
近年品薄で欲しいアイテムが手に入らない事が多い
バンダイスピリッツのプラモデル"ガンプラ"。
特に人気の宇宙世紀ガンダムの1/144スケール
通称"HGUC"シリーズにて再販希望を集めて
正式に受注生産を行う企画が告知されました。
ガンプラで正式な受注生産が行われるのは
恐らくこれが初めての事だと思われます。
今回のHGUC受注生産企画は
これまでに発売された一般販売HGUCアイテムの中から
再販希望投票で1位になったアイテムを
一般販売とプレミアムバンダイで再販するというもので、
このうちプレミアムバンダイでの販売は
注文受付期間中であれば必ず購入できる受注生産となります。
また、その際に生産された商品は一般店頭販売へも出荷されますが、
プレミアムバンダイでの受注生産の方は
一般販売のものとは異なる特別パッケージになるかもしれないとの事です。
・再販するHGUCは過去に一般販売されたもの
・HGUCと連番になっていてもSEED等の宇宙世紀作品以外は対象外
・再販時期は未定
・投票はひとり2アイテムまで、期間中1回のみ(PB会員登録必須)
・再販アイテムはプレバン(受注生産)と一般販売(通常再販)で同時発売
・プレバン(受注生産)版は中身同じで特別パッケージになるかもしれない?
・投票結果次第では1位アイテムではないアイテムが再販されるかもしれない
・再販が決定したアイテムは再販が確約されるだけで、
それ以外のアイテムが再販されない訳ではない
といった感じで、投票対象アイテムは
企画特設サイトに掲載されているものに限られます。
プレバン限定等一般販売以外で販売されたものは除外されています。
最近は少しずつ生産数や再販が増えてきているところではありますが、
市場ではまだまだ品薄が続いていて
特にHGUCは再販のたびに早朝から販売店にパ二屑が群がっていますよね。
来年からバンダイスピリッツの新工場が稼働を始めて
生産量が徐々に増えていずれは現状より倍増すると思われますので、
今回の企画はもしかしたらこの先の展開を示唆するものなのかもしれませんね。
欲しいものがある人は投票しておくと良いと思います。
これまでバンダイスピリッツのプラモデルは原則として、
生産ロットごとに需要見込みや商品展開等の戦略から
予め生産数を設定して、そこから受注を行ってきました。
一般販売アイテムやプレバン等の直販限定アイテム全てそうです。
プレバンで1次がすぐに売り切れたり長期間残っていたりで
人気がある無いと即決めつける人がいますが、
こういうのも「設定された生産数」と「実際に入った予約数」で変わりますので
人気があまり無いアイテムでも1次の生産数が少なく設定されていれば
1次がすぐ売り切れたりしますし逆もまた然りなので、
1次瞬殺で2次が数週間経っても売り切れないとかは
人気よりも生産数設定の影響が大きかったりもしますね。
これに対し受注生産はロットの生産数を先に決めず
注文受付期間中に集まった注文数に応じて生産数を決める方式です。
この方法だと争奪戦とかは無く期間中であれば
欲しい人は必ず買える安心感がありますので
よく受注生産にしろと言われるのですが、
実は受注生産は簡単にはできない理由があります。
生産数を先に決める従来の方式だと
数ヶ月から年単位での長期の生産スケジュールを立てやすくなる為
ガンプラだけでも膨大な商品数があるうえに、
他の商品も合わせると生産管理がとても大変になります。
そういうバンダイスピリッツのような大量の製品を展開する大企業には
とても効率的な生産活動が行えるのです。
逆に受注生産にすると注文受付期間が終わって初めて生産量が確定するので、
そこから生産スケジュールに組み込む為の各種調整が始まり
実際に受注生産アイテムが生産されて出荷されるのは
相当先になる訳です。
わかりやすくガンプラで説明すると、
>受注生産方式
・受付期間中であれば必ず買える
・発売まで早くても半年後、遅いと1年以上あと
>見込み生産方式
・タイミングを逃すと買えない
・発売まで数ヶ月
ガンプラという商品の性質を考えると
受注生産がどれだけ向いていないかがよくわかると思います。
そもそも今の品薄はメーカー側に責任は無く
身勝手なユーザー側が勝手に引き起こした現象ですので
バンダイスピリッツ側の対応が遅れるのは当然の事なんですよね。
しかも事態の混乱に拍車をかけているのは
パニック買いと呼ばれる、再販の度に必死に買い漁る人たちです。
転売ヤー(個人ではなくマケプレ等の高額販売業者が大多数)の影響は
言うほど大きくは無いのです(でも無視できるレベルでも無いけど)。
それもあってメーカーは市場予測が全くできず、コロナ禍前から立てていた
年単位の生産スケジュールが狂わされまくっているのです。
なのにメーカーが悪いと文句を言うパ二屑が多いこと…。
本当に、メーカーや販売店の方々が可哀想で仕方が無いですね。
今回の企画でもいつ再販されるのか時期が全く触れられていないのも
どんなアイテムが再販になるのか、どのくらいの数になるのかで
生産スケジュールの調整がとても難しいからで
今まで受注生産をほとんどしてこなかった事もあり
この先受注生産方式も行っていく事も考えての
手探りでの計画のようにも見えますね。
今後数回行われるであろう受注生産企画の結果次第で
バンダイスピリッツとしても受注生産も取り入れられるか
検討するという事でしょうね。
でも市場ではそんなメーカーの苦しみを微塵も理解せずに
身勝手なユーザーの自己中意見が今日も繰り返されるのですが…。