
今日の山口は曇り時々雨。街路樹の紅葉はピークを過ぎつつあり、かなり散ってきています。天気が良ければカメラを持って近場で紅葉撮影をしておきたかったのですが、今このブログを書いている時点でも雨が降っているので断念。来週末に天気が良ければどこかで写してこようかと思っていますが、もうそれほど残っていないかもしれませんね。

アコゴンはというと、現在193,000Kmを越えたところ。あと7,000Kmで20万Km到達です。
エンジンは特別問題はなく、20万Kmに届こうかと言うエンジンにしては極めて静かで滑らかだと思います。強いて言えばアイドリングでの振動は少し大きくなってきましたが、エンジンの振動というよりもマフラーの音振のほうが影響している感じです。
今日は少し蒸し暑いくらいだったのでエアコンをかけて走りましたが、カラッとした乾いた室内がなんとも気持ちよく、ガラスサンルーフから入り込む曇り空の明かりとともに心地よく走らせることができました。
ゴミ捨ての往復ドライブですけどね(~-~;)。
さて、今日はまた懐かしみのカタログをアップしておきます。

今回は1984年(昭和59年)8月に登場したX70系チェイサー(前期型)でいってみたいと思います。
因みにX70系はすでに
マークⅡの前期型をアップしていることもあり、今回クレスタとチェイサーのどちらにしようか迷ったのですが、最近CS放送で流れている「太陽にほえろ!」を見ることが増え、何となくチェイサーを先にアップしてみたくなったのでこちらを先に懐かしみたいと思います。

先代X60では4ドアセダンと4ドアHTの2種類のボディが用意されていましたが、X70からはマークⅡのみ4ドアHT&セダンの両ボディを持たせ、よりスポーティなイメージを持たせたチェイサーは4ドアHTのみ、クレスタは端正な4ドアセダンのみにしてそれぞれの役割を明確化させました。
作戦的にはなかなか上手いと思いましたが、同じ4ドアHTのマークⅡのスタイルが実にかっこよく、マークⅡよりも全長を少し短くしてよりスポーティなイメージを強調したものの、マークⅡの優秀なスタイルには勝てなかった・・・。そういう印象があります。ハイソカーでよりスポーティなイメージを持たせるのはなかなか難しい時代だったかもしれませんね。
画像はデビュー当初の最上級グレード「AVANTE TWIN CAM 24」。X70系はデビューから1年後に「GT-TWIN turbo」が追加販売されたのですが、このカタログはデビュー直後のものなので、この「AVANTE TWIN CAM 24」が最上級グレードとなります。

同じく「AVANTE TWIN CAM 24」で、色はオプションカラーのパールシルエットトーニング。私個人としてはX70(X80も)チェイサーはフロントよりもリヤが好みです。70も80もスポーティな印象を持たせたわりにはフロントが少しあっさりしすぎかなぁというのが個人的な感想です。今見るとかっこいいですけどね。

こちらはスーパーホワイトⅡの「AVANTE」。
チェイサーにはマークⅡやクレスタには用意されていなかった装備がありまして、それがヘッドランプクリーナー。AVANTE系にリヤワイパーとセットでオプションでしたが、後期型からはこのオプションも確かなくなったと記憶しております。

インパネはメータークラスター周りがマークⅡと少し異なり、クレスタとは共通。X70のインパネはX80よりもデザイン的には上だと個人的には思っているのですが、メータークラスターの形状やサテライトスイッチのデザイン、メッキ調のスイッチボタンなど、使いやさすは別にしてユーザーの心を鷲掴みにする魅力があったと思います。
もちろんそこにはこのエレクトロニックディスプレイメーターの存在が欠かせなかったわけですが・・。

もはやこの色抜きではハイソカーを語れなかったのがこの時代・・・。最終的には90カローラにまでこの色は広がりましたね。私が高校生の頃、我が家のリビングにもこの色のソファーがあったことは内緒です(笑)。

エンジンは1G-GEUが大々的にアピールされています。初搭載はA60セリカXXでしたが、そのわずか1ヶ月あとに先代X60系のマイチェン時に搭載され、そのままスライド的に最上級エンジンとしてX70に搭載されました。
LASRE & PEGASUS。
この頃は最新技術にやたらこういった名称が与えられましたが、こういったイメージ戦略はトヨタは常に先端をいっていましたね。

トップグレードの「AVANTE TWIN CAM 24」に搭載の1G-GEU。
このエンジンは本当に名機ですね。私は未だにトヨタエンジンの中で1G-GEUが一番好きです。会社の後輩君が昔X70クレスタに乗っていたので一度だけ運転させてもらったことがありますが、走りは普通ですが音がいいんですよね~。バリバリーーっていうあの音が。
T-VISの仕掛けは、VTECのご先祖様とも言えますかね(笑)。

こちらは1G-Ⅱ。1G-EUをオールマイコン制御化にし、エアーフローメーター式のEFIもDジェトロニック式のEFI-Dにバージョンアップ。X60系で125psだった馬力は130psにパワーアップしました。

ここでの注目は左のM-TEUでしょうか。
M-TEU自体かなり長く活躍したエンジンですが、マークⅡ三兄弟としてみればX70系よりもX60系の方が搭載期間が長く、X70系では発売からわずか1年間の活躍しかありませんでした。ですので、M-TEUターボモデルはこのX70前期型の初期1年間のカタログでしか掲載されていないともえいます。

参考までに、M-TEUはこの時期マークⅡ三兄弟以外にクラウン・ソアラ・セリカXXにも搭載されましたが、そのあたりの年表を下手な表にまとめ、更に1G-GE・1G-GT・1G-GZも加えて比較してみました。
ピンク色がM-TEUですが、M-TEUは途中インタークーラーが装着され145psから160psにパワーアップしています。興味深いのが、そのエンジンが83年に行われたZ10ソアラとA60セリカのMCに合わせて搭載されたのに対し、翌年84年にFMCされたX70系三兄弟にはなぜか古いインタークーラ無しのM-TEUがそのまま搭載され続けたということです。
前述の通り、X70系に搭載されたM-TEUターボモデルは1年後に追加された「GT-TWIN turbo」によって廃止されるわけですが、わずか1年間だけだからそのまま145ps版で売られたのでしょうか・・・。それとも160psに跳ね上がることによって同じ馬力であった「AVANTE TWIN CAM 24」に与える影響を考えての事か。ソアラやセリカXXは格上に2800GTが存在していましたから160馬力同士の1G-GEUとM-TEUがあっても構わないのかもしれませんが、マークⅡ三兄弟は1G-GEU搭載車が最上級グレードでしたから、もしかしたらそのあたりで160ps版のインタークーラー付きを見送ったのかもしれませんね。

用意されたタイヤ&ホイールは6種類。一番左の60タイヤはAVANTE系にオプション。1年後に登場するGT-TWIN turboはこのホイールが標準になりますが、タイヤが専用のピレリーP6となります。特別印象に残りそうなデザインじゃないホイールかもしれませんが、私はこのホイールが大好きでした。ホンダの初代インスパイアもこれと似た印象で、大人の上品な印象を感じます。

この時代AT車など全く眼中になく、実際どの程度ATの比率があったのかは分かりませんが、そんな時代からATの性能を極めていたトヨタですから、そのアドバンテージはATが当たり前になった今でもきっと有利に働いているんだろうなぁと感じています。

4色の蛍光管から表示される進化したエレクトロニックディスプレイメーター。正直、最新のハイブリッドカーに見られる「チンドン屋」的発光表示のメーターよりもこっちのほうが見やすく、しかも品良く感じます。極めて主観的感情ですが・・・。
ホンダはデジタルよりもアナログの方がかっこいいと思っていましたが、トヨタはアナログメーターの指針に黄色(やまぶき色)を使う車が多く、ここだけが非常に残念・・・・。これも主観的な印象ですのでお許しを(笑)。

座り心地がどうだったかは覚えていませんが、乗り込んだ時の高級感、満足感はきっとオーナーさんは最高だったんでしょうね。
この当時からサイドサポートが可動するなんて、ホンダ車乗りからしたら信じられない・・・。

画像右のクイックハンドウォーマーは羨ましい!
私は冬になると手先が冷えるタイプで、運転中よく吹き出し口に手を当てたりします。こんな装備があると本当に助かるんだけど・・・。
DIYで何とか出来ないかな(笑)

三兄弟で唯一チェイサーにだけ用意されていた装備がヘッドランプクリーナー。この当時だとソアラが採用していましたね。もしかしたらリヤワイパーもチェイサーだけのオプション品だったかも。
それではグレード紹介。

トップグレードの
「AVANTE TWIN CAM 24」。
専用装備は電子制御サス「新TEMS」、2モードプログレッシブパワステ、ハイファイスピーカー、革巻きステアリングなど。
専用オプションはLSD、フロント&リヤスポイラー。そしてツートンカラーの中のパールシルエットトーニングもAVANTE TWIN CAM 24専用のオプションカラー。画像のオーシャンブルートーニングはAVANTE系にオプションです。
「AVANTE TURBO」 と
「AVANTE」。
アバンテ系での標準装備は、専用樹脂ホイールキャップ、ブロンズガラス(又はティンテッドガラス)、カラードマッドガード、ドアハンドルキー照明、ワンタッチオートエアコン、キー閉じ込み防止機能付きオートドアロック、キーレス作動パワーウィンドウ、4WAYバーチカルシートアジャスター、サイドサポートシーなど。
オプションは、オーシャンブルートーニング、ヘッドランプクリーナー、リヤワイパー、デジパネ、スーパーモニタリングディスプレイなど。
「AVANTE TURBO」 と 「AVANTE」の2グレードでTURBO専用なのが、195幅(70SR)タイヤ、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ。TURBO専用オプションは205/60R15タイヤ&ホイール、又は70HR規格タイヤ。室内装備は共通です。

6気筒の1G-Ⅱを搭載する
「SXL」。
6気筒車共通の4輪独立懸架とリヤスタビはあり。しかし6気筒車ならではの高級装備も多く省かれてしまいます。パワステ、パワーウィンドウ、パワードアロックはもちろんありますが、デジパネやワンタッチオートエアコン、ブロンズガラアス、カラードバンパーなどが省かれ、サテライトスイッチでのエアコン操作もなくなり、ある意味この時代のハソカー、そしてX70系ならではの憧れの装備はかなり省かれ、こういった装備の有無はAVANTE系とそれ以下で線引きされているのが装備表からよく分かります。

1800ccの4気筒エンジン1S-U搭載の
「XG-EXTRA」。
外観はブロンズガラスとカラードバンパーを備えるのでハイソカーならでの雰囲気はしっかり押さえていてAVANTEっぽいのですが、装備はSXLとそれほど変わらないので、あくまでも外観重視のグレードと言えるかも。

4気筒ガソリン1S-Uと2400ターボディーゼル搭載の
「XG」。
装備の詳細は省略させてください・・・

上記XGのエンジンに加え、2400ノンターボディーゼルを加えた
「XL」。
全グレード中唯一装備されないのが、ホイールアーチモール、バンパーも衝撃吸収ではない、パワーウィンドウや電磁ドアロック、イグニッション照明もなし。さすがに厳しい内容です・・・。

主要諸元表。
重量・燃費を見ると、良くも悪くも時代の違いを感じますね。

エンジン別諸元表。
偶然にも、1G系とM-TEUはボア×ストロークが同じですね。1Gは2000ccをずっと守り続けたエンジンですが、M型は3000ccまで広がり息の長いエンジンでした。エンジンブロックがとても頑丈なことでも有名でしたね。

ということでX70系チェイサー初期型はいかがだったでしょうか。何とくマークⅡHTとクレスタの人気に押されて少し地味な印象だったチェイサーですが、今見ると端正なこの顔の方がかっこいい気もします(笑)。
途中でも書きましたが、X70チェイサーは登場から1年後にツインターボエンジン1G-GTEUを搭載した「GT-TWIN turbo」が追加されます。そしてマークⅡやクレスタには存在しないチェイサー専用グレード「GT-TWIN turboS」も設定されました。そして2年後のMCでヘッドライトがフォグランプ内臓タイプになりグリルも高級感アップ。スポーティな雰囲気は減少しましたが、相変わらず出しゃばりすぎない高級感はチェイサーならではの魅力だったと思います。
次のモデルのX80系からは三兄弟の差別化、それぞれの魅力が私には分かりにくくなったのが正直なところで、特に4ドアHTならではのカッコ良さ、セダンならではの端正なスタイル、こういったそれぞれの魅力が丸いスタイルになってから伝わりにくくなったように思います。
X70系・・・、
私の中ではベストオブ三兄弟です。
(前期型CM)
(後期型CM)