尻上がりな一台とマツダへの期待と。（デミオⅰ）

車いす仕様車と言うと、福祉施設の車両だとか、福祉タクシーなどをイメージする方が多いと思います。実際、街中をハイエースやキャラバンをベースにリフトを装着した車両が多く目につきます。
　個人的な記憶では、トヨタファンカーゴにスロープ仕様車が用意されてからというもの、個人が身内の介護のために車いす仕様車を購入するパターンが増えたように思います。それは、見た目が標準仕様車とほぼ変わらず、価格も手ごろだったことが大きいと思います。ちなみに、現行ラクティスのスロープ車は工場のラインで生産されているそうです。コストダウンにつながり、更に買いやすくなっていると思われます。
　背の高いクルマをベースにすれば自然な見た目になりますが、現行ラクティスのように背の高くない車両はハイルーフにするなどして対応します。
　ところが、初代および2代目デミオにラインアップされていた車いす仕様車「デミオⅰ」は、リヤの床を下げてスペースを確保し、その分リヤサスを伸ばして前傾姿勢にするという、面白い成り立ちをしていました。そんなデミオⅰを2世代立て続けに見てしまいました（＾＾；

　どちらもリヤに車いす搭載用スロープを持っています。何というか、見た目はなかなか「？」な車ですが、この使いやすいコンパクトな車体に車いすが搭載できるのですから、リハビリテーションセンターや介護タクシーには重宝されるでしょう。最近は背の高い軽自動車ベースのモデルも増えましたが、やはり普通車ベースの方が余裕があるような気がします。
　私自身も所有する現行デミオは、初代や2代目のような「ミニワゴン」的なモデルではなくなってしまったので、いくら改造しても車いす仕様車は成り立たないでしょう。現在のマツダ車としてはフレアワゴンスロープ車がありますが・・・スペーシアのOEM車ですからね。マツダ自社開発のスロープ車ってのは見られなくなりました。
　
　スカイアクティブで勢いに乗るマツダさん、スロープ車に限らず、福祉車両のラインアップは古いミニバンベースの可動シート搭載車ばかりと、かなり寂しいことになっています。ボチボチ、福祉車両の方にも力を入れてほしいと思います。かつては熱心だったんですから、このデミオⅰたちのように。