもあるので、結局どちらなのか判りませんでした(苦笑)。
同じメーカー指定位置のミラーでも、
1963年以降のドアミラーの方がスタイリッシュだとは思うのですが、
見やすさは間違いなく1963年以前の方が良く、
この車のミラー位置はその折衷案的な考えから採用されたのだろうなぁと思っています。
ホイールはオリジナルの13インチで、タイヤも私のと同じミシュランXの
オリジナルサイズである7.25R13を履いていますね。
ワタクシ垂涎のサンルーフ付き。
ダッシュ画像を見るとスイッチが見当たらないので、
故障の恐れの少なくて好ましい、手動サンルーフだと思われます。
正直、220SEbクーペにこの手動サンルーフとパワステさえついていれば
私的には他に何のオプションも要らんだろうと思っています。
まぁ、それらにくわえて2トーンペイントや4座バケットシートなどが付いていれば
尚良いだろうとは思いますけど(笑)。
コックピットの様子。
シート等の革は説明文によると補修はしてあるようですが、
見るからにオリジナルの生地のままですね。
センターコンソールのカーペットも恐らくですが、オリジナルだと思います。
この汚れやすそうな生地がよくぞ綺麗な状態で、、、という感じであります。
問題は左右の足元のカーペットですね~。
そこには何やら敷かれていて、恐らくその下にもオリジナルのカーペットが
残っていそうには思うのですが、ウールなので縮んでいる可能性もありますし、
さらに運転席側は前半分がゴム?素材で、時間が経つとボロボロに崩れちゃうんですよね。
もしめくってみてオリジナルのカーペットがきれいな状態で出てきたら、
感動なのですけどねぇ。
ラジオなしのデリートプレート仕様になっていますが、
外見上でもアンテナがなかったのでもともとこの仕様だったと思われるところですね。
ステアリングホイール、ウインカーノブ、シフトノブが全て黒の標準仕様で
それがいかにも余分に弄っていませんよ、、、って感じがして好感が持てます。
今は猫も杓子もホワイトステアリングホイールでかえって黒の方が新鮮でいいかもって思いますね。
私もお金があったらこの3つを黒で揃えて、
気分によって白黒を使い分けるなんてことをやってみたいなぁと思ってしまいます(笑)。
因みに私のはデータカードで見ても最初からホワイトステアリングですが(笑)。
メーター廻り。
ウッドはウォールナットのようですね。
MBの本をタイプ別に何冊か書いているドイツ人のおっちゃんだったと思いますけど、
その著書の中で初期のW111/112の2枚扉においてウォールナットパネルは300SE用で
220SEbにはオプション設定すら無かったように書いていたのですが、
こうしてちゃんと装備されている車があるのに、何言ってんだって話ですよね。
ウッドパネルの種類がどのように決定されていた物なのかは
私にもハッキリ判らないんですが、
データカード上ではそれを示すコード等が無い事から、
恐らく選択された内装色で自動的に決定されるもので、
顧客サイドでウッドパネルの種類を指示する事は出来なかったんじゃないかと
私としては思っています。
で、先に掲げたこの車と(下側が)同じボディ色と思われるクラシックセンターの車両は
実は内装色も一緒なのですが、ウッドパネルはやはりウォールナットなのですよね。
お店は128000キロと言っていましたが、
メーターが一回りしているという事のようで、
正確には127219kmのようですね。
あぁ、この車のブロアスイッチにも透明のインジケーターランプ棒がついていないようですねぇ。
因みにこのサイズだと一寸判りにくいかもですが、
ウッドパネルは表面のクリアに細かくヒビが入ってしまっているみたいです。
ヒビはクリアの葺き替えをやらなきゃ治りませんけれども、
そのままでも磨けばそこそこ綺麗になりそうな気がしますけどね~。
メーター廻りを外したダッシュ画像。
本当にイイ感じですねぇ。
少しは綺麗にしたいですけど、それ以上の事はしない方が雰囲気が好いかもなァ
と思ったりもしますね。
右上角のウッドパネル。
こんな感じが本来の艶感なんでしょうかねぇ。
一寸残念なのはウッドパネルを固定している上側の鉄板ビスですね。
プラスが刻まれている面がまっ平の物を使ってしまっていますが、
これは下側の鉄板ビスのラウンドヘッドが正解。
更にネジの下にテーパーワッシャー?って言うのか判りませんが、
とにかく締めこんだ状態でネジの頭を縁取る形で見えるワッシャーを使うのが本当です。
これ、見栄えが全然違ってくるので、是非何とかしたい所ですね。
ヘッドライナーが一部でも写っているのがこの画像のみだったのですが、
ファブリック製の生地になっているっぽいですね。
年式的にはファブリックが正解なんですが、
何となく私のと同様に起毛タイプに張り替えてあるのかも?という気がします。
ドア内張。
この画像だと微妙な感じに見えちゃうけど、2トーン内装ですね。
一番判りやすかったのは上のサンルーフから車内を覗いた画像だったかもしれません。
多少薄汚れている雰囲気もありますが、雨染み等は見受けられず、
当時の革生地でこれだけの状態を保っていれば大したものだと思います。
エンジンルーム。
年式的に前期なので多分オリジナルであろう、前期型エンジンが載っていますね。
ヨーロッパ仕様でパワステが装備されているのは◎ですね(笑)。
案外付いてないのが多いので(笑)。
高速を飛ばす事が殆どであれば要らんかもしれませんが、
山道を軽快に飛ばしたいならば、やはりパワステはあった方が良いと思いますからね。
エンジンで気になるのはインジェクションポンプのオイル投入口の蓋の代わりに
やや斜め前に口を開けたパイプが立っている事ですね。
これ、口を塞がないと上手くないと思うのですが、
何故こんな状態にしているのかが『?』であります。
あと気になるのはウォッシャーポンプが電動化されている事と、
それに伴うものなのかどうなのかは判りませんが、リレーが1つ追加されている事、
バッテリーの脇でなにやら赤い配線が1本追加されている事、
バッテリーの固定枠が無くてそこにウォッシャータンクを吊るせない状態になっている事、
ブレーキオイルタンクの背後のリレーブラケットの下を通る筈のハーネスが
何故か上を通っている事位ですかね。
しかし、230SLは電動ポンプなのに何故220SEbクーペは足踏みポンプなんでしょうかねぇ?
足踏みポンプだとピューって位の勢いでしか出ないので
こうしてジャ~ッと出る電動ポンプにしたくなる気持ちはよく判ります(笑)。
何と呼ぶのか判らないのでパーツリストに書いてあったのを思い出して
今調べてみましたが、これは『タイププレート』と呼ぶらしいです。
車体番号下5桁は隠しちゃいましたが、我が220君の数百番後ろの番号を持つ車でした。
従って、車屋さんは1963年式と言っていたけれども、高い確率で1962年式だと思われます。
私のは11月の前半の出荷ですが、
オプション数の多さの為なのか、それは計算上出荷が遅れたと思われる時期なので、
車体番号が数百番後であるこの車と同じ頃の出荷だったかもしれません。
そうして生産時期がほぼ一緒ということもあり、
111021とそれから後の文字の規格が違う事、111021とその次の10までの間合いの広い事までが
私の220君と同じ感じになっていますね。
普段、カロッセリープレートと呼んでいますが、
パーツリストによると、これは『ボディ&ペイントナンバープレート』というらしいです。
H335なので、塗料メーカーはスタンドックスですね。
この時代はグラスリットが割と多い印象なのですが、
多分、色でメーカーが違っているのでしょうね。
因みに私のは上も下もグラスリットという事になっています。
(今は国産塗料ですが)
コアサポートへのボディナンバーの打刻も健在ですね~。
トランクルーム。
なんとなくですが、塗装が綺麗過ぎる気がするので、
正しいかどうかは判りませんが、これは塗り替えていそうなきがしますね。
このサイズでは判らんかもしれませんが、
窓に貼ってあるステッカーが好い雰囲気です。
復刻でイイから、こういうステッカー売ってないかなァ。
さて、いよいよ気になるお値段の方で御座いますが、
46500ユーロ、今のレートで730万円強って感じでしょうか。
ウン、安い!
円安ユーロ高の状況下でこのコンディションでこの値段という事ですから、
間違いなく安いと思います。
ただ、2007年にドイツに行った時にキンレで見た
4座バケット、休眠期間がない状況下での6万キロ台、詳細な整備記録付きという
より条件の好い同型車(車体番号はこの車と数十番差)が日本円で800万円だったと記憶しており、
確かユーロも今より高かった(記憶違いでなければ160円/ユーロ位だったと思う)ので、
やっぱり15年以上経過するとそれなりに高くなってきているんだなァとは感じますね。