
今日の山口は天気予報通りの雪。午前中は、10年に一度の大寒波とか、39年ぶりの暖寒波とか、ニュースで聞いていたものからしたら正直「え?こんなもん??」という積雪量でしたが、その後はジャンジャン降り続き、気が付けばかなりの積雪量になっていました。
今日は外気温が低く、道路の雪が融けないまま一日が終わった感じなので、もしかしたら明日の朝はまだ圧雪状態のままでアイスバーンには至っていないかもしれませんね。その方が通勤ではたすかりますけど。

アコゴンは今日全く動かさず。現在の積もってる量はこんなもんじゃありません・・・。

ダンクは朝からフル稼働。朝一息子の塾の試験で一往復。その後高校での三者面談で2往復目。更にまた塾へと3往復目。夕方の買い物とまた塾の迎えで合計5往復。ボディに積もる間はありませんが、外気温がずっとマイナスだっためつららが沢山できています。
そういえば、最近は雪が少ないため雪だるまを作っている光景をほとんど見かけませんが、今日は何度か見かけました。
うちの子も以前はよく作っていて、子供はやっぱり雪だるまの一つや二つは作って遊ぶ経験をさせてあげないと可愛そうだなぁとふと思ってしまいました。
さて、久しぶりの懐かしのカタログシリーズです。
今回は1984年(昭和59年)6月に登場したAW10系 初代MR-2でいってみたいと思います。ホンダ車じゃないのでメカニズム的なお話は軽めで、そして個人的な感想をダラダラと並べてお送りする事もいつも通りですので(笑)。
今回はみんカラのサーバーで大き目の元画像にしていますので、クリックで大きい画像で見ることができます。

今回のカタログは初代MR-2の中でもS61年にマイナーチェンジした後期型にあたるもので、その後期型でも序盤のものです。
このスパークルウェーブトーニングと呼ばれるホワイト/シルバーのツートンカラーは後期型からの設定だったと思います。高校生の時にこのカタログをもらって眺めていたなぁ~。

量産車としては国産初のミッドシップである初代MR-2。実は私にとって初めて見るリヤミッドシップのスタイルだったため正直違和感ありまくりで、第一印象は「かっこいい!」とは全く思わなかったのを覚えています。
その一番の理由は、短いルーフとそこから早々にストンと落とされるCピラーの位置や角度が好きじゃなかったからです。リヤにエンジンが搭載されるが故の仕方がない処理なのですが、当時の初代ソアラなどの国産クーペの端正なスタイルを見慣れていた私はリヤミッド搭載車のリヤエンジンフード面の長さに目が慣れず、同じ4A-G兄弟車の中でもダントツにスポーティなデザインの車だったはずなのにあまり気になる存在ではありませんでした。恐らくスーパーカー的なデザイン(イタリアンデザイン)がこの当時は好きじゃなかったのかもしれません。

しかし、やはり目が慣れればさすがはスーパーカー的なデザイン。圧倒的に低いボンネットフードにウエストライン、それにリトラクタブルヘッドライトなど、リヤミッドならではのデザインがかっこよく見えてくるのにそう時間はかかりませんでした。
初期型は確かムーンルーフがオプション用意されていたと思いますが、後期型はTバールーフが用意されてますね。雨漏りや剛性感などは無視して、私ならやっぱりこのTバールーフ付きが欲しいかな・・・。

後期型から追加されたパワーユニットがこのスーパーチャージャー仕様の4A-GZ。最近はこういったエンジンの透視図をカタログで見ることがありませんが、各パーツの位置関係がよく分かり、昔はこういう絵を眺めて内燃機関の勉強をしていたなぁと思いだしてしまいます。ルーツ式のスーパーチャージャーユニットも描かれていますね。

トヨタのリトラクタブルヘッドライトの車って、ライトアップしてもかっこいいんですよね~。多くのリトラの車がライトアップするとカエル君みたいな顔になるのに対し、セリカXXや70スープラ、MR-2にカローラⅡ三兄弟など、トヨタのリトラ車のほとんどが目じりの角度やハウジングの大きさなど、どれもがバランスが良く感じていました。個人的な印象ですけど。

私は限界走行、つまりサーキット走行はFF車であるインテグラとプレリュードでしか走らせたことがありませんが、高速コーナーでのリヤブレイクはFFであれば軽い逆ハン、或いはアクセルを踏むことで抑えることができましたが、後輪駆動車の場合はそこが難しいだろうなぁとよく思っていました。
このカタログではドラポジが車のセンターにあり、更に理想的な前後重量配分であることが謳われていますが、実際はどうなんでしょうね。ミッドシップとはいえやはりリヤエンジン。慣性力を思えばコーナーリングでの扱いはFRよりも断然難しい気がします。

このページではゼロ発進からの加速の鋭さが謳ってあります。
実は私の会社の後輩君が昔、まさにこの色のスーパーチャージャー仕様に乗っていたことがり、若かりし頃をカミングアウトするのはお恥ずかしいのですが、一緒に埠頭へゼロヨンをしに行ったことがあります。その頃私はB16A搭載のインテグラXSiに乗っていて、更に92レビンの後期型GT-Zに乗った別の後輩君も一緒に走らせたことがありますが、同じ4A-GZ同士でありながらハイオク仕様で馬力の大きな後期型レビンでもゼロ発進からして完敗。そのまま差は縮まらずゴールということがありました。リヤミッドの後輪駆動、そして即過給が行われるスーパーチャージャーですから、そりゃ加速は凄いはずですね。

MR-2は4輪ストラット。このMR-2の当時の足の評価は全く憶えていませんが、この次のMR-2(SW型)の初期型が某ビデオでかなり極評だったことを思うと、ミッドシップの足のセッティングって難しいんだなぁと改めて思ったものでした。

スパークルウェーブトーニングのG-LIMITED スーパーチャージャー。全長4m以下のボディでありながら寸詰まった印象は全く感じず、まさにスポーツカーというたたずまいですね。
後期型のMR-2は私の中ではこの色が一番印象に残っているのですが、そもそもMR-2ってツートンカラーがよく似合ってますね。この切削アルミはスーパーチャージャー専用です。

こちらはニューシャーウッドトーニングというツートンカラーでNAの4A-G搭載のG-LIMITED。この色はどちらかというと初期型でのイメージがありますが、サイドマッドガードは初期型では黒の樹脂だったのに対し後期型はカラードになっています。

スーパーホワイトⅡでNAの4A-G搭載廉価グレードのG。
これも個人的な印象ですが、MR-2の白はバンパーが黒ってイメージです(笑)。後期型でカラードバンパーになって洗練されたはずですが、なぜか私の中では黒いバンパーの方がしっくりくるのはなぜなんでしょうか・・・

なかなかシックな色のシートですね。初期型の派手なツートンカラーのシートと比べたら相当質感アップして見えます。

ステアリングは初期型のAE86レビントレノ共通品から少し変わりました。
助手席側のダッシュ上面をスラントさせてすっきりした印象を持たせているのですが、操作性を考えて手前に出っ張らせた空調&オーディオ操作部のパネルとの繋ぎに苦労しているように感じます。
低いドラポジと高いセンターコンソールの組み合わせとなれば、ATのグリップは必然的にガングリップ式に・・・。ここは鉄板ですね。

AE86レビン&トレノではエレクトロニックディスプレイメーターが設定されていましたが、MR-2は兄弟車でありながら設定は全く無し。ドリフトマシンというイメージが強い86こそデジパネが似合わない気がしますが、逆に言えば当時の86がミニソアラ&ミニXXという小さなスペシャルティスポーツという位置づけで登場した事がそのあたりから伺えますね。
でもメータークラスター設置のワイパー&ライトスイッチは86と同じ手法。ライトスイッチはまだしも、ワイパーはやっぱり一般的なステアリングポストから出るレバースイッチの方が操作性が良さそうですね。

エンジンとサスペンションのメカニズム説明のページ。
エンジンは3機種。
◆4A-GZELU(スーパーチャージャー)◆
・最高出力 :145ps/6,400rpm
・最大トルク:19.0kgm/4,400rpm
※ネット
◆4A-GELU◆
・最高出力 :130ps/6,600rpm
・最大トルク:15.2kgm/5,200rpm
※グロス
◆3A-LU◆
・最高出力 :83ps/5,600rpm
・最大トルク:12.0kgm/3,600rpm
※グロス
4A-GZのみ登場時期の関係でネット値で他の2機種はグロス値という、この時期ならではの分かりにくい関係になっていますね。
足回りは4輪ストラットですが、リヤは少し独特のアームになってますね。気になるのは装備表からスタビライザーがフロントのみというところでしょうか。リヤエンジン故に排気周り等の干渉でスタビが配置できなかったのでしょうか・・・。

トップグレードに搭載のスーパーチャージャーエンジン4A-GZELU。
過給装置としては重たくコスト増となるスーパーチャージャーですが、その中でもトヨタはシンプルでコスト面でも多少有利なルーツ式を採用していましたね。
その性能はカタログ数値以上に感じるもので、当時我が家の裏に住んでいた幼馴染が後期型レビンGT-Zに乗っていてよく運転させてもらいましたが、正直B16Aとは比較にならほど強烈な加速をすることに強いショックを受けた記憶があります。もちろんスタートダッシュの凄さが性能の全てではなく、カムが乗った時の研ぎ澄まされた高回転域の極上なフィールは4A-GZの比ではありませんでしたけどね。

エクステリアのページ。
リトラを採用した車でいつもデザインで苦労して見えるのがノーズ先端の処理。直線的にボンネットラインをデザインすると必ずアゴが一段上がった処理となり違和感がつきまといます。MR-2ではここをノーズ先端だけストンと下げて、サイドラインと上手く合わせていますね。
私の大好きなA60セリカXXは、ここを上手くなだらかにスラントさせていますし、A70スープラも然り。しかしAE86トレノやカローラⅡ三兄弟のリトラはアゴのラインが高く苦労の跡が見えます。
その点、フロントエンジンでありながら驚異的なボンネットフードの低さを達成していたホンダのプレリュードは自然でしたね。特に3型の処理は逆にボンネットが薄すぎて別の意味で苦労したそうで、リトラの車ってカッコよく見せるのに意外と大変なんだと改めて感じます。
A60セリカのブラックマスクも抜群のカッコ良さ♪

トヨタはライトアップさせてもかっこいいのよね~。
電動リモコンミラーは後期の最後の方で可倒式に変更された記憶がありますが、定かではありません(セリカXXも確かそうだったような・・・)。
アルミは左の切削タイプがスーパーチャージャー専用品。中央は初期型から引き続きNAのG-LIMITEDに採用です。

オーディオの種類が凄い事・・・。この時代はオーディオの選択も楽しみの一つでしたね。今やダンシュパネルに嵌めこまれた純正品以外受け付けないものが多いですからね・・・
さて、ここからグレード紹介。

トップグレードのG-LIMITEDスーパーチャージャー(以下SCに略します)。
専用装備は、専用デザインのアルミホイール(6J幅)、SCステッカー、FRPエンジンフードバルジくらいでしょうか。
それ以外はNAのG-LIMITEDとほぼ同じ装備で、ブロンズガラス、ランプ消し忘れ警告ブザー、7ウェイスポーツシート、パワーウィンドウ&電磁ドアロックがG-LIMITED(SC&NA)専用標準装備品です。オートドライブはSC、NAの両G-LIMITEDにオプション。ただし、電動カラードドアミラーはSC専用装備です。
このカタログには画像が掲載されていませんが、SCにはGというグレードが存在し、こちらもNA仕様のGとほぼ同じ装備になっています。NAのGと違うのはSCステッカーとFRPエンジンフードバルジ、そして電動カラードドアミラーが追加されるくらいです。

NAのG-LIMITED。
装備はSCのG-LIMITEDとほぼ同じで、違うのはアルミのデザインと幅が5.5Jになること。そしてドアミラーは電動ですがブラックに。その他は全く同じです。

NAのG。SCのGもほぼこの外観になります。
ブロンズガラスが落とされ、サイドマッドガードもブラックに。リヤスポ、カラードルーフスポイラー、7ウェイスポーツシートがセットでオプション扱い、パワーウィンドウ&電磁ドアロックもオプション。
4A-GZと4A-G搭載車に標準となる装備は、ボルトメーター、オイルプレッシャーメーター、スペアタイヤカバー。同じく両エンジン搭載車でのオプションはTバールーフ。

1500ccのS。
リヤスポイラーとルーフスポイラーはオプションでも選べずTバールーフも設定なし。G-LIMITEDとの差は大きいですがGとの差はそれほどでもない・・・。
やはり差が大きく感じるのはエンジンですかね・・・。さすがに3A-LUの83馬力はミッドエンジンのスポーツカーとしてみれば少しばかり心細いものがあるかもしれませんね。

色々書きながらも、こっちを見るのが一番分かりやすいわけで・・・(汗)。

小さなボディの割には思ったほど軽くない・・、私が乗っていたインテグラXSiが確か1100Kgに届くかどうかでしたが、ミッドシップは意外と重たいのでしょうか。

横置き搭載ということでエンジン型式に“L”が追加されますが、長らくスポーツエンジンは縦置きが当たり前でしたからちょっと違和感がありましたね・・・。
そしてネット値とグロス値が同じカタログで入り混じったのもこの頃。4A-Gは92レビン&トレノでネット値となり確か120psだったと思います。

全長の短さも驚きですが、やはり車高の低さが際立ってますね。

というわけで、初代MR-2はいかがだったでしょうか。
これほどコンパクトな2シータースポーツは他社だとCR-Xくらいしか思い浮かびませんが、デザインアプローチは全く異なっていましたね。エンジンの積載方式が違うので当たり前といえば当たり前ですが、どちらも二人で乗るにはお洒落で決してハンドリングマシンという印象ではなかったのですが、この2台のその後はどちらも激速モデルに進化していき、MR-2は完全に2クラス上のジャンルに、CR-Xは完全にハンドリングマシンへと変わっていきました。
しかしこの2台の収まるべきジャンルはやはりライトウェイトスポーツのジャンルだったのではと思ってしまいます。そのポジションに発売当初から変わらずいるのがマツダのロードスター。ここのポジションって決して目立つわけじゃないけど、意外と存続させていくのが大変だと思います。車の進化にエンジンパワーの向上を求めがちな私達ですから余計にね・・・。
ホンダはCR-Zというハイブリッドでチャレンジしましたが、商売的には苦労してますね。トヨタはどうでしょうか。商売上手なトヨタですから、もしかしたら2モーター式のライトウェイトスポーツを出して結構売るかもしれません。