改めて考えてみれば、我がライツ号2も製造されてからそろそろ30年が経とうとしているのですね。
30年前に身の回りを走っていた日本のクルマって…
ほとんど壊滅状態ですね。
博物館とかに行けば「標本」として保存されているものはあるかもしれないけれど、日常生活の中で普通に走れる状態で維持されているものはほとんど見かけません。
何故か…
そりゃ、クルマそのものの耐久性が乏しいことに加えて、やはりパーツが出てこないことが原因でしょう。
964であれば、万一不具合が起こって入院したとしても、骨だろうが皮膚だろうが内蔵だろうが、ちゃんと交換するもパーツが出てくるので、きちんと処置して治癒させることができます。
ところがパーツがなければ直せないし、ワンオフで一から作らないといけないとなれば、その費用対効果を考えると、クルマを維持していくこと自体を断念せざるを得なくなっちゃう…
その結果、よっぽどの名医が近所に住んでいるようなことがあれば別ですが、私くらいの気軽な気持ちで30年、40年前の国産車を維持するのはとんでもない荒行になってしまうわけで…
964も、一時そうなりかけた時期もありました。
クルマとしての価値が低迷すれば、お金をかけて維持する気力も失せてしまい、結果として多くの個体が乗り潰されてしまったのではないかと…
その後、ナローを筆頭に空冷911が脚光を浴びるようになって、その影響が964や993へと、MTのみならずティプトロニックの個体にまで及ぶようになって…
今後も当分、修理やパーツの心配はいらないでしょうね。
それでも、最近は新たな心配が…
やはり寄る年波には勝てないのか、知らず知らずのうちに劣化が進んでくる…
少し前まではボディにジャバジャバと水はかけるし、「雨の日に乗らないだなんて軟弱な」な~んて言っていたけれど、やはり防錆ボディだってちょっとずつ腐食は進み、ある時塗装面がプクリと膨れていることに気付くことになる…
内装にしても、964の内装は、良くあるような表面の変質やベタつきは見られないものの、今後、いつどうなるのか予測がつかない…
もちろん、床の間に飾っておくような乗り方をするつもりは毛頭ありませんが、過去から託されたもの、未来に託すもの、自分だけのものではないことをよくよく心に刻んで、丁寧に乗っていかないと…
と、再認識しているところなのであります。
Posted at 2021/05/22 21:43:13 | |
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